列王記下24章/生きた石
ダビデが建てた古代統一イスラエル王国は北イスラエル王国と南ユダ王国に分断され、その分断国家のうち、北イスラエル王国は既に滅んだ(列王記下17章)。
両分断国家のうち、片方が滅んだのならば、もう一方、つまりは南ユダ王国が正しいのだろうか?
いや、そうではない。南ユダ王国も滅びに向かう。
赤いポストに対して片方が「これは青い」と言い、もう片方が「これは黒い」と言う。
この場合、片方の間違いをいくら指摘してもそれは自らの正しさを全く保証しないからである。
サムエル記下7章16説で
「あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」
とダビデに告げられた王国は、完膚なきまでに崩壊する。
また、唯一の神の住処であるはずの神殿もまた、異教徒たちの略奪に晒され(列王記下24:13、25:13-17)、焼き払われる(列王記下25:9)。
では結局、神の国とは、また、唯一の神とは単なる人間の作り出した概念に過ぎず、それらは結局滅ぶ運命にあるだけの話だろうか。
他のあらゆる人間が作り出した概念と同じく。
・主の神殿
マルコ書13章で、イエスの弟子は再建された唯一の神の神殿を褒め称える。
「なんと素晴らしい、この目に麗しい建築だ」と。
キリストは言う。
「あなたはこれらの壮大な建物を眺めているのか。
積み上げられた石が一つも残らないまでに、すべては崩されるであろう」
人の手で造られ、その目で眺められる壮大な神殿はやはり、この後、ローマ帝国により完膚なきまでに破壊される。
ソロモンが建てた神殿が、バビロンにより完膚なきまでに破壊されたように。
キリスト者による神殿は目に見えない。
それは個別の人間という石ではなく、人間という生きた石が組み合わさり、できるものだから。