列王記下7章/よい知らせを伝える穢れた民
大飢饉に襲われている真っ最中の北イスラエルの首都サマリア。そこを更にアラム軍が包囲し、サマリアは壊滅的な飢餓状態に陥る。
母親が自分の子供を食べるほどの飢餓状態の中、圧倒的な軍事力を持つ敵軍の包囲下で出来るのは、苦しみながら死を待つことだけである。
飢餓の中にある人は言う。
「この不幸は主によって引き起こされた。
もはや主に何を期待できるのか(列王記下 6:33 新共同訳)。」
飢えに満たされたサマリア。そのサマリアの城内に入ることすら叶わない人々が居る。
穢れた民。皮膚病という病に打たれた人々である。
皮膚病に侵された人々は言う。
「このまま、街の外に居たところで、街の中に入ったところでどうせ死ぬ。
どうせ死ぬなら、敵軍のアラム人たちに投降しよう」
周辺の人々、穢れた民である皮膚病患者たちがアラム軍の陣営を訪れると、アラム軍は夜の間の物音にパニックを起こし、物資もそのままに退却していた。
飢えた皮膚病患者たちはその陣営に残された食料で飲み食いし、満腹になる。
そして、穢れた民である彼らが祭司である王に向けて、死から我々は救われたという「よい知らせ」を伝えに行く。