『Scene Investigators』1章と2章のネタバレ、あらすじ、推理ヒント
はじめに
前にデモの感想とネタバレを書いたから製品版も書かねば。
間違っているところや解釈が分かれるところもあるかもね。
チュートリアル『予行演習』
他のステージは事件現場が精巧に再現されたものだが、初回はホワイトボードと証拠品がいくつかある程度の簡素なもの。
初回なので比較的親切で、どのような事件が起こったのか前提を説明してくれる。
ポートランドはアメリカ合衆国オレゴン州の街。
そこで銀行強盗が発生。一人の男が捕まり、逃走用車両も見つかった。男は共犯者二人の名前を明かした。また、付近ではヘレン・ターナーさんからの引ったくり事件も起きており、強盗グループが関与しているようだった。
以下の問いに答えるとクリア。
・逃走時のドライバーは誰?
・ヘレン・ターナーの財布盗難にかかわったのは?(複数回答)
名前入力は英語表記でも全角カタカナでもOK。ファーストネームだけでも、フルネームでも可。綴りがシビアだと英語圏の人たちが愚痴っているので、カタカナでいい日本語版は易しい。
推理のヒント(ややネタバレ)
・写真だけだと「全員同じ色じゃん」と思える容姿特徴も、書類上は別の色として表記されることがあるよ。
・身長差が2cm程度だと「自分より少し背が高い」って感じはしない。5cmぐらい高いと「ちょっと高いな」って思う。
・シワのあるお札と、ピン札があるのは何故か。
・同じ刑務所に同時期に入った人がいる。
回答編、あらすじ(とてもネタバレ)
回答
・逃走時のドライバーは誰?
カーター
・ヘレン・ターナーの財布盗難にかかわったのは?(複数回答)
カーター、アンソニー
携帯電話の持ち主は会話の中で、「ボスとは付き合いが長い」「ボスより年上」「ボスは幼い頃からの札付き」と話している。
3枚の犯罪経歴書を見ると、カーターとハリスは同時期に「ウィローベイ更生施設」で服役したことがある。
ハリスは28歳、カーターは35歳で、年下のハリス=ボス。携帯の持ち主=カーター。
ハリスをボスとした犯罪グループは、前々から銀行強盗を企んでいた。
役割分担はこう。
計画の進行……ハリス(ボス)
メインで強盗を行う役割。銃を突きつけ、場合によっては警備員や行員に暴力も辞さないだろう。ハリスは武装強盗の前科があり、荒事に慣れている。
補助……アンソニー
ハリスをメインにしつつ、共に行動。新参。
ドライバー……カーター(携帯)
仕事を終えた二人と金を回収。
参謀役……ロレンゾ
当日に同行はせず、情報収集と計画立案。
日時が決まったらロレンゾが知らせると計画書に書かれている。そのため、携帯電話の末尾4566のメッセージはロレンゾ。
ハリス(ボス)とカーターの関係について質問する末尾1330は、アンソニー。アンソニーは、ロレンゾの紹介で加わったばかりの新人。
形態の持ち主はカーター。残りの末尾4019はハリス。
銀行強盗当日、予定に狂いが生じた。
本来なら当日、15:15-15:35の警備が手薄な時間を狙って強盗に向かうはずだった。
14時頃、ヘレン・ターナーさんはカフェで友人と会い、宝くじで600ドル当たったと話した。その会話を、居合わせたアンソニーの知人が聞いており、知人も似たようなワルであるのか、アンソニーにその情報を流した。
ヘレンは宝くじを所持しており、食事が終われば換金しにいくようだ。
600ドルなんて10万円ぐらいなので、銀行強盗で得られる金に比べたら少額なのだが、ヘレンは40代の普通の主婦で、引ったくりなど容易そうだった。
アンソニーはこのことをカーターに知らせ、強盗前に引ったくりをやりたいと言った。後にヘレンさんは「自分よりも背が少し高い、黒髪の男」に襲われたと証言した。ヘレンさんは165cmで、アンソニーは170cmで「少し高い」、そしてアンソニーは黒髪。他二人は茶髪の167cmで、まあ「少し高い」ではあるが、5cm未満だと僅差であまり高いという印象は受けないだろう。
カーターは宝くじ引ったくりについてハリスに相談した。ハリスはアンソニーをまだあまり信頼していなかったが、他の件で能力は確認済みなので許可した。だが、それが失敗だった。
アンソニーは宝くじ引ったくりと、ATMでのくじの現金引換には成功した。なので、600ドル分はピン札で、残りは元からヘレンさんが持っていたものなのでシワがついている。
逃走するアンソニーをカーターが車で拾い、これにて引ったくり事件は実行犯アンソニー、運転役カーター、という組み合わせになる。
引ったくりの時刻は15:10。そこからATMへ。そして銀行強盗に適した時間は15:15-15:35。かなりのタイトスケジュールである。強盗前に余計なことをして時間を食ったせいか、その際に通報されてしまったせいか、小金とはいえ600ドルGETに浮かれたせいか、強盗は失敗に終わった。チャンチャン。
事件ファイル『失踪』 シナリオ1
いくつかの事件がある今作の中でも『失踪』は一番人気が出そう。
『失踪』は3つのシナリオで構成され、問いのうち半数以上を答えると次のシナリオが開放される。
質問
・9月6日の午後2時に、皆がいた場所は?
キャサリン
トーマス
ヘイゼル
ニコラス
・医療費は健康保険で負担されますか?
・9月18日に子供たちを迎えに行ったのは誰?
シナリオ1の推理ヒント(ややネタバレ)
・名前と苗字だけが出ている人は、同一人物かもしれない。
・日記の足し算は、買いたいものについて。そのお金はどこから出てくる?
・知らない人と会わせる時は、子供が緊張しないように「あなたのママのお友達」って言ったりするけど、本当に友達とは限らない。
・CPSはChild Protective Services(児童保護サービス)のこと。
・半開きの引き出しは開けられることがある。
シナリオ1の回答、あらすじ(とてもネタバレ)
回答
・9月6日の午後2時に、皆がいた場所は?
キャサリン 4572番チャーター通りサンタクララ市カリフォルニア州
トーマス 4830番サンライズ通りラスベガス市ネバダ州
ヘイゼル 2839番ガーナーズ・フェリー通りロサンゼルし市カリフォルニア州
ニコラス ヘイゼルと同じ
※初期は「サンライズ」が「サンシャイン」になっていたが今は直ってるっぽい。
・医療費は健康保険で負担されますか?
いいえ
・9月18日に子供たちを迎えに行ったのは誰?
ハンナ・オルソン(名だけ、姓だけでも可)
あらすじ
キャサリン・パットンはシングルマザーで、娘のヘイゼル・ウッズと息子のニコラス・ウッズを育てるため、日夜懸命に働いている。まだ二人とも幼い小学生。途中で苗字が変わると混乱を招くため、子供たちは離婚した夫ジョシュ・ウッズの姓のまま。元夫は月に700ドルの養育費を支払っている。
キャサリンは朝の6-12はダイナーで働き、13時から21時まではハウスキーパー兼介護士を務める。どちらも無資格でもできる仕事で、薄給だと想像できる。キャサリンの部屋には子供向けお絵かき教室のチラシがあり、通わせたいと思っているようだがその余裕はない。
小学校は最近、送迎に厳しくなった。朝7時のバスに連れて行くよう指導があり、迎えにも行く必要がある。キャサリンは働いていて行けない時間だ。子供たちの食事も心配なので、ジーナという子守を雇い、送りは出来ないが、迎えにだけは行ってもらった。金に困っているキャサリンは賃金の支払いがなかなか出来ず、ジーナは9月末で辞めることになった。長時間労働と貧困に苦しむキャサリンは、鬱病の薬を飲んでいた。
キャサリン宅で暮らすのは母子3人だけではなく、キャサリンの婚約者であるトーマス・ハリソンもいる。トーマスは都合がつく時は食事作りや子供たちの迎えを行い、優しい良いパパになりそうだった。子供たちにも慕われている。
だが、トーマスには悪癖があった。ギャンブル狂いなのである。借金をしてでもカジノに通ってしまう。キャサリンや子供への愛情はあったが、賭け事がやめられない。キャサリンの友人も、あいつとの結婚はやめた方がいいと苦言を呈する。
働き詰めのキャサリンは、トーマスもジーナもいない時は自分で食べ物を買うようにと、子供1人につき6ドルを毎回渡していた。娘のヘイゼルは、そのお金を食べ物に使わず、こっそり貯めていた。学校の友人らが持っている着せ替え人形を買いたかったのだ。5回ご飯を抜けば買うことが出来る。
質問文にある9月6日。ヘイゼルは貯めた30ドルを持って、弟のニコラスと共におもちゃ屋に行った。成長期なのに食事を何日も抜いていたヘイゼルはそこで栄養失調で倒れてしまった。ニコラスが助けを呼び、入院することになった。
命に別状はなかったが、医療費が高くついた。一家は健康保険に入っていなかった。トーマスは入っていたが、まだ「婚約」の段階なので、義理の娘ヘイゼルには適用できなかった。
9月6日に子供二人がおもちゃ屋に行った時間、本来はトーマスが子守をしているはずだった。トーマスがいれば、ヘイゼルの異変に気づけたかもしれない。子供の足で行ける範囲とはいえ遠出した先で倒れることもなかった。子守をせずにトーマスが何をしていたかと言えばギャンブルである。同じ時間に、キャサリンは働いていた。
9月8日、ヘイゼルは学校で先生に「ママの友達」という女性・ハンナを紹介され、色々とおしゃべりした。ハンナは実は友達などではなく、CPS(児童保護サービス)の職員である。日本で言えば児童相談所。栄養失調で倒れてしまうほど食事を与えられない危険な環境にいる、とヘイゼルはマークされたのだ。
また、キャサリンがあまり子供にかまってあげられないため、ヘイゼルより更に幼いニコラスは、リュックを持たずに手ぶらで登校して授業をまともに受けられない、ということがたびたびあった。情緒も不安定なのか、ニコラスは学校では問題児気味でもあり、その点からも案じられていた。
家庭の状況が大丈夫なのか、ハンナは頻繁にキャサリンに連絡した。キャサリンは忙しく電話にも中々出られず、ハンナ・オルソンについて「オルソンさんから何度も電話あり」とメモをする。
9月18日、ジーナは家庭の用事があるため子守には来られない日だった。キャサリンはいつも通り仕事に行き、子供たちの迎えはトーマスに任せた。
しかしトーマスはカジノに行ってしまい、熱中のあまり迎えに行けなかった。
その日、ニコラスはまたリュックを忘れて手ぶらで登校していた。そして迎えは誰も来ない。ハンナはもう看過することができず、子供二人を迎えに行き、児童養護施設に入れてキャサリンから引き離すことにした。
事件ファイル『失踪』 シナリオ2
シナリオ1は1998年ロサンゼルスで、シナリオ2は2018年マイアミ。20年も違い、またこの2つの都市は飛行機4時間、車40時間ぐらいの遠く離れた地。
『失踪』は誰かが消えることをテーマにした、関連性のない短編集なのか、それとも3つのシナリオになにかつながりがあるのかも探っていくことになる。
このシナリオ2を開いてすぐの画面、床に血痕のようなものがあり、いきなり不穏。
質問
・エマのお金を盗んだのは誰?
・マーリーが入院したのはいつ?(月/日/西暦)
・ジャニーンは別の所に引っ越したか?
・11月7日から11月15日の間に、フィリップは何回家庭内暴力を行った?
・17日にタトゥー屋の予約をしているのは誰?
・侵入者は誰?
シナリオ2の推理ヒント(ややネタバレ)
・スマホは裏側も見よう。
・キッズ携帯は微妙にシーツに同化していて見逃しやすいかも。
・金庫の下に2台携帯電話があるのも見逃しやすいかも。
・あちこちに置かれたスプーン、よく見ると焦げている。
・お客からクレームがあって、別の子が対応した日がある。その翌日になにがあったか。
・「家庭内暴力」は本当の姻族・血族という意味ではなく、ひとつ屋根の下の人たちぐらいの意味。
・タトゥーする予約を入れている人は、まだタトゥーがない人。
シナリオ2の回答、あらすじ(とてもネタバレ)
回答
・エマのお金を盗んだのは誰?
フランク
マーリーの客だったが、マーリーがキズモノであるためキャンセルして代わりにエマが相手をした。その際に盗んだ。
・マーリーが入院したのはいつ?(月/日/西暦)
11/12/2018
マーリーは仕事を辞めたくてとても憂鬱だった。11/11の夜に、気を晴らすためエマと二人でシャブパーティーを開いた。そして、マーリーはキマりすぎて仕事をこなせなくなった。咎められてマーリーは殴られた。シャブと暴力でマーリーは深刻な症状になり、12日に入院。連日の過労も原因。
・ジャニーンは別の所に引っ越したか?
いいえ
引越し先に着いたら連絡するように行ったのに彼女からの返事はない。ジャニーンのベッドに次に入った者は「オバケ」と間違われギョッとされた。ジャニーンは亡くなっている。
・11月7日から11月15日の間に、フィリップは何回家庭内暴力を行った?
3
11/10 ノルマをこなせなかったステファニーを殴る
11/11 シャブをキメすぎたマーリーを殴る
11/15 ローズを大量出血するほど暴行
数字は全角入力だと正解にならない。
・17日にタトゥー屋の予約をしているのは誰?
アイリーン
・侵入者は誰?
トーマス
あらすじ
ある住宅では、5人の女と1人の男が奇妙な共同生活を送っていた。その男フィリップ・ヘインズは女衒であり、女のうち4人は彼の商売道具。残りの女1人は、フィリップの実の娘アイリーン・ヘインズである。
フィリップは別に自宅も持ちつつ、女たちの住宅に通い、女たちを客のもとへ送り届けたり、自分も住宅に泊まることがあった。デリヘル経営者のようなもの。
アイリーンの母親はローズである。フィリップは4人の女を色恋営業・暴力・シャブという3つの方法で支配して言うことを聞かせているが、子供まで産ませたローズは女たちの中でも格上の立場にある。共同寝所ではなく、フィリップとローズ専用の部屋を設けている。でもローズにも客を取らせており、フィリップは真に彼女を愛しているわけではない。
ローズはアラサー、他の女3人は10代や20そこそこ。ローズは甲斐甲斐しく他の女の世話を焼く。フィリップに特別扱いされているからといって嫉妬されたりはしておらず、優しいお姉さんのように思われているようだ。優しいローズもまた、フィリップが女たちをアメとムチで支配する上での「アメ」の役なのだろう。
アイリーンは学校に通っていない。恐らくは行政に把握されていない存在。ローズは自宅学習についての本を何冊か読み、ホームワークをさせている。通常の学習指導要領通りにアイリーンが学べている場合、アメリカでは複雑な割り算は小5くらいで習うので、アイリーンは10-11歳ほどだろう。
客は玉石混交だが、どうやら芸能界の大物もいるようだ。共同寝所には、憧れているのか高級ブランドのモデルのポスターが貼られている。彼女たちはモデルを目指しているらしい。大物と寝るのは芸能界で活躍するための最短ルートだ、とでも言い含められているのかもしれない。
8月に事件があった。当時いた女の一人、ジャニーンが仕事を辞めたいと言い出したのだ。フィリップは激怒して彼女に暴力を奮った。そして、ジャニーンは住宅から消えた。
アイリーンはまだ幼く、外の世界もたまに女の誰かに連れられて遊びに行く程度にしか知らず、住宅内の異常さを理解していない。「ママ」の他に色んなお姉さんが出入りする、お姉さんたちは遊び相手になってくれる、ぐらいの認識。アイリーンはジャニーンのことも慕っていた。ジャニーンはそのうち住宅を出ること、引っ越した先からアイリーンのキッズ携帯に連絡することを話していた。でも、アイリーンが8月に消えてから3ヶ月経っても連絡はこなかった。
10月28日、ステファニーという新人の女が入った。彼女はなんとまだ16歳。
共同寝所でステファニーは、以前にジャニーンが使っていたベッドを割り当てられた。他の女は時たま、そのベッドにステファニーがいるのを見てギョッとした顔を見せる。「オバケかと思った」とステファニーは言われたこともあった。
・前にいたジャニーンは化けて出るような存在扱いされている。
・ジャニーンは引っ越したらアイリーンに連絡するはずなのに音信不通。
合わせて考えると、ジャニーンは引っ越しできずに死んでいる。フィリップが激情の果てに殺してしまったか、非合法な売春組織の存在を表に出さないために生きて脱出など許されなかったのか。そして、他の女たちもジャニーンが死んだことを知っているか、察しているのである。
ステファニーはフィリップに命じられて、太ももに黒薔薇のタトゥーを入れている。フィリップの商売道具たちは全員同じタトゥーを入れられ、トレードマークにしているらしい。
ステファニー、マーリー、エマの3人はそれぞれフィリップに色恋営業をされ、時に暴力を奮われる一方で愛を囁かれ、高価な贈り物を受けていた。ローズは格上で除外だが、3人同士で嫉妬しあったりした。他の女よりフィリップに気に入られるために仕事に精を出す、という競争意識を持たせるのもフィリップの手管のようだ。
11月9日、エマは悪い客に暴力を受け、何度もタバコの火を押し付けられて痕が出来た。だが売春ノルマをこなさないと折檻されるため、化粧で痕を隠した。
粗悪な客に暴行されるのは珍しいことではないようだ。マーリーも同時期に怪我をしていた。マーリーもノルマをこなすために休んだりなどできず、11月10日に客を取った。しかし、フランクという客に痕がバレてしまった。金を払っているのに「キズモノ」を相手にしたくないとフランクは怒り、急遽エマにチェンジした。でも、代わりに寄越されたエマも「キズモノ」だとすぐにわかってしまった。フランクは怒り、エマの持ち物を盗んだ。高価なバッグも売上も全てなくしてしまった。エマは客への怒りよりも、フィリップに折檻されるかもと悩んだ。
11月10日、売上ノルマを達成できなかったステファニーは、初めてフィリップに殴られた。エマはすっかり調教されきっているので「あの子の教育と成長に必要なこと」と思った。そう自分を誤魔化しながらも、自分が殴られた時のことを想起して憂鬱にもなり、シャブをキメたいなと思った。
11月11日、エマは前日の客からの窃盗被害をマーリーに相談した。また、ローズにも相談した。ローズがお金を用立てたのか、エマは殴られずにすんだ。
それでもエマとマーリーはひどく落ち込んでおり、一緒にシャブパーティをした。
シャブの摂取方法は色々ある。ポピュラーなものとしては、スプーンの上に水と一緒に乗せて、下から炙って溶かして注射器に吸わせて、血管へ注射。シャブは微量で貴重だからお鍋で溶かしたりなんかしない。女たちはフィリップから支給されたシャブを日常的に注射して、日々の傷心を覆っている。
その晩、マーリーはキメすぎてしまった。フィリップにいつも通りに連れ出され客のもとへ行くも、キメすぎているため使い物にならなかったようだ。フィリップは怒りに任せて彼女をいつも以上に激しく暴行した。マーリーは重傷を負い、意識不明になり、12日から入院した。暴力、シャブ過剰摂取、日頃の過労働、マーリーは治療に数日を要し、退院日は11月19日の予定。フィリップは流石にやりすぎたことに動揺し、また現実問題として、女が一人欠けると稼ぎもしばらく減るため困った。
一緒にシャブパーティをして一連の流れを察していたエマは、「私のせいじゃない。あの子がそれを望んでたんだ」と、シャブをやりすぎたマーリーを非難し、自らと、愛するフィリップを正当化しようと必死だった。
共同寝所は4人まで入れるが、元からしばらく3人だけだった上に、マーリーまで不在に。女を増やす必要があった。
フィリップは、実の娘であるアイリーンにも客を取らせることにした。
11月13日に、まずはアイリーンをタトゥー屋に連れていき、黒薔薇のタトゥーを入れる相談をした。アイリーンはまだ10-11歳程度だ。タトゥー屋は「若すぎる」と難色のメッセージを送ったが、11月17日にタトゥーを刻む、とフィリップは約束を取り付けた。
アイリーンに売春させることへ、ローズは猛反対した。
「あの子は私たちの娘なのよ!この生活に関わらせたくないの。あの子を入れなくても、私たち大丈夫だったでしょ?だからどうかお願い」
「あれは俺のものだ。金稼ぎに使ったって何が悪い」
メールで抗議するが、フィリップは取り合わない。このままでは、アイリーンはタトゥーを入れられ、連日売春させられる。
それ以前から、ローズは娘を連れてフィリップのもとから逃げようと計画を立てていた。じきに中学生相当の年齢になるアイリーンをこのまま社会から切り離す不安や、自身が年老いて用済みになればジャニーンのように殺され遺棄される恐怖があったのかもしれない。
逃げる先が近場では連れ戻されるので遠くへ行く必要があり、そのためには金がいる。フィリップとローズの寝室には金庫があり、中には大金がある。5桁の暗証番号が何かを、ローズは密かに探していた。5桁の暗証番号は10万通りなので、流石に1から順に試しているわけではなく、フィリップの動きを見てある程度アタリはつけていたようだ。連日売春しクタクタになりながら、睡眠時間を削って長時間ひたすら暗証番号を試していた。「いつか逃げよう」ではなく、タトゥーを刻まれる17日までに急いで逃げる必要が生じた。
アイリーンはローズや、または他の女たちに連れられて時々外を散策していた。
少し遡り11月2日、連れの女が目を離した間に、アイリーンは一人ではしゃいで遊び、木登りして落下してしまった。怪我は些細なものだったが、知らない男が手当をしてくれた。ローズは常日頃、知らない人、特に男には警戒しろと言っていたが、アイリーンはどこか悲しげなその男を「悪い人じゃない」と感じ懐いた。
連れの女が見つけた時には、アイリーンは男と和やかに雑談していた。連れの女も、男を特に警戒しなかった。
男の年齢について描写はないが、これが若い男や、脂の乗った中年であれば、女児に近づくだけで多少の不審さがある。枯れた感じの初老以降、おじいさんといってもいいような男を想像できる。
アイリーンは公園に行くたびに男に会った。男は連れの女の見ていない隙に、アイリーンが持っていた紙に自分の電話番号を記した。「必要なものがあったら電話して」とも書いた。
11月15日、ローズはアイリーンを連れての逃走計画を実施することにした。11月16日に太客相手のパーティがあるため、前日は休みで客を取らなくても良かった。バックパックを購入し、恐らく荷物を詰めている中でフィリップが帰ってきて気づかれたのだろう、ローズは激昂したフィリップに暴行され、大量の出血を伴う怪我をした。
ローズは気づかれてすぐに、寝室に逃げ込み内鍵をかけたようだが、フィリップに破られたのか鍵の部分に大きな傷がついている。激しい暴力のため部屋中荒れている。
命を奪うほどではなく、ある程度で気が収まったのかフィリップはその場を去っていった。ローズはもう金庫の暗証番号にたどり着いていたが、フィリップはそのことを知らない。どうせ金がなければ遠くへ逃げられない、暴行によって十分やる気を削げたと高をくくっていたのだろう。
ローズへの暴行は19時頃に行われた。アイリーンはそれを見ていた。助けを呼ぼうにも常識のない彼女は警察を頼ることなど知らず、唯一思いついたのは公園の男だった。何度も電話をかけるが中々出ない。「ママが死んじゃう!お願い助けて!」とメッセージを送り、そして更に何度も電話をかける。何度目かで男が電話に出てくれた。
住所などを聞いたのか、やがて男が住宅へやってきた。この住宅には女たちだけでなく、スパイクというフィリップの飼い犬もいる。初めての相手にはあまり懐かないという。いきなり現れた男にスパイクは噛みつき、抵抗して男はスパイクを蹴りつけ、壁がへこんだ。
それでもスパイクは尚も男に襲いかかる、男は負傷しながら、咄嗟にキッチンの包丁を手に取り、スパイクを刺殺した。
男は負傷によって血を滴らせながら、ローズのもとへ駆けつけた。ローズにとって、男は見知らぬ相手ではなかった。男はローズに治療を施し、暗証番号を聞き出して血まみれの手で金庫を開け、ローズを励まし、アイリーンを連れて遠くに逃げることを支援した。
フィリップが戻ってくるかもしれないため急ぎのことで、ローズはスマホを寝室に置きっぱなしにして、金庫の中の大金も全てを詰め込んだのではなく、何束かが残された。恐らくは、エマにも金が分け与えられ、共に逃げた。
男の正体は、ローズのスマホを見ればわかる。
この写真は、シナリオ1の子供部屋の机の上に飾られていた家族写真。「ローズ」は売春する上での源氏名であり、彼女はヘイゼルと同一人物なのだ。
家族から引き離され施設に入った後、紆余曲折を経て20年後のヘイゼルはこんなところまで堕ちていた。
ローズの日記のファッションショーのような落書きのセンスは、子供時代の自作着せ替え紙人形と近しいものがある。
そして、男の正体はトーマス。
トーマスはギャンブル狂いのクズではあったが、婚約者キャサリンも、その子供たちも愛していた。自分が元凶となり失踪したヘイゼルを救おうと彼は探し続け、突き止め、孫のアイリーンの存在も知った。母子が幸せに暮らしているのであればそれで良かったが、なにか異常な環境に置かれていると察し、確信がないままどうするべきか悩んでいたようだ。
ヘイゼルに近い男と言えば、弟のニコラスの可能性もある。が、ヘイゼルより若い20代後半程度の男が女児に接近するのは、警戒の対象だ。祖父ぐらいの年齢のおじいさんだから、連れの女は警戒しなかったと考えられる。
ローズとアイリーン、そして恐らくエマも無事に逃げおおせた。フィリップが住宅にやって来た時に迎えてくれるのは、スパイクの死体だけ。
そのそばには、「ウェストウッド・アパート」の鍵が落ちている。スパイクと乱闘したトーマスがうっかり落としたもののように見える。あるいは、そう装ってわざと落としたのかもしれない。
女たちの逃亡を防止するためか、住宅玄関そばには監視カメラが設置されている。フィリップは女たちが逃げる様子も、トーマスの風貌も確認することが出来た。
事件ファイル『失踪』 シナリオ3
シナリオ3は、シナリオ2の翌日、22時半頃。
アップデートで直ったが、最初期は日付が15日になっており、矛盾が生じていた。
シナリオ1と2はつながりがあると既にわかっている。そうとなれば3もつながるだろう。
質問
・窓から入ったのは誰?
・ここで亡くなったのは?
・殺人犯は誰?
シナリオ3の推理ヒント(ややネタバレ)
・玄関の鍵。
・泥の靴跡。この靴は他のシナリオでも見られる。
・スーパーで買ったものはなにか。それはどこかで使われている。
・凶器を特定するためには真上を見よう。
・ジョシュさんは他のシナリオに出てきた。
シナリオ3の回答、あらすじ(とてもネタバレ)
回答
・窓から入ったのは誰?
トーマス
・ここで亡くなったのは?
トーマス
・殺人犯は誰?
フィリップ
あらすじ
シナリオ3の舞台は、トーマスが単身で暮らす「ウェストウッド・アパート」。
トーマスの荷物の中には、キャサリンとの写真がある。シナリオ1にも登場したが、その時は写真立てに入れられ裏側はわからなかった。写真の裏側には「彼女がプロポーズを受けてくれた!」と書かれている。
新聞記事の切り抜きもある。「育児放棄の母親、遺体で見つかる」。キャサリンは、子供たちから引き離された後で自殺したのだ。すぐだったのか数年後かは不明だが、ある年の11月16日に首を吊った。
キャサリンは貧困だが頑張って働き、子供たちを愛していた。だが世間はそうは見なさなかった。激しいバッシングがあったのだろう。全てが誤解なわけではなく、キャサリンの監督不行き届きは真実であったし、元からの鬱病も死へとつながった。
部屋には、ヘイゼルの捜索願のポスターがある。ヘイゼルは1991年生まれ。シナリオ1の時はまだ7歳、シナリオ2からは27歳だとわかる。彼女は、13歳の時に施設から失踪した。拉致といった事件性はなく、自らの意志で家出した。アイリーンが11歳だとすると、失踪から3年後、16歳で出産したのだろう。
ヘイゼルは何故失踪したか。施設は待遇が劣悪なところもあり、それを苦にしたのかもしれない。また、母親の自殺があった年が13歳で、自棄になってしまった、という可能性もある。
キャサリンの自殺の原因はギャンブル狂いのトーマスにもあるし、ヘイゼルにもある。ヘイゼルが着せ替え人形欲しさに食事を抜いて倒れなければ、母子は引き離されなかったかもしれない。つまりはキャサリンを殺したのは自分だ、という強い罪悪感があっただろう。
トーマスの部屋には、ニコラスと、その実父ジョシュ・ウッズの連絡先がメモされている。二人の住所は一致する。ニコラスは実父に引き取られ、きっと平和に暮らしているのだろう。
ヘイゼルが失踪した後で心配になって引き取ったのだろうか?
トーマスの部屋はよく見れば異常である。おびただしい量の失踪者捜索のチラシ、大きな地図、そこに大量に書き込まれた失踪者情報。
キャサリンは死に、ニコラスは安定している。トーマスは失踪したヘイゼルが気がかりでならず、10年以上彼女を探し続けた。ギャンブルも断ち、失踪者を探すNPO的なところとつながりを持ったのかもしれない。
少女が一人で生きていくのは困難で、生活のために売春組織に取り込まれるというのは簡単に想像ができる。そういった組織の情報や、彷徨う非行少女の噂などを聞きつけては、トーマスはアメリカ中を飛び回っていたようだ。
トーマスの携帯には、感謝の言葉を述べる涙まじりの少女のメッセージが残っている。ヘイゼルを探すうちに副次的に、危険な状態にあった少女を救ったらしい。
そんな生活をしていては、普通に会社勤めなどできない。トーマスはヘイゼル捜索に憑かれて半ば世捨て人であり、教会の支援をたびたび受けている。ホームレスだった時期には教会で寝泊まりもした。今はアパートを借りられているが、神父のトッドは彼の身を案じて、手紙や電話でたまに連絡を取った。
異常な部屋の中で、トーマスの趣味を感じさせるものもある。それは望遠鏡と、折りたたまれた星図だ。トーマスは天文愛好家なのだろう、シナリオ1の時にもそれらは登場した。トーマス一人の趣味であったとしたら、異常な暮らしをするようになってからはもう趣味なんかやめているのでは、とも思える。キャサリンの趣味、もしくはキャサリンとの共通の趣味で、趣味を介して親しくなったのではないか。だから捨てられなかった。
トーマスはやがてヘイゼルを見つけた。その物語がシナリオ2。アイリーンに助けを求められて部屋を出る際、トーマスは部屋の窓を開けておいた。世捨て人トーマスは家賃滞納が続いており、そろそろ鍵を封鎖される可能性があり、念のため。
ヘイゼルとアイリーンを救出。二人に金がなければアパートに匿い、家賃の問題はトッドを頼る、といった案もあったかもしれないが、幸いにもヘイゼルはフィリップから多額の金を盗めた。二人を旅立たせ、そしてトーマスはアパートの鍵を残していった。
鍵が残されたのは、犬との戦いでうっかり落としただけとも解釈できる。だが、故意だと思う。
フィリップはヘイゼルたちの失踪に気づけば、すぐに探すだろう。最終目的地が遠くだったとしても、捜索が早ければ追いついてしまうかもしれない。
時間稼ぎにフィリップを引きつけようと、トーマスはわざと建物名の書かれた鍵を落としていったのではないか。
フィリップ住宅からアパートまでの道のりで日付は代わり、11月16日、キャサリンの命日になった。
フィリップは狙い通りにアパートに来るかもしれない。そしたら殺されるかもしれない。もし来なかったとしても、ヘイゼルをきっと救えたのだからもうこの世に未練はなく、キャサリンのもとへ行こうかと、自殺しようかとトーマスは思い立った。
トーマスはスーパーに行き、キャサリンと同じ死に方をする用のロープと、人生最期の日になるかもしれないのでビールとタバコを買った。
鍵は置いてきたので、トーマスは開けたままの窓から自室に入り、雨が降ってきたので窓を閉めた。侵入の際に倒れてしまった電気ランプはそのままにした。どうせ死ぬし。
寝室に首吊り紐を設置し、リビングで酒とタバコを味わった。テーブルの上に、キャサリンの写真を置いて眺めながら。キャサリンの写真にはシミがある。犬バトルによる負傷の血だろう。
やがて、狙い通りにフィリップがアパートへ来た。雨の中を歩いたためアパートの廊下には泥の足跡がべったりついている。その足跡は、シナリオ2でフィリップの金庫横に収納されている靴と同じもの。
フィリップは堂々と鍵を使って正面から部屋に入った。監視カメラでトーマスの風貌は確認済みで、弱そうなじいさんとでも思い、大して警戒しなかったのだろう。
トーマスは死んでもいいと思っているが、あっさり殺されるつもりもなかった。あっさり死ねば、その後で部屋を検めた末にヘイゼルの居場所の手がかりがないこともすぐにわかり、フィリップはヘイゼルを探しに行ってしまう。更に時間を稼ぎたかった。
多分最初は話し合うような姿勢を装い、フィリップが油断した隙にトーマスが掴みかかったのだろう。トーマスは老いた身で、更に犬バトルで負傷もしていたが、最大限にフィリップと戦い、部屋中が荒れた。
やがて、トーマスがフィリップに馬乗りになった。もしかしたら、二人で取っ組み合いながらゴロゴロ転がる、といった流れがあったのかもしれない。
トーマスが上に覆いかぶさった状態で、フィリップは所持していた銃を引き抜き、トーマスの頭を撃った。トーマスは事切れた。
トーマスの遺体の真上の天井には、フィリップの放った銃弾がめり込んでいる。覆いかぶさったトーマスを下から撃った、という構図はそこから察せられる。
トーマスを殺害した後、フィリップが部屋を物色したような形跡があるが、恐らく何も見つからず、ただトーマスとヘイゼルの関係を察するのみだろう。
事件の最初に出る時刻が、「事件直後」なのか「警察が来た直後」なのかはよくわからないが、前者だとする。
ヘイゼルたちが失踪したのは15日の21時、フィリップが物色し終えたのは16日の22時。丸一日以上の時間が稼げた。巨大組織というわけではなく、近所の他のチンピラとシマを取り合う一地方のチンピラにすぎないフィリップは、もうヘイゼルを見つけることが叶わないだろう。トーマスはヘイゼルを救うことが出来た。
ここまでの感想(ネタバレ)
予行演習だけ単体で書くには量が少ないかなと思ったが、全部書くのは流石に長いのでまた今度。失踪だけでも長い長い。
予行演習は謎解きとしては面白かったけど、物語としてはそんなに面白くない。読み取れていない更なる物語があるのだろうか。
服役期間がかぶっているのはカーターとハリスだが、期間はかぶってはいないもののカーターとアンソニーも2つの同じ刑務所に入っていた。ので、そっちの方が目について、ボスと携帯の持ち主の組み合わせはそっちかなーと最初思い、そしてその勘違いをしたままでも同じ答えにたどり着けた摩訶不思議。後でsteamフォーラム見て、最初の推理がぜんぜん違うと気づいた。
失踪は謎解きも話も面白かった。シナリオ1で迎えに来た人が誰か全然わからず、出てきた名前をとりあえず何回か試して無理矢理正解。正解後に考察してなんとなくストーリーを察した。
続く2は、1と関係あるのかなーと思いながら始めたが知らない名前ばかり出るし、人間模様もまるで違うし、1とは関係のない独立した話なのだと思ってた。スマホ裏の写真に中々気づかず、詰みそうだ~って時に気づいた衝撃。
零細芸能事務所の寄宿舎かなと最初は思ってた。表向きは実際そう装ってたりするのかな。
1は死体なし、2は犬の死体、3は人間の死体、と徐々に深刻度が増していくのもよかった。
失踪をクリアすると、「これは誰の物語だと思いますか?」みたいな質問が出る。正誤はなく自由入力できるので「トーマス」と入れた。123全てに出るのはトーマスだけ。「ヘイゼル」って入れる人も多いだろう。
この回答結果はプレイヤーにただ考えさせるためのものかもしれないが、統計を取っていて発表があったら面白いね。
気がかりなのは、入院しているマーリー。ヘイゼル・アイリーン・エマが脱出したとすると、マーリーは病院にそのまま。回復次第、連れ返されるんじゃ。
ヘイゼルは多分、警察に駆け込んだりはしない。長年フィリップの共犯のようなものだったから、ヘイゼルは情状酌量の余地が多分にあるものの、懲役刑食らう可能性はある。母子が離れた末の末路をヘイゼルは味わっているので、裁かれることが正しかったとしても、ヘイゼルは警察に行けない。マーリーどうすんの。
マーリーが担ぎ込まれた病院ってのがどんなところだろう。フィリップが懇意にしている、闇医者だったり? もし正規の病院であれば、マーリーの状態は事件性の塊なので、保護されてマーリーは助かり、フィリッピは近いうちにお縄につくかもしれない。マーリーを入院させた後でフィリップの様子がおかしかったのは、捕まる可能性に怯えたからかも。でも商売道具を補充もできてない状態で死なせても色々大変だったので病院に連れてっちゃった。
犬は可哀想な目に遭う話だが、アイリーンがギリギリ助かってよかった。タトゥー入れる相手がアイリーンってのは中々わからなかった。割り算が何歳くらいでやるかなんて忘れてて、公園で木登りとか、知らないおっさんと仲良くなるとか、小学校低学年ぐらいかなと。低学年でもまあ売春は不可能ではないけど、11歳くらいだと、自らの意志で売っちゃうようなのもいるしな。
トーマスアパートにニコラスの家の住所がそのまま残されているので、ヘイゼルの行き先はそこではないと思う。誰も知る者がいない土地で、一からやり直すんだろう。フィリップがそっちの住所も訪ねる可能性はあるけど、まあ男二人で暮らしてる家ならどうにかなるんじゃないか。遠すぎて諦めるかな。その前に病院絡みで足がついて捕まる可能性。
シナリオ3は状況証拠だけだと、トーマスがフィリップを撃ち殺したってパターンも想像できるけど、答え合わせとしてはフィリップがトーマスを殺したってパターン。
銃持ってるのなんかフィリップの方だよね、銃を奪って相手を殺害するほどの戦闘能力なんて負傷おじいちゃんのトーマスにはないよね、ってことか。免許証によればトーマスは1966年生まれなので2018年時点で52歳で、言うほどおじいちゃんでもないけど。やせ衰えて実年齢より老けた、でも子供に警戒されない程度に最低限の身なりは整えた姿を想像した。