見出し画像

ストリートファイターVを振り返る。週刊格芸新聞デスクと記者の新春放談

ストリートファイターV(以下ストV)を見続けてきた一視聴者の総決算として何か記事を書きたいと思い、一度ベスト選手10人選出という記事で書いたのですが、思ったより内容が面白くならなかったため、体裁を変えてみてはどうかと思い、週刊誌の野球でよくある「デスクと記者の放談」という会話形式にしたら見れるんじゃないかと思い、書いてみました。
楽しんで読んでいただけたら幸いです。

※社名、デスク、記者は実在しておらず架空の組織・人物です。
※ゲームの理解が浅い人間が書いているため、システムや技等について誤った知識で書いている可能性があります。
※選手名は敬称略。
※画像:いらすとや


ストVのゲーム性はどうだったか

デスク
週刊格芸新聞デスク。40代。ストⅡ時代から様々な格ゲーをしていたが現在は引退。
記者
週刊格芸新聞5年目記者。格ゲーの取材をしているが動画勢。格ゲーはストVから見始めた。

デスク「ということで、ストリートファイター6が2023年に発売になるのでストVも今年でプロシーンとかは終わりになるんだけど、ストVを見続けた我々としても何か振り返り企画をやろうと思うんだ。」

記者「分かりました。何から振り返ります?」

デスク「まずストVのゲーム性、スト6に期待する事、ストVで活躍した選手の3つかな。」

デスク「ストVのゲーム性はスト6のクローズドβを見てしまうと微妙に思える。
ストVはUIも地味なんだけど、一番の問題は各種ゲージが貯まるまで時間がかかる事だ。
Vスキルを当てたり攻撃を食らうとリベンジゲージとしてもゲージが貯まるんだけど、大体15~20カウントくらい経たないとゲームが大きく動かない。
特に、Vゲージは折角貯まっても次ラウンドへ持ち越し出来なくて0に初期化されるし、今の配信時代にも合ってないよ。」

記者「確かに、スト6ではドライブゲージ満タンからラウンド開始して直ぐに大技を出すことが出来るようになっています。」

デスク「後、ストVではディフェンシブな行動が強くて、歩きガードで少しずつライン上げたり、と地味な行動が強かったんだけど。
見てる側からすると、駆け引きの内容が地味で、何でこのキャラはちょっとずつ歩いてはガードしてるんだろうと写ってしまう。
歩きガードの駆け引きは、システム上強いのは分かる(註:相手の置いてくる置き技をガードしつつ、ガードしている側が有利フレームを取れるため)んだけど、どうしても面白みが薄く感じてしまうものだった。」

記者「ストVでたまにガイル対ガイル、ガイル対ギルのカードで派手な弾の打ち合いになりますけど、そういう試合になるとリスナーの盛り上がりが違いますよね。」

デスク「ストVでは環境回りも酷くて、ネットコードが2020年まで改善されず、いわゆる「ブブ」(ストVにおいて切断時に流れる音)も多かった。
スト6ではかなり改善されるみたいだけどな。」

記者「スト6ディレクターの中山さんによると、スト6のネットコードはVの流用ではなく一から作りなおしているそうです。
スト6では日本の選手が海外プレイヤーとマッチングしてましたけど、快適そうでした。
ただ、ラグは個人の環境にも依存するから対応が難しそうですね。
そういえばリリース当初は待ち時間が長く背景に写る「地球」がよくネタにされていました。」

デスク「キャラ選択から対戦に移るまでに音楽流れて一瞬地球が出るときに白くフラッシュして待機時間があるんだけど、白光りするから目に悪影響があるんじゃないかと思ってあの時間は目を閉じていた。
暗転するなら白じゃなくて目に優しい色にして欲しいよ。」

記者「白くフラッシュする演出はどのゲームでも多いですよね。
RPGでもよくあります。」

デスク「ストVはキャラの間の調整もバラバラで、キャラパワーの上位10キャラ前後と、中位~下位のキャラが20~30くらいいるという時期が長かった。
特に上位数キャラと下位キャラの差が酷くて、2022年の最終シーズンくらいからようやくバランスがいいと言われ始めたけど、そうなったのは最終盤。」

記者「確かにキャミィ、ユリアン、ガイル、ラシード、かりん、コーリン、ポイズンなんかは強い時期が長かった印象です。
逆にリュウは早期に弱体化を受けて下位ティアー常連になり、”たかし”と呼ばれて揶揄されてきました。
豪鬼もシーズン序盤活躍し過ぎたのか弱体化された感じでした。
やはり全体的に調整が不味かったのでしょうか。」

デスク「調整が不味いのもあると思うけど、根本的にゲームシステムが統一されてないから調整しようがないと思うんだ。
つまりこういうゲームに作ってしまった仕様の問題だ。
このゲームはVトリガーⅠとⅡ、VスキルⅠとⅡがあるんだけど、ゲージが貯まるっていう事以外では各キャラでトリガーやスキルの仕様や動作、強さが統一されていない。
キャラ毎に体力もまちまちだから調整対象として安易にアップデートで増減される標的になったし、Vゲージの数も2だったり3だったりでバラバラだし、何の根拠からそうなっているのか分からない。
ラシードは一人だけ機動力が凄すぎて違うゲームみたいだった。」

記者「3ゲージのユリアンのVTⅠ(エイジスリフレクター)、2ゲージのコーリンのVTⅡ(アブソリュートゼロ)やコーディーのVTⅠ(サイドアーム)とかは強かった印象です。
ルークのVTⅠ(レンジアームズ)も守りに入った時はとても強いですね。」

デスク「あきらは強さはそこまでじゃないけど、一人だけ通天打からのエリアルコンボがあるし、ルークは一人だけトリガーゲージが時間経過で回復する。
共通システムのVシフトの導入で、ザンギエフ等の事実上終わったキャラもいるし、eスポーツのタイトルと見るとかなり悪いバランスだったと思うよ。」

記者「成るほど。UIが悪くて、一見統一されたように見えるVトリガーシステムも仕様がバラバラで、キャラ間のバランスが悪く、アップデートで調整のため安易に体力が増減されるゲームだったと。
となると、かなり酷いゲームだったという事ですか?」

デスク「僕はそう思ってるよ。」

記者「逆にストVの良かった所はどうでしょうか。」

デスク「システム面では、トリガーでの逆転性が高い所だろうな。Vトリガーを発動して強いトリガー技で体力を逆転する。
やられた側もリベンジゲージが貯まるシステムだから、ターン制みたいに逆襲する。
これはこれで、シーソーゲーム的な息詰る面白さはあったと思うよ。

他には、ストVのキャラのテーマ曲やステージのBGMは沢山あるんだけど、良曲がかなり多かったよ。
僕個人としても好きな曲が沢山あったゲームだった。

  • Kasugano Residence(さくらステージ)

  • KANZUKI BEACH STAGE(神月ビーチ)

  • かりんテーマ(Theme of Karin Kanzuki)

  • いぶきテーマ(Theme of Ibuki)

  • アレックステーマ(Theme of Alex)

  • ララテーマ(Theme of Laura)

    等々。スト6は間違いなくストVを超えていくゲームだと思うけど、BGMに関してはストVを超えるのは中々難しい。」

デスクによるストVのゲーム評価

  • ゲームメカニクス:4/10

  • 世界観(ストーリー/キャラクター):6/10

  • グラフィック(モデリング/UI/操作性):5/10

  • サウンド(BGM/音響):9/10

  • インプレッション(熱中出来る要素):8/10

  • ゲーム品質(バグ少なさ/ロード時間):4/10

  • その他(オンライン接続/バランス調整):2/10

総評:格ゲーとしては極めて不安定なバランスで大味なゲーム性。
凡そプロシーンに用いるゲームとしては不出来と言うしかない。
VトリガーとVスキル、各種性能がキャラ間でバラバラに乖離。
ゲームバランスとしてはほぼ崩壊していた。

勢い、プロシーンではトップティアの数キャラから使用キャラを選び、独自の攻略とやり込みを伸ばす事になり、トップキャラを使うトッププロ同士の戦いはさながら異種格闘技戦のような面白さに繋がったのは、製作側が意図していなかった現象で僥倖だろう。その中で獣道でときどが流した涙や、ウメハラがvsカワノ戦で見せたリバサ歩き投げといった名シーンが生まれていった。

プレイする側、特にプロ選手はこのゲームをプロとして続けるのはモチベーション的にも非常に厳しかったと思うが、イベントや企画等、選手発の物が多く、よく盛り上げたと思う。

今、スト6ではプロとストリーマーやVチューバーがコラボ配信やコラボ大会をしているが、それもこの時代をプロが盛り上げ続け、火を絶やさぬよう努力した結果だ。

他には、上にも書いたように、ストVのステージBGMやキャラBGMはシリーズでもトップクラスに素晴らしかった。

ストVを支えたのは何だったか

記者「SFLやCPTの大会なんかは常時2万人から3万人近く見ているし、コンテンツとしてはやはり人気があるのではないでしょうか。」

デスク「ストVのゲーム性はともかく、選手やコンテンツ自体には魅力があるから、見ている人が多いと思う。
やっぱり贔屓の選手や知っている選手が活躍するのが見たいからね。
逆に言うと、ストVは選手が引っ張ってきたゲームだと思う。
バランスが酷い時代を選手の人気とか選手が大会やエンタメ企画を自主的にして視聴者を引き付けて乗り切り、バランスが良くなってからは大会や試合で本来のゲームの魅力を引き出したんじゃないかな。」

記者「ウメハラ選手の配信や企画は人気がありますからね。
企画によっては視聴者が1万人以上集まる事もあります。」

デスク「ウメハラやときどといった人気選手が、試合内容と企画やエンタメ配信で引っ張ってきたのが、ストVの人気維持や向上につながっていると思う。
特にウメハラ発の企画「獣道」はその最たるものの一つと言える。
2018年に1回目が開催されたけど、その時は目玉カードにはウメハラ自身は登場していなかったんだ。
けど、2018年に開かれた獣道・弐のウメハラ対ときどでは、本人が選手として登場して、大きな話題になった。」

記者「ときどさんの、ゲームの中でくらいは勝ちたかったという言葉は、印象に残りました。」

デスク「あの企画のインパクトは、ウメハラとときどの関係性とか、色々なものがエモさとして乗った結果だと思うんだ。」

前半と後半で変わったシーズンの様相

デスク「一つストVで触れておきたいのは、前半と後半でシーズンの様相が様変わりした事だ。
2019年までは、CPTやEVO等の試合にエントリーして海外を回りながらポイントを積んで、最終的にポイント上位になってCapcom Cupに出場して頂点を掴む、というサイクルで回っていたんだ。
ところが、2020年からは情勢の変化から、現地大会が開かれなかったり、開かれても地域毎のオンラインが主流になった。
EVOは21年にオンラインで開かれたけど、Capcom Cupは20年から22年まで大会中止になった。(23年に4年ぶりにCAPCOM CUP IXが開かれる。)」

記者「20年と21年に日本大会で優勝したウメハラ選手は、Capcom Cupには出場出来なかったんですよね。」

デスク「そうだ。CPT(予選)自体はオンラインで開かれてたんだけど、Capcom Cupは結局開かれなかったんだ。
話を戻すと、20年以降選手たちは海外の大会が開かれるか不安定になったので、活動の軸足をSFLやトパンガチャンピオンシップといった国内大会に移していく。
SFLは2018年から開催されていたが、19年まではオールスターのお祭り感というか、そういう感じのノリだった。」

記者「SFL2020では、ネモ選手がリーダーのネモオーロラが優勝しました。
あの時のチームは、今では普通になったチーム練習を取り入れたりして、本格的に取り組んでいました。」

デスク「ネモがチームマネジメントしていたのが、当時は逆にめずらしかったんだ。
当初のSFLはチームメンバーで育成枠を入れるレギュレーションだったので、それもあって新人発掘も兼ねたイベントみたいな感じだった。
2021年以降は、企業が参入した企業オーナー制に変わって、プロのリーグ戦らしくなった。」

記者「今ではSFLは主要な大会の一つになりました。」

デスク「カプコンの努力が大きいと思うよ。大会の費用とかは毎年赤字だと思うんだけど、フルCGのセットとかあれだけお金がかかる長期戦の大会を、レギュレーションもちゃんとしてよく開いてくれていると思う。
不評だったキャラクターBANも廃止してホームアウェイに変えたりと、毎年少しずつ良くなっているんだ。
ただ、未だにチームによってドラフトを取ったり、最初から4名プロを揃えてドラフトが不要だったりと、まだまだ戦力が不均衡になる要因が大きいから、ドラフト制度を中心にルール整備は求められるだろうな。」

記者「TOPANGAチャンピオンシップも国内の大会として毎シーズン開かれています。」

デスク「第3期で優勝したカワノがこの大会での優勝が一つの目標だったと言うほど、選手にとっては大きな位置づけの大会になっているんだ。」

記者「SFLとトパチャンはスト6でもぜひ続いて欲しいですね。」

デスク「SFLとトパチャン以外にも、3on3のTOP(Tokyo Online Party。忍ism主催)とかも、レギュレーションがオリジナルの面白い大会だから、スポンサードを入れた公式大会にして欲しいくらいだよ。
大会が増えるほど色んな選手が参加してくるから、裾野が広がるしな。」

JeSUライセンスはタイトルが変わるとどうなるか

記者「そういえば、スト6でタイトルが変わりますけど、JeSUプロライセンスはどうなるんでしょうか。現在ストVのライセンス所有者はそのままライセンス所有となるのでしょうか。」

デスク「JeSUプロライセンス制度は、2018年から開始になった制度だ。
設立の背景にはeスポーツが注目され始めて、競技タイトルが増えた事があった。
JeSUで定めているのは、賞金制大会の開催にあたって適法性確保のための環境整備、eスポーツ大会の体制の整備、賞金付き大会のルールや運営の管理といった面だな。
現状、ストVの大会もJeSU公認大会として開かれている。」

記者「制度には当初、ももち選手が疑問を呈すなどしてライセンスを拒否した事がありました。」

デスク「ももちも、説明を受けて納得し、2019年にライセンスを所有しているな。ここでは制度の是非については取り上げない。」

デスク「規約の内容(PDF)を以下に掲載する。
JeSU 公認プロライセンス規約
ライセンスに当たっては、まずゲームタイトルが公認タイトルになる必要がある。公認タイトルには3ヶ月以上の稼動実績が必要だが、正当な続編の場合継続認定という規定から、稼動が3ヶ月未満でも公認タイトルに出来るらしい。
公認タイトル規約
公認タイトルは、JeSUのサイトによれば「タイトルの競技性、運営・販売実績、今後の大会予定などを基準にJeSU公認タイトルを認定」とある。
現在17タイトルが登録されていて、「ストVチャンピオンエディション」として登録されている。
公認タイトルの一覧

デスク「ストV(CEver)のライセンス所有者は2023年最新データで60人が登録。
ライセンスは恐らく「タイトル毎の所有」といった扱いで、GO1やかずのこみたいに、複数タイトルでライセンス登録名がある選手もいる。
ライセンスの概要の説明によると、公認ライセンスの期間は3年みたいだ。
また、「保持」とある事から、3年毎に免許証のように講習の受講などで更新していくものと思われる。」

記者「ライセンスカードを見ると、公認選手の競技タイトル名は記されていないんですよね。」

デスク「免許証みたいに複数タイトルでもライセンスカード一枚なのかもな。複数タイトル選手もライセンス更新は一度にまとめられているのかも。」

デスク「これらから推察すると、まずスト6がリリース後直ぐに継続認定で公認タイトルになり、その後スト6の公認ライセンスを決める大会が順次開かれるという流れになるんじゃないか?
ストVの公認選手がスライド式にスト6でも公認になるとはちょっと考え難い。
新タイトルで開かれた大会に応じて公認に認めるのが自然な流れだ。
例えばCPT地域予選等でトップ8に入った選手に、カプコン推薦枠で順次公認ライセンスが発行される事が予想される。
だからスト6初年度はかなりの大会数が開かれると思われる。SFL等の大会を開くためには、公認ライセンス所有者を増やしたい筈だからな。」

23/1/25追記
ライセンスについては、ストVライセンスがそのままスト6ライセンスに継承されると発表された。

ストリートファイターV チャンピオンエディション JeSU公認プロライセンスについてお知らせとなります。
『ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション』JeSU公認プロライセンス所持者は、『ストリートファイター6』について、JeSU 公認タイトル規約にもとづき、シリーズ作品としての公認条件を満たすものとし、ライセンス継承を行えることをJeSUより承認を得ております。
詳しくはJeSU公式サイトをご確認ください。
▽JeSU公式サイト
https://jesu.or.jp/contents/terms/

(出展:https://sf.esports.capcom.com/news/48909/)

スト6の印象はどうだったか

記者「ここからは、2023年に発売される次世代格闘ゲームの最新作「ストリートファイター6」の話題に移りたいと思います。」

デスク「スト6はストシリーズの最新作なんだけど、ストVとは別ゲーと考えていい。
さっき言ったように、ストVの反省材料から攻撃的でスピーディーなゲームに仕上がっている。」

記者「スト6のPV等を見て最初の印象はどうでしたか?」

デスク「第一印象では、思ったよりベースは変わらないな、と。
リュウがいて春麗がいて桜が舞う2Dステージで戦ってるわけでしょ。
で、ドライブゲージのシステム説明があって、共通的なシステムを強調していたので、ストVの反省もあったのかな、と。
ベータ期間が来てトッププロもゲームに触れたんだけど、ゲームスピードが鉄拳みたいに速くて、この試合展開の速さが一番驚いた点だった。
再戦も速くて、見ていてもストレスを感じなかった。」

記者「スト6では再戦が速いので、10先でも遅いとは感じませんでした。」

デスク「一番良かったのは、とにかく攻めなきゃいけないゲーム性。
ガードだけだとゲージを削られてジリ貧に陥るし、端という危険地帯から遠ざかるために、リスクを抱えても前に出ないといけない。
ドライブインパクトの端やられが致命的という事は知られているが、ドライン以外にも、端での柔道(投げを繰り返す事)が可能な危険なゲームなんだよ。
だからラインを極力上げる、つまり攻撃が奨励されるようなシステムになっているんだ。」

記者「ストVが守りが重視されるゲームだったとすると、スト6は攻めのゲームみたいですね。」

デスク「屈ガードしてれば強かったストVとは真逆の方向性に舵を切ったって感じだな。
システムやゲーム性以外にも、グラフィックはREエンジンで綺麗だし、トレーニングモードのUIも良く出来ていて、ベータに参加した選手からも好感触だった。ネットコードも問題なさそうだった。」

記者「どのメディアもスト6に関しては好意的でしたね。ユーザーからも良い印象を持たれていたと思います。」

スト6への要望や現時点の懸念要素

デスク「ただ、一つ懸念のある問題としては、ドライブインパクトに対するインパクト返しという差し返しがシステム化されているから、インパクト返しに反応出来ないプレイヤーは脱落するんじゃないかと。」

記者「インパクト返しの懸念については、カワノ選手がベータの感想で取り上げて語っていましたね。」

デスク「海外勢のPunkとかMenaRDみたいなフィジカルが強い選手、iDomのように速い展開が得意な選手、国内でもカワノみたいに差し返しが得意な選手は、超反応で対応出来ると思うけど、逆に反応出来ない選手は脱落していくかもしれない。カワノが言っているのは、特に今の年齢層が高いおじたちにそういう懸念があるという事だろう。
ふ~どが以前インタビューで言っていたけど、格ゲーってFPS等に比べて画面内の情報量が少ないから、事前に用意していた戦略や手札をぶつける事でおじ選手も純粋に反応勝負にならずに若い選手と対等に戦えてる。
もし純粋に反応速度が要求されるようになると、どうなるか分からない。」

記者「ベータの2回目にはドラインにSA(スーパーアーツ)で対応している選手が多かったですし、対応策はあるんじゃないでしょうか。
そこまで悲観する程じゃないかと思います。」

デスク「更に言えば、かずのこに顕著だったけどベータへ2回参加しただけでほぼ6の強そうなシステムを使いこなしていて。
通常技キャンセルドライブラッシュからの中下段投げの択とか、強い行動をいち早く見つけていて、このゲームこれだけやっとけばいいよ、みたいな。
まあそれで勝ち続けるのが凄いんだけど、ベータ2回で底が知れるようなシステムになっていて欲しくはないな。
後は彼の使用キャラのキンバリーにも強い技ばかり実装されていて、これ誰が倒せるんだよって思った人は多かっただろうな。」

記者「かずのこ選手はプロの中でも特殊な攻略をしている選手ですからね。
ベータに参加したももち選手の意見では確か、ドライブラッシュは3ゲージだから良い感じにバランスが取れている、と言っていました。
これが2とか1だとバランスが悪くなっていたらしいです。」

デスク「スト6に関しては、まだスタンダードなジャンケンが何でというのも未知数な部分があるからな。
1ボタンで対空が出せるモダン操作の方が強いキャラもいるだろうし、ジャスト入力やジャストパリィでの戦略もあるし、色々な選手が試行錯誤していくだろう。今後に期待したい部分だ。」

記者「ストVとスト6のゲーム性の違いに関しては、ハイタニさんが分かりやすい動画を上げています。
また、今作から導入されるモダン操作の長所と短所についても、詳しい分析をしている動画があるので、合わせて掲載しておきます。」

ハイタニさんのスト6分析動画
【スト6解説】スト6はスト5に比べて●●が超強いゲーム!?スト6βを1000試合やり込んだハイタニがスト5とスト6の違いを徹底解説

【スト6解説】モダンとクラシック、強いのはどっち?モダンを世界一やり込んだ男のモダンタイプ徹底解説【ハイタニ】

デスク「試合のやり取り以外だと、スト6はUIに付いては悪くないんだけど、上下のゲージ色が地味で見づらいんだよね。
インパクトが極彩色だからシステム系は自重しているのかもしれないけど、もっと派手な方がいいと思う。
「パニッシュカウンター」とかも、派手な表示にしたほうが今のゲームらしくていいと思う。
他には、リザルト画面でスタッツを出して欲しい。
SFL2022とかでスタッツの速報値とか出してるでしょ。
あれを搭載して欲しい。」

記者「ベータ参加者の中でゲージ色とかは見辛いという意見もありましたね。スタッツは、表示されれば実況者にも選手にも便利だと思います。」

デスク「スト6はプレイヤーがV以上に増加するから、分業制や分析的な仕事が重要視されて、この人は選手、この人は専属パートナー、この人はコーチ、この人はアナリストみたいなそういう動きが進むと思う。
そういう時に分析し易いようにシステムに組み込んであげてもいいんじゃないかな。」

記者「そうなると、データが重視されてサッカーとか野球みたいになりそうですね。」

デスク「正に6はそうなっていくと思う。サードパーティーが専用の分析ツールを開発して、それをトップチームのアナリストが使うのが普通の光景になるかも。
そうなると、ストVとはまったく違う世界線だよ。」

記者「この話のネタにしたわけじゃないんですが、どぐら選手もこの話題で動画を上げられているので掲載致します。」

【雑談】プロゲーマーのコーチ適正やいかに?教えるのに向いてそうな人を考える

自動実況は○○要素になる?

記者「自動実況はどうでしたか?ストシリーズでは初の試みのようでしたが。」

デスク「まあ辺縁のお遊び要素ではあるんだけど、アールさんとかチェンおじ(James Chen氏)の声を入れて往年のファンとか喜ぶ人もいると思う。
ベータで色々な意見があったが、プロの試合で流れている実況が自分の試合で流れるのはうれしいと言っている人もいた。
後は、実況も純粋に課金要素になると思う。」

記者「課金要素?」

デスク「今はFGC的だったり硬派な人選だけど、ヌキさん(大貫晋也氏)のアイィ解説とか、Vtuberの人の解説とか、人気声優の人を起用して、DLC実況として売れば買う人はかなりいると思う。」

記者「確かにヌキさんに期待する声は多かったですね。」

スト6ベータで強かったキャラ

記者「因みにですが、スト6で強そうに見えたキャラはいましたか?」

デスク「さっき言ったようにキンバリーが頭一つ抜けて強くて、ジュリ、リュウ、ルーク、ガイルも上位に入りそうだった。
ハイタニはベータに2回とも参加してるんだけど、ハイタニが挙げたティアーでは、上位キャラがキンバリー、ジュリ、リュウ、ルークだった。
ケンとガイルは普通。
春麗が余り強くなさそうで、ジェイミーは影が薄そうという話だった。
(GO1の使う春麗は強そうだったけどな。)
ベータの2回目ではガイルの評価は高そうだった。ベータガイル最強説もあるかも。
新キャラのジェイミーは酒(エナジードリンク?)を飲むコマンドがあって、4回飲むと強化されるんだけど、そこまでは弱いって印象だった。」

記者「ストVでは下位に低迷したリュウが強くなっているのはうれしいですね。」

デスク「一応タイトルの顔だからな。まあスト6パッケージはルークだけど。」

記者「ゲームの顔となるキャラ以外にも、今発表されている4キャラのディージェイ、マリーザ、マノン、JPにも注目ですね。」

デスク「ディージェイはスパIVで登場したキャラだけどVには出なかったので復活組だね。ディージェイを使いたいと言っていたのはひぐち。
マリーザはパワー系だけどジュエルデザイナーって面白い設定だ。
コマ投げがあるなら、板ザン、キチパといった選手が好んで使いそうだ。
6はシャドルーが壊滅してベガがいないようなんだけどJPはサイコパワーで設置系の技を使うような描写がある。JPに目を付けているのはネモ。
マノンはスーパーモデルで柔道とバレエを融合した技を使う。
もけがマノンを使いたいと言っていた気がする。
プラス、ジェイミーは今発表されている中では明確に下位キャラっぽいから、ベータで使っていた人は多いけど誰がメインにしそうかは分からない。」

スト6で活躍しそうな選手は誰か

記者「現時点でスト6で活躍しそうな選手は日本人だと誰になりそうですか?」

デスク「日本勢だと、初年度はかずのこは間違いなく上位に入るだろうな。
攻略がとにかく速くて、普通のプロの数倍は仕上がりが速い気がする。
他には今のトップ選手だとふ~ど、ひぐち、カワノの3人かな。
ふ~ども攻略が速くてゲーム歴も長いから、6で強キャラを使えばトップに行くのは速いと思う。
ひぐちは若いから仕様の理解が速そうだし、Vと同じ感じでガイルを運用出来れば強そう。
カワノは端での柔道とか中央での差し返しが得意だから、6のゲーム性が向いてそうっていうのはある。カワノがVでやっていた事が、6で必須教科になった感じだな。」

記者「ときど選手やももち選手にも、注目ですね。」

デスク「ときど、ももちは活躍するとしたら2年目以降だと思うよ。
強い攻略と強いキャラが出揃ってから、それらを上手く料理してトップに上り詰める気がする。」

記者「ウメハラ選手ですが、スト6でどうなりそうですか?」

デスク「単純にストVより活躍すると思う。6では弾打ちも強くて元使っていたリュウが強くなってる。
ドライブゲージ周りも、格ゲー歴が長いウメハラなら適応するだろう。
強いて言えば不安要素は反応速度の衰えや健康面かな。
ウメハラ以外にも、スト6で40代に突入する選手も沢山いるから、彼らが息長く格ゲーで活躍出来るのか、それとも若手が席巻するのかも注目だね」

デスク「日本人選手も強いけど、スト6はドライン返しが必須科目だから、パッド使いが多くてフィジカルが強い海外の選手が、最終的には上位に大勢来る可能性が高いと思うよ。
NuckleDuのガイルなんてベータで異次元の強さだったし。」

記者「逆に6で苦戦しそうな選手は……」

デスク「Vのキャラの仕様や動作、特化したトリガーの強さを使いこなしていた選手かな。日本で言うとガチくんになるのかな。
セスやサガットを使った時期もあったけど、全シーズンほぼラシード1本で、他の選手が他キャラに行く中でもラシードだけ使い続けて世界を取った。
ラシードがVを逸脱したようなアクションが出来て、下位キャラに落ちるような調整を受けなかった幸運もあった。
ただ、それらの代償として1キャラに特化してしまったが故の、6での困難は予想出来る。
7-8年置きに環境が変わる格ゲーの特殊な所だな。
逆に言うと、ときどやももちは1キャラに依存しない強さだから、こういう懸念は少ないんだ。」

記者「TGS2022でのカプコンの発表によると、6は発売時に18キャラが出る事が決まっており、ラシードはその中に含まれていません。」

※スト6参戦キャラ名
ルーク、ジェイミー、マノン、キンバリー、マリーザ、リリー、JP、ジュリ、ディージェイ、キャミィ、リュウ、エドモンド本田、ブランカ、ガイル、ケン、春麗、ザンギエフ、ダルシム

ストVで活躍した選手を挙げる

記者「最後のテーマですけど、ストVで活躍した選手という事ですが、挙げるとしたら誰になるでしょうか。」

デスク「単純に印象で挙げてもいいんだけど、7~8年という年月で、選手活動が変化した選手もいたり、均一に判断し辛いんだ。
そこで、選手の中でもカテゴリーを分けた方がいいかもしれない。」

記者「カテゴリーというと、どういったものです?」

デスク「それほど難しいものじゃないけど、この3つのカテゴリーである程度選手の活動が分かれると思うんだ。
1.トッププロ 2.レギュラープロ 3.別の道に進んだ選手」

記者「トッププロは大会で優勝候補になったり等、人気実力ともトップクラスの選手という事ですか。」

デスク「そう。ウメハラ、ときどとか、明らかに「格が上」の選手っているだろう。そういう業界を代表するような選手は、特別なカテゴリーで区別しないといけない。
勿論、客観的なものじゃなくて主観的な指標だよ。」

記者「レギュラープロって何ですか?」

デスク「SFLで出場経験があったり、大会常連で名前が挙がる選手だな。
トッププロとの区別は難しいけど、それこそ選手として格だったり、タイトル経験が少なかったり、団体戦で選手として参加したり、選手になってから経験年数が短い選手だったりだ。」

記者「別の道に進んだ選手というのは?」

デスク「選手から別の業態に変えたり、選手はやっているけど他ゲーをメインにした選手だ。余り多くはないけど、有力選手が含まれているからカテゴリーとして作った。」

デスク「ホワイトボードに各カテゴリーの選手を挙げるぞ。」
1.トッププロ
ウメハラ/ときど/ふ~ど/ガチくん/マゴ/板橋ザンギエフ/sako/ももち/ボンちゃん/藤村/ネモ/まちゃぼー/どぐら/ぷげら/カワノ

2.レギュラープロ
ひぐち/Shuto/もけ/水派/鶏めし/りゅうせい/YHC-餅/竹内ジョン/ナウマン/うりょ/ジョニィ/ヤマグチ/あきら/ストーム久保/稲葉/ガンファイト/クラッシャー/様式美/キチパ/大谷/立川(他大勢いる)

3.別の道に進んだ選手
かずのこ/ハイタニ/GO1/MOV

デスク「全員の活動を挙げると長くなるから一言コメントとして掲載するぞ」
ウメハラ……CPT2020Asia East、CPT2021日本優勝。獣道、Beast Cup等各企画を発案。人気実力共にトップの活躍。
ときど……EVO2017、トパチャン、SFL2021優勝等トップクラスの戦績。
ふ~ど……トパチャン優勝やSFLでの強さが光る。ジコケンでの初心者帯育成。
ガチくん……CC2018優勝。SFL3回優勝。戦績は国内でも最上位。
マゴ……SFL2019優勝。2DGOD。CPT2019で4位。エンタメや個人配信で高い人気。
板ザン……All-Star League、SFL2018、トパチャン優勝。CC2018準優勝。FAV CUP5連覇の魔王。
sako……SFL2回優勝。最高齢現役プロ。コンボ職人として健在。
ももち……EVO Japan2019、CPT2022日本優勝。CCⅨ出場。TOP主催。イレブン41連勝。オーナー兼プロとして活躍。
ボンちゃん……EVO2019、SFL2021優勝。ロードトリップ主催。様々な逸話で人気。
藤村……Red Bull Kumite2連覇。トパンガリーグ優勝。リーサルの匠。
ネモ……トパンガリーグ、SFL2020優勝。バイオレンスエンペラー。様々な逸話や因縁で人気。
まちゃぼー……SFL2回優勝。Mr.最適解。バウンティマサヒロで活躍。
どぐら……SFL2022優勝。なんか勝つ。クソキャラ列伝が人気。
ぷげら……World Warrior、SFL2022優勝。星を砕く拳聖。CCⅨ出場。
カワノ……ヒットボックス先駆者。トパチャン、EVO、SFL2022優勝。CCⅨ出場。

デスク「レギュラープロの選手は大勢いるので全て挙げていないが、代表的な選手はひぐち、Shuto、もけ、水派、竹内ジョン、ナウマン、ジョニィといった選手になるだろうか。」

記者「ナウマン選手はEVO JAPAN 2020での優勝が印象的でした。」

デスク「ナウマンはEVO JAPAN 2020の活躍は目覚しくてマゴを倒した決定戦も凄みがあった。
ただ、それ以降トパチャン、SFL等主だった大会にはほぼレギュラーとして出ているけど、EVO JAPAN 2020以降では、目立つ活躍がないんだよな。
メインをさくらからルークに移行したんだけど、ルーク使いの中でも存在が薄く活躍したとは言い難い。ルークに移行せず、プロ唯一のさくら使いとしてやる道もあったのだろうか。
ゲーマーとしてはどんなゲームでも器用に出来るタイプだと思うんだけど、SFVだと選手としては余り伸びなかった印象だな。」

デスク「別の道に進んだ選手は、かずのこ、ハイタニ、GO1、MOVの4人挙げた。
かずのこはCC2015で優勝、CC2016でも3位になったがストVの活動を縮小しマルチゲーマー、ストリーマーにシフトした。DBFZでも世界王者だ。
ハイタニは格ゲー五神と言われる有名選手だが、やはり選手活動を辞めて日中に配信するストリーマーとなった。本人も今の活動が気に入っているようだ。
GO1はストV初期はCPTの試合に出ていたが、現在はDBFZが主戦場。
この3人はスト6ベータをプレイしていたので、スト6で選手に戻る可能性もある。
MOVは春麗の猛者でSFLに出た事もあったが、ミニ四駆バーを開くとの事なので、選手活動からは離れている。」

記者「トップに挙げた名前は、大会の上位常連という感じですけど、レギュラープロで挙げた選手も力を付けているので、トップとレギュラーの差はそれ程ないとも思います。
SFLに出ていなくても強いライセンス持ちや、プロに匹敵する実力を持つアマチュアも多いですし。」

デスク「飽くまで僕の印象だよ。実際にはこのようなカテゴリー分けはされていない。ただ、選手を語る上で格のようなものは否めない。」

記者「スト6ではどうなるんでしょうね。」

デスク「スト6ではこの通りではないだろうな。寧ろ大きく変わる可能性が高い。スマブラとかギルティギア、鉄拳等の他ゲーから、スト6に本格参戦する選手もいるだろう。
今アマでも全く無名の選手が、いきなり6でトップに何人も出てきても、全く不思議はないよ」

ストVのベストバウトを挙げる

記者「ストVのベストバウトも挙げますか?」

デスク「そうだな。一つに収まらないから幾つか挙げてみよう。」

記者「試合を見ている時にメモにリストアップしていたんですが、自分のベストバウトはこれです。」

記者の挙げるベストバウト
・獣道・弐 ウメハラ vs ときど
・Capcom Cup 2019 GF iDom vs Punk

記者「獣道・弐は、ストVの歴史的に外せないかなと。獣道のテーマ曲ってあるじゃないですか。あれが凄く好きなんです。」

デスク「あれはTrance Momentsっていう曲で、Yasuさんという方が獣道のために作曲したようだよ。」

記者「そうだったんですか。あの曲を聴いているといよいよ獣道だなって昂ぶりを感じます。
Capcom Cup 2019 の決勝はアメリカのトップ選手同士だったんですけど、この試合の展開の速さとか、レベルの高さは凄くて圧倒されました。」

デスク「CC2019決勝は、最初ララ対キャミィで始まって、キャミィが駄目と見るやPunkがかりんに変更したものの、ララのサンダークラップに苦戦して、大足で活路を見出した所に、iDomがポイズンに変えてトーナメントポイントを勝ち取った。
戦略的な被せ合いといい、見所の多い試合だった。」

記者「デスクはどの試合でしょうか。」

デスク「沢山あるけど僕はこれにするよ。」

デスクの挙げるベストバウト
・CPT2021日本大会3 GF ウメハラ vs カワノ
・トパンガチャンピオンシップ第4期 GF ふ~ど vs ときど

デスク「CPT2021日本大会3だが、この試合はウメハラがGFでリセット(ルーザーズから上がってきた選手がウィナーズ選手を破ることで同条件になる事)されたんだけど、ほぼ起き上がりの攻防でEXサマーソルトを出さず、カワノを心理的にコントロールした上でリバサ歩き投げという、理外の理の行動でカワノを揺さぶって勝利を掴んだんだ。
長期戦の雄のウメハラらしい勝利だよね。
それまでの師弟的な関係性から、ウメハラが初めて同じ土俵に乗ってきたカワノを認めた瞬間だと思うんだよな。
凄いのは、ウメハラはカワノがサブのバルログを出してくる可能性も潰しておくために、直前まで練習パートナーとバルログ対策もしていたんだ。
(実際にカワノがバルログを出す事はなかった。)」

記者「この時は、勝利者インタでのウメハラタオルやカムコムカップの誤訳(?)も話題になりましたね。」

CPT2021での勝利者インタビューに応じるウメハラ選手
(出展:Capcom Fighters JP

デスク「あったな。」

デスク「トパチャン4期のふ~ど対ときどは、7試合先取りなんだけどデュースの連続で10-9までいった。
ふ~どは最初バーディーを出したんだけど、ときどルークが先にリーチをかけると、ポイズンを出して最後の勝負に出る。
これが分岐点で、ポイズンで徐々にポイントレースを逆転していくマラソンみたいな試合だった。
ときども最後の最後まで食らいつく極限の状況で、最後は9-9の1先になるという。
本当に僅かの差でふ~どが優勝になったけど、国内のストVの総決算というか、頂上決戦に相応しい内容だった。」

記者「あの試合は最後までどちらが先に抜け出すか分からず、手に汗握って見守りましたよ。
それにしても、ベストバウト4試合に2回ずつ挙がるウメハラ選手とときど選手は凄いですよね。」

デスク「この二人はストVでも特別な二人だよ。4年前からそれは変わってない。」

ストVベストプレイヤーの選出(国内と海外)

記者「ベスト選手も挙げる流れでしょうか?」

デスク「そうだな。国内からはウメハラ、ときど、ガチくんが候補になる。
ウメハラは情勢的にCPTに優勝してもCCが開かれなかったりで不運だったんだけど、リュウからガイルへの変更、ヒットボックスの導入と、苦心しながらその時々の環境に適応し続けたのが印象に残る。獣道、Beast Cupの企画やエンタメ配信等、常にコミュニティを盛り上げた功労者だ。
ときどは個人で海外と国内両方の大会で優勝、団体戦でも優勝している。
常にトップを走っていた印象だった。獣道での印象も強い。
ガチくんも個人と団体戦両方で優勝。日本人選手で唯一のCCを取っている。SFLは通算3回優勝と国内でもトップだよ。」

記者「その3人のうち誰がベストプレイヤーになりますか?」

デスク「僕個人としては、ガチくんをベストプレイヤーに推す。
広島から上京してレッドブルアスリートになり、ときどやマゴ、ウメハラ、ふ~ど等の考え方に触れて文字通りトップ選手になった。
特別な事はせずコツコツ課題を挙げて克服し続けた。
ストV以前と以後で一番環境が変わった選手だろうな。
無名時代のカワノをサポートして、後進への支援をした面も言及しておきたい。
でもときどっていう人もいるだろうし、本当にこの二人の差はないと思う。ベストプレイヤーはときどとガチくんの二人だよ。」

デスク「ウメハラについては、FGC功労者(格ゲーコミュニティ/Fighting game community)として挙げたい。
戦績や試合内容も凄いんだけど、一番コミュニティの事を考えて活動していたのは間違いなくウメハラだよ。」

記者「海外では誰でしょう。」

デスク「活躍的にはPunkだけど、やはりCCを取ったiDomがベストプレイヤーだ。
本当に誰が倒せるんだっていう、PunkはストV中期のベスト選手だった。
そのPunkを直接対決で倒して優勝したのは大きいよ。
Problem X、MenaRD、Mister Crimson、The4philzz、Infexious、Infiltration、NL、Xian、Oil King、Big BirdとAngryBirdとかいい選手は沢山いるんだけど一人だけ選ぶならiDomで。」

デスク「最後に、ストVの年表を公開して締めようと思う。
後でどんな出来事があったか振り返りが出来るようにな。
昨年作っておいた年表を掲載してくれ。」

記者「分かりました。」

2023/5/7追記
ときど選手によるストV振り返り動画が公開されていますので動画リンクを掲載いたします。

【地球】【柔道】ストリートファイターⅤの7年間を振り返る新シリーズ! 発売直後はいろいろありました…【ストV史振り返り①】

ストリートファイターVの主な年表

――――――――――――――――――
2014
ストリートファイターV発表
――――――――――――――――――
2015
SFV クローズドβ
忍ismチーム発足
――――――――――――――――――
2016
ストリートファイターV発売
EVO2016(優勝:Infiltration)
Capcom Cup 2016(優勝:NuckleDu)
ウメハラがRedBull、Hyper Xと契約
――――――――――――――――――
2017
EVO2017(優勝:ときど)
Capcom Cup 2017(優勝:MenaRD)
第6期トパンガリーグ(優勝:ネモ)
ウメハラがCygames Beastと契約
――――――――――――――――――
2018
SFV バージョンアップ(AEver)
SFV 仕様変更(VトリガーⅡ追加)
EVO Japan 2018(優勝:Infiltration)
EVO2018(優勝:Problem X)
Capcom Cup 2018(優勝:ガチくん)
RAGE STREET FIGHTER V All-Star League powered by CAPCOM(優勝:板ザンオーシャン)
第7期トパンガリーグ(優勝:藤村)
獣道1、獣道弐開催
――――――――――――――――――
2019
SFV バージョンアップ(CEver)
SFV 仕様変更(VスキルII、Vシフト追加)
EVO Japan 2019(優勝:ももち)
EVO2019(優勝:ボンちゃん)
Capcom Cup 2019(優勝:iDom)
STREET FIGHTER League powered by RAGE(優勝:イタザンオーシャン)
ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE(優勝:マゴスカーレット)
おじリーグ(第1回)(優勝:大須晶)
格ゲー喫茶ハメじゅん放送開始
ComboBreaker 2019でコントローラー問題発生
――――――――――――――――――
2020
世界情勢により大会中止(EVO、Capcom Cup)
おじリーグ(第2回)(優勝:アール)
EVO Japan 2020(優勝:ナウマン)
第1期TOPANGAチャンピオンシップ(優勝:ときど)
第2期TOPANGAチャンピオンシップ(優勝:板橋ザンギエフ)
SFL2020(優勝:ネモオーロラ)
獣道Ⅲ開催
魚群チーム発足
ウメハラがCygames Beastと契約終了/Mildom Beastへ移籍
おじリーグ(第3回)(優勝:にゃん師)
小野義徳氏カプコン退社を発表
――――――――――――――――――
2021
前年に続き大会中止(EVO、Capcom Cup)
第3期TOPANGAチャンピオンシップ(優勝:カワノ)
EVO 2021 Online(優勝:カワノ)
SFL2021(優勝:v6プラスFAV Rohto Z!)
ネモがスクエニ退社し専業プロへ
Good 8 Squadチーム発足
SFV 最後のキャラ・ルーク追加
おじリーグ(第4回)(優勝:こくじん)
――――――――――――――――――
2022
Capcom Cup大会中止
EVO2022(優勝:カワノ)
SFL2022(優勝:Good 8 Squad)
第4期TOPANGAチャンピオンシップ(優勝:ふ~ど)
獣道4開催
格ゲー喫茶ハメじゅん終了
ストリートファイター6発表
――――――――――――――――――
2023
CAPCOM CUP IX(優勝:MenaRD)
CAPCOM CUP IXにてZHENやEndingWalkerなど超新星が活躍
EVO Japan 2023(優勝:Oil King)
おじリーグ(第5回)(優勝:ヌキ/大貫晋也)
TOPANGA World Championship(優勝:ときど)
ストリートファイター6発売
――――――――――――――――――

注意事項
個人が自分の考えで書いたものです。必ずしも内容が正しいとは限りません。
読まれる際はご理解をお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!

G@MERZ:NOTE
いつもお読みくださり有難うございます!サポートいただければ励みになります!