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【忖度なき採点&寸評】宇佐美貴史はカウンターの申し子か。“弱者のサッカー”との親和性高し。ただなあ・・・

【前書き】

カウンターって美しいんですよね。

前だけを見て、波のようにゴール前に迫り、一気に決めきる。

さく裂玉のようなショートカウンターも面白いんですが、きのうは導火線がじりじりと燃えていって大爆発するようなロングカウンターでした。

11人で守り、3、4人で攻める。

ここまでガンバがカウンターサッカーに徹した試合があったでしょうか。

ただ、このしっくりとくる感じは何なのか。

今のガンバには、このサッカーがあっているのでしょうか。

【戦評】

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鳥栖は4バックで明記しましたが、攻撃時にはアンカーの島川を残し、後ろを3枚にして両サイドバックを上げてくる可変システム。

そんな相手に対し、ガンバは4-4-2のラインを可能な限りコンパクトにして、ボールを持たれてもシュートまでは打たせないという守備を徹底しました。

そしてボールを奪えば、カウンターのチャンスを逃さない、という意志が徹底されていました。

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得点シーンは、東口がキャッチした瞬間に、誰よりも早く動き出した山本の判断がカウンターのスイッチを入れました。そしてパトリック、倉田が中央を全力で駆け上がったことで、CBふたりを引っ張り、左サイドで宇佐美に時間とスペースが生み出されることになりました。

そのほかにも、上図のように鳥栖のうしろ3人とガンバの2トップが、他のフィールドプレーヤー15人から少し切り離されるような状況は生まれていました。

こうなると、相手のエドゥアルド+ファンソッコ+島川より、宇佐美+パトの能力値のほうが高かったなと。

マークをされていても、主にヘディングでは優位性を保つことができるパトと、スペースさえあれば、一人ぐらいのマークなら自分のプレーを存分に発揮できる宇佐美。

このふたりで決定機を計3つぐらいは生み出しました。

守備はラインは高めに設定して、DFからFWの距離を狭くすることで、ボールをつながれてもすぐに次の選手がプレッシャーに行ける位置を取り続け、相手のミスを誘発したという感じでしょうか。

まあ、この戦い方は鳥栖よりつなぎのミスがより少なく、さらにCBふたりで宇佐美とパトを封じてしまうような川崎やマリノスといった相手に通用するのかは疑問ですが。。。

ただ3冠した2014年もそうなのですが、宇佐美はカウンターサッカーの前残りFWとしてプレーするときが、一番スーパープレーを見せているのではないかと。

技術が高い、と言われる宇佐美ですが、例えば香川や南野のように狭いスペースでのターン、といったプレーはあまり得意ではない印象もあるんですよね。。。

逆にスペースを与えられた中でドリブル、そしてシュートという技術は、日本人屈指なのではないかと。

今更ながらですが、宇佐美貴史の取扱説明書もアップデートしていく必要があるのかもしれない、と感じた鳥栖戦でした。

【採点&寸評】

【GK 1 東口 順昭】6・5

神セーブの前節と比べ、枠内シュートが少なかったことで活躍の場は少なかったですが、ボールを処理後にカウンターにつなげる判断がすばらしかったです。

ゴール以外の場面でも、奥へのロングパントをにおわせながら山本につないでカウンターにつなげるなど、攻撃の起点として素晴らしいプレーでした。


【DF 14 福田 湧矢】6・0

67分アウト。久々先発で、左MFに。

DF登録で相手をかく乱しようとする襟にいの涙ぐましい努力はともかく、守備面での高速スライドでの貢献度は大きかったかと。

大きく右に張り出した飯野をけん制しつつ、うまく藤春と連動して封じ、中に位置する樋口もある程度抑えた印象です。

あとはドリブルから放ったシュートなど、攻撃面での精度がもう少し高ければ文句なしでした。


【DF 27 髙尾 瑠】6・0

79分アウト。

こちらもサイドで前後にスライドを繰り返すことで、守備に穴を開けませんでした。

最後足がつっちゃいましたが、及第点ですかね。


【DF 13 菅沼 駿哉】6・0

ひとへの強さを出せたシーンは多くはありませんでしたが、ミスなく90分終えてひと安心。

個人の強さは昌子や三浦にはかないませんが、勝利への執念は感じました。

【DF 19 キム ヨングォン】6・5

75分アウト。

危ないシーンもありましたが、高いライン設定の中で裏へのケアをこなしつつ、時折正確なキックでチャンスメークも。

苦手なことが少ない(しいていうならエアバトルは得意ではないのでしょうが)のは、素晴らしい。

足はつっただけならいいのですが・・・


【DF 4 藤春 廣輝】6・5

得意のスプリントを守備のスライドで生かしてくれました。

攻撃参加のタイミングもいいのですが、福田といいウェリントンといい、前が生かしてくれませんね(苦笑)


【MF 10 倉田 秋】5・5

67分アウト。

守備での貢献度は抜群でした。

ただ攻撃面でのミスは散見。

全体的に素直なんですよね・・・

宇佐美をおとりにしてくれるぐらいの余裕があればなあ、とは思います。


【MF 15 井手口 陽介】5・5

セカンドボールの回収率は高く、サイドのカバーリングも秀逸でした。

ただ気になったのが、つなぎの正確性と、自分の斜め後ろ(センターバックの間ぐらいのスペース)を使われることが複数回あったこと。

試合中に修正することができれば、もっといい選手になるとおもうんですけどねえ・・・


【MF 29 山本 悠樹】7・0

79分アウト。

カウンター命というスタイルの中でも、前に出る判断の速さでチャンスを演出。

1アシストに加え、守備もそつなくこなしました。

ナイスプレーでした。


【FW 18 パトリック】6・5

極上の“おとり役”でしたwww

やはりあの迫力でランニングされると、DFもどうしてもつられちゃいますよね。

ヘディングは触りはするものの、鳥栖DFもしっかりと体をつけてきたことで思うようにはコントロールできませんでしたが、いるだけで存在としては特大でした。


【FW 39 宇佐美 貴史】7・0

味方がおぜん立てしてくれたチャンスを、しっかりと決めきりました。

ただトラップからシュートまでの流れ、正確かつ鋭いキックと、やはり彼にしかできないプレーはあるなと。

おとりを生かしてシュートまで持ち込む技術も極上なので、どんどん彼を追い越していくようなプレーが出てくれば、もっと得点も伸びる気も・・・

そう考えると、やはりカウンター気味のシチュエーションは、彼の力を最も発揮しやすい状況なのかなあ・・・と推測します。


【途中出場】

【MF 8 小野瀬 康介】6・0

67分イン。

しっかりと守備の役割を果たしてくれました。

前からのプレスも、左SBへのパスコースを切りながら、左CBを追いつめて蹴らせるという得意の守備でチームを助けてくれましたね。


【FW 28 ウェリントン シウバ】5・5

67分イン。

守備7攻撃3ぐらいのバランスでしょうかね。

良さが出るシーンは少なかったですが、守備の仕事も嫌がらずにこなしてくれるあたりは頭が下がります。


【DF 16 佐藤 瑶大】5・5

75分イン。ヨングォンの負傷交代でスクランブル出場。

相手の放り込みに、しっかりと体を張って対応してくれました。

おおむねサポーターの方々からも高評価だと思うのですが、ちょっと意地悪な視点で・・・

センターバックとして最大の武器(183センチと少し身長は足りない?)がヘディングだというのなら、もう少し力強くはじき返してほしいかな。。。

相手FWは酒井(180センチ)、山下(184センチ)と体は強い選手でしたが、そこまでヘディンガーという選手ではなかっただけに。

DFは先に触っても、遠くに飛ばせなければ、自陣でスクランブルを生み出されてしまうので。逆にFWはパトのように、少しでも触って相手陣で混乱を生み出せれば大きいんですよね。

多くを求めすぎかもしれませんが、成長を願って!!!


【DF 26 柳澤 亘】―

79分イン。

時間短く採点なし。


【MF 17 奥野 耕平】―

79分イン。

時間短く採点なし。

【松波正信監督】5・5

ボールを握ることをあきらめ、カウンターを徹底させました。

コメントを引用しますと

「鳥栖さんのほうがしっかりとボールを握るというのは予想ができた中で、どこで奪ってどうやって出ていくかというところをしっかりと準備してきた中で、何度かチャンスを作れたところはあった。本当に選手たちがやるべきことをしっかりとやってくれた中で、追加点を取れるチャンスが何回かあった。そこをしっかりと決め切れればもう少しラクな展開になったと思いますが、最後までしっかりと選手たちがタフに粘り強く戦ってくれたと思います」

「中で」何回使うんやと(笑)

ポゼッションをあきらめ、残留のためにはっきりとした戦いができたことは、今シーズンに限っては前向きでしょう。

あと後半アディショナルタイム、試合終了をアピールしながら相手のスローインを邪魔していたのは、前代未聞の珍プレーでしたwww

【あとがき】

この1勝が残留に向けては大きいのは間違いないでしょう。

宇佐美はこのカウンター戦術を「弱者のサッカー」と表現していましたが、相手が少ない時に攻める、というのは、もっとも効率的な攻撃方法ではあります。

そして宇佐美&パトは、カウンターでより生きるタイプのFWではないかと・・・

昨季の終盤など、近年ガンバが強い時期は、カウンターへの比重が多い気はします。

カウンターを軸にチームを作り上げる、ということは、ガンバ大阪の哲学には反するのかもしれません。

攻撃的かつボールポゼッションにこだわったチーム、というぼんやりとしたガンバの目指す姿はあるのかもしれません。

ただカウンターを磨いていけば、チームが強くなるのなら・・・

いや、それで向こう10年、カウンター主体のチームになるぐらいなら・・・

正直、僕の中では答えは出ませんが、強化部の人々には大いに考えてほしいテーマではあります。

片野坂監督の報道は、あまりに予想通りで驚きもしませんがwww

いい監督であることは間違いないので、交渉がうまくいってくれることを願います。

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ガンバの試合をどこよりも深く掘る場所として、これからも続けていきたいと思っています。

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