<続> 怪しい者ではありません
この頃は「怪しい人!」と思われないように、注意しながら生きている。
油断するとすぐ "怪しい人" になってしまうことを、最近ちゃんと覚えた。
タイトル画像はこの冬すごく寒い日の朝、自撮りしたもの。
「一人で散歩する時は、知らない人にあいさつしちゃダメ!」そして
「他人からどう見えるか確認しなよ‥」と細君から促されて撮ってみた。
確かにとても "怪しげ" だ。マスクで口元は見えないし息で眼鏡は曇る。こんな風体の人物に「こんにちは~」と挨拶されたら、私だって警戒する。
2年前に仕事を引退してから、私はかなり生真面目に自粛を続けた。外に出ることもなく、他人(ひと)と話すことも減った。外部との接触機会の減少は、容貌や機能の衰えを加速させる(多分)。会話しなくなると話し方、声のトーン、視線の向け方などのテクニックが著しく低下する。そんなこんなで私の "怪しげ" はどんどん膨らんでいる。
私は若い頃から「普通であれ」をモットーにして生きてきた。「すっごーい!」とか「カッコいい!」と言われる要素が少なかったこともあるが、「何?! あの人」「何か変わってない?」「気持ち悪ーい」と思われる悪目立ちの異形を嫌った。
若い時は普通にしていれば、「怪しい」などと思われなかった。でも今は普通にしているだけではダメ。「"怪しく思われない行動" を常に意識していなければ容易に "怪しい人" になる」と自らを戒めている。
これからの私たちには、"老いに抗う" だけでなく、"怪しげを押さえ込む" ことも重要な課題となる。
最近知ったのだが、警察やインターネットサイトが不審者情報を公開している。いろいろな種類の不審者が見られるが、最も多いのが女性(主に学生)に対する "声かけ" だ。サイトには発生場所、不審者(全て男性)の風体と "声かけ" の内容が書かれている。「どこの小学校なの?」「ひとり?」「兄弟はいるの?」「お小遣いあげる」など。「声をかけられた」とだけ書かれている案件もある。
その記載内容からだけでは犯罪性は不明だが、いずれにしても私のようなものが、見ず知らずの女性に声をかけてはならない。以前の投稿に書いたが、女子高生に「月がきれいですね」と声をかけて通報された事例もある。
近い将来「じーっと見られた」と言って通報されるようになるかもしれない。そう思う私は、最近女性や子供を凝視しないように心掛けている。誤解無きよう書き添えるが、私はこの風潮を決して揶揄するものでなく、やむを得ないと思っている。実際危ない人間は確実に存在するのだから。
最近映画監督や俳優のセクハラが取りざたされている。その自分勝手で卑劣な手口にはあきれるばかり。人の弱みにつけ込んで、下卑た欲望を満たすような輩が創る作品に真実や感動など有るはずがない。
20年程前の会社でのこと。ある日の朝の私と女子社員との会話。
私 「あ、〇〇さん、香水変えたね?」
女子社員「え‥! 〇〇さん(私のこと)、それセクハラですからね!!」
私 「あ~そうだったか~。ごめんなさい。」
それ以来細心の注意を払いOBを打つことなく、会社人生を全うしました。
"見ざる" "言わざる" "聞かざる" そして "触れざる" と "嗅がざる"
これが大事!
< 了 >