ミケルソンが勝った
全米プロゴルフ選手権で、フィル・ミケルソンが優勝した。メジャー大会での最高齢となる50才での勝利だった。デシャンボー、マキロイ、モリカワなどの若い才能を見るのは刺激的だが、そんな勢いのある若者を蹴散らすベテランの活躍は痛快だった。
ミケルソンのプレーは、豪快さと繊細さを併せ持ち魅力的なのだが、どこかしらスキがあって軽率で、それがまた人間味を感じさせるところでもあり、私は昔から応援していた。今回ギャラリーのあれほどの熱狂を見ると、アメリカでも愛されていることがよく分かる。
数年前、グリーン上でまだ動いているボールを打ったりするのを見て「オイオイ、何かおかしくなっちゃったのか?」と心配していたが、どうやら大丈夫だったようだ。
ミケルソンのクラブセッティングは個性的、戦略的で、ある年のマスターズでは、ドロー系とフェード系2本のドライバーを入れてみたり、ある年の全英はドライバー無しでラウンドしたりしている。今回の全米プロも、珍しい2番ウッド(ブラッシー)を入れていたそうだ。
そんなミケルソンも、パターはずっとオデッセイのL字を使い続けている。新型がたくさん出てきても、これだけは頑なに変えない。
私のパターもミケルソンと同じモデル。そう、ミケルソンを真似て何年も前から使っている。実は先日のラウンドで、全然パットが入らなかったので、いよいよパターを変えようと、ちょうどネットで調査を始めたところだった。そこに入ったメジャー最年長優勝のニュース。己の腕を棚に上げ道具のせいにしようとした自分を恥じる。もう少しいっしょに頑張ってみよう!
中継が見られなかったので、改めて最終日のプレーを見返してみた。ピンチも多かったが巧みなアプローチで切り抜けて、何とかしのぎ切ったベテランならではの勝利だった。体は明らかに一時期よりも絞れていた。
「肉体とスキルを維持するためにエクストラの努力を積んできた。ボクはゴルフが好きなんだ。チャレンジすること、戦うことが好きなんだ。」
ミケルソンのコメントです。20才以上年下のとんでもない才能を持つ若者たちに勝つべく、並々ならぬ努力を重ねているのでしょう。頭が下がります。
私はと言えば、ミケルソンがいつもかぶっている ”KPMG” のロゴが入ったネイビーの帽子が欲しくなり、ネットで探してみたら15,000円 もする。ちょっと手が出なかった。次のラウンドにかぶって行きたかったなあ。”カタチばかり追いかけるミーハー老人” だなと少し反省はする。
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