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冬の金剛山を楽しむ

私をひきつけてやまない金剛山
春夏秋と度々訪れ、そして冬


こんにちは、イラストレーターの北村ハルコです。
第十回は金剛山へ行く話です。
鳥が好きといいながら、今まであまり鳥のことを書いてこなかったのですが、今回は山の風景を楽しみつつ鳥を探した冬の日の金剛山のお話です。
 
大阪近郊から気軽に行ける山として、親しまれている金剛山。
けれども山登りにあまり縁のない方にとっては、機会はあまりないかもしれません。
 
私はこの山がとても好きです。理由は二つ。
一つ目は関西ではここしかいない鳥がおり、なおかつ季節が変わるとさまざまな鳥がやってきて、都市公園などより自然に近いすがたを観察できること。
二つ目は山登りの後、ハイキングができること。急坂を登りきったところにあるキャンプ場と、階段を上りきったところにある頂上付近。そのふたつの地点を結ぶルートは標高差が少なく、平坦な道でほどよく離れているので、のんびり山を楽しめるところです。私の好きなブナ林が見られる場所もあります。
 
私をひきつけてやまないこの山。
初めて金剛山を訪れたのは、ロープウェイがまだ通っていた5年前。季節は春。霧に覆われ幻想的な時間もあり、ブナ林とヤドリギの美しさが印象に残っています。
その後、夏、秋と訪れました。冬はハードルが高くて今まで行かずにいました。いつか行ってみたいと思っていたところ、今日なら行けるという日が見つかり、夫と二人で出かけることにしました。
 
天気予報は雪だったので、防寒対策を念入りにしました。
体に密着した下着をまず着て、その上に汗をかいても汗を外に出してくれる綿ではないシャツを着て、汗冷えを防ぎます。そのうえから、ウルトラライトダウンジャケットと、風を通さない少し厚手のジャケットを着ました。
帽子は街で被るニット帽。これは風が通って寒く後悔しました。耳は覆うべきでした。手袋は水にぬれても平気な防水性のある手袋、足元は厚手の登山用の靴下に登山用の靴を履きました。
 
出発した市街地では雪は降っておらず、雲の中の金剛山の天候が気になります。やはり、だんだんと路面が濡れてきました。車は普通タイヤ。坂道を登るにつれ路面が凍結。これはまずいなと思い引き返すことにしました。仕方なく最寄りの富田林駅まで戻り、そこからバスに乗ることにしました。

登山口で降り、今まで何度も歩いた道を進みます。キャンプ場付近までは休憩しつつ難なく到着。けれども上に行くと積雪が多く、10cmぐらいでしょうか。アイゼンを装着していなかったので積雪で歩きにくく、危なっかしい。車を置いてバスで来たのでだいぶ時間が遅かったのもあり、山頂側に行くのを諦めキャンプ場周辺を散策することにしました。私は積雪した雪の中を歩く経験が少ないので興奮気味。霧氷でおおわれ白くなった木の写真を撮り始めました。
 
すると、元気なエナガ、ヤマガラが出てきました。もう少し歩くと今度はコゲラ。コンコンという音が響きます。
向こうの方から「アカゲラがいるよー」という夫の声が聞こえます。
アカゲラは大きなキツツキで、この辺ではあまり会う機会がない鳥です。急いで向かうと、遠くの方に、アカゲラが。

アカゲラではなく、この辺りで多いオオアカゲラでした。こんなに寒いのに元気に生活している姿を見るとうれしくなりました。
 
道であった男性が、ルリビタキがいましたよと教えてくれました。
その場所に行って探してみましたが、見つけられず。じっとしていると寒さが身に沁みます。マイナス6℃は私には寒すぎました。
待ち伏せは諦め、近くの小屋で暖を取ることに。外にはつらら。こんな風景は久しぶりでした。持参したパンとおにぎりを食べ、石油ストーブの前に陣取って、冷たくなった足を温めました。
そしてもう一度散策して、山を後にしました。下りはアイゼンなしだったので、慎重に降りました。

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/


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