阿修羅ジロー

本当は新聞記者になりたかったが、バブル期の勢いで銀行に入り人生をさまよう。銀行破綻を経…

阿修羅ジロー

本当は新聞記者になりたかったが、バブル期の勢いで銀行に入り人生をさまよう。銀行破綻を経験後、転職して会社に生きがいを求めるが、結局人生の答えは見つからず。会社という閉じた世界のみに生きず、一度きりの人生、興福寺阿修羅像のように幾つもの顔を持って生きたいオヤジ。

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マンション総会で亡きサダさんを想う

本日はマンションの総会。僕は1年間理事長を勤めてきたが、本日をもって任務を終了した。 実は昨年、理事長に立候補した。一度くらいマンションの仕事をするのも悪くない、と想ったからだ。 1年前、隣にいて一緒に役員だったのが、マンションの隣人で80歳を過ぎた白髪でダンディーな明るい老人、サダさんだ。 そのサダさんは今日は隣にいなかった。 いや、いなくなったのは半年前なのだが、今日の総会で半年振りにいない、ということを想いだした、というのが実際のところだ。 僕は昨年任期の途中、サ

    • 52歳、ITパスポート試験に挑戦する

      本日、ITパスポート試験に挑戦する。 52歳の僕は、昨夏、ITに強くなろうと試験を受けることを思い立つ。 きっかけは以前の職場で若い社員に、馬鹿にされたことだ。 おっさん、そんなことも知らないのか。 また、そんなことまで聞いてくるのか。 自分でやれよ。 馬鹿じゃねえの!とは言われないが、あきらかに軽蔑された日々を送っていたことを痛感していた日々を過ごしていたのだ。 なんとかしなければ、と思いつつも、何もできず。 その後、半年間、挫折したまま、テキストは書棚の奥にしまわれた

      • 運慶の仏像に惹かれて

        コロナになってから私が好きになったもの。 道ばたの草花。 人に会わない日々。 そして、快慶・運慶の仏像だ。 写真は運慶の無著菩薩像だ。 奈良の興福寺に訪れた際に偶然、特別公開中に出会った仏像だ。 仏像というよりも本物の僧が目の前にたっているようで、圧倒された。 国宝である。 ネットでは伝わらない迫力。 思わず仏像の前でたたずんだ。 奈良には小学校の修学旅行以来、何度も訪れている。 しかし、こんなに厳かで人間らしく、そして僕をじっと見つめてくれる仏像に会うのは初め

        • サラリーマンが油絵を描き始めて9ヶ月目

          油絵教室に通い始めて9ヶ月。 当初、先生に絵の描き方を教えてもらえると思いきや、先生は「思った通りに描きなさい」、と言う。さらに「私は教えない」とまで言う。 「あなたの感性の赴くままに描きなさい」、と。 先生は僕の感性を大事にしてくれる。何かサンプルを見て、とらわれるのを避ける為にだろうか。 絵の具の混ぜ方、色の作り方、何も教わらない。 それで9ヶ月目に描いたのがこの瓶の絵だ。 自分で工夫して描いた。 正直、自分の能力に頼るのも危ないので、書店で「油絵レッスン」を買

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        • 多田さん
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          ピカソ 青の時代

          大阪で開かれた「ピカソとその時代」ベルリン国立ベルクグリューン美術館展で展示された、 パブロ・ピカソ ジャウメ・サバルテスの肖像  である。 僕はこの、ピカソの青の時代の絵が好きである。 青は、その人物の悩み、陰鬱さ、誠実だがうまく世間を渡れない性格をよく表しているように思える。 ピカソ自体がその時代は、そうだったようにも推測する。 色はその雰囲気、性格を表す。 人間には暗い時代があってよい。苦しい時代があってよい。 明るいルノワールやゴッホの絵もよいが、暗い絵が好

          ピカソ 青の時代

          知多四国八十八カ所を歩く

          この2年、ずっと忙しかった。その忙しい状態から、あるきっかけで僕はその忙しい日常を失った。責任と緊張からの解放は同時に、モチベーションを失うことにもなった。 まだ50歳そこそこなのに、閑職となった。 人は誰かから期待されていると、とても張り合いのある毎日を送れるものだ。 しかし、その期待から外れて、目標を見失うと、心の中にぽかんと穴が開いた状態になる。 そんな中、何をしようか、と考えた挙げ句、以前、ある女性が「知多半島に八十八カ所巡りをするコースがある。私はすべて歩いた。

          知多四国八十八カ所を歩く

          浜松で煉獄(れんごく)さんを見る

          浜松市美術館で見た、鎌倉時代の仏像。 僕はこの仏像を見た時、ビビっと来た!  こ、こ、こ、これは! 鬼滅の刃 の 煉獄(れんごく)さんじゃないかあああああ!!  髪の毛が炎のように逆立ち、目は吊り上がり、怒っている。 でも、その心は温かい(はず)。 頭の中央部に乗っているのは馬だ。 この馬頭観音は顔が3つあり、 右側の顔は険しい。 左側の顔も険しい。 今年、50歳になる僕が 初めて鬼滅の刃を見たのは 映画「無限列車編」である。 ひたすら鬼と戦うストーリーなのだが、

          浜松で煉獄(れんごく)さんを見る

          2021年 おやじが撮影した 桜10選

          いくつになっても桜を見ると感傷的になる。 在宅引きこもりの僕も、人生の峠を過ぎ、あと何回見られるのか?考えながら今年の桜を眺めた。 昨年の桜は、コロナを騒ぎ始めばかりの頃で、人気の無い緊張感の漂う中であったが、今年の桜は緊急宣言も過ぎ、心静かに味わえる桜となっている。 それでは近所の桜を紹介させて頂きたい。 1.桜のつぼみが膨らみ始める頃    この1年暗い生活を送ってきた僕の眼に飛び込んできた桜のつぼみ。世の中はどうであれ、冬の間、じっと咲く準備をしてきたんだ。また会

          2021年 おやじが撮影した 桜10選

          日本最古の仏像に会う

          緊急事態宣言が明けて間もない頃、決して気を許してはいけないのだが、僕は無性に仏像が見たくなり、奈良を訪れる。 それは日本で最も古い仏像。西暦609年頃の作、今から1412年前から同じ位置に座り続けている、という仏像。 飛鳥寺の飛鳥大仏さま。 何という穏やかなお顔。すべてを癒してくれる笑顔。よくぞ1400年もの間残っていてくれた。感謝しかない。 両眼は飛鳥時代に造られた当時のままで、アーモンドアイと呼ばれる、アーモンドの形をした眼。 像高2.7メートルもある高さから、

          日本最古の仏像に会う

          居場所の大事さ

          1月の会社組織改正で、会社は若返りを図り、50歳を過ぎた僕は、明らかに会社で大事なラインから外されたことを感じた。居場所が無くなってきたのだ。年齢を考えると、止むをえない。 居場所が無いというのは実に辛いものだ。周りに人が沢山いるのに、自分だけ孤独なのだ。不思議なことに、独りでいる方が気が楽なくらいだ。周囲に人がいるのに、あたかも自分の存在が無いかのように動いていく会社にいると、余計に孤独が身に染みて辛い。 例年にも増して冷える冬、そんなことを感じながら、かろうじて会社に

          居場所の大事さ

          ひきこもり中年、カレーのCoCo壱番屋創業者に勇気をもらう

          名古屋に宗次ホールというコンサートホールがある。僕はコンサートを聴く目的で訪れた。 平日の午後、コロナ禍にも関わらず、会場は高齢者中心に8割の席が埋まり、素晴らしいコンサートだった。 しかし、僕が驚いたのはコンサートの内容よりも、むしろ、会場の入り口に立っていた、初老の白髪のおじいさんの方だった。 コンサートの合間、会場の中に置かれた本を購入したところ、店員に「著者が会場にいるので、サインをつけます。」といわれる。 ???   どういう意味? その本とは このコン

          ひきこもり中年、カレーのCoCo壱番屋創業者に勇気をもらう

          中年在宅引きこもり、瀬戸の海を見る

          この一年間、職場で苦しんだ自分。 在宅勤務で何とか心を維持した自分。 体にムチを打って瀬戸内海へ来た。 瀬戸大橋を通過する快速電車の窓から、真っ青な海を見て、がつーんと衝撃を受けた。 ダルそうな乗客の中で1人、電車の中で立ち上がって、 うおー!すげー。海は広い。青い。と声を出す自分。 今まで、在宅勤務で見ていたのは、せいぜい縦20センチ、横30センチ程度のパソコンだった。 やりたくない仕事を無理矢理引き受け、聞きたくもない指示を聞き、他人の要求を満たす為に生きる

          中年在宅引きこもり、瀬戸の海を見る

          職場でメンタルで倒れたKのその後

          先週1週間、メンタル・ストレスで休んでいたKが職場に復帰した。 その後、何でもかんでもKに仕事を言いつけていた、「その他大勢」の集団が、ぱったりKに仕事を言いつけるのを控えるようになった。 しかし、今度は「その他大勢」は、他の人間をターゲットに、仕事の押し付けをするようになった。 哀れである。社内いじめである。 実はこの、「その他大勢」は、エンジニア集団だ。エンジニア達は「技術以外は自分たちの仕事ではない」と考える傾向がある。 お金の処理、事務処理、取引先との調整、

          職場でメンタルで倒れたKのその後

          職場の同僚Kがメンタルで倒れるのにその他大勢として黙視した自分

          週明けの月曜、職場の同僚Kからいきなり、「しばらく休みます」のメール。 聞いたところ、精神的な限界で、しばらく休みたいと申し出があったと知る。 Kは私と同じプロジェクトメンバーで、一緒にやってきた同僚であり、Kは常々自らの限界を訴えていた。 Kは真面目で素直な性格な為、常に「いい人」扱いされていた。Kが職場で真剣に怒った姿を見たことがない。いつもニコニコして、誰からの仕事依頼も断らないので、嫌な仕事を押し付けられても渋々受けていた。 しかし、限界を超えた仕事を割り振ら

          職場の同僚Kがメンタルで倒れるのにその他大勢として黙視した自分

          歳を経ていく自分を見つめられるか

          僕の大好きな画家レンブラントが、63歳、死の直前に描いた自画像(エジンバラ美術館で購入した複製画より)。 僕の大好きな絵の1枚だ。 以前、スコットランド・エジンバラを旅した時、偶然出会った。 若さを失い、初老のやつれが表れた顔。言いようのない哀愁感。老人でありながら、じっと見つめてくるまなざしが何故かとても熱く感じられる。 この絵の前で動けなくなった。 レンブラントは若い時の自分も、年を経た自分もありのままにまま描いている気がする。何も包み隠さず。 良い時も。悪い

          歳を経ていく自分を見つめられるか

          ステイホームで見られなかった皆さまに、桜とモミジの共演を。

          今年は、コロナで外出もままならなかった皆様へ。 12月に入って驚きの共演を発見。 桜とモミジ。 桜は四季桜という。 1年に2回咲く桜と 紅葉しているモミジの 共演。 今年は最悪の年と思っていたが、こんな素晴らしい景色を見られて最高。 これもコロナで在宅勤務ができるおかげ。 遠くに行かなくても近くに幸せは転がっている。 皆さまも見つけてくださいね。 故郷は遠くにありておもうもの。幸せは近くにありて思うもの。

          ステイホームで見られなかった皆さまに、桜とモミジの共演を。