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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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孤独を楽しめる。好奇心に応えてくれる。『Outer Wilds』感想


っえ?

自由に宇宙を探索できるゲームがやりたい!?


…なんだ…空耳か。

…!?

絶滅した種族の痕跡を辿って調査したい!?

音楽の使われ方が最高なゲームを探してる!?


最後に…なんだって…??


感想noteを号泣しながら書いてたら、翌日人に会う用事あるのにまぶたパンッパンに腫れて絶望するようなゲームが…したい??


無茶言うな、そんなゲームがあるわけ……
あるわけが……

あります。


Outer Wilds




下の方でネタバレ感想ゾーンがあります。
ここからネタバレですよ~と注記がはいります。

どういうゲーム?

あなたはHearthianという種族です。これから村をでて初宇宙飛行にでます。

太陽のまわりを巡っているのは、双子の星や荒れ狂う竜巻の星、ブラックホールが中にある星、その他さまざま。危険をかいくぐって未知の宇宙を探索する任務にいざ!

わ~~どの星から行く!?なんやこの星は!どうなっとんねんこの星は!などと言いながら探索していると、何故かこの宇宙は一定時間でループしていることに気づきます。死んでも何故か最初の出発地点にループします。なんで。

ということで色々な星を探索しつつ、かつて絶滅したNomaiという種族の謎も追いつつ、ループの謎も解いていきますかという感じのゲームです。


2023年にSwitchでもでてますね。

宇宙探索っていう言葉だとSFっぽい雰囲気を想像すると思うのですが、Outer Wildsはちょっと雰囲気が違っていて
森とか木とか焚火とか音楽とか、そういう暖かみのある要素と、宇宙空間の未知さや闇の恐ろしさがすごいいい感じで融合されてて、なんとも言い難い雰囲気を醸し出してます。


マシュマロもいつでも焼ける
これから旅立つ村
夜が明ける
いい景色
宇宙船も手作り感あっていい感じ




恐ろしさや寂しさがあるから、暖かさがよりありがたく感じる。
暗闇の中を漂っていて、木や炎にたどり着くとほっとする。

寄る辺ない空間に投げ出されて、一人ぼっちの時に、仲間のいる星にシグナルスコープを向けて彼らが奏でる楽器の音楽に耳を傾けて、一人じゃないんだなって感じる。

孤独というものを(いい意味で)楽しめる。


そのような体験ができるゲームだと感じました。


死までも自由な宇宙

「ここから先は危ないから行けません」的な、ゲームの制限が一切ないので
やりたいと思ったことはできるし、行きたいと思ったところは行けるか試すことができるし、行けなかったらサクっと死にます。

ゲーム開始すぐに宇宙に生身ででて死んでみれるのかな?と思ったら、すぐ試して、死ぬことができます(死ぬというかループするので最初の地点に戻るけど)。

私は普段あんまりこういう自由度が高い……自分の匙加減で死ねるようなゲームをやったことがなくて、
ゲームスタートしてまずは自分の村を巡るんですけど、そこで川にかかっている橋を渡るときに、川に落ちちゃったんですよ。浅瀬だったので生きてましたが。
え!?と思って。普通ゲームって、橋わたるときは橋の両端に見えない柵があって、落ちないようになってるじゃん……!?落ちれるんだ。

なので、高台にのぼった後、下に降りないといけない時に、
「ってことは階段で降りるんじゃなくて飛び降りてショートカットできんじゃ~~~ん!ヒャッホ~~~」とダイブしたら、普通に落下死しました。

はい……危険に満ちた宇宙空間に出る前に、自分のとこの長閑な村で、死にました。

現実のように、重力があるところで飛び降りたら死ぬし、酸素なくなったら死ぬし、宇宙船で速度だしたままほかの星に激突したら死にます。
死の自由さがある。


サムネこっちにするか迷った



好奇心を自由に羽ばたかせられる

このゲームはそれにちゃんと応えてくれますので。

探索、本当に自由です。宇宙に飛び立って、どこの星にまず行けばいいのか?どこでもいいです。何をしてもいいです。好きにしろ!!

最初戸惑いました。
アクション的な操作が苦手なので、まず探索が簡単な星に行きたいのだが……そこで操作に慣れたいのだが……?
航行記録という、調べたところを勝手にまとめてくれるシステムがあり、そこで唯一載っていた星が難易度簡単な「初心者向け星」なんじゃない?と思って行ってみたら、めちゃくちゃ荒れてるーーーーーー!!!!!

ここが初心者向け星だと信じてなんとか着陸しようとするも、まず着陸が難しい星で、酸素がなくなって死……を繰り返し、悟りました。「たぶんここ初心者向け星じゃないわ」「ていうか多分初心者向け星とかないわ、本当にどこでもいいんだ」

道筋とか基本ないので、気になる星や行けそうな星に自分の思うまま探索しに出かけちゃってOKです。

生身も宇宙船も操作はけっこうシンプル目なんですけど、慣れるのにちょっと時間はかかりました……着陸の練習をまずしました。
感想見ると割とみんな最初は苦戦してるみたいで、でもそのうち慣れますので、操作苦手なんよな~てひとも諦めずに頑張ってみてください。

気になるところ調べたり、いろんな星に行ったりすると滅亡した種族Nomaiの記録が残されてるので、それを調べていくのが主な目的になります。



星のデザイン、良

め~~っちゃ…いい!!
まず最初に自分の村がある星からスタートするんですけど、その村の雰囲気がまずすごいいい。
ログハウス風の家、村を流れる川、ぽつぽつ灯っているランタン、村の人たちは家の前にキャンプ椅子だしてのんびりしたり、ワイン作ったり。
はあ…ここにずっといたいよ!

ほかの星のデザインも秀逸。すごいぶっ飛んでる星ばっかなんで「なんじゃこりゃあ…???」と最初はなるんですけど、探索を何度もしていくうちにどうしてそういう星になってるのかだんだん分かっていくのが楽しい!!

星々にはきれいな面と恐ろしい面があり、きれいな面に感動しても、ちゃんと自分の危機管理をしっかりしてないとサクッと死んでしまうので、ハラハラしつつ感動しつつ進んでいく体験がよかった。

恐ろしい面は、単純に恐ろしいです。こわあ~…と思いながら探索してました。ホラー的なびっくりさせてくる要素はないのですけど、闇とか、巨大な何かとか、謎の物体とか、そういうのにじんわり恐怖を感じながら進むことができます。でもその恐ろしさも、進めるうちになんか愛着わいてきたり美しさを感じるようになってくるので、不思議。



自分だけの旅

探索できるところがかなりあるので、ブラブラ散歩してるだけでも結構気になるところに出会えます。
私は前述の通りかなり操作が下手なので、降りたい場所に着陸できず全然離れたところに降りてしまうことが多かったんですけど、それはそれで歩き回ってると別の気になるところを見つけちゃって、探索しなきゃのところいっぱいある!!!うわあ!!!と嬉しい悲鳴をあげてました。
同じタイプの方はこのゲームに向いてると思います。

で、こういう場合ってタスク多すぎると忘れたり分からなくなったりすると思うんですが、OuterWildsは超優秀。勝手にメモってくれて、宇宙船でいつでも見返すことができます。しかも、探索するところが残ってると教えてくれます。ありがてえ…。すごいテクノロジーだhearthian。

さらに、探索で見つけるものがこりゃまた雰囲気めっっちゃええんですわ!!!
すでに絶滅している別の種族の記録とか建物とか……
それら見つけて、彼らの生活や文化や人間関係(人間じゃないけど)、とんでもねえ技術力、辿った運命………もう誰もいない星で、彼らに想いを馳せます。

廃墟やロストテクノロジー等のワードに反応する人は興奮するんじゃないかな。私は興奮しました。



音楽

よいです。
よすぎます。
音楽それ自体も、めちゃくちゃいいのですが。
ゲームはじまってすぐに「うわ、良!!!」と思ったのですが。

音楽のもつ力というのを、このゲームがどのように捉えているかがプレイ体験のなかで伝わってきて、すごくジンときました。

このゲーム、宇宙にひとりで旅立つので基本孤独なんですよ!なんか寂しいなって思っても横に誰もいないんですよ!これからちょっと怖い星に行かなきゃだから誰かに励ましてほしい…って思っても誰もいないんですよ!!このだだっぴろい宇宙にぽつんと小さなhearthian。

そんな時、シグナルスコープという、信号をひろえる機械を初期装備でもってるのでそれを別の星に向けてみます。
すると、その星にいる仲間が奏でてる音楽が聴こえてくるんですね…

それを聴くと、ああ自分ひとりじゃないなって思えて、実際めちゃくちゃ物理的な距離あるんですけどすぐそばにいてくれるような気がして。

みんなそれぞれ孤独に調査をしている中で、寂しいときにこうやって同じようにシグナル向けあったり、ほかの誰かを励ますために音楽奏でてくれてるのかなあって思うと

頑張ろうって思えてくるんですよねーーー
そしてなんだか泣けてくるんですよね。

最初は、シグナルスコープで音楽聴こえても、へえ~おもろシステムだって感じだったんですけど、ゲームを進めるにつれてどんどん心の支えとして自分の中で大きくなっていきました。よすぎる。

あと音楽については、まだもうちょっと書きたいことがあるのですけど
残念ながらネタバレ避けては語れぬ!!ので、もう少し下のネタバレ解禁感想ゾーンで書きます。


忘れられない体験を

なにしろ何の情報もなしに宇宙にひとりで旅立つので、道しるべは自分の好奇心のみ。

心の赴くままに飛んで、歩いて、調べて、落ちて、激突したり埋まったり死んだり、たまにはシグナルスコープを夜空に向けて仲間の音楽聴いたり、焚き火でマシュマロ焼いたり、楽しんでください。
そうするといつの間にか自分だけの旅の足跡ができています。

まあ……その……一部のプレーヤーは気になる部分があると思います。
「自分にクリアできますか?(操作の難易度的な意味で)」

操作が下手民的な立場で申し上げますと
正直、難しいなオイッッという場面もありました。

無茶いうなオイ!!
そんなとこまで落ちずにジャンプできねえよオイ!!
そんな繊細な操作できませんてーーーー!!!たすけてーーー!!!
時間制限を設けるなーーーーーー!!!!!無茶いうなまじでほんま

とぶちギレる日もありました。
そんな私でも時間かければ一応クリアできますので、すっっっっごい難しいわけでは、ないと思います。ちょとは難しいカナー
根性。

かなりこちら有名なゲームらしかったので、攻略で調べると動画も記事もめちゃくちゃあります。
いった先の調べるのはネタバレみたくないけど、ここの行き方だけどうしてもわからん…という時、
場所ごとに行き方だけ見せてくれる短い攻略動画とかあってすごい助かりました。
なので詰まったとき、どうしてもわからん時はこういうヒントも充実してるので気軽にやってみてほしいです。
ほんとはなんも見ないで自分で解いたり進めた方が百点満点なんだけどね!!!まあ操作下手民は心折れちゃうときもあると思うので、その時にゲームをやめるくらいなら攻略チラ見して最後まで進めた方がいいと思う。最後まで見てほしいから。

操作の難しさというマイナス点を加味してなお大幅にプラスになるくらいの、いい体験ができたと思っています。

探検の楽しさ・自由さが人気のゲームなんだな~と思って購入して遊び始めてたのですが、
中盤くらいから、なんか……あの……その……なんかそれだけじゃないのかも……と思い始めてきて
クリア後には呆然としてます、そんなゲームです。





では、ここから下は

ネタバレ全開

思いの丈ぶちまけ感想ゾーンだーーーー!!!!


※DLCの「Echoes of the eye」の感想は別途書くので、そちらのネタバレは含まれておりません。
DLCまだやってないけどとりあえず感想が読みてえ!て人も安心して読めます。










ネタバレ注意だよ


ネタバレ注意

ネタバレ注意

ネタバレ注意

















駄々こねたラスト


私、船見つけて、双子星のコア持ってくのがラストって分かったとき
この船にhearthianの仲間乗っけて、寿命を迎えない滅びない宇宙にワープしてそこでみんなで暮らせるんだなって思ったんですよね。
博物館のとこで、宇宙は膨張し続けててまだ未発見な星系があるみたいなこと書いてあったし、hearthian村人少ないからすぐ船に乗せられそうじゃない?20分くらいしか時間なくてもいけるって。
で、ワープした先で、そんな感じで逃れたnomai達が暮らしてる星があって…そこに住まわしてもらえて…

はやくワープした先が見たいなという気持ちで、
最後らしい無茶振りアクションも頑張ったんですよ。
無重力中に物をとるのが本当に辛い。ぜんぜんッッとれないッッ宇宙飛行士さんたちって本当にすごい。
やーーーっととれても、アンコウ群も突破しなくちゃいけない。
そこを突破したら、また無重力中のアクションですよ!!!とるのが難しいんだから嵌めるのも難しいに決まってるだろ~~~ッッッッ
しかももたもたしてると太陽が爆発する。

ほんとここ最後らしい無茶振り。いいですね……ラスト感あって。うそです、ぜんぜんよくない。

頼むから途中でセーブさせてくれ~~~~課金するからセーブ機能くれ~~~~~!!!!!
いや無理だってわかってるけど!だってループもワープも、ゲーム的なシステムは全部nomaiが実際に作っちゃったもんなんだもんね!だから途中セーブとか中途半端なシステムは実装できないよね、だってnomaiの計画にそんなのないもんね!!あーーーーー!!!

それでもほしい。nomai、頼む、なんか気まぐれで途中セーブ的なのも発明してくれ。

難しくて難しくて、だからあんまりエンディングにはしんみり向かってなくて、というかみんな生き残る最後だと思ってたんで、
やっと船をワープさせられた時、喜び以外の感情なくて「よーし!クリアだー!やっとみんなを救えるぞー!!」とかなり能天気だった。

でもワープした先の宇宙の眼、え?なんかコワッッなところで
なんかアレ?あ……アレ?なんか……
え?なにこれ……なにここ??いま私はなにをしている。宇宙の眼、思ってたんと違う。

焚き火。
やっと落ち着くもんでてきた…
椅子。
Esker!
 (量子的に登場したのが若干気にかかるが)うれしくてEskerに飛び付くと「音楽が聞こえないか?」とかいう。

みんなもいるのかな?って探しに駆け出す。みんな!マシュマロ焼こ~ぜい。
シグナルを辿ると、簡素な廃墟の中でバンジョー🪕がひとりでに音楽を奏でている…

……
何故だかわからんが、涙がでています。
おかしいな…だってみんなで船で太陽が爆発しない宇宙までワープしていけるんだよ。

だって、そんな、宇宙滅亡する22分のループの謎を解け!
→はいやっと解けた、じゃあループ解除してこのまま滅亡します、では
意味ないじゃん。

私の60時間の旅……意味ないじゃん……!!!

いや確かに、探索楽しかったし、いろんな体験できたし、謎が解ける感じは面白かった、けど……終わりかたが「はい謎は解けたから楽しかったでしょ?じゃ終わりです」みたいなのだったらかなり残念…だが!
このゲームがそんな肩透かしな終わり方するわけないって分かってるんだ!こんな緻密に世界つくっといて絶対にそれはない。

シグナルから音楽が聴こえて、行ってみると楽器だけが置いてある。

でも……このゲームのこと信じてるけど……なんだか楽器だけぽつんと置いてあるのってさあ……めちゃくちゃ悲しいんだけど。

焚き火をみんなで囲う。やっとみんなで集まれたね。
chertの台詞でやっと気づきました。
ああ、やっぱりだめなんだ。みんなと一緒にこの先生きられないんだ。太陽の爆発からは、宇宙の滅亡からは、逃げられないんだ。

みんなはひたすら落ち着いてて、ただこれからはじまる合奏を楽しみにしてて、「もう始めてもいいかな?」って訊いてくるんですけど、合奏はじめる許可私にとらないでほしい。始まったら終わっちゃうじゃないですかーーーー……そんなん始められないよーーーー……
「まだです」って答えてもうどうしようもなくてマシュマロ焼いて時間を引き伸ばしても、みんな優しい。「了解だ、ひよっこ!」とか快諾してくれる。やめて優しい言葉かけんといて、ひよっこって言わんといて、もっと怒ってほしいし悲しんでほしい、そんなみんな穏やかに受け入れないでほしい。太陽爆発前に行くとあんな取り乱してたchertですら、もう自分達の運命を受け入れて、これから始まる最後の演奏を心待ちにしてる。

ああ~~~~~~やだああああああああああああああ!!!!!!!

やだやだやだやだやだやだやだやだ
やだもおおおおおおおおおおおおおおん

焚き火の横で仰向けになって手足バタつかせながら回転する操作キーが欲しい。
みろよ宇宙の眼!!!この無様な俺をよお

大泣きしてついに泣きつかれて、ハァハァしてても、みんなじっと待ってくれている。覚悟ができるまで見守ってくれている。

Eskerがずっとみんなでまた集まって演奏したいなあって言ってたよね。アトルロックで一人ぼっちで、ちょっと寂しそうだったよね。いつも口笛吹いてたね。
みんなもやっと会えて、ようやく一緒に演奏できるんだもんね、nomaiの子も一人ぼっちで修行してて、もう仲間たちは本当はどこにもいなくて、寂しいよね。ここに来てくれたのは、一緒に演奏してくれるためなんだよね。

私もずっと聴きたかった。

「はじめてくれ」って頼むとみんなうれしそう。

この時の合奏の音楽は、今まで聴いてきたどのゲームの音楽よりも意味をもってて、色んな思いや感情が込められてるように感じて、これから忘れることはできないんじゃないかなと思います。

合奏とともに出来上がった地球みたいな惑星。これに触れたら、本当の本当に終わりの予感がします。
さわりたくねえよお…まだみんなと一緒にここにいたいよお…

新しい世界。新しい宇宙。
超新星爆発が避けられないのなら、私の60時間無駄じゃんっ…!!て思ってたけど、ばかお前……本当にばか!!

この60時間、私の旅、みんなの存在、この宇宙のこれまでのすべての時間、


無駄だなんて言わせね~~~~~~!!!!


無駄だと思ったやつでてこいよ!!と号泣してる私vs私の殴り合いはじまっちゃってもう大変だった。

すさまじいラストだった。




Solanumの言葉でショックをうけた


合奏のあとのSolanumの言葉に大打撃をうけた。


「あとは私たちの前にある無数の可能性を崩壊させるだけ」

「あらゆる可能性がまだ存在しているうちに、この瞬間にしばらくとどまるのは魅力的よね」

「でも、観察者が可能性を潰さないかぎり、可能性はそれ以上のものにはならないわ」

私は第6の場所で初めてSolanumに会ったときの会話で、このゲームって探索楽しさ以外にストーリー部分もすごく心に沁みるものがあるなって思ったんです。でOuter Wildsのこと、「楽し~おもろ~」って段階から「かなり好きだな」ってその瞬間思った。

彼女はそこで、自分が生きている可能性と死んでいる可能性があることに気づいている。
いるかもしれないし、いないかもしれない。

急に本の話になるんですけど、私はジョン・アーヴィングの本に現れる死者や幽霊の在り方が好きなんです。
彼の本では、大切な人の幽霊がときどきでてくるんですが、ザ・幽霊という感じではなくってまるで生者のように普通に生活感あるまま「いる」んですよね。
例えば、ベッドに明日着る服をたたんで置いておいてくれた母親。自殺した風呂場で現れ、歯ブラシでもなくしたみたいな感じでまごついていた祖父。

いるけどいない。いないけどいる。どっちの可能性も含んだ存在が、切ないけど暖かくて、優しいけど悲しい。そんな生と死の曖昧な考え方が好きだった。

だからSolanumに会った時にそれを思い出して、ジーンとしていたのだが、
最後に彼女はその考え方を否定した(と最初は思った)。

いる・いないの無数の可能性、それを潰さないと始まらない。
ほかならぬSolanumがそれを言う。私は勝手にズガーンとショックをうけました。

・・・・・・
でも、このゲームの宇宙の世界において、では無数の可能性をそのまま残して短時間をループしたいのか?それが正しいのか?と考えるとそれはめちゃくちゃNOじゃん。そうしたい気持ちはみんなあるかもだけど、やっぱり「ちがう」じゃん。

無数の可能性が漂っている、そこに留まるのはSolanumが言う通り魅力的である。でも、勇気をだしてどれか1つだけの可能性を選ぼう。先に進もう。
きっとそういうことなんだよねと思っています。

決して否定しているわけではなく。
曖昧な境界線や無数の可能性を信じるのもどうするのも自由だけど、この既に寿命を迎えてしまった宇宙では、留まるか先に進むかの2択しかない、じゃあ進んでみようよ!てことですね。

Solanumがそれを言うっていうのがショックをうけたけど、だからこそな気がする。Solanumが言うから意味があるし重みがある。



量子力学の世界…いや難しいことはわからないが

いる・いないがどちらも存在している世界→可能性を確定させる。
というのはOuter Wildsの根幹にあるテーマだと思っていて

この宇宙にあって一番特徴的な存在「量子の石」「量子の月」や
もういないはずなのに会える「Solanum」。
そもそも、Nomaiが開発した機構のせいでループしづける、死んでいるのに生きている宇宙というこのゲームの舞台自体もそう。

まあもう「量子の」石・月って名前なので、私みたいに物理学くわしくない人もまず思い当たるのが量子力学や、シュレーディンガーの猫実験かなって思うんですが

シュレーディンガーの猫、ちょっと調べてみたら「巨視的な観測が行われる前には猫が生きている状態と猫が死んでいる状態が重なって存在している」という説……らしい(おそらく…。物理よわよわマンのため、厳密にいうと間違っているかもしれない)

ところで宇宙の眼についてゲーム内で「この星系におけるすべての巨視的量子現象」「意識的観測者が入ったら、なにかが起こる」
と、こういう描写がある。

これを探索中見たときに、どういうことか全然ぴんときてなかったんだけど
猫実験を調べてようやくわかった。宇宙の眼は箱の中を外側から観測するための装置。

おも……しろ~~……。
す~~……ごいね……。

これ、物理ツヨツヨマンがプレイしてたら、途中でなんとなくシナリオ察するのかな?
ヨワヨワマンはずっと「宇宙の眼ってなんやねん!!!なにがしたいねん!!!」て思ってたんですけど。

宇宙の眼や、その信号については、DLCの「Echoes of the eye」の感想でもうちょっと詳しく書きます。色々思ったことなど。



プレイログ



せっかくなので私の旅路など。
記憶だよりなので正しくはない。

・巨人の大海へ
航海日誌にまず最初に記載があった星。仲間がいるしチュートリアル星なのではと思い向かってみるが、世紀末みたいに荒れてるし、陸に着陸できなくて何回か溺死。

・灰の双子星へ
大海は難易度高すぎると感じ、まず陸で着陸練習。双子星はちっちゃくてかわいかったのでそこに行ってみる。何もないな…。
小さすぎても着陸むずっ…!なんとか生きたまま(船は壊れたが)星にでれたので歩いてみる。でっかい柱みたいなのが動いてる、なんだこれ?入ってみたら浮かんでぶつかって死んだ。あ、死ぬタイプのやつだった。

・脆い空洞へ
ある程度でかい星の方が着陸しやすいか?と思ってここへ。ここがいちばん着陸しやすい。遺跡がある!わー!青い文字!読める!!わー!はじめて探索ぽいことできてる~~!!

でかい星、航海日誌の更新されるとこがいっぱいあって楽しい。同じところを満足するまで探索したいのに、着陸下手すぎて毎回ちがうとこに降り立ってしまう…まあそれもよし。

なんか真ん中にブラックホールあるんですけど…入ってみるか…え?どこ??すごい遠くきちゃった。えーー

度々探索中ブラックホールに落ちて、酸素不足で死ぬまで漂う。ひまだなあ。わざわざ終了ボタン→リスタートしてた。(巨人の大海を先に行っとけばgabbroに瞑想教えてもらって楽だったな。やっぱ大海早めに行っとけという誘導なのか、航海日誌のあれは?)

・灰の双子星へ
脆い空洞メインで調べつつ、ちょくちょく双子星にも気分転換に行ってみる。
たまたま木の炉辺にワープしてしまう(塔のワープポイントにいる時に偶然星が上を通ったのだろう)。
……へ???
何が起こったのか当然ながらわからない。いやあの宇宙船…置き去り…戻れない…ここどこ??(木の炉辺の村の裏側はまだ探索してない)

その後ちょくちょくいろんな星にあるこの謎に光ってる紋様を調べるが、何も起きない。夢だったのか…?

(このたまたま見つけてしまうのをシステム的に防止してないのがOuter Wildsの面白いところ)

・木の炉辺へ
脆い空洞をあらかた調査したかなーってくらいで、そういえば生まれ故郷の星、なんかいろいろありそうだったけど調べてねーやと思って行ってみる。

南部観測所とか行けてないところは後回し。難しそうだし…そろそろ日の光を浴びたいし…

木の炉辺、おちつくーーーっ
朝のBGMいい~っ。木めっちゃあるから酸素も心配しなくていいし。なんか詩が森にあるんだけど何。

離陸しようとしたら失敗して宇宙船が故障。修理のため降りたら、目の前で宇宙船がひとりでに飛び立ち、まっすぐ太陽へダイブしていった。(おそらく自動操縦をオンにしていたため)



・燃え盛る双子星へ
名前的に探索大変かなと思ったが、意外と表面層は探索しやすい。めちゃくちゃ文明の跡が残ってるな…。
下の方は、もたもたしてると砂が満ちてきて進めなくなるので、実質時間制限が結構キツキツで探索がいちばんキツかった。暗いから見えづらいし。一番やり直した気がするな。
でもその分太陽のない街とかたどり着いた時ウオオ~~~~!!!となった。こんなところにでっかい廃墟街……いい。でもあそこのショートカットが本当にショートカットなのかわからんくらい行くの難しくて何回もサボテン畑に落ちたわ。

・アトルロックへ
全然気づいてなかったんだけど、アトルロックの存在に今更気づく。たぶん量子の月だと思って見逃してた。ちっちゃいから何もないかなと思いきや口笛が聞こえる。

Eskerがいた。ひとりぼっちで寂しがってるのを見て悲しくなる。みんなもっとアトルロックにこいよ!!たまに会いにくるからねと決意。

ここシグナルむけるのにもってこいですよポイントがあったので、やってみると、「木の炉辺から行方不明のFeldsparのハーモニカが聞こえる、不気味~」というEskerの日記。確かに音楽が聞こえる。Feldspar、私ももう死んだと思ってた。

・木の炉辺へ
Feldsparを探しにシグナルで辿ってみる。クレーターみたいなところでHearthianがいるが……。彼ではなく、でかい植物の穴の中から音楽聞こえるんですけどどういうことだ。この中入れるの??
リトルスカウトを投げてみると怖い映像がとれる。闇のイバラの種子がここにもきてるのこわい。

Feldspar闇のイバラにいるってことお~~…?会いに行きたいけどイバラってでかいアンコウいるらしいし名前的に一番怖そうなんだよな~~後回し。

・巨人の大海へ
あとまだ行ってないのが巨人の大海、侵入者、闇のイバラだけ、怖いやつばっかり残ってしまった…。ついに行くか大海。一番最初に挫折したところ。
着陸がうまくなってるので無事に陸にいけた!!な~~んだ…簡単じゃん。なにこの赤い生物みたいなの!?不気味。

たまたま量子試練の塔に行けてしまう。あれ?なにここ?時間切れになってしまい、もう一度行ってみようとするが、どうやって行ったのか分からないためたどり着けない。夢だったのか?

見た目が荒れてて怖いが、大海は案外死の危険が少ない。優しいね海。竜巻吹き荒れる中Gabbroがのんびりしてるところを見つけて、こいつただものではないと思った。ループに気づいている。やはりただものではない。

深海に行けたが、コアへの行き方がわからず戸惑う。赤いクラゲもいて怖い……攻略を調べると赤いクラゲの中に入れとのこと。うそでしょ?近づくのも怖いのに?見なかったことにしたい……。何回も感電しながらやっとコアに行けたけど無重力アクションはじまって泣いた。見えてるのに~~~~!!!近づけない~~~~~!!!

・侵入者へ
行くか。これどうやって着陸するんだ。速っ!
おしりの方に船をおいといて歩いて探索してたら船とんでった。おい!!待って~~~!!おいてかないで~~~!!!
Nomaiのログが、なんだか全体的に悲しい。絶滅してるのはわかってるんだけど……。
最深部へは、どうしても幽霊物質に殺されるので難しいなと思って後回し。

・闇のイバラへ
いぐああああ!行きたくねえ~~~!!怖いよおおおお!!
とりあえず入ってみると、闇かと思ってたら白いのでちょっと安心した。アンコウが意外とかわいいフォルムをしている。が呼吸の音?唸り?が怖すぎる。音をたてちゃだめだっていうけど、リトルスカウト飛ばして囮にすればいいんじゃね!と思って装着したらその音で感づかれて、死んだ。

シグナルスコープで音楽を頼りに進んでみようとする。怖さが結構和らぐ。なんとかいけると、Feldsparいたーーー!?お、お前……なんちゅうところにキャンプはってんだ。
アンコウたちも振り切ったらしい。え、気づかれても逃げられることがあるのか??Feldsparへの尊敬の念が沸き上がる。これは大先輩。かっけえ~。

・色々後回しにしたことをやる
操作が難しそうだとか、行き方が単純に分からなかったところへ。頑張ったり攻略みたり。
量子知識の塔、行けないと思い込んでたんだけど行けるんだ。
サボテンに塞がれて行けなかったところとか……行けるって気づいた人天才すぎないか?

第6の場所へ。
怖いところに突然怖い人みたいなのが立ってて思いっきりびびった。戦闘!?おそるおそる近づくと、なんとNomaiだった。Solanumさん。え~~~~~~~~~!???!?
Nomai、骨しか見てなかったから服とか仮面とかそういう造形なんだ…!と感動して正面や横からうろうろ眺める。その杖…!よく廃墟にあったからなんだろうと思ってたけど、それであの青い文字打ってたんだあああ~~!ていうか、Nomai同士も文字で会話してたからあんなに至るところにログ残ってるんだね。酸素ないもんね。とここで気づいた。

最初くそびびったけど、Solanumだとわかるとめちゃくちゃかわいい。会えてうれしい。

・太陽ステーションへ
無茶言うなオイ と100回くらい言いながら十何回目かくらいのジャンプで行けた。ほんまにこのゲーム……スパルタ

・Nomaiの墓へ
悲しすぎる光景で涙がとまらない。2人で寄り添ってるNomaiがいて、いろいろ思うところがあった。
こんなイバラだらけのアンコウだらけの星で、漂ってるのが悲しい。せめて脆い空洞とか太陽なき街とかで埋葬してあげたい。

・いよいよラストへ
双子の星プロジェクトの元気なワープコアをとって、さらにアンコウを抜けて、船まで行けというのか……絶対無理じゃん!!
とりあえずやってみると、ワープコアとるのに難航しすぎて(無重力が苦手すぎ)、双子の星でたあたりで太陽が爆発しそうになっている。
やけっぱちで爆発から逃げてみる。逃げれた。逃げられるんだ。

ループを断ち切っているので、ゲームオーバー。

これはこれで悲しい。みんなと一思いに死にたかった。


最悪のところに落ちる船のワープコア。何故かこの時は拾うことができなかった。落ちるところがたまたま悪かった?ここまできたのにィっ!!!やり直し。

アンコウに見つかってしまう。
うわあ~~~またやり直しか~~~と思ったところで、Feldsparが見つかったけど逃げ切ったって言ってたな…と思い出す。やけくそで逃げてみたら、なんと逃げ切れた。

Feldspar~~~~~!!!!君のおかげで!!!!突破できたよおおおおお!!!!激アツくね今のエピソード…と思いながら、震える手で座標をいれる(ここももたついてたら以前時間切れになった)。GOGOGOGO!!!あと何分!!時間がねえ~~~急げ急げGOGOGOGOGOGO

ついに宇宙の眼に、行く。

……あとは↑の方のラストの感想につながる。

めためたになった。



Echoes of the eyeの感想も今度書きます。

→書きました。


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