悪あがきだってことは分かっている
以前の記事でこんなことを書いた。
「戻りたいと思うほど今より幸せだった過去は無い」
「やり直したいと思うほどの大きな後悔は無い」
決して強がりではない。戻ってやり直したとて、今より良くなるとは限らないし、「すごく後悔していること」「やり残してしまったこと」「特別に不運だったこと」は過去を振り返っても見当たらない。
しかし「残念だな~」「口惜しいな~」と沁み沁み思っていることが一つだけある。
それは「毛量」。そう「毛量が少ない」こと。もちろん端っから少なかった訳じゃあない。だんだん少なくなり残念な現在に至っている。
私の髪は側頭部と後頭部が現存し、前頭部から頭頂部にかけての毛髪密度が極めて低い状態。近いタイプの二人の画像 (⇩) からご想像下さい。
私は自分が薄毛になるとは考えもしなかった。茶色っぽくて少し硬めの髪質を好きではなかったが、私の毛量はかなり多かった。高校時代は吉田拓郎もどきの長髪だったし、大学生の時は、清水健太郎カットと言われる「ゆるふわパンチ」にしたこともあった。
30代の半ば頃、抜け毛が目立つようになり「あれー?薄くなってない?」と初めて気付いた。取り乱した私は、およそ考え得る限りの改善策を次々実行した。食べ物、サプリ、シャンプー、洗髪方法、育毛剤、頭皮マッサージ。だがどれも捗々しい効果は認められず、薄毛は着々と進んだ。
私は初めて「報われない努力もある」ことを学んだ。
私には、ゴルフをしたり山歩きをしたり麻雀をしたり酒を酌み交わしたりする高校時代からの仲間がいる。そのメンバー全17人の "毛量ランキング" を考えてみた。すると私は 16位タイ という結果。ひっくり返して "薄毛ランキング" にしたら堂々の首位タイになる。
私は自分の今をつくづく不憫に思う。
40代までは発毛/育毛に手を尽くしたが何ら改善は見られず、50代に入った頃には万策尽き手を上げた。
以来私は、自分を直視しない人間になった。
毛髪に関しては「見ない 気にしない 忘れる」 の三原則を順守してきた私だが、心の奥底には、毛髪「寂寥感」をずっと抱き続けていたようだ。
*****
梅雨の頃突然「もう一回だけ育毛剤を試してみたい」と思った。
調べてみると今のそれは私が使っていた20年前のものより、有効成分が5倍も多く配合されている。それを知った私は、矢も楯もたまらず試してみたくなった。
細君に隠れて始めるのは難しい。Yahooショッピングのポイントが高い日に細君に買ってもらおうと、意を決して切り出した。
私「お願いがあります!」
細君「え、何? 改まって」
私「育毛剤を試してみたいんだ」
細君「えー! 今さら何で? 別におかしくないよ」
私「おかしいよ! ハゲてるんだから!」
細君「もう遅いって 高いんでしょ? もったいないから」
私「うん、高い。 お前だって "どっさりスリム茶" とか買ってるじゃん」
細君「あんなの安いよ すぐ欲しかったんで送料高かったけど…」
私「お願い! もうこれが最後 これで諦めるから」
細君「しょうがないなぁ ホントもういいのに… 」
細君「1本でいいのね?‼」
私「え、うん、じゃあ……3本 」(小声)
***
そんなやり取りがありその後、私は3本の "リアップ" を手に入れました。
使い始めて今日で10日。効果が有ったらここで報告します。
効果を確認できなかったら、このことは無かったことにして沈黙します。
< 了 >
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?