歳を経ていく自分を見つめられるか
僕の大好きな画家レンブラントが、63歳、死の直前に描いた自画像(エジンバラ美術館で購入した複製画より)。
僕の大好きな絵の1枚だ。
以前、スコットランド・エジンバラを旅した時、偶然出会った。
若さを失い、初老のやつれが表れた顔。言いようのない哀愁感。老人でありながら、じっと見つめてくるまなざしが何故かとても熱く感じられる。
この絵の前で動けなくなった。
レンブラントは若い時の自分も、年を経た自分もありのままにまま描いている気がする。何も包み隠さず。
良い時も。悪い時も。自分の顔をじっと見つめて自画像を描いていたのだ。
なかなかできることではない。僕にはできない。
若い時は若さゆえに自分を見つめず、外ばかり見て生きてきた。
若さをとっくに通り過ぎても、周囲に惑わされ、自分の力を過信し、自分を見つめずに走ってきた。
そして体がポンコツになった中年の今、若さを失った自分が嫌で、自らをじっと見つめることを避けている。
まだまだ俺はやれるはず。こんなもんじゃない。この世のどこかに俺が活躍できる世界がある筈などと、青い鳥を夢見て。
しかし、時間は確実に経っている。
自分を見つめる時間が無かった。
これからは自分を大事にしよう。
どんなにやつれても。ポンコツになっても。
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