がーみんの歯科治療室

都内で歯科医院の院長をしています『がーみん』と申します。これまでの歯科医師人生で学んで…

がーみんの歯科治療室

都内で歯科医院の院長をしています『がーみん』と申します。これまでの歯科医師人生で学んできたことを元に発信致します! 御来院をお待ちしております。 https://ssc8.doctorqube.com/commongate-dc/

最近の記事

「診断」は病名をつけること

次のステップの「診断」とはわかりやすくいうと、病名をつけることです。診査で得られた情報と、さまざまな検査結果とを照らし合わせて病名をつけます。 この時点で病名が確定できないときの方法論として、「除外診断」という方法をとることがあり ます。これは、考えられる原因を除外していきながら、本当の原因を探り当てる診断法です。 「待機的診断」という方法もあります。これは、診査した時点では症状がなく判断できない場合に、症状が現われてくるまで待ち、出てきた症状を診断するものです。 また

    • 「診査」はなかなか難しいステップ

      最初のステップである「診査」は、患者さんにとっては当たり前のことを行なっているように感じるでしょう。 しかし、これはなかなか難しいステップなのです。 というのは、患者さんの訴えを聞き、不明なところは尋ねながら患者さんが本当に望んでいることを確認する作業(問診)は、歯科医師と患者さんの間でスムーズにコミュニケーションができていないとうまくいきません。 たとえば、来院される際に、最初から患者さん自身で痛みの原因を決めつけていたりすると、歯科医師がいろいろな可能性を探りながら行

      • 歯科における専門医の仕事

        次に、そもそも専門医とは、具体的にどのような治療を行なっているのか、「歯内療法」を例に、ご紹介したいと思います。 歯内療法では、歯の内部を治療する根管治療が中心になっています。この治療を受ける患者さんは非常に多いのですが、自分がどのような治療を受けているのか、十分に理解されていない方が多いようです。 歯内療法における治療の分類 ①歯の神経を残す治療(歯髄温存療法)  深い虫歯の場合でも、今まで痛みの経験がなく、冷たいものや熱いもので沁みることがあっても一瞬でおさまる場合

        • 歯科医師が診察で行っている3つの手順

          1.診査 たとえば患者さんの「歯が痛い」という訴え(主訴といいます)に対して、どの部分が、どのように痛いのかを各種検査や問診を行ない、明確にしながら、患者さんが本当に診察してほしいことを推察します。 各種検査と致しまして、レントゲン撮影、冷診、温診、電気診、打診、触診などがあります。 2.診断 【1】の診査をもとに病名を確定したり、除外・鑑別したりします。 3.意思決定(医療判断) 【2】の診断を元に治療の選択肢を患者さんに説明し、もっとも適した治療法を患者さんと

        「診断」は病名をつけること

          日本の歯科医師の現状

          日本とアメリカで、歯科治療の制度や歯科医師の教育が異なる方向に発展してきたのは、文化の違いや保険制度の違いなども影響していますから、単純に比較できないことは確かです。 しかし、そのことを踏まえてあえて言うならば、日本の古くからある収益構造が患者利益を妨げている面があると思います。 それには、日本の歯科医療の報酬がアメリカと比較して著しく低いことも関係しています。 一度の治療当たりの報酬が低いので、日本の歯科医師が経済的に安定するには、一般的には1日に多くの患者さんを診察

          日本の歯科医師の現状

          選択肢が多いというメリット

          このようなアメリカの歯科医療のシステムは日本の歯科医療のシステムとは異なっていますが、いちばん顕著な違いは「患者さんにとって選択肢が多い」ということです。 日本には専門医制度がないため、一般の歯科医師が専門分野の治療も行ないます(例外的に、口腔外科と矯正については積極的に分野を分けて治療を行なっていることが多いようです)。 また、行政の制度とは関係なく学会が専門医を定めていますが、一般医との明確な区別はありません。 いずれにしても、日本ではそれぞれの分野における専門医で

          選択肢が多いというメリット

          アメリカには一般医と専門医がいる

          臨床系が6分野 ・補綴専門医(かぶせもの) ・小児歯科専門医 ・歯周病専門医 ・歯内療法専門医 ・口腔外科医 ・矯正専門医 ☆基礎系(研究者や大学病院)が3分野 ・公衆衛生学(国の政策立案などに関与) ・口腔放射線学 ・口腔病理学 ここで、アメリカの専門医制度についてもう少し詳しくお話しします。 表にあるように、アメリカの歯科の専門は9つの分野に分かれています。 そのうち、私のような臨床系(実際に患者さんの診療にあたる医師)は6分野に分かれています。 臨床系には、こ

          アメリカには一般医と専門医がいる

          歯科医療の落とし穴

          日本における一般の歯科医院では、根管治療だけでなく、子どもの乳歯の生え変わりを診察したり、お年寄りの入れ歯を調整したり、ときにはインプラントの手術や審美の処置を行なったりすることもあるでしょう。こうして多岐にわたる治療のほとんどを行なっているのが日本の歯科医院の現状なのです。 そのような状況で、根管治療時に無菌的な処置をすべて行なうことは容易なことではないと思います。 そして、このことが日本で根管治療のやり直しが多い一因となっていると思うのです。 たった一本の歯のために

          歯科医療の落とし穴

          成功と失敗の差はどこで生じるのか

          当院には、 「以前、虫歯治療や神経をしっかり治療してもらったのに、なぜかまた痛くなってきた」 「治療後も鈍い痛みが続いている」 という患者さんがあとを断ちません。 そのような患者さんの歯を診査すると、虫歯などで神経に炎症が起こる「歯髄炎」や、歯根の尖端に炎症が起きて膿が溜まる「根尖性歯周炎」といった病気に罹患していることがよくあります。 これらの炎症は、歯髄そのものや、歯髄が通っている根管という空間に細菌が感染することによって起こります。 「感染」というと、人体外

          成功と失敗の差はどこで生じるのか

          日本の歯科治療における現実

          歯のトラブルが非常に多いことは、2011年の歯内療法学会誌の中で示された調査結果によってもわかっています。 その調査では、歯の根の治療に関する患者データをたくさん集めて分析しました。 すると、根管治療を行なったあと、同じ歯が病気に罹患している患者の割合は平均で60%程度だったというのです。 つまり、「日本の平均的な歯科医院での根管治療は、半分以上は失敗している」ことになり、患者さんの半分以上は治療のやり直しを余儀なくされていることになります。 しかも、これは遠い過去の

          日本の歯科治療における現実

          日本の歯科治療の課題

          1.日本には専門医制度が確立していない 2.先進国のなかには専門医制度が確立している国があり、そこでは専門医を養成する公的なプログラムや制度が確立されている 3.そうした国の専門医と、日本の一般医の間には知識と技術に大きな差がある 先進国の中には、歯科治療をさらに細かい専門分野に分け、それぞれの臨床専門医を養成している国がありますが、日本にはそのような制度がなく、専門知識や技術において後れを取っている。 根管治療は、もちろん日本の一般的な歯科医院でも行なわれています。 と

          日本の歯科治療の課題

          歯科恐怖症の怖くない痛くない治療法②

          歯科恐怖症の怖くない痛くない治療法の種類 歯科恐怖症の方にも対応できる怖くない痛くない治療法には、治療の内容とその目的によって様々な種類があります。 また、歯科恐怖症は、ほとんど精神的な要因が主原因ですので、一度、怖くない痛くない治療を受けてみて、歯科治療が怖くないと感じる事ができれば、その後は普通に歯科医院に受診できるようになる方も少なくありません。 *歯科恐怖症の方の虫歯を削らない治療法* ●プラズマレーザー治療『ストリーク』 プラズマレーザー治療 『ストリーク

          歯科恐怖症の怖くない痛くない治療法②

          歯科恐怖症の怖くない痛くない治療法①

          歯科恐怖症の方 過去の歯科治療で、怖い思いや、嫌な思いをした事で、歯科治療がなんとなく怖くなってしまっている、いわゆる歯科恐怖症と呼ばれる方は案外多いものです。 歯科恐怖症の方は、虫歯になっても歯科医院への受診をためらってしまうため、簡単には受診ができず、痛み止めを飲んでやり過ごす方も多々いらっしゃいます。 ところが虫歯は自然には治りませんので、だんだん虫歯が進んでしまい、気がついたら、食べ物が噛めないほどひどい虫歯になってしまって、食事はほぼ丸のみが習慣になってしまっ

          歯科恐怖症の怖くない痛くない治療法①

          子育て教育シリーズ 自己肯定感をつけるには③

          決めつけない 「子どもの能力は頭の良し悪しではなく、練習や学習によって必ず伸びる」と信じる。 資質を決めつけないためにどう接すればいい? 1.批判や褒め言葉に注意する →どんな方法でどれだけ努力し、どんな選択をしたかという「プロセス」をほめる 2.基準を低くしない →何がわかってないのか、やり方のどこがまずいのかに注目し、どうすれば直せるかを一緒に考える 3.「がんばりすぎ」にも注意する →子どもが本当はどんなことを望んでいるのか、子どもの声にじっくりと耳を傾ける

          子育て教育シリーズ 自己肯定感をつけるには③

          子育て教育シリーズ 自己肯定感をつけるには②

          家族の「一戦力」にする 子どもにとってお手伝いは「誰かの役に立つ」ことのできる貴重な機会。 ・子どもに頼れる家事はたくさんある →靴の片付け&揃え、トイレットペーパーの補充&交換、服の脱ぎっぱなしを片づける、食事の献立を考える、コップやペットボトル空き缶を片づける&洗う、おもちゃの片づけ、シャンプー洗剤の補充、ゴミの分別、お風呂掃除 ・子どもにまかせる ・社会のルールや危険なことを教える ・感謝を伝える 習い事をする① ・子どもの「やりたい!」を最優先に ・子どもに

          子育て教育シリーズ 自己肯定感をつけるには②

          インプラントは安全で有効性が高く、長期使用に十分耐えうる治療法である

          11. インプラントは安全で有効性が高く、長期使用に十分耐えうる治療法である インプラントは、事故などで歯が一本欠けてしまった人から、多くの歯を失って噛み合わせがうまくいかなくなっている人、歯周病によってほとんどの歯がグラグラしている人まで、広く適応可能な治療法であり、曲の再建術といえます。 一部のをインプラントにする場合は、他の健康な曲を削らずに治療できるのり大きなメリットです。ただ、入れ歯やブリッジのように外側から装着するのではなく、あごの骨に無め込む方法であることから

          インプラントは安全で有効性が高く、長期使用に十分耐えうる治療法である