ゲームの思い出:ニンテンドーオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ
ストリートファイター2の流行により格闘ゲームというものが流行り、定番のジャンルとして定着した。
しかし、操作の複雑化などにより、新規でプレイする人がどんどん減っていた。
そんな時、一本のゲームが現れる。
ニンテンドーオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ。(以下スマブラ)
このゲームは僕たちの対戦ゲームの環境を一変させた。
「なんか任天堂のキャラだけの格ゲーが出るらしい」
たまに他のゲームで遊ぶことはあっても、依然としてポケットモンスターをメインで遊んでいた僕たちの元にそんな話が伝わってきたのはいつの事だったろうか。
任天堂大好きな僕達がそんな話を聞いてワクワクしないはずがなく、僕たちは続報を待っていた。
そして数々の情報がでて、遂に発売する。
スマブラは厳密に言ってしまえば格闘ゲームではない。
しかし、格闘ゲームと同じジャンル、対戦アクションゲームとして発売された。
従来の格闘ゲームなどと違い、キャラクターの体力を削り合い、先に相手を0にした方が勝つと言うものではなく、ダメージを与えられると%表示でダメージが蓄積されていき、吹っ飛びやすくなっていく。
この吹っ飛びやすくなる、というのがとても良く、当時の格闘ゲームでよくあった、一発攻撃が当たったが最後、死ぬまで殴り続けられて負けるなんて事が起こりにくかった。……実際に当時の格闘ゲームでも、途中でガードが間に合ったり受け身で逃げられたりするものが殆どだったのだが、ゲーム下手な僕たちにそんなことできるはずも無く、格闘ゲームは好きだけど友達と家で遊ぶくらいしかできなかった。アーケードには新作をみんなで攻略しに行くくらいだった。
スマブラはダメージが蓄積しすると吹っ飛びやすくなる。この状態で敵に攻撃を与えられたりして、吹っ飛んでマップの外に吹き飛ばされてしまったり、穴に落下してしまったら一回ミスとなる。
しかもルール設定で時間内なら何度でも復活できて、最終的にスコアで競うもの、ストック制でストックが無くなったものが抜けていくもの、と基本的な勝利条件を変更できるではなく、他にも様々な設定をいじれた。
僕たちは夢中になった。
僕が最初に使ったのはカービィだ。
僕はカービィシリーズがすごく好きで、当時も星のカービィスーパーデラックスをよくやっていた。
その事からカービィを選ぶことは自然だった。
マリオを吸い込んでファイヤーボールをコピーしたり、サムスをコピーしてチャージシャットを放てるようになる。原作のカービィが行える行動がそのまま対戦アクションゲームで使える。
ファイナルカッターやストーンなど、原作でも好きなコピー能力が使えるのもとても良かった。
しかし、発売日の翌日には使用禁止とされてしまった。
僕はスマブラをいつものゲーム仲間とプレイし始めたのではなかった。
当時、まだいじめられていたが、スマブラが発売した頃には色々な事に開き直り、少しながらも校内に友人ができていた。
普段あまりゲームをやらないこの友人たちと遊ぶのも楽しかったのだが、いつものゲーム仲間達と違ってやはり気を使わなくてはいけなかったのだ。
そして、いつものゲーム仲間とやるノリでやってしまい、少々揉めてしまった。
カービィは、吹っ飛びやすいのだが復帰能力が高い。
なのでいつもの癖で相手を容赦なくエリア外に飛ばした敵を追いかけてドリルキックで追撃、落とすなんて事を初日にやりまくってしまったのだった。
普段そういう何でもありの戦いをしていない、ゲームすらあまりしたこと無い人間相手にこれはまずかったと今でも思う。
そんな訳でカービィを早々に使用禁止にされてしまった僕は次にフォックスを使い始めた。
その後色々なキャラクターを使ったが、何百時間遊ぶ頃にはピカチュウを使うようになっていた。
僕たちがゲーム仲間でやるスマブラのルールは仲間内で有り有りの有りと呼ばれる。
あらゆる事を有りとするのだ。
今で言う終点アイテム無しの真逆である。
ステージは全てからランダム、アイテムは全て有り。
スマブラSPならスピリット使用は当然有りだし、育成が前提となる。
スマブラSPに関しては8人対戦モードで4人戦、各々が自分で育てたamiiboを持ち込みタッグで戦う。ルールはタイム戦だ。
そして最下位の奴が罰ゲームと言うのが僕たちのルールだった。
このようなルールになっていったのには訳がある。
スマブラにはいわゆる即死コンボというものがある。一発攻撃を食らうと最後まで殴られて何もできずに負けてしまうアレのことだ。
前述したとおり、スマブラは今までの格闘ゲームとは違い、即死コンボのようなものは発生しにくくなってる。
しかし、それは発生しにくくなっているように見えた、が正しい。
数百時間、何千戦と遊んでいた僕達は一対一でならほぼ確実に持ちキャラで即死コンボを行うことができるようになっていた。即死まで持っていけなくても瀕死状態までは持っていける。
そんな状態なので単純にタイマン戦だとどうしても一発を最初に与えた方が勝ちやすい状態になってしまう。ちょっとそれではつまらない。
それなので4人戦がメイン。何でも有りタイム制で途中でコンボが終わりやすくなるように、みんなが最後までゲームをプレイできるようにしたのだ。
それが始まりだった。
別に終点アイテム無しのタイマンが嫌いというわけではない。そのルールはそれはそれで好きだ。単純なキャラクター同士の実力を競うのに一番いい方法だと思っている。
しかし、みんな集まったときには有り有りの有りでやるのがやはり一番盛り上がる。
ゲームは勝敗だけが全てじゃない。まずはプレイしていて楽しくなければいけないのだ。
僕達はスマブラからそれを学んだ。
と、最後にこぼれ話を一つ。
スマブラで初めてネスが使えるようになった日の事だ。発売して初めての土日どちらかだったと記憶している。
ネスはスマッシュ攻撃と呼ばれる攻撃でバットで敵の弾を跳ね返すことができる。
そしてネスにはPKサンダーと言う、自由に動かせる弾を飛ばせる技があった。
即席の野球ゲームの始まりである。
ピッチャー側がPKサンダーを撃ってバッター側が撃ち返す。何度かやっているうちに跳ね返した弾をもう一度跳ね返せないか考えるようになった。
しかし、ネスの同キャラではどうやっても無理だったのでリフレクターと言う敵の弾を跳ね返すことができる技を持つフォックスを入れて撃ち返したPKサンダーをリフレクターで跳ね返せるかを試してみたのだ。
結果は成功。ヘンな形に変化してしまったPKサンダーの弾は明後日の方向に飛んでいった。
こうなるとまた色々試したくなるのが人間というもの。もう一回跳ね返せるか試そうと、もう一人フォックスを増やしそのへんな形の弾を跳ね返そうとした時である。
リフレクターのタイミングを間違えて弾に当たってしまったのだ。
するとどうだろう。バン!!!といつもとは違う凄まじく大きいヒット音が聞こえ、ゲームがフリーズしてしまった。
僕達は初めて任天堂のお客様センターに電話をした。
お姉さんが出たので経緯を説明する。
最初はキチンと聞いていたお姉さんの声のトーンが話を聞くにつれ変わっていった。
そして全ての説明が終わると、少し間があって、お姉さんは少し呆れた声で
「普通に遊んでください……」
と言った。
そんな事言われた僕たちだったが、その後もサムスのチャージショットで野球をしたり、ボム兵ばかり出るようにして爆弾デスマッチ等、スマブラを色々な方法で遊んだ。
スマブラは僕たちの様々な遊び方に答えてくれた。それは最新作でも変わらない。
終点アイテム無しのタイマンも確かに凄く面白い。
しかしたまには友達と集まって勝敗なんて関係ないバカみたいなルールで遊ぶのもおすすめである。
ニンテンドーオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ
ハード:ニンテンドー64
1999年1月21日発売。
販売:任天堂
※見出し絵は公式のものを使わせていただいております。問題があればご連絡下さい。すぐに消去いたします。
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