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いのちの両側

「お、のんびりした優しい曲だな。牧歌的で癒やされる雰囲気だなー」

アズールレーンのホロライブコラボ「幻想と真実の二重奏」にも登場した『いのち』という曲。
海域BGMとしてオフボーカルで聴いていた私の印象となります。


装備によっては戦闘中の音楽も変更(ランダム)ですが、ゲームに集中しているためオンボーカルになってもほとんど聞き流している状態でした。
改めて聴き直したのですが。

「重い」

印象はこれにつきました。
夢を見ているようだと可愛く口ずさんだかと思えば、わからないと泣き出しそうな声で今にも縋り付いてきそうな画が視えてきます。

好きな歌で、生きている

第一印象がオフボーカルで、ただただ優しく沁み入る曲だと思いこんでいたのが不味かったかもしれません。
歌の中の感情がスルリと中に入ってきて、頭の後ろ辺りをゾワゾワとさせてきます。

優しいのか、寂しいのか、覚えていて欲しいのか、忘れて欲しいのか、すごくぐちゃぐちゃに入り混じった気分になります。

I can't control myself』『Fake.Fake.Fake』のように勢いがあって気持ちを高揚させる、聴いている人間をどうこうさせるような激しさはありません。
落ち着いた空気の中で、指先で触れたいのに手を引っ込めたくなるようなおっかなびっくりな優しさと恐怖が入り混じった気分にさせられます。
この歌を重く受け取って欲しいのか、軽く受け取って欲しいのか、投げかけられた重量を測りかねてしまいます。

心は死なず、壊死する

アズールレーンという呼び水が無ければ、ここまで自分に沁み入ることは無かったでしょう。
恐らく、こんな出会い方を出来た人間は多くはないと思います。
ゲームのプレイヤーだったからこそ出来た貴重な経験だと捉えています。
しかし、歌単体であればここまでの気分を引き起こすことはなかったでしょう。
ゲーム中のBGMとして繰り返し接して、油断してしまった心に背後から忍び寄られて鈍く刺し貫かれたような感覚です。

その不意打ちに心地よさを覚えたのも確かです。

私はきっとAZKiを忘れます。
『いのち』という歌も忘れます。
アズールレーンも、好きだったもののほとんどを忘れます。

しかし、心が動いた感覚だけはきっと覚えている気がします。
強張って冷たくなっていた自分の心が、ちゃんと感覚があって体温があったと思い出させてくれました。
昔のように熱中したり感動できなくなって壊死していくだけだと思っていた心が、ちゃんと息をして感覚があると思い出させてくれました。

動かしてくれてありがとう。
歌では無いけれど、歌で動いた感覚を誰かに託そうと思わせてくれてありがとう。

私はAZKiのいのちが好きです。


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青いプレイヤー
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