星座と神話はどう関係があるの?
こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
私達が住む日本から見える星座はギリシャ神話が絡んでいることが多く、様々なお話が出てきます。そもそも星座はいつ頃できて、どうしてギリシャ神話が絡んでいるのでしょうか?星座の歴史をさかのぼりながらお話していきます。
過去のコラムもあるのでそちらも読んでみてください。
☆星座って誰が決めたの?
https://note.com/galaxyproject/n/ne4a08306f581
多くの人に伝えられ少しずつ広まる星座
ギリシャ神話は星座が誕生した当初からあるものではなく、古代ギリシャで伝えられていたお話が人々に伝わっていくうちに星座とセットになったものです。
星を見て「あの星は〇〇みたいだなぁ」と星と星を繋いで動物や人・モノに見立て、星座が生まれたのは今から5000年程前、メソポタミアのシュメールという地域(今のイラクあたり)に住んでいた人、シュメール人からといわれています。
この時代からすでに、やぎ座、みずがめ座、うお座等いくつかの星座が誕生していました。
その後シュメールはアッカド、バビロニアに征服されていきますが、バビロニアで発達していた数学・星の動きを計算する天文学や占星術(星占い)と星座が結びつき、徐々に星座が広まっていきつつ、新たな星座も誕生していきます。
一方ギリシャ神話は、今から3500年程前(紀元前15世紀頃)に誕生していたといわれています。恋をしたり、冒険をしたり、殺し合いもするような神様達のお話が作られ、口承で伝わっていきました。
やがてギリシャ神話は東の地域から入ってきた数々の星座と結ばれていきました。
紀元前150年頃ヒッパルコスという古代ギリシャの天文学者が、ギリシャ神話を絡めた46の星座(星表)をつくりましたが、残念ながらこの著書は残っていません。
星座の整理整頓係プトレマイオス
人々に星座が伝わっていくうちに、名前が変わった星座もあります。
こちらの星座、最初は怪獣と竜の星座でした。
フェニキアという地域に伝えられるとヘビを持った男性の星座へ変化し、ギリシャでへびつかい座、現代ではへびつかい座とへび座になりました。しし座は元々おおいぬ座だったり、おひつじ座は麦の穂を持つ農夫の星座でした。言葉は時代とともに変化するといわれますが、星座も同じように、時代やその国の文化によって変化していたんですね。
2世紀。古代ローマ(ギリシャ)の天文学者プトレマイオスが、ヒッパルコスのつくってくれた46の星表を元に改めて星座を整理し、48の星座を「アルマゲスト」という本の中で発表してくれました。
ここから星座の人気に火がつき、世界に広まっていきました。
日本にも綺麗な星の呼び名がある
こうして星座とセットになったギリシャ神話は、現代まで語り継がれている超人気作といっても過言ではありません。
しかし、星座にまつわるお話はギリシャ神話だけでなく、アメリカやロシア、エジプト等にもあります。その国の生活が星の呼び名にも反映され、受け継がれていました。
カタカナ好きじゃないな、作り話が苦手だな…という方、実は日本にも独特な星の呼び名もあるんですよ!
おうし座の「プレアデス星団」という星の集まりは、日本では「すばる」といわれ清少納言の「枕草子」にも出てくるほど、昔から親しまれてきました。11月はちょうど東の宙に見えます、是非探してみてください。
文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。