宇宙の果てはどこにある?
宇宙の果てはどうなっているの?宇宙の向こう側にはなにがあるの?これらは人類が宇宙を知るうえで必ず出てくる疑問です。天文学者は一生懸命に宇宙を観測してこの問題に挑戦し続けています。
私たちは私たちが知れる範囲しか分からない
ここ数百年で天文学は一気に飛躍しました。観測技術も発達し、望遠鏡が地球規模の大きさになる仕組みを考えて宇宙を観測したり、衛星にメッセージを載せて遠い宇宙に向けて飛ばしたり、様々な手法で宇宙の謎を解く挑戦が続けられています。
宇宙の果てを知る鍵は「どれだけ遠くの光を見れるか」にあります。遠いところにある光は、うんと長い時間をかけて地球に届きます。遠いところの光が見えれば、それだけ昔の宇宙のことが分かるのです。
現在、観測によって138億年前に宇宙ができたと考えられています。言い換えれば、138億年前より前(138億光年より先)は私たち人類は見ることができていません。私たちが知ることができる宇宙の果ては地球から138億光年のところにあると考えられています。
※光年とは、光が1年で進む距離のこと。138億光年なら光が138億年かかって進んだ距離です。
宇宙の果ての向こう側は分からない
私たちの宇宙が生まれる138億年前より昔に、何があったのかは観測することができません。生まれる前の宇宙は非常に小さな高温の物質だったので、その中ではこの世を構成する原子核と電子がバラバラになっていて、それらが光の行く手を邪魔して、光はまっすぐ進むことができません。例えるなら、私たちが濃い霧の中にいて、一生懸命なにかを見ようとしても何も見えない状態になっているイメージです。
そもそも、生まれる前の宇宙はどんな空間に存在しているのか、その空間には他にも宇宙があるのかなど疑問がどんどん出てきますが、私たちはそれを直接観測することが出来ない限り分かりません。いつか、それを知る鍵を手に入れるかもしれませんが、壮大な未知への挑戦が続くことに間違いはありません。
宇宙はどうなっていくの?
私たちの宇宙は膨張していることが分かっています。これからどうなっていくかは2つの説が候補に挙がっていて、「膨張し続ける」「やがて膨張が止まり収縮していく」の2つです。どちらの未来をたどるかは、宇宙にある物質の量で決まってきます。
物質には引きつける力である重力があります。物質の量が少ないと、宇宙の膨張する力を引きとめるほどの重力がないので膨張し続けます。一方で、宇宙にある物質が多く、宇宙の膨張する力よりも重力が上回ると膨張は収まり、収縮を始めます。
どちらになるかは宇宙にある物質の量を調べれば良いのですが、宇宙には量を調べる手がかりである光を出さない物質があります。これをダークマターと呼んでいて、正確なダークマターの量は分かっていません。なので、私たちの宇宙がこれからどうなっていくのかも分かっていないのです。