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星の特徴①等級と等星って何がちがう?

みなさんこんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。

宙を見上げてたくさんの星を眺めていると、まず気になるのが星座。あれは何座だろう?とアプリや早見盤をかざして探していきますが、ここで注目していただきたいのが星の「特徴」です。
夜空にある星はひとつひとつ明るさもちがえば、色も距離もちがいます。人間の個性みたいで素敵ですよね。今回は星の特徴、明るさのちがいについてお話します。

2000年以上前からできていた星の明るさ区分け

はるか昔の人も宙を見て楽しんでいたと思いますが、そこから星の明るさがちがうことを整理してくれたのは、日本が弥生時代だった頃です。
紀元前150年頃、ヒッパルコスという天文学者が46の星座を本に記したと同時に、夜空に輝く星の明るさを1〜6段階に丁寧にわけてくれたのです。

明るさの6段階には「等星」という単位が使われています。

「等級」は現代の科学の成果

ヒッパルコスが星の明るさを6段階にわけてくれてから1500年以上経ち…科学が進歩し肉眼ではわからない位、細かい明るさまでわかるようになりました。
1等より明るい星は0、もっと明るい星はマイナス-が付くようになります。数字が小さければ小さい程、明るいということになります。

恒星だけでなく、人工衛星や惑星・流星、月や太陽もこの「等級」で表せます。

どれを使っても間違いではない?

天文学や学会、研究等では専門的な「等級」が使用されますが、そうでなければどちらを使っても大丈夫です。「等」だけで表しても問題ないです。
ポイントとして挙げるのならば「等星」は大きなくくりで、数字が細かくなると「等級」と表しています。

ではここでプチクイズです。ふたご座の頭にあるカストルとポルックス。カストルの場合は1.58等級ととても微妙な値ですが、1等星と2等星どちらに分類されるでしょうか?

答えはどちらも間違いではないのです。
2等星という人もいれば1等星という人もいます。四捨五入したら…と色々考えると2等星な気もしますよね。しかし、最近の研究ではカストルは1.47等級なのではないか?という意見もあります。どちらか決めてくれと言われても難しい問題ですよね。

星座早見盤は〇(丸)の大きさによって星の明るさが表記されていますが、製作会社によって明るさの区分は異なります。ベガは0.0等級ですが、「1等星」と書いてあることもあります。
「0なのになんで?!きちんと決めてよ!」とモヤモヤしてしまう気持ち…わからなくもないですが、宇宙って良い意味で結構曖昧なことが多いのです。
箸が片方だけ1cm長かったら大問題ですが、宇宙規模で考えると1cmも10cmも大して変わらない…といったような感覚です。

あれは何等かな…?予想をしながら、星を見てみるのも楽しいかもしれません。秋は暗い星が多いですが、目をじっくり慣らして宙を見上げてみましょう。


文:まいの(mai-no)
星空案内人
千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。
宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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