秋の名残りに、七草を。
こんにちは、「まだまだ暑いな」と思っていたら、10月20日の秋土用から急に寒さが増しましたね…!
袷の着物に切り替えぬくぬく冬使用の、絵本作家まつしたゆうりです。
1約週間後の11月7日は「立冬」。
もう冬です!!
陰の気がいよいよ増してくるので、
陽のものを取り入れるのを心掛けたいところ。
秋土用の養生
秋には肺を潤す「白い食べ物」を増やしていますが
白キクラゲ、百合根、蓮根、里芋、梨などなど
冬は腎を補う「黒い食べ物」を摂るといいそう!
黒米、黒豆、黒ゴマ、ごぼう、干し椎茸、海藻などなど
精をつけるものを摂ることで滋養強壮だけでなく
アンチエイジングの効果もあるということ。
冬を元気に乗り切るためにも、
ぜひぜひ取り入れてみてください*
果物は体を冷やしすぎるので適度に。
無農薬のものだと体調に出にくいなと気付き、
このようなサイトで安心安全なものを求めています。
代々、畑で実をつけてきたという自然栽培の
無農薬の柿。
自然な甘さで絶品でした!
秋の七草、知ってます?
「春の七草」といえば、
「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」
の順で、覚えている人も多いのでは。
じゃあ「秋の七草は?」と言われたら
「えーと、なんだっけ…」
となるのは何故でしょう(笑)
1番は食べる習慣、行事が無いからかなと思うのですが、
昔は「七草」といえば「秋の七草」の方だったそう!
全部まるっと一緒くたに食べないけれど、
どれも暮らしの身近にあり、
飾ったり使ったりして楽しんでいました。
七草の万葉歌
あと、「覚える歌?も無いよね…」と思っていたら、
なんと!
万葉集に覚え歌があったのです!!
皆さま、こちらご存知でしょうか。
万葉集 1537 山上憶良
秋の野に 咲きたる花を
指折り かき数ふれば 七種の花
《訳》秋の野原に咲く花を指折り数えたら、七種の花!
万葉集 1538 山上憶良
萩の花 尾花 葛花 なでしこの花
をみなへし また藤袴 朝顔の花
《訳》萩の花、尾花(ススキ)、ナデシコの花、
オミナエシ、またフジバカマ、朝顔(桔梗)の花
萩、ススキ、ナデシコは知ってる。
オミナエ…シ…? フジ…バカマ…??
(この辺で断念したくなる)
あ、桔梗は分かる。
オミナエシとフジバカマ、気になりますよね!
イラストはこちら↓
(0時の位置から右回りに、歌の順に並んでいます*)
秋の七草の歌をご紹介したインスタライブはこちら▼
…ここでひとつ大問題。
そう、名前と姿を知ったところで
「で?」
となるのですよ。
食べないなら、何? どうするの??
と。(笑)
大丈夫です!
食べたり食べなかったりの
七草の具体的な楽しみ方を見ていきましょー!
七草の活用法
万葉集の詠まれた頃は、季節の花を男女問わず髪に挿して
カザシにしたり、庭に植えて楽しんでいたそう。
まあ、今は髪に挿すのは難しいですが、
お庭に植えたり切り花を飾ったりは
気楽にできそうですよね*
萩
萩は日本に自生の植物で、貴族庶民問わず、
野に生えたものを庭に植え替えて
楽しんでいた歌が残っています。
とても繁殖力が強いので、初心者でも気楽に育てられるそう!
(株が大きくなるので注意)
赤紫色のものがメジャーですが、白花も愛らしいです。
「かざしの萩」と歌にも詠まれ、頭に飾って楽しんでいました。
ナデシコ
「種を蒔く」という歌が残っており
日本最古のガーデニング情報となっております(笑)
愛する人に喩えられたりもしていたので、
お手紙に「撫子のような君」というフレーズが
ちょいちょい出てきます。
(お手紙で使ってみたいフレーズ!)
日本に野生で生えてるものは
海辺の崖でも見かけたので
可憐に見えて結構強そう!
葛
これも日本自生のマメ科の植物。
根は葛根湯としても知られる葛根。
発汗させて解熱させる効果があり、
体を温める作用があるということ。
また、女性ホルモンと似た働きをするので
更年期の不調やホルモンバランスの調整にも。
お惣菜のトロ味付けや葛湯がポピュラーですが、
クッキーを作るときに入れるとサクサク感が増すので
ぜひぜひお試しあれ*
尾花(ススキ)
ススキは特に薬効はなし。
が、「見慣れてる」と侮るなかれ!
花穂が開いていく様は非常に面白いので
試しに連れて帰ってみてほしいです。
尾花というのは馬など動物の尾に見えるからだそう。
朝顔(キキョウ)
は、当時は桔梗のことだったとされています。
根を乾燥させたものは生薬「桔梗根」として
利用され、咳や痰を抑制する効果があるそうです。
最近は背丈の低い品種も出てきていて
お庭の片隅にも植えやすくなっています。
オミナエシ
「女郎花」と書くこのお花。
こんなに綺麗なレモンイエローの花を咲かせるなんて!
と、初めて見たとき衝撃でした。
ミモザといい、タンポポといい、黄色いお花、
元気が出るし人気高いですよね。
そんな心がぱあっと明るくなるこのお花を
より直ぐって贈ってくれた
素敵な友情エピソードのお歌がイチオシです!!
フジバカマ
この少しくすんだ、上品な薄桃色のお花…!!
もう、もう見た瞬間に一目惚れですよ!!
そして、なにより「蘭草」と呼ばれるほど
良い香りがするそうなんです。
葉と茎を乾燥させて、入浴剤として使っていたそう。
雅な入浴剤、試してみたいですよね。
(お花もドライフラワーにすると愛らしいです。)
秋の七草、いかがでしたか*
昔々から愛され続けてきた草花たちを
ちょっぴり身近に感じてもらえて、
毎年の楽しみ、秋の暮らしの素敵フィルターが
いくつも増えますよう。
そんな秋の七草歌&イラストが載っている
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【まつしたゆうり・プロフィール】
絵本作家・イラストレーター。
「心をつなぐ、扉を描く」ことを大切に、ここではないどこかへ、心をつなげる絵を描いています。
滋賀出身、大阪在住。大阪芸術大学デザイン学科卒。
植物と日々着物暮らし、鳥は愛でるのも食べるのも好き。
2021年【出版予定】
● 絵本『イナバのしろうさぎ』(よはく舎)
古事記に登場する物語を、新しい視点と解釈で描きます。
● 書籍『大伴家持くんの本』(河出書房新社)
万葉集の面白さ家持くんの良さを、ゆるっと楽しくお届けします。
古典文学を今の感覚で、分かりやすく楽しく伝える活動も。
▶共著『よみたい万葉集』(第5刷)
▶インスタライブ「万葉週話」毎週土曜AM11:00〜
(アーカイブはインスタアカウントから無料で観れます)yuuli_illust
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