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ちん電どんぶらGO!してみよう♪

ところでみなさん、ちん電に乗ったことありますか。
えっ?まだない?
それは大変もったいない。
では、たのしいちん電どんぶらGO!の旅にご案内しましょう。
ちん電とは、大阪市と堺市にまたがる路面電車です。
正式名称は「阪堺電気軌道」になります。昔の電車は「チンチン♪」と音を鳴らして走っていたので「チンチン電車」と呼ばれました。大阪の人たちはこれをさらに略して「ちん電」と昔から呼んでいます。より一層の愛情のこもった呼び名だと思いませんか。

まあ、大阪の人は基本イラチなので略して呼んだともいわれてます。
知らんけど。
このちん電がなぜ、かように魅力的なのか、そのポイントを今回お話しようと思います。

ちん電ラブポイント①
いろんな車体がある♪

普通の電車は、基本的に同じモデルの車体ですよね。ちん電は、非常に車体のバリエーションが豊富なんです。なんと現役では日本で最古の木造車両から、最新の低床車両のトラムまで、さまざまな年代に製造された車体が毎日同時に走っています。
しかも、ほとんどの車体がラッピング塗装された広告つきなので、色もデザインもそれはそれは実にさまざま多種多様です。
たとえば、こんなかわいいパンダ顔のちん電。こちらはアドベンチャーワールドの広告車両です。

久実子さん①

ちょっとレトロなツートーンカラーのモ505形。このタイプは、前面の丸みを帯びたカーブのラインが可愛らしいのです。

久実子さん2-トリミング

最新の低床車両の堺トラム。乗車時のステップがなく、乗り心地も快適です。車体もスマートなデザイン。堺の偉人、千利休や与謝野晶子などをイメージしたカラーで、「茶々」「紫おん」「青らん」の愛称が付けられています。(写真は紫おん)

久実子さん3

そしてダントツに人気なのが、やはり日本で最古の現役木造車両のシリーズ。車体が大きく収容人数も最大のため、貸切電車でも一番需要があります。(ただし冷房完備していないので、夏場は運行していません。)

久実子さん4-トリミング

久実子さん5

久実子さん6

久実子さん7

久実子さん8

クラシックなたたずまいは、眺めても乗っても特別感が味わえます。

この木造車両も、ときどき塗装を変えることがあります。めったにないですが、数年前映画「オリエント急行殺人事件」の広告で特別仕様の電車が走ったことがありました。

久実子さん9

この電車、実は車窓にマジックシートが貼られており、正面から見ると透明なのですが、斜めから見ると映画の登場人物たちの顔が浮かび上がるようになっています。乗客が殺人事件の容疑者に見えるという洒落た趣向です。
それにしてもちん電をオリエント急行に見立てるとは、愉快な広告だなあと思いました。

我孫子道の車庫では、これらのいろんな車両が見られますので鉄道ファンの聖地になっています。

久実子さん10

どうですか。
毎日、これらの電車が交互に行き交い、どの電車がやってくるのか分からないので、電停で待っているのも楽しいのです♪

ちん電ラブポイント②
路面と専用軌道をいったりきたり♪

専用軌道というのは、電車だけが走ることのできるいわゆる普通の線路のことです。ちん電は道路で車や歩行者と一緒に走るところもあれば、専用軌道に入ったり、また路面へ出たりします。それでころころと街の風景が変わり、行き交う人や車との距離が変わるのも魅力です。

たとえば天王寺駅前を出てしばらく道路を走りますが、松虫に着く直前に専用軌道に入ります。このときぐーっと大きく曲がるのも楽しいポイントです。松虫電停からは、あべのハルカスをバックにちん電が曲がりながら路面に入っていくのを見ることが出来ます。

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街のいろんなところを出たりまた入ったりしながら、街の人たちと一緒に走る電車なのです。

ちん電ラブポイント③
街の風景の多様さ

そして入り込んでゆく街の個性豊かな風景もまたポイント。
上町線だけでも、天王寺駅前から松虫~東天下茶屋の昭和の下町風情あふれる風景、と思ったら突然オシャレでハイソサエティな姫松・帝塚山エリア。神ノ木の坂を越えると急に重厚な歴史を感じる住吉鳥居前。
ディープな安立町をすぎて大和川を越えると堺の旧市街へ。

久実子さん12

町屋や堺職人の工房が建ち並ぶ綾ノ町では、商店街の通りをちん電が横切り、広々とした大道筋へ入ります。旧市街を抜けて石津川を渡ると、今度はかつての瀟洒な別荘地、終点浜寺駅前をめざして進みます。

天王寺駅前から浜寺駅前までは一時間弱。距離としてはほんのわずかなのですが、個性的な街の風景は見飽きることがなく、ものすごい充足感を味わえます。

ちん電ラブポイント④
てくてくきっぷで大満足♪

阪堺電車の運賃は、どこまで乗っても230円。これだけでもお得感があるのに、なんと乗り降りし放題の一日乗車券「てくてくきっぷ」という最強アイテムがあります。
これさえあれば、その日はどこでも自由に乗り降りし放題♪
「あそこへ行こう!」と思い立ったらすぐ降りて、また好きな電停から乗って、自分の思う通りの街歩きがいくらでも楽しめます。

ちん電の電停には改札口がありません。バスに乗るときと同じように、現金またはICカードで降りるときに払います。(てくてくきっぷは、運転手さんに見せるだけ♪)なので、乗り降りするのも本当に気楽です!
ぱっと降りたらそのまま道だし、歩いていて道路の向こうにちん電が見えたら、パーっと電停に走っていけば乗れちゃいます。

待ち時間は電停近くのお店で過ごしたり、いくつかの電停には待合所があります。待合所は姫松と住吉にありますが、これまたレトロで可愛いのです~!文学的に「あずまや」とでも呼びたくなるような、レトロな明るい黄緑色のかわいいサイズとデザインで、もーキュンキュンします。
こんな萌えスポットだらけなので、何度でも乗り降りしたくなります。

久実子さん14

この最強のフリー乗車券がたったの600円。
たったの600円で、まる一日遊べちゃうんですよ?
私は行ったことないですが、世の中にはUSJの年パスを買って休みのたびに遊びにいく方もおられるそうですね。(知らんけど)
そんな感覚で、無際限にちん電旅を満喫できちゃうのです♪

ちなみに堺市が出している「堺おもてなしチケット」というフリー乗車券もあります。こちらは南海バスも乗れるので堺市内でバス移動もされる方にはおすすめです。


いかがでしたか?
「ちん電に乗ってみたいな~」って気分になりましたでしょうか?
ぜひご参考になさって、どうぞ存分にちん電の旅をお楽しみくださいね!

久実子さん13

浜寺公園内の交通遊園に展示されているモ121形130号と♪
車内も入れて、運転席にも座れますよ♪
(私は鉄ヲタではないので座りません笑)

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久実子さん3

【萩原久実子・プロフィール】
大阪・堺市出身。
生後まもなくアトピーを発症し、血まみれの暗い悲惨な幼少期〜思春期を経験。おとぎ話を心の支えに成長する。
26歳で一念発起して兵庫県立尼崎青少年創造劇場(ピッコロシアター)演劇学校へ入学。才能のなさを思い知り、3年目で卒業。以後演劇の道を断念。
その後体調を崩し、ひきこもり生活に。仲間とともに「ひきこもりーノ大作戦」を立ち上げ、ボランティア活動を通じて自立の道を探る。
阪堺電車(愛称ちん電)の魅力を発信するフリーペーパー「ちん電マップ」の発行に携わり、その後独立して「ちん電どんぶらGO」を発行。ちん電沿線をまち歩きしながら、SNS等で勝手に発信し続けている。


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