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風が吹けば桶屋が儲かる。AIが流行ればNVIDIAが儲かる。

こんにちは!
スゴロックスです。

なんだかNVIDIA(エヌビディア)の成長がとんでもないことになっていますね。

ゲーマーにとっては、NVIDIAといえばグラフィックボード「GeForce」シリーズを作っている会社としてなじみ深いと思います。リッチなPCゲームや、動画編集をするための必需品です。

そんなNVIDIAがいま、人工知能コンピューティングで世界をリードしていることについて、今日はお話したいと思います。


NVIDIA、「純利益6倍(前年比)」の衝撃

2024年5月22日にNVIDIAが発表した四半期決算では、

売上高:前年比 262%
純利益:前年比 628%

という衝撃の数値が発表されています。

前年と比較して、売上は2倍に、利益は6倍になっているんだそうです。


そ、そんなばかな…

ちなみに、この1年間で株価は3倍だそうです。

皆さんも「なんだかNVIDIAの業績と株価がすごいらしい」というニュースを耳にしたと思います。

そしてそこには「どうやらその原因は、昨今の生成AIブームの影響らしい」と話題にもなっています。

気になるそのロジックは…

「生成AIが流行している」

「生成AIを動かすにはGPU(すっごい頭いいパソコンの脳みそ)が必要である」

「NVIDIAはAIデータセンター向けのGPUを製造・出荷している」

「生成AIが流行れば、NVIDIAが儲かる!」

という、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な経済的波及効果です。

風が吹けば桶屋が儲かる。

AIが流行ればNVIDIAが儲かる。

つまりはそういうことですね。

選ばれたのは、NVIDIAでした。なぜ?

現在、AIデータセンター向けのGPUを製造・出荷している企業は、NVIDIAだけではありません。

インテル、サムスン電子、AMD…

名だたるIT企業も、この領域に参入しているのです。

ですが、話題に登るのはNVIDIAばかり。

そして恐ろしいことに、NVIDIAはこのAIデータセンター向けのGPUにおいて、グローバルシェアの98%を占めていると推測される物凄い企業なのです。

※ちなみに、残り2%はAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)やIntelが占めております。

ちなみに、動画プラットフォーム市場におけるYouTubeのシェアは40%

スマートフォン市場におけるAppleのシェアが17%サムスンのシェアが20%

自動車市場におけるトヨタのシェアが10%だということを考えると、NVIDIAの98%というシェア率がいかに異常なのかがお分かりいただけると思います。

選ばれたのは、NVIDIAでした。

では、なぜ、NVIDIAが選ばれるのか?

色々な理由がありますが、その中の一つは「CUDA(クーダ)」と呼ばれる開発プラットフォームに起因すると考えられます。

「CUDA(クーダ)」とは、平たく言うと、「NVIDIA製の」GPUでAIを開発するためのシステムです。

CUDAを利用することで、開発者はCやC++といった一般的なプログラミング言語を使ってGPU向けのプログラムを書くことができます。

ゲーム業界で例えれば、UnityやUnreal Engineのようなミドルウェアだとイメージしていただければ良いと思います。

この「CUDA」を理解するためのポイントは二つあります。

第一に、CUDAを使った開発は、NVIDIA製のGPU専用であるという点です。

CUDAはそのコードが公開されておらず、CUDAを使ってNVIDIA以外のGPU向けに開発をしようと思っても、物理的にできない状況にあります。

つまり、CUDAを使って開発するなら、NVIDIAのGPUを使わなければなりません。NIVIAのGPUが無いなら、新しく買わなくてはなりません。

CUDAはNIVIAが提供している開発環境なので、ある種当たり前と言えば当たり前、当然と言えば当然なのですが…

第二に、AI開発者・研究者の中ではCUDAを使った開発が事実上のスタンダードになっているという点です。

ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニアの中島聡(なかじま さとし)氏は、

CUDAはそんな「GPU向けの開発環境の一つ」ですが、ニューラルネットの研究者たちの間で、CUDAがデファクト・スタンダード(実質的なスタンダード)になってしまったため、その上にライブラリも数多く作られ、今や、少なくとも学習プロセスに関して言えば、「CUDAを使う以外の選択肢はほぼない」状況になっているのです。

引用元:https://www.mag2.com/p/news/600504

と語っております。

この「研究者の間でデファクトスタンダードになった」という点は非常に重要ですね。このポジションを取れたことが、競合他社の開発環境にはないCUDAの強みと読み取れます。

つまり

「多くの開発者にとって、CUDAを使った開発が普通になっている」

「CUDAを使うにはNVIDIA製のGPUを使用しなくてはならない」

「AI開発をするには、NVIDIA製のGPUが必須である」

「NVIDIAが儲かる」

風が吹けば桶屋が儲かる。

AIが流行ればNVIDIAが儲かる。

つまりはそういうことですね。

増えるチャレンジャー。NVIDIAの一強は続くか?

とはいえ、NVIDIAの競合他社であるAMDなども、自社GPU向けの開発環境を用意しています。

また、ソフトバンクの創業者である孫正義氏も「プロジェクト・イザナギ」という、AI半導体ベンチャー企業を立ち上げるプロジェクトを発足させています。

米ブルームバーグの報道によると、このプロジェクトはNVIDIAに対抗しての取り組みであり、最大1000億ドル(約15兆円)の資金調達のために動き出しているとのこと。

しばらくはNVIDIA一強の状態が続く可能性が高いですが、いずれはこの一強構造にも変化があるかもしれませんね。

ハードウェア×ソフトウェアの公式は世界で戦えるビッグチャンス

最後に、今回のテーマ「NVIDIAとAI」について思ったこと

今回、単に”NVIDIAの独り勝ち”を絶賛するのではなく、この分野で太刀打ちできる企業がこれから現れるのか?という点で考えさせられました。

世界でリードするNVIDIAの強みは、
①GPUの特性に合わせて、AI需要の受け皿になると気付ける先見力(ポジショニング戦略)
②自社でしかできないコードの発明などの独創性(技術力を持つ人材確保)など。

特に国内においては、ソフトウェアの開発力や世界レベルに達していない人件費の問題など、課題は山積みです。

しかし、改めて『ハードウェア×ソフトウェア』という掛け合わせの公式に、世界で勝てるビックチャンスが隠されていると感じました。

今回は「NVIDIAの業界シェア率はなぜ高いのか?」について語ってまいりました。

この話題以外にも、AIとGPUのお話は非常に奥深くて、調べれば調べるほど面白く、夜しか眠れません。

まだまだこの領域は奥が深いので、ご興味ある会社様、開発者の方、ぜひ僕たちとお話しませんか?
 
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