もっともっと


昨日さ、私が個人事業主の形態で、ゴリゴリの新規開拓の営業してた時代の同僚から数年ぶりに連絡がきた。

半年前くらいにもメールが来てたけど、スルーしてた。

それは、用件の察しがつくから。メールを無視したのは、もう興味がないという意思表示。それでもまた昨日連絡がきたから、ちゃんと断ってあげないといつまでも連絡がきてしまうと思って、電話をした。

察してたとおり、ビジネスの勧誘だった。正確には、ビジネスコーチングみたいなプログラムを受講しないかという勧誘。

その人は、世界的に有名な大企業の名前を掲げて、一生懸命そのプログラムについて話す。私には一切響かない話を一方的にしている。おそらく、セールストークの台本があって、その筋書き通りに話を展開している。私の話を聞いているようで、次に自分が有利になるようにどう持っていこうかで頭の中が一杯なのを感じた。

最終的には、興味が全くないことを伝えた。その人は、電話の切り際に社交辞令で、「また何かあったら連絡しますねー笑」と言った。

私は、「もう2度と連絡しないで下さい。もう本当に興味がないので。お互いに連絡がないことが幸せな事だと思いますし」そう言って電話を切った。


「今のままでいいんですか?」

会話の中でそんな事も言われた。久しぶりに突然連絡してきて、私のこと何も知らないくせに、私の持ち物だけを見てそんな言葉を投げかけてきた。

でも、不思議とあまり腹が立たなかった。

関係の薄い私に連絡をしてこなきゃいけない時点で、その人はもう追い込まれているから。

会話をしている最中は、ずっと通知音が聞こえていた。LINEがずっと入っている状態。

電話をする前から、私はその人が今幸せじゃない事がわかってしまっていたから、闘う気にもならなかった。


そして、本当はこう言いたかった。

何の信頼関係もない私に、こんな電話をしなきゃいけない、LINEは鳴りっぱなし。今、本当に幸せですか?今のこの時間の延長線上に本当に求めるものがあるんですか?

私は、そんな世界には全く魅力を感じない。私は自分に正直に選択し続けた上に成り立つ人生にしか今はもう興味がないんです。

こう言いたかった。でも、言わなかった。真実すぎるから、残酷だと思った。言ってしまったら、その人が希望だと思っているものを奪ってしまう事になる。

今の私には、今私は幸せだと言う説得力がない。目に見える証拠が弱い。だから、言葉で斬ることはできても、希望を与えることができない。


私が幸せになる事は、私だけの問題じゃないのかもしれない。ちゃんと私が幸せな証拠を提示できないのなら、言いたいことを言う資格はないと思った。



もっともっと幸せになろう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?