ゆくゲーくるゲー2023
※この記事はkabi氏のアドベントカレンダー企画参加にちなみ書かれたものです。
私は時折ゲームをクリアした際、「お腹いっぱい」と表現することがままある。
「美味しかった」あるいは「まずかった」と思うこともあるだろう。
何故かといえば私にとってゲームをプレイすることはもう一つの食事だと考えているからだ。
食事は人の生活において切っても切り離せない習性であるが、私にとってはゲームをプレイすることもまた等しく同じ行為なのである。
そのゲームをどう調理(プレイ)すれば一番「美味しくなる」か。これを食べ終えた次は何のゲームを食べようかなど、普通の食事と同じような考え方で私はゲームをプレイしている。
腹が満たされていればどんなに面白いゲームであろうとその美味しさが引き立たない。
逆に言えば究極に腹が減っていればどんなクソゲーであろうと涙を流して楽しめる…といったことは特にない。残念ながら、クソゲーはクソゲーである。
しかし過激なアクションゲームをやった後の次のゲームは、落ち着いてプレイできるノベルゲームなどを好んでやる傾向にあるのは間違いないだろう。
長々と語ってしまったが、私にとってゲームをプレイするというのはそれくらい日常の中にあるごく当たり前の行為であり、それほどにゲームをするのが好きだということだ。
そういうわけでこの記事はそんな私が今年プレイしたゲームを総括し、そして来年プレイするであろうゲームを紹介する場となる。
今年発売したゲームではなく今年プレイしたゲームになるため、物によっては去年発売したゲームも入ってくることは注意してほしい。(概ね今年発売のゲームではあるが)
ゲームによって多少ネタバレなど入ってくるため、もし現在プレイ中であったり今後プレイするであろう作品だった場合は注意して閲覧してほしい。
そしてもしこの記事で挙げたゲームに対して少しでも興味が湧き、そして実際にプレイしてみたという人がいたとするならば
私にとっては何にも代え難い幸福である。
ポケットモンスタースカーレット
概要
言わずとしれたポケモンシリーズ最新作にして屈指のストーリー性を持ったSV。
シリーズ初となるオープンワールドを採用し今まで決められていたジムの攻略やイベントなどを自由に選択でき、パルデアの大地を冒険するという感覚を最大限に味わえる粋なシステム。
かっこいいポケモンからかわいいポケモンまで幅広く、出会うポケモン達に魅了されていくのは必至だろう。
こちらのゲームは去年の11月に発売されたものだが、色々あり今年の1月に晴れてプレイできた形になったのだが、ここだけの話私にとってポケモンとは常にプレイしてきたというほどに近しい存在ではないのである。
無論子供の頃はルビサファやダイパを食い入るように遊んだ記憶があるが、BWをプレイ中のデータを弟に奪われて以来しばらくポケモンから離れていた期間がある。
そして前作ソードシールドが発売された際、久しぶりにポケモンをプレイしてみようとなりストーリークリアまでやってみたのだが、正直に言うとどうにも私にとって前作はあまりいいプレイ体験になったとは言いづらいのである。
個人の感想になるが、あまり濃いとは言えないストーリー性と既に固定化してしまっていた全体的な流れ。ポケモンのデザイン自体は気に入ったものも多数いたがそれでも子供の頃に比べ夢中になって遊べたかとは言われればはっきりNOと言えるだろう。
そしてその時私は大人になったが故にもう子供の頃のようにポケモン達に夢中になって向き合う純粋な心がなくなってしまったのかと一抹の寂しさを感じ、こうして人の心は段々と狭く鈍感になっていき何も感じなくなっていくのだろうかと軽く絶望に苛まれたこともあったのだ。
その後LEGENDアルセウスをプレイしこちらはある程度楽しめたもののスピンオフという形式が強かったため、やはり私が本編を楽しめるときが来ることはもうないのだろうと思っていた。
なので発売されてからもしばらく様子見且つすぐにプレイする気はあまりなかったのであるが、SNSでのストーリーを絶賛する投稿のあまりの多さにこの私も重い腰を上げてプレイし始めたのであった。
するとどうだろう、ポケモンをオープンワールドで楽しめるという真新しさに始まり、軽快で耳に残る音楽の数々、ポケモンで世界を駆け巡る爽快感、変わらない戦闘の奥深さ、そして何より進める度に引き込まれていくキャラとストーリーに私の心はすっかりあの少年時代に戻り画面にかじりついてプレイしていたのである。
ここからはある程度ネタバレも交えてゲーム内容に触れていくため注意して見てほしい。
3つのルート
ここでそれぞれのルートについて話していきたい。
まずチャンピオンロード通称ネモルートだが、こちらはいつものポケモンにおけるジム制覇を楽しめるルートになっている。そのため真新しさこそないがジムに行ける順番がある程度レベルで決められているとはいえ自由に決められるのは今までと違い良い点だろう。
各地にいるジムリーダーたちもそれぞれキャラの濃さは相変わらずであり、出番自体は長いプレイ時間のほんの数十分程度にも関わらずしっかりプレイヤーに印象が残るようになっており、どのキャラたちにも愛着を持てるように今の時代に合わせきめ細かく設定されていると感じられた。
特に時代を感じるのはナンジャモ氏だろう。配信者という設定がポケモンというゲームで大々的に取り上げられてるのも昔からネットに居る人間としてはどこか感慨深いものがある。
ジムリーダーの中で特に私が印象に残ってるのはサラリーマンのアオキ氏である。
最初ヒントを与えてくれる常連としてしれっとプレイヤーの前に現れ、後のジム戦のときにひょっこりと立ち自己紹介をする姿にはすこし笑ってしまうものである。
その後もやる気があるのかないのか気だるい感じを始終醸し出したままバトルをすることになるのだが、随所に感じられる落ち着いた大人の雰囲気に魅了されたものである。
「ノーマルタイプ…… 普通…… 並み…… 平凡…… ありきたり…… 個性のない自分に 似つかわしく 愛着が 持てます 人間も ポケモンも もっと わかりやすくで いいんです やれ 突飛さだ 奇抜さだ ケレン味が 評価される 世の中ですが 楽しい旅行先よりも 帰ってきた わが家が 一番 安らぐでしょう? そう シンプルなのが 一番 強いんですよ」
こちらはクリア後の再戦時のセリフだが、非凡なジムリーダーたちが跋扈する中で普通な姿に自身を持って挑戦者に立ち向かう姿は紛うことなくかっこよさを感じられる。
私自身も普段は平凡なサラリーマンなのでアオキ氏のセリフはかなり身に沁みた。そしてその後の
「平凡な自分にとって あなたは 刺激が 強すぎる ……でも 少しだけ わかりました 四天王のときは ひこうタイプを 使えと 言われた意味 平らな道を 歩くだけでは 気づけない景色が ある…… たまには あなたのような 空を行く 才能を 見上げるのも 必要だ」
という非凡な者の価値もきちんと認めるこちらセリフも見事なものだ。
最後まで普通であることを貫き通すことは普通の精神ではできない。それがジムリーダーとして彼が選ばれている所以なのかもしれない。
そしてジム巡りが終われば待つのはポケモンリーグ
ここで特筆すべきは当時ネット界隈を騒がせたチリちゃんだろう。
ストーリーの途中で風のように現れ気さくな関西弁で現れる男装美女。
面接中はクールビューティーのような淡々としたセリフになったかと思えば戦闘中は荒々しい口調になり負けると少しすねた様子を見せるというあまりにも要素がてんこ盛りなチリちゃんには私も心を奪われてしまった。
そしてチャンピオン戦で流れるBGMも素晴らしいの一言である。ポケモンのメインテーマをモチーフにしたイントロに始まり歴代チャンピオン戦のテーマを盛り込んだ曲は本作のチャンピオンにふさわしい曲になっている。
そしてこのルートはここで終わらず、最後の最後にライバルであるネモとの勝負で幕を閉じる。
今までの明るく楽しげな音楽だったネモ戦のBGMが凛々しく激しいアレンジに変わり、ネモにとって本気のバトルであるということをいかんなく表現している。
今までのポケモンの伝統を踏襲したルートではあるが、細かな演出やキャラの魅力で一層楽しめたルートであった。
次にスターダストストリート、これは歴代のロケット団など悪役を倒していく部分をモチーフに作られたルートであると思われるが、このルートも勧めていくと一味違う部分が見えてくる。
敵役となるスター団がかつていじめを受けていた被害者であることなどなかなかに重い話が展開されるこのルートは、他のルートとは違う意味で先が気になる作りになっている。
ラストのマジボスとの対戦後、団員全員が揃い各々がタイミングがズレたお疲れ様でスターのポーズを取るシーンは、個性の強さが故にいじめられてしまった彼らがチームで支え合った物語の締めに相応しいだろう。
最後にレジェンドルートだが、こちらはペパーの背景を知ることのできるルートになっている。そして進めていくごとにコライドンの能力が上がっていくため進んで攻略した人も多いのではないだろうか。
このルート自体に壮大なストーリーはないが、3つのルートをクリアした先のストーリーに繋がる大事な話がここで出てくる。
最初ペパーは主人公に突っかかってくる為あまり良くない印象を受けてしまうが、蓋を開ければ彼は自分のポケモンのために必死で駆け回る努力家であり、親に対してコンプレックスを抱いているという深い一面が見られ、進めるごとに彼に好感を持てる構成は流石と言えるだろう。
最後に彼と戦う時に繰り出すポケモンが、今までストーリーで彼がその場で捕まえたとされるポケモンたちなのも粋な演出だ。
そして3つのルートの先にある最後のストーリー。
これに関してここで深く言及するのは控えるが、この3つのルートを総括した壮大なストーリーとなっており、このゲームの幕を閉じるに相応しいものになっている。
このように一時期ポケモンから心が離れてしまった私だが、再び私の心を掴んだ作品となっている為、まだプレイしていない人はこれを機会にパルデアの地に足を踏み入れてほしい。
ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム
こちらも再び言わずとしれたゼルダの伝説シリーズ最新作にしてGOTYも受賞したブレスオブザワイルドの続編に当たるティアーズオブザキングダムである。(以下ティアキン)
このゲームに関して一体何から話せばいいだろうか。
ゲーム性?ストーリー?音楽?どれをとっても一級品であり素晴らしい出来であることは間違いない。プレイしている当時も楽しすぎてもはやこのゲームのことしか考えられなかったくらいではある。
だがこの記事においてはその点に関して触れるのは控えようと思う。
ここで話すにはあまりにも膨大なため時間がかかるのを考慮し、既に何万人もの先人たちがこのゲームに関して言及しているからというのもあるが、実は現時点で私はティアキンに関して最終的な評価が未だ下せずにいる。
その理由関して一つのとある後悔の話をしよう。
一つの後悔
私は熱狂的なゼルダファンである。シリーズをほとんどプレイしてきたし、関連イベントがあればすぐに駆けつける。
グッズも度々購入しておりゲームに限定版があれば必ずそちらを購入するようにしている。
このティアキンに関しても発売日が決まったときから予定を抑え有休を使えるだけ使い万全の体制で挑んだものだ。
いざ発売日となり起動してOPが流れ始めた興奮は今でも覚えており、そこから何日にもかけて毎日半日ほどプレイに没頭してきた。
そう休むことなく。
結果一週間ほどでメインの部分に関してはプレイし尽くしたと言えるが、その段階でもまだ未知の部分が存在しているという状況だった。
しかし私は未だそこに手を付けられずに居る。
そう、所謂「燃え尽きてしまった」という奴だ。
冒頭の部分で私は腹が満たされていると美味しさが引き立たないといった具合の話をした。
これをもう少し掘り下げるならば「ストレスのないゲーム体験」は味がなくなると私は感じるのである。
この言葉には2つの意味が込められており、一つはゲーム内でのストレス、もう一つはゲーム外でのストレスであり今回の場合は後者である。
今回私は何にも脅かされることなくティアキンに没頭できた。故に一切のストレスなく自分の思うままに時間を忘れて進められたのである。それ自体は素晴らしいことだろう。
だが程度というものがある。毎日ゲームをしていればどんなに素晴らしいゲームでも飽きは来る。それがたとえ大好きなシリーズの最新作であろうと。
普段のゲームは大体仕事終わりや出勤する前の少しの時間、若しくは休日に時間を取ってがっつりプレイするものだ。
どれも限られた時間で進められるところまで進め、時間が来れば明日に備え寝なければならない。故に無茶して進めることはあまり出来ない。
時偶夜更かしをして次の日眠い目を擦りながら出勤してしまうこともままあるが、そういったところもゲームの醍醐味の一つではないかと考えている。
そうしてゲームの出来ない時間そのゲームのことを考える時間が生まれる。次はあそこに行ってみようとか、次はここまで行けたらいいとか。
そうした「プレイ外の時間」で生まれるものもあるのだ。
ティアキンのような自由な発想が求められるゲームであれば尚更である。
今回私はそういった時間を取れなかった。ゲームの出来ない時間にかかるストレスを生まないままのめり込んでしまった。故に楽しいゲームではあるが単調なリズムで進めてしまっていたのである。
私はゲームをクリアするのが早ければ早いほど凄いという考えをこの時は持っていたのかもしれない。だがそれは違った。
どれだけ時間がかかったとしても隅々まで楽しんでいる人のほうが羨ましいと最近では思う。
私はやりたいゲームが多い故に今プレイしてるゲームを急いでクリアしてしまう傾向がままある。そのため一生に一度のゲーム体験を損なってしまうことがあるのだ。
毎日3時間プレイして10日ほどでコツコツ進めていくのと3日で十時間プレイするのだと、プレイ時間こそ一緒だが感じ方がだいぶ違ってくるのではないかと思っている。
そのゲームにかける日数が多いとそれだけそのゲームについて考える時間も多くなり、それだけ自らの印象に残りやすくなる。そうして後に思い出となってそのゲームが記憶に刻まれるのだ。
今回私は一気に駆け抜けてしまったためティアキンに関するプレイの印象が少し薄くなってしまっている。そのため未だにこのゲームに関する評価を下せずにいるのだ。
私事だがティアキンが発売された時の私生活において少し辛い状況が続いており、その当時についてあまり思い出したくないという事情も重なっているのだが、なんにせよ5年に一度と言われるゼルダの新作をこのような形で過ごしてしまったのは大きな後悔として私の中に残り続けるだろう。
勘違いしないでほしいが決してこのゲームが面白くなかったわけではない。今年発売されたゲームの中でも群を抜いて作り込まれており、今年のGOTYを与えるならばティアキンだろうと思っていたぐらいである(惜しくも逃してしまったが)
私にとって大切なシリーズは、今回ゲームと向き合うことに関して私に大切なことを思い出させてくれた作品となったのである。
ピクミン4
続いて私がプレイしたのは前作から10年ぶりの完全新作となるピクミン4である。
ピクミンシリーズは任天堂の数あるIPの中では、そのかわいさで注目はされつつもゲーム自体の人気はそこそこといった印象だった。
だがこのシリーズはその見た目とは裏腹にとても奥深くやりがいのあるゲーム性を持ったシリーズなのだ。
宮本茂氏はこのゲームのことを「段取り」のゲームだと称してるが、これはいわば仕事をするゲームなのだ。
どういうことかというと、シリーズ全てにおいて目標が定められており、その目標に向けてどれだけ効率よく動いて達成していくかというのを求められるゲームなのだが、その効率よく目標を達成していくにはどうしたらいいかというのを考える部分がとても楽しいのである。
先程仕事のゲームだと言ったが、職種にもよるが仕事においても求められるのは効率よく目標を達成できる方法を考えることではないだろうか。
このゲームではそういった部分を楽しく鍛えることができるのである。
シリーズについても話すと本シリーズにおける一作目は30日という制限で30個のパーツをほぼ全て集めなければバッドエンドという中々に鬼畜な仕様で、子供の頃は中々クリアできず投げ出してしまったのものである。
2はよりゲーム性が増し日にち制限がなくなって遊びやすくなったが、同時に恐ろしい初見殺しの敵やトラップなどが追加され、ピクミンたちが為すすべなく死んでいくのを眺めるしかなかったのは苦い思い出だ。
3はより段取りの部分が強化され、一日ごとにプレイをやり直せたり一日の動きをリプレイで見れたりするなどプレイの快適さにおいて改善されたものの、ボリュームに関してこれまでより少し薄くなってしまっていることが指摘点として挙げられる。
今作の4はそういったこれまでのシリーズ全ての良い点を総まとめし一つに詰め込んだ集大成の作品になっていると個人的に感じている。
これまでのシリーズに出てきた敵キャラなども総出演しており、原生生物図鑑など細かいテキスト部分も読んでて面白く、1と2の主人公であるオリマーの扱いなども納得の行くものとなっている。
また今作は前作までの売上本数を圧倒的に上回り、ピクミンシリーズのゲーム性の面白さを広く世界に伝えたという功績もある。
総じてこのゲームはバランスの良い任天堂らしいゲームとなっているだろう。
もし仕事や日常生活であまり効率良く動けないという悩みを抱えている人がいるならば、是非今作を手にとって見てはいかがだろうか。
可愛らしいピクミンやオッチンを操作し日々の疲れを癒やしながら、獰猛で恐ろしい原生生物達に立ち向かい、段取りよく動くコツをこのゲームで学べることだろう。
オクトパストラベラーⅡ
続いては前作でHD-2Dというジャンルを確立し昨今のインディーゲームや過去のリメイク作品のリリースに新たな形を与え多大な影響を及ぼしているオクトパストラベラーの続編だ。
こちらのゲーム、これまでのゲームと比べ大きな話題になることはそこまでないが、プレイした人からの満足度は圧倒的なもので、昔のRPGを思い起こさせるドット表現を現代でも楽しめるような素晴らしき演出で魅せ、筆舌に尽くしがたい音楽と王道をとことん突き詰めたようなストーリーというあらゆる点で上質な体験をさせてくれる私の好きなゲームのひとつなのである。
前作でもその完成度に舌を巻いたものだが、今作でもその点は健在で前作で良かった点がそのままグレードアップし、より物語に没入できるような仕掛けが随所に散りばめられている。
このゲームの特徴はなんといっても8人の主人公の物語をそれぞれ進めていくことなのだが、前作に引き続き今作のどの主人公も魅力的でどの物語もドラマティックな物語体験を得られることだろう。
そして全ての物語を進めた後こそこのゲームの真の姿が現れるのだが、そこは是非自分の目で見てほしい。
ちなみに私は主人公にヒカリを選んだ。この主人公は争いの絶えない国において争いを好まない仲間思いの王子として過酷な運命を辿っていくが、どんな場面でも挫けずに自らの芯を貫く姿は私の想像する主人公像にピッタリで最後まで感情を乗せてプレイすることが出来た。
テーマソングで一番好きなのはパルテティオのテーマである。
彼の物語はファンタジーの世界でありながらその先の時代の文明を開花していく内容で、それを表すかのように音楽も他のBGMに比べ現代のジャズ風味な音色が特徴的である。彼の始まりの第一章でこのBGMが流れる瞬間はあまりにも粋であるため、その部分だけでもどうか見てほしいと願う限りである。
現在PS4/PS5/steam/switchなど幅広いハードで販売されており、体験版ではそれぞれの主人公のうち一人の物語を体験できるほどのプレイ時間遊べることができるので、時間がある人は是非プレイしてみてほしい。
FF16
続いては再び大作シリーズの最新作であるFINAL FANTASY XVIだ。
FF16について詳しく語ろうとすると前作であるFF15やFFシリーズ全体の話をせざるを得なくなるが、ここでは長くなるため割愛する。
一つ言うならばこの作品はFFというブランドについていたある種の疑惑の念を振り払った快作だと私は評したい。
一部ネットでは辛辣なレビューが散見されるが、私はこれはあまり相手にしなくてもいい類のものだとあえて断言しておきたい。
それくらいFF16は劇的なプレイ体験を私にもたらしてくれたのである。
まずはなんといってもその美麗なグラフィックによる壮大なムービーだろう。現時点でどのゲームと比べても敵わないであろう超迫力のムービーは見ているものを圧巻する。
そのクオリティで描かれる各召喚獣とのバトルは、一時たりとも目が離せなくなる。
バトルのシステムも極めれば極めるほど爽快感を感じられるものになっており、最終的に何十万ものダメージをボスとの戦闘で叩き出したときはアドレナリンが大量に分泌されたものだ。
ストーリーは全体的に暗く重い雰囲気が漂っており、人によっては少し辛い展開も多数出てくるが、要所要所でその陰鬱さをふっ飛ばすほどの熱さが勢い良く飛び出し、その寒暖差が一大スペクタクルを生み出す要因となっている。
現在FFシリーズにあまり熱を感じていない人にこそ本作は手にとってほしい。
失墜した信用を取り戻す為にあらゆる点で挑戦している本作は、私の心に確かに響く作品となったのだ。
ここからは時間の都合上、書ききれないため漏れてしまったゲームを短くまとめていく。ここからのゲームも全て珠玉の作品となっているので見逃さずにチェックしてほしい
短評
Fate/Samurai Remnant
Fateシリーズの新たなスピンオフ作品。
江戸が舞台となる完全和風シナリオが展開されFGOにおける英霊剣豪を彷彿とさせる雰囲気がとても良かった。
主人公である宮本伊織の抱える背景はこれまでの型月主人公に肩を並べる凄まじきものであり、スピンオフながら異色の存在感を見せつけている。
パラノマサイト
日本ゲーム大賞を受賞したこちらの作品。
ADVというジャンルにおけるメタをふんだんに活用し個性的なキャラと衝撃の展開で記憶に印象深く残る設計になっている。
ゲーム自体が短く十数時間で終わるためサクッと遊べるのも良い点だと言える。
マリオRPG
稀代の名作のマリオRPGの完全リメイク作品。
よもやこの作品が27年の時を超えリメイクされるとは夢にも思わず発表されたときは感涙の涙にむせび泣いたものだが、ゲーム内容自体も当時の記憶を呼び起こしながら新たな体験も得られ、追加要素で原作をプレイ済みの人も驚かせる仕掛けが用意されており全体的に丁寧にまとまっている素晴らしいリメイクだと言えるだろう。
ジーノやマロはこの作品以外では中々登場しないため、彼らが現代のグラフィックで動く姿を見られただけでも歓喜の極みである。
これからのゲーム
さて、ここまで今年やってきたゲームを振り返ってきたが、ここからはこれから発売される期待のゲームの数々をピックアップして紹介していく。
FINAL FANTASY VII REBIRTH
まずは何と言ってもこちらの作品。
FF7のリメイクというよりはFF7を原作とした新たな作品と言っても過言ではないかもしれないFF7R三部作。
一作目をプレイしていればもはや原作通りには行かないことは周知だろうが、一体この物語がどこへ向かっていくのか私もものすごく気になっている。
現在私はこの作品を全力で楽しむために前日譚であるCCFF7Rをプレイしているところである。他にもACの劇場での再上映やソシャゲであるECにも手を出す予定なのでこれから発売までの期間はFF7にどっぷり浸かる予定である。
ペルソナ3
こちらも大ボリュームオシャレRPGでお馴染みであるペルソナシリーズのリメイクであるペルソナ3Reload。
私はペルソナ4、5とプレイしてきたが3は未だに手を付けられずにいたため、この機会にプレイする予定である。
全く内容を知らないため物語の先に何が待ち受けているのかとても楽しみである。
アナザーコード リコレクション
こちらのゲームは上記2つと比べるとあまり知らない人が多いのではないだろうか。
かくいう私もニンテンドーダイレクトで発表されるまでは知らないゲームだったのだが、このキービジュアルの美しさにまずは惹かれた。
こちらには二作のゲームが入っており、ニンテンドーDSで発売された初作とwiiで発売された二作目と2つのパッケージをセットにしてリメイクしたという豪華なパックになっている。
このゲームについてSNSなどで調べると根強いファンがリメイクで喜ぶ声が多数見受けられ、かなり昔のゲームでありながら今なお愛されているゲームだとわかり、それ程に中身が良い作品になっているだろうことは明らかだろう。
そういった部分を受けて私は本作に興味を持ち来年プレイしてみようと画策しているのである。
聞くところによると本作を開発した会社は既に破産してなくなってしまったらしく、今までリメイクなど絶望視されていたが、今回見事に任天堂がすくい上げたという涙ぐましい背景もある。(後半部分の真偽は定かではない)
超大作の影に隠れているこのような作品も私は余すことなくプレイしていきたいのだ。
最後に
これまでのゲーム、これからのゲームに対して思いの丈をありったけぶつけてきた本記事だったが、一先ず今回はここまでとしよう。
実のところ一つ一つのゲームに対して書きたいことの半分も書けておらず、まだまだ不完全燃焼なことは否めないのだが、ここで事細かく書きすぎるのも何なので、それはまたの機会に取っておくことにする。
どのゲームも一つ一つ開発者が思いを込めて作った作品であり、我々を楽しませるために全力で作り上げてきたその思いをこんなにも受けられることに私は幸せを感じている。
これからもゲームは進化していき我々の発想を超えていくような物がたくさん生まれてくるだろう。それをプレイする瞬間が私は楽しみで仕方がない。
10年後私自身のゲームに対する価値観は、もしかしたら変わってしまっているかもしれない。ゲームに熱を感じられず全く別のことに重きをおいて人生を生きているかもしれない。
だが今この瞬間はあえてこう宣言したい。
私は一生ゲームと付き合っていきたいと。
ゲームをプレイすることで得られる満足感も得難いが
ゲームを語ることによる満足感もまた得難いものだ。