[MOTHER 機械じかけのコウノトリ]勉強会_3.小野寺雅史
[MOTHER 機械じかけのコウノトリ]制作にあたっての勉強会。
第三回目は国立研究開発法人国立成育医療研究センター遺伝子細胞治療推進センター センター長 小野寺雅史氏にお願いしました。
小野寺雅史(国立研究開発法人国立成育医療研究センター遺伝子細胞治療推進センター センター長)
2021年10月20日(水) 19:30-21:30( Zoomにて)
ゲノム編集の現在と今後
専門用語が飛び交い、かみ砕いて説明してくださったにもかかわらず、今回もかなりハードルが高い。およそ37兆個あると言われる人間の細胞。その一つ一つが、すべて同じ遺伝子をもっているのだが、それらが別々の動きをするので目や髪、血液などいろいろなものがヒトのからだで働いている まずそこに衝撃を受けた。この遺伝子、その構成要素はDNAとよばれるたった4種類の塩基(AGCT)から成り立っており、それがヒトでは約31億個並んでいる。しかし、そこに書かれた情報はいまだ良くわかっておらず、今のところ判明しているのは2〜3万個程度、それ以外はジャンクDNAとよばれている。ただ、ジャンクとよばれているが、ヒトのからだで何か働きがあるようで、今も研究が進められているそうだ。
この遺伝子は、生命を維持するための必要な情報を含んでいるので、その情報に間違いがあるとヒトは病気になる。そこで、新たな技術として、間違った遺伝子を壊したり、正しい遺伝子に直したり、さらにはその遺伝子の機能を止めたりするゲノム編集技術が開発されている。ただ、病気を治すためにこの技術が患者さんだけで留まっているうちはよいが(体細胞遺伝子治療)、次の世代につながるデザイナーベビーを生むため(生殖細胞遺伝子治療)に使われるとなると話は別で、倫理的観点から現在は禁止されている。
最後に小野寺先生から「ゲノム編集を含む新しい技術革新がヒトにどのような影響を及ぼすのか全く読めない時代になってきました。なんとなく技術が進むことで市井人が置いてきぼりになっていくような気がします。まあ、世の中はこんなに動いているんだ!と言うことだけでも理解していただければ幸いです。」と言うメッセージをいただいた。
技術の進歩の速さに驚くとともに、まだ解明されていないことがたくさんある、ということに少しロマンを感じた。
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