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星の明るさと色の違い

夜空に輝くたくさんの星たち。よく観察してみると、星によって明るさが違っていたり、色が違うことに気付きます。なぜ、星によって明るさや色が異なるのでしょうか?

星の明るさを決める2つの要素
地球から見たときの星の明るさを決める要素には、大きく分けて「等級」「地球からの距離」の2つあります。

等級とは、天体の明るさを示す単位のことです。数字が小さいほど、その星は明るいことを表します。例えば、夏の一等星であるベガは0等級、北極星は約3等級です。地球から見える星で一番明るいのは太陽ですね。太陽はなんと約-26.7等級と桁違いに明るいです。
等級は、ベガを基準にしたベガ等級が長い間使われてきました。(余談ですが…最近はAB等級という新しい基準も使われるようになってきたそうです)
人間が肉眼で認識することができる星の明るさは6等まで、と言われています。1等星は6等星の明るさの100倍と分かっていて、1等級違うと、約2.5倍明るさが違う計算です。

星の明るさと色2

ベガ等級は、地球から見た時の「見かけの等級」です。地球から観測したときにだけ使える基準なのです。もう1つの基準に「絶対等級」があります。絶対等級は、星をある基準の位置で見た時の明るさを示す等級です。例えば、北極星の絶対等級は約-3.6等級です。地球からの見かけの等級は3等級なので、本来はとても明るい星だということが分かります。一方で、地球から一番明るく見える太陽の絶対等級は約4.8等級です。北極星よりも暗い星なんですね。地球上では北極星よりも太陽のほうが明るく見えますが、真の明るさでは北極星の方が全然明るいということが分かります。

地球からの距離で明るさが変わる
太陽の真の明るさは4.8等なのに、実際にとても明るい理由は地球に近いからです。例えば、ろうそくを2本用意して、手元でろうそくの明かりを見た時と100先にろうそくを置いた時では、同じろうそくでも明るさの感じ方は変わりますよね。星空の世界でも同じように、地球から各星までの距離はバラバラなので、真の明るさが明るくても地球から遠ければ暗く感じてしまうのです。
地球から見える星の明るさは「等級」と「地球からの距離」によって様々なのです。

色の違いは星の表面温度
オリオン座というひとつの星座の中でも、赤色っぽい星もあれば、白い星、青味がかった星などカラフルですよね。
星の色は、その星の表面温度によって決まってくることが分かっています。温度が高ければ青色に近く、低ければ赤色に近い色になります。

星の明るさと色

私たち人間に個性があるように、星も明るさや色で個性を出しています。似ているものがあっても完全に一致している星を探すのは至難の業なのではないかな、と思います。個性あふれる星空の世界を、明るさと色の視点で見てみるのも面白いかもしれません。

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