【前編】SexPistolsとバレェリュスの共通点:マルコムはディアギレフをロールモデルにしていた?!
そもそも,奇才って
常人には思い付かないことをするって点で
似てるよね。
こんにちは,大阪なんばにある高級セレクトショップ「Gallery」社長のSNSスタッフです。
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先日,社長と僕のゆるっとした会話の中で,社長が言い出したこと。
社長「マルコムってディアギレフの真似してると思う」
ぼく「なんすかそれ?!もっと詳しく」
ということでセックスピストルズがバレェリュスの影響を受けていると言う話を書いてみます。
Pistolsとバレエリュス
SexPistolsといえば,パンクの発祥と言われるイギリスのバンド。
マルコム・マクラーレンが,ヴィヴィアンウエストウッドど経営していたSEXというブティックに出入りしていた数人の少年をスカウトしてデビューさせたグループです。
一方のバレェリュスは,1909年にロシアでセルゲイ・ディアギレフが立ち上げたバレエ団なんですが,総合芸術であり,また変わったことをするバレエ団としても有名でした。
マルコムとディアギレフ,ジョニーロットンとニジンスキー
さて,そんなバレエリュスの総合プロデユーサーはセルゲイ・ディアギレフです。
主演俳優として有名なのは,なんといってもニジンスキー。
この方は,天才バレエダンサーなのですが,後年統合失調症を発症し,精神科の病院に入院したり退院したりを繰り返しました。
そして,ピストルズといえば,プロデューサーはマルコム・マクラーレン。
ディアギレフもマルコムも,バイセクシャルの男性であると言う共通点があります。
加えて,2人とも音楽や芸術に関しては独学ですから,マルコムがディアギレフをロールモデルにしていたとしてもおかしくありません。
というのも,ピストルズのメインボーカル,ジョニーロットンのキャラ付けを覚えておられますでしょうか?
ジョニーロットンは,「ロットンブレス」という手錠のようなブレスをつけ,ボンテージルック,パラシュートシャツでまるで拘束着のような装いをし,しかもボロボロのシャツを着ることによって「精神科病院から脱走してきたようなキャラ」を演じました。
(現代なら大炎上……と言うか,当時も諸々意図的に炎上させていましたね。それについては後述します)
このキャラ設定を作る時,マルコムの頭の中には「もしかして,ニジンスキーが精神科の病院から脱走して新たに芸術活動を始めていたら?」というニジンスキー第2の人生イメージがあったかもしれません。
と言うのも,実は後年ヴィヴィアンウエストウッドがこんなネタバラシをしています。
ヴィヴィアンによるネタバラシ「牧神の午後」オマージュ
こちらは,ヴィヴィアンウエストウッドのランウェイでの「牧神の午後」。
「牧神の午後」というのは,バレエリュス,ニジンスキー主演作品の中で最も有名な作品です。バレエなのに,ど下ネタで,それを当時バレエを鑑賞するような貴族様の前で披露したものですから,賛否両論の嵐!今でいう炎上商法ですね。
後年ヴィヴァンがランウェイで「牧神の午後」を扱ったことにより,ヴィヴィアンとマルコムカップルがこれらへのオマージュを行っていたことが明らかになりました。
芸術家仲間たち:ピカソやシャネルに対してヴィヴィアンやジェイミーリード
さらに,バレエリュスの舞台芸術を担当していたのはレオン・バクスト。加えて舞台衣装には,シャネル,ピカソ,マチスといった錚々たる面々が名を連ねています。
一方のピストルズは,美術担当はジェイミー・リード。衣装にはヴィヴィアンウエストウッドも加わります。
このように,マルコムがピストルズをプロデュースする上で,意図的にバレエリュスをオマージュしたと思われる部分もありますが,一方で必然的に似ていってしまった過程もあります。
その点については後編にて!
ちなみにこれは,ヴィヴィアンウエストウッド1988/89年秋冬のコレクションで用いられたハリスツイードと同じ生地と思われます。
なぜなら,弊社にあるものは,ヴィヴィアンとマルコムの息子ジョセフコールによる復刻版だからです。→通販サイトこちら
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