ゲームの思い出:ロックマン4
あなたがゲームBGMを最初に意識したのはどのタイトルだろうか?
僕の場合、それはロックマン4だった。
ある日のことだ。珍しくいとこのお兄ちゃんが家に遊びに来た。
いとこのお兄ちゃんはスポーツがとても得意で、マラソン大会等ではいつも上位に入賞していた。もう何年も会っていないが今でもスポーツインストラクターとして活躍しているらしい。
そんなお兄ちゃんが、僕がサッカーの試合でゴールを決めたと聞いてゲームソフトをプレゼントしにわざわざうちに来てくれたのだ。
いとこのお兄ちゃんは僕がスポーツで活躍すると決まってなにかご褒美をくれた。
ファイアーエムブレム外伝、ファリア…ご褒美に色々なソフトを貰った。
スポーツが大好きで、僕が目が悪くなり過ぎ、また大人の事情に嫌気がさしてサッカーを辞めようとした時も最後までサッカーを辞めないよう僕を説得していた。
結局、サッカーは辞めてしまったけれど。
ブレゼントはロックマン4。発売されて半年ほどたったソフトでロックマンの最新作。
ワクワクしながらソフトをファミコンに差し込んで電源を入れた。
ロックマンシリーズは高品質のアクションゲームシリーズだ。
ゲームとして面白いだけではなく、そのBGMもとても良く人気がある。
前作でスライディングが出来るようになったが、今作ロックマン4ではロックバスターが溜め撃ちでも使える様になり、より戦闘が楽しくなった。全体的な難易度は前作に比べて下がったが、ロックマンシリーズである。当時の僕には相当に難しかった。
僕が最初に選んだのはスカルマンだった。ボスまではたどり着けるのだがなかなか勝てない。
そうこうしている内に母が帰ってきてしまった。ロックマン4を貰った当時、僕はゲームをやりすぎて夏休みだと言うのにファミコンを取り上げられており、押し入れの中に隠されてしまっていた。
狭い家なので隠された翌日にはファミコンをみつけ、母がパートに行っている間にプレイする毎日であった。
母が昼食を作っている間に鼻歌を口ずさむ。
それは、スカルマンステージのBGMだった。
「なに?その曲?」
「マンガの曲ー」
母の問いに適当なことを言って誤魔化す。
ゲームの曲だと言ってしまったらゲームを隠れてやっていたのがバレてしまう。冷静に考えるとそんな訳ないのだがその時の僕はそう思い込んでいた。
そして、ゲームの曲を口ずさんでいた事に驚いた。
そうか、僕はこの曲が好きなのか。
当時の僕は月に2冊母に本を買ってもらっていた。
衣服や玩具なども売っている少し大きなスーパーマーケット。
そこの本屋に本を買いに行った時、隣の小さなCDショップが目に入った。
そこには少しのファミコンソフトも売っており、後にファミコンの源平討魔伝とラグランジュポイント、覇邪の封印等を祖父に買って貰った場所だ。
ゲームを見るついでにCDを見ていた僕は、そこでスーパーマリオのサントラを見つけた。
小さな店だったのでゲームのサントラはスーパーマリオの物しか売っていなかった。残念ながらロックマンのサントラは売っていない。しかし、驚いた。まさかゲームのBGMのCDがあるなんて思いもしなかったからだ。
サントラを手に取りマリオのBGMを思い出してみる。
なるほど、これが家で自由に聴けるのか。
僕は本を買ってもらう代わりにマリオのサントラを母にねだった。
しばらくして根負けした母が会計を済ませている間ガッツポーズをしたのを覚えている。
このCDを僕は擦切れるまで聴いた。
当時CDラジカセは家にひとつしか無かったが、宿題などをしている間は好きなCDを流していても母は何も言わず、自由に聴かせて貰えた。この頃成績が良かったのは案外この時CDが聴きたいがために勉強をちゃんとやっていた成果なのかもしれない。
そして、ロックマン4をクリアできるようになった頃。当然のようにロックマン5のボスコンテストに応募をしていた僕の元にとあるものが届いた。
ロックマンアレンジバージョンスペシャルCD。
ロックマン5のボスコンテストの参加賞だった。
マッチョなボディで拳の拳圧で戦うマッスルマンだったか地面から交通標識を飛び出させて戦うロードマンだったか……どちらがロックマン5のボスコンテストに応募したものか覚えていないがどちらかだったはずだ。
それは待ち望んでいたロックマンのBGMが入ったCDだった。
僕は母が引く程のテンションで狂喜乱舞し、このサントラを聴きまくった。
カットマンステージのBGM、ロックマン2のエンディングのロックマンが歩いているところのBGM、スパークマンステージのBGM、そしてスカルマンステージのBGM。スカルマンステージのアレンジが入っているのが本当に嬉しかった。
そのあとのトラックのストーンマンステージのBGMも良かったのだが、まだあまりロックマン5に馴染みがないせいか、この頃の僕はスカルマンステージまでの4曲を聴き続けた。
Switchを起動して久しぶりにロックマンクラシックコレクションからロックマン4を起動してプレイする。
相変わらずパターンが読みやすく弱いトードマン。
ゲームボーイのワールド版だとレインフラッシュでステージの地面が固まるファラオマン。
ステージが楽しい感じなのだがなかなか手強いリングマン。
口笛でBGMを吹くのが何故かクラスで流行ったダイブマン。確かこのステージのクジラの中ボス倒した後の穴に落ちると隠し特殊武器が取れるんだよな。
超巨大なプレス機に気圧されなかなか前に進めなかったダストマン。
今でもロックマンシリーズ最高クラスに好きな特殊武器、ドリルボムを使うドリルマン。
時間を止めることができるフラッシュストッパーを使うブライトマン。スライディングしている間はフラッシュストッパーの時止めのカウント止まるんだよな。
そして、スカルマン。
相変わらずいい曲だ。
スカルマンを倒してコサックステージへ。
色々な事を思い出しながらプレイしていたが、そこで僕はSwitchの電源を落とした。
久しぶりに聴いてみたくてもあのCDはもう無い。
それが堪らなく寂しかった。
あのCDの他にもロックマン6のボスコンテストに応募して貰えたスペシャルCDの第2弾、またCDが貰えると思っていたらスーファミのソフト型のケースと認定証が届いてちょっとガッカリしたロックマン7のボスコンテスト参加賞。
どれも大切な宝物で、机の中にしまっていたはずなのに。
今はもう、どこに行ってしまったのかわからない。
ロックマン4 新たなる野望!!(FC版)
1991年12月6日発売。
発売:カプコン
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