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ボードゲーム『UMA!! ウルトラミラクルアドベンチャー!!』ができるまで ~オセロに一味加えてみたい~
はじめに
はじめまして。HoF GAMES のべこと申します。
‟ マジめにかわいいボードゲーム ” をモットーにボードゲームを作っています。
今回紹介するのは、初めての出展であるゲームマーケット2024春にて発売した『UMA!!ウルトラミラクルアドベンチャー!!』というボードゲームの制作秘話です。乱筆乱文ではありますが、ぜひお楽しみください。
誕生のきっかけ
ここでは今作『UMA!!ウルトラミラクルアドベンチャー!!』を思いつくきっかけを書いていきます。
面白さを加えよう!ハウスルールについて。
筆者は子供のころからボードゲームが好きで、小学生のころは『こいこい』にハマっていました。『こいこい』は花札を使用したゲームであり、同じ絵柄の札を合わせて獲得し、組み合わせで役を作るゲームです。札ごとの強さが明確に違い、手札が弱い札ばかりでは勝つのはかなり厳しく、ギャンブル性は高い。(そこも魅力です)
小学生のころの筆者は、弱い札に意味を持たせるためにオリジナルの役をつくり、親と遊んでいました。いわゆる "ハウスルール" です。テレビゲームのように決められたプログラムがないからこそ、互いに納得のうえにルールを変更することができます。これもボードゲームの一つの魅力だと思います。
そうか、ボードゲームを作るきっかけとして、何か既存のボードゲームに一味加える手法を取ろう。だとしたら題材にするゲームは「クラシカルでシンプルなルールのゲーム」とし、そこにルールを少し追加することで、何か面白いゲームにならないかと考えました。まさにハウスルール手法。
『オセロ』を分解する
子供から大人まで遊べるボードゲーム、『オセロ』。1種類のコマ、挟んだら裏返すだけのシンプルなルール。プレイ人数も2人で固定されている。題材にするには適切であろう。
さて『オセロ』に含まれる要素って何だろう?
・マス(8×8、角)
・挟む方向(タテ、ヨコ、ナナメ)
・挟む場所(角など)
・挟んだ/裏返した個数
・自分、相手の駒の個数
これらの要素はモジュールとして非常に優秀なのではないか?
何か他のシステムとの組み合わせで別のゲームが生まれると思いました。
・挟んだ方向を参照して、別のボードのコマが動く
・挟む場所によって効果が発生する
・挟んだ/裏返した個数に応じてリソースをもらえる etc,,,,
あまり複雑になりすぎるのも良くないと思い、参照する要素は2つにすることにしました。
①挟む場所
②挟んだ/裏返した個数 です。
4色ボードの『オセロ』誕生
「各マスに場所性を強く持たせてみるのはどうか?」と考え、とりあえず4色で塗ってみました。すると「〇〇色のマスに置くためにはどうするか」という新しい戦術性が生まれました。
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「コマを置くこと」「挟んだ相手のコマが裏返る」は一つの動作で発生するため、色情報に加え「挟んだ/裏返した個数」という特定の数字が表れます。
色と数字が一緒に出てくるモジュールの完成です。これは便利だ!
と、このまま普通に『オセロ』のルールで遊んでみる。
仮に「置いたマスの色」のリソースを「裏返したコマの数」分入手するとして記録を残してみました。結果として、両プレイヤーの獲得リソース数に大きな差はないが、色はバラけることがわかりました。
『オセロ』に無いゲーム性を加えよう!
『オセロ』は序盤にあまり裏返さず、後半一気に裏返すセオリーがあります。しかし、リソースというのは序盤にたくさん欲しいもの。『オセロ』にはない序盤のハデなぶつかり合いが欲しい、面白さのピークを序盤に持っていきたい。
そこで、獲得リソースが一定になったら即勝利(サドンデス)となる、「綱引きシステム」を採用しました。
※当時、筆者は当初2人用ボードゲーム『世界の七不思議デュエル』『トワイライト・ストラグル』に大ハマりしており、それらに出てくるサドンデス要素による緊張感がすごく好きだったからです。
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そうして
・「置いたマスの色」のマーカーを「挟んだコマ数」分手前に移動させる。
・マーカーを1色でも一番手前まで移動させたら勝ち。
というルールが完成しました。
ブラッシュアップとテーマ
基本ルールができたところで、ここから完成までの経緯を書き留めていきます。
リプレイ性について
どんなゲームでも、1度あそんで「はいおしまい」では寂しいものです。
「またやりたい!」と思えるようなゲームにしたいと思いました。
そこで、アクセントとして盤面やルールに影響を与える「特殊アクション」を追加することにしてみました。 特殊アクションは全部で15種類。ゲーム開始時にランダムに5種類を場に公開することで、ゲーム毎に特殊な戦術がとれるようにしました。
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「特殊アクションを変えてもう一度!」というシンプルなリプレイ性を付与し、ゲームのルールが完成しました。
・コマを置き、相手のコマを挟む
・挟んだコマを裏返す
・置いたマスの色、裏返した個数を参照し、マーカーを手前に動かす
・1色でも一番手前まで動かせたら勝ち
・特殊アクションを加えるとリプレイ性アップ!
基にした『オセロ』のシンプルさがそのまま活きた、洗練されたゲームになったと感じました。
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オカルトテーマって流行ってる??
ルールが固まった後にぶつかってくるのが「テーマどうする?」です。
アブストラクトゲームなので『クアルト』のようにシックなノンテーマも考えました。 が、「可愛くキャッチーだけど辛口なゲームというギャップがいい!」と思い、かわいいテーマをつけることにしました。
困った時は本屋に行くのが1番!本屋には出会いがある!
本屋を何も考えずうろうろ彷徨っていると、不意に『UMA超図鑑』なるものが目に入る。ほほう、オカルトテーマですか。いいですね。
なんだか最近『ダンダダン』『都市伝説先輩』『ホットスポット』など、オカルトテーマが増えているようにも感じます。
今回のゲーム性である「各色のマーカーを引っ張りあい、一番手前まで引っ張ったら勝ち」という要素を「UMA(マーカー)を発見した(手前までひっぱった)ら勝ち」と置き換え、「UMAを我先に発見したい新人オカルト記者の冒険」というフレーバーに行きつきました。
キャッチ―さも大切に!デザインとイラストについて
テーマが決まったらタイトルです。最初は『オセロ』『リバーシ』をモジることも考えましたが、結局「UMA」にフォーカスし、キャッチーさを加えた結果タイトルが決定しました。
『UMA!! ウルトラミラクルアドベンチャー!!』
びっくりするくらいキャッチーです。
タイトルとテーマが決まったので、一度コンポーネント全体のイメージをまとめました。
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カードデザイン、箱のイラストなどはすべてHoF GAMESメンバーの hogepiyo氏にお任せしました。hogepiyo氏はとてもかわいいイラストを描いてくださるのでいつも感謝しています。
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説明書・カード・箱裏のレイアウトやフォントなどはデザイナー「くろいしえりな」氏に依頼しました。とても美しいレイアウトにしていただきました!ありがたい!
体験を大切にしたい!
ボードゲームはテレビゲームと違い、実際に手でコマやカードを持ち、体を動かして遊びます。そのため、見た目だけではなく所作によるゲーム体験がとっても大切です。
「UMAを発見したら勝利」を体験として残すため、最後にちょっとした遊び心を加えました。引っ張り合う4色のマーカーを表面は「UMAのシルエット」、裏面には「発見されたUMAの "意外な" 姿」を描き、勝者はコマをひっくり返すことで実際にUMAを "発見" できるギミックとしました。
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『オセロ』で大切な裏返すという所作を、最後の最後で「UMAを発見する」所作として取り入れることに大きな意味があると思いました。我ながら良いアイデアです。(自画自賛)
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おわりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
個人的にはかなりルールが洗練された、かわいいゲームが作れたな~と思っております。
かわいい見た目なのに、遊んでみると「キ~~~」と頭を抱えるゲーム。
そんなゲームに興味を持ってくださった方がいましたら、BOOTH、ボドゲーマ各サイトで取り扱っておりますので、お手に取って頂けたら幸いです。
よろしければ、SNSのフォローもよろしくお願いいたします!
【お知らせ】
— HoF GAMES@GM2025春土 (@games_hof) December 30, 2024
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