ピカソのライバル!「肘掛け椅子のような」絵を描きたかった巨匠・・
ピカソのよきライバルといえばアンリ・マチス(1869−1954)。
マチスの方が11歳年上ですが、二人は互いに刺激しあいながら画壇で活躍していました。
マチスもピカソと同様、作風をどんどん変えていきました。
マチスは初め、写実的な具象絵画を描いていました。
しかし、ピカソと出会った頃から自由で大胆な色彩の作風へと変化し、フォービスムの画家として活躍していきます。
ところが3年ほどでフォービスムの熱は冷め、後年彼は静かな、心地よい絵画を目指していきました。
それを明確に語ったのが次の言葉です。
『私は人々を癒す肘掛け椅子のような絵を描きたい』
この言葉は後世の画家にとって一つの模範となっています。
画家自身の個性や絵柄の派手さを前面に打ち出すのではなく、見る人が心を和ませることが絵画の目的であると宣言した最初の言葉だったかもしれません。
南仏のニースに移住した彼は、海などの自然の風景や室内風景など身近な題材を、大胆な色彩と光に溢れた作風で描いていきました。
体力が衰えた晩年は、絵筆の代わりに色を塗った紙をハサミで切って貼りつけて作品を発表するようになります。
切り絵によって、筆では表せない形の面白さや躍動感が表せるので、マチスはこれに没頭しました。
なかでも『ジャズ』は、切り紙絵を原画とする20点の挿絵と自筆のテキストを収めたマチスの挿絵本の集大成。
サーカス、珊瑚礁、ハート型や単純化されたトルソといった抽象的な形が、ジャズのリズムのように踊っています。
まさに肘掛け椅子に座って音楽を聴きながら見つめていたい作品です。
この時期の作風はリトグラフでも見られます。
こちらの方が現代の我々には身近に楽しめるかもしれません。
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