歩くアンテナ【写真とエッセイ】
クリスマス目前の11月下旬にもなりましたが、11月上旬におこった日々です。なにせ刺激の街、魅惑の東京へ旅行にいっていたもので、中旬の2週間の記憶がございません。かえってきて体調を崩すほど楽しんできましたもので、エッセイを書くということすら思い出しもしませんでした(笑)
11月下旬の3行エッセイです(もう3行っていうのやめようかな)
▽取り越し苦労はやめだ、やめだ!
理想は死ぬまで、趣味を楽しみ続けたい。でも趣味にかけられる体力、気力、財力。今はよくても将来はどう?続けられているの?とか。取り越し苦労というやつが頭を悩ませてしまう。
秋桜畑で見かけたおばあちゃん。たぶん80歳前後くらいで、腰は曲がっている。でも、SONYα7一眼カメラシリーズに、これまた重たい白塗装の望遠レンズをつけ、それを首からぶら下げている。さらに重たそうなリュックを背負って(たぶん交換レンズが入っていそう)、カメラに当たらない程度の斜め掛けバックを右側に携えている様相ではないか!
左手に三脚、右手に日傘をもって両手に杖を持っているような使い方で一歩一歩前にすすみ、よしここだ。というところで三脚をセッティングしている。御一人でいらっしゃっているようで、好きなように秋桜と対峙している。
私が常日頃、軽さが正義だの、なんだの言っているのが恥ずかしい!とさえ思った。将来のことなんてわからないのに、何かを想像することはやめようと思った。今やりたいことを全力で!(やれること、じゃないところがポイントね)
おばあちゃんに話しかけたかったんだけど、真剣そのものだし、その時間を邪魔してはならないと遠慮した。
▽歩くアンテナ
街に用があって出かけたら、PARCOで独立系書店がセレクトした本が一堂に会すイベントが開催されていてふらっと入った。本屋さんすきなもんで。
2冊の本を買ったのだけど、一冊は「冬」と「本」をお題にした84名の短編エッセイ、『冬の本』。
和田誠さんの表紙で、中にはイラストレーターの今は亡き安西水丸さんや、写真家の鈴木理策さん、暮しの手帖(私は暮しの手帖の大ファンである)で「気ぬけごはん」を連載されている、ものすごく惹かれる文章を書かれる料理家の高山なおみさんのエッセイもあったから即決。エッセイすきなもんで。
もう一冊は『memeが旅したRIGA』という3人のイラストレーター(ひがしちかさん、塩川いづみさん、前田ひさえさん)が白い3着のドレスを身にまとって、そのドレスに日記のように絵を描いていくという旅の本。
イラストレーターならではの発想で斬新!めちゃくそにそのイラストや写真がお洒落なのよね。でね、私は写真が趣味だけど、絵も最近また描くようになった。絵がすきなもんで。
アンテナを張るとはよく言ったもんで、好きなものに対しては、ピピッと自動的に受信する仕組みを実は人間は兼ね備えているんじゃないかと割と真剣に思っている。何かを探そうとしなくても吸い寄せられる。そんな感じ。
でもそのピピッはおそらく目にみえるくらいの範囲でないと有効にならなくて、自らが動かないと、っていうアナログ具合。
だから何はなくても街にでたり散歩したり、人間は歩くアンテナなのかもしれないね。
▽清澄白河
美容院に行った。私の担当の美容師さんは私よりたぶん10歳くらい若いと思うのだけど、「もう、人に合わせるの疲れちゃうから友達とはモーニングだけでもいい」(←激しく同意できちゃう)なんて言っちゃうような、なんとも落ち着いたタイプの女性だ。
そんな彼女が上京した時に会う唯一の友達が清澄白河に住んでいて、あの街がとても好き!と教えてくれた。私も清澄白河が好き。美術館はあるし、お洒落なカフェ(ブルーボトルコーヒー日本1号店は清澄白河)や雑貨やなんかがたくさんあるし、墨田川に向かって掘削された運河に囲まれた、深川ともいって東京の下町だ。子供の声はどこからともなく聞こえてくるし、生活感のある街で、散策していてとても楽しい。どこか福岡の雰囲気にも似ていて好きだ。いや好きだった。
東京在住の頃は清澄白河にどうにか住めないかいろいろと画策したものだったくらいには好きだったけど、ところがそのうち福岡に引っ越してみると、とんと清澄白河に住みたいと思わなくなった。今は逆に六本木や麻布台、いわゆるザ・東京みたいなところに住んでみたいとも思う。(いや住みたくないんだけど)なんなんだろうね、ないものねだり?
▽チッチとサリーと私
最近カフェ巡りがマイブームになっている。写真が趣味なので、行く道中でパシャパシャ、カフェでパシャ、ついでにお腹もみたされる。最高なんだもん!(写真趣味なひとカフェ巡りセットよね?)
今日訪れたカフェは、ホテルの1Fでロビーと併設になっているところだった。入口は折り戸になっていて、畳むと間口いっぱいが入口になるようなこじんまりとしたカフェだった。一角に本棚スペースがあって、コーヒーを頼んだら、席で読めるようになっている。(@timez9)
大きなガラス窓から光が入ってきて、ちょうど今頃のディスプレイにありがちなクリスマスツリーに飾られたオーナメントに光が反射してきらきらと輝いていた。こじんまりとしているから、席はさほど多くはないんだけれど、グレーの張地のイージーチェア1人席とピンクのサイドテーブルを1セットとするなら、大きな窓に向かって3セットが2列に並んでいる。
私はその角に置かれた小さなクリスマスツリーの前の席を選び、さも美味しそうなオリジナルのカフェラテを頼み、置いてある本をお借りしてカフェタイムを楽しむことにした。
どれにしようか…と選んだ本が、山崎ナオコーラさんの『かわいい夫』。表紙にはみつはしちかこさんの漫画「小さな恋のものがたり」のチッチとサリーが描かれていて、これは!!読まなければ!!と半ば衝動的に手に取った。あぁ面白い。
面白いなぁ!と読みふけっているうちに、インバウンドのおそらく北米のカップルが大きなスーツケースを携えて入ってきた。おそらく併設しているホテルへチェックインするためだろう。
チェックインの間にウェルカムドリンクとしてカフェのコーヒーがふるまわれていた。そのカップルはコーヒーを嗜んだ後、そのうちに、読めないだろう日本語の本をカフェの陽だまりを背景にカメラでパシャ、椅子に座って日本語の本を読もうと試みているパートナーをカメラでパシャ、チェックインも無事におわったころ、ホテルの正面からパシャ。
絶対、私も写してる。アジアの女の子(子じゃないけど)がお洒落な店内で、きらきらと輝くクリスマスツリーの前の席に座って日本語の本を読みながらコーヒーを飲んでいる。
こんなにいいシチュエーションはないよね??はたからみても、撮りたいもん。
だから、ステイホームでしっかりと蓄えたお腹をキュッとズボンの中に滑り込ませ、二重顎にならないように少し顔を上げ、チッチとサリーの表紙が見えるように本をたてて、足を組んだりしてポージングしてみた。
あぁ私も今撮りたい~チッチとサリーと私を!
8098(本日2995)/20万字
次回は12月8日の予定です。また午後9時に!
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