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AIって二種類あるねん。あと、AGIとかASIっていうのもあるねん。

こんにちは!
スゴロックスです。
 
ChatGPTなどのいわゆる「生成AI」が世の中をにぎわせてから、もう2年が経とうとしています。

googleトレンドより筆者調べ:https://trends.google.co.jp/trends?geo=JP&hl=ja

上記の図を見れば分かるように、ちょうど2年前、2022年8月あたりから日本でも「生成AI」というキーワードの検索数に山が出来ています。
 
そして、2022年11月ごろから、ずっと右肩上がりで検索数は増えています。
2022年の11月30日に「ChatGPT」がリリースされたので、その影響かもしれませんね。

また、それに比例して「AI」自体の検索ボリュームも増えています。
こちらも11月頃から上昇傾向です。

「もう2年経った」と考えるか「まだ2年しか経っていない」と考えるかは人それぞれだと思いますが…
 
2年前と比べて、世の中が今まで以上にAIに関心を持つようになった」ことは、数字からも読み取れる事実だと思います。
人によって差はあれども、皆さんも色々なAIサービスを使っていると思います。
 
ですが、今日僕たちは「今出ているAIサービスは、いわゆる『人工知能』じゃない」ということをお伝えしたい。
 
「AI」って、二種類あんねん。

「人工知能」と「拡張知能」

さて、「AI」という言葉は「人工知能」、つまり『Artificial Intelligence』の略称と広く理解されています。
 
この「人工知能」の定義はまちまちで、明確には定められていないそうなのですが、IBMは以下のように述べています。

人工知能 (AI) とは、人間が知能によって遂行している問題解決や意思決定といった能力を、コンピューターをはじめとする機械を用いて模倣および再現するものです。

IBM公式Webサイトより引用: https://www.ibm.com/jp-ja/topics/artificial-intelligence

つまりは、人間と同じように、問題解決や意思決定ができる仕組みである、という事を言っています。
 
例えるなら、誰もが知っている“あの”ネコ型ロボットです。
 
ロボットなので、人間の手によって作られてはいる。
そして、同居人がぶつかるさまざまな問題に対して、自分が持っている未来の道具で、同居人が抱える問題の解決手段を提示してくれる存在です。
 
ですが一方で、ネコ型ロボットは「この道具を渡しちゃったら、同居人はサボっちゃうよなぁ…」のような葛藤があり、その結果、解決手段を敢えて提示しないという意思決定を、ネコ型ロボットが自律的にする場合もありますよね。
この「意思決定に人間が介在していない」ということが。人工知能を理解するにあたっての大きなポイントです。
 
お分かりのとおり、今の世の中にあるAIで、「意思決定に人間が介在していない」レベルにまで到達しているAIは、存在しません。
 
あくまで人間の指示のもと、人間の意思決定をサポートしたり、人間ができないことをするための存在です。
 
そう言った意味では、今の世の中にあるほとんどのAIは「拡張知能(Augmented Intelligence)」の方がしっくりくるかもしれません。
この「拡張知能」という概念。元々はIBMが「Watson」という人工知能をリリースしたときに使われていた言葉です。
 
人工知能との最大の違いは、人工知能は「人間の指示から離れて問題解決や意思決定をする」存在であるのに対し、拡張知能は「人間の意思決定・判断能力の向上を図る」存在である点です。
 
あくまで人間の意思決定や判断をサポートするための道具である、ということですね。
 
AI(拡張知能)=人間の能力を補助して、問題解決や意思決定を助ける
AI(人工知能)=人間のように問題解決や意思決定ができる
 
RPGで例えるなら「拡張知能」は、「勇者が使うめっちゃつよい武器を作ろう」という考え方。一方で「拡張知能」は、「勇者そのものを作ってやろう」という考え方ですね。

今使われているAIは、「拡張知能」に過ぎないのです。
 
今の世の中に出てきているAIは「人工知能」ではなく「拡張知能」と呼ぶべきです。
つまりは、「Augmented Intelligence」ですね。
 
一口にAIと言っても、人工知能(Artificial intelligence)と拡張知能(Augmented Intelligence)は同じ「AI」という略称で用いられ、混同されがちです。
ですが、実はそもそも役割が圧倒的に違うんですね。

「人間と同等」のAGI。「人間以上」のASI。

では、真の意味での「人工知能」は誕生しないのかと言うと、恐らくそんなことはありません。

この領域に取り組んでいるプレイヤーからは「AGI(Artificial General Intelligence・人工汎用知能)」という概念が提示されており、OpenAIを初めとした様々な企業・団体が実現に向けて取り組んでいる領域です。
 
AGIは「人間のような汎用的な知能を持つ人工知能」のことを指してます。
あらゆる作業や思考において、人間と同様の知識や能力を持ち、独自で問題解決ができる能力を持っているAIのことだそうです。
 
今あるAIが「何かの作業に特化しているAI」とするならば、AGIは「人間と同レベルでなんでもできるAI」です。

前述のとおり、AI領域のトップランナーはしきりに「AGI」についてメッセージを出しています。
 
例えばOpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、公式ウェブサイトにて「人間よりも賢い汎用人工知能システムが全人類に利益をもたらすようにすること」が使命だと語っています。

つまりは、AGIが人類にとってメリットのある存在にしたい、と言っているんですね。
 
ですが一方で、同社はAGIには「誤用、重大な事故、社会の混乱といった重大なリスク」があると語っており、慎重な姿勢を見せています。

参考:https://openai.com/index/planning-for-agi-and-beyond/

上記発信はCEOであるサム・アルトマン本人が著者となっているため、OpenAIのAGIへの本気度がうかがえます。
 
また、同社はAGI実現に向けてのステップまで提示していることも特徴的です。かなり具体的にAGIまでの道のりを描いているようにうかがえます。

引用元:https://www.multifverse.com/blog-posts/openai-agi-5-tier-progress-scale
引用元はbloombergの報道より作成 https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-07-11/openai-sets-levels-to-track-progress-toward-superintelligent-ai

OpenAI以外も本気です。例えば、Googleは昨年4月に、英DeepMindとGoogle Brain Teamを統合して「Google DeepMind」を設立。
 
AGIは「歴史上最大の社会的、経済的、科学的変革を推進する可能性を秘めている」とし、AGIに取り組む姿勢を名言しています。

日本のプレイヤーとしては、ソフトバンクグループの孫正義氏が挙げられるでしょう。
 
同氏は2023年10月の講演にて、「AGIは10年以内に来る」と語りました。
 
また、将棋やチェスなどの一部領域では、既に人間より強いAIが誕生していることに触れつつ、AGI誕生後10年以内に、人間の知能をはるかに超えた人工知能「ASI(Artificial Superintelligence・人工超知能)」の世界に到達すると語りました。

孫氏はASIの能力を「孫氏は人類叡智総和の1万倍になる」と語っています。

言い換えると、「人類全員の力を集めても、ASIはその1万倍の能力があるよ」という事ですね。

それってつまり「ぼくのかんがえたさいきょうのAI」ってコト…?!

これまでの話の流れでまとめると…

  • 拡張知能=人間の能力を拡張する道具

  • 汎用人工知能(AGI)=人間と同等の能力を持つ

  • 人工超知能(ASI)=人間を超えた能力を持つ

ということになります。

本当の意味での「人工知能」は実現するのか?
AGIの世界、ASIの世界は実現するのか?
今後が楽しみな領域です。

AIはどう進化していくべきか?

最後に、今回のテーマ「人工知能・拡張知能・AGI」について思ったこと

AIはソフトウェアなので、今のスピードで進化していけば、必ずとてつもないことが実現することができると考えています。

その進化形は、忖度がない究極の判断ができるAIとか。でもそこには「人間らしさ」などの泥臭い感情はきっと存在しません。

それじゃあ、楽しくないし、幸せじゃない……。

ちょっと哲学的な感じですが、人類軸なのか、私たちが幸せを享受できている地球という惑星軸なのか、多くの人の幸せのためにどちらもの軸が高い次元で成立するために、優しいとか、笑顔を作るものとしてAIが進化していくとうれしいですね。

今回は「人工知能・拡張知能・AGI」について語ってまいりました。
 
僕たちは新しい技術が大好きなので、当然このAIの領域にも熱視線を注いでいます。

実際に、弊社はAITuber領域でご活躍されている株式会社Pictoria様と業務提携して、ゲーム・エンタメ領域へのAITuberの社会実装に向けて取り組んでいます。

生成AIが出てきてたったの2年。まだまだこの領域の可能性は広がっていくと思います。

本当に奥が深い領域なので、ご興味ある会社様、開発者の方、ぜひ僕たちとお話しませんか?

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