ゆくゲーくるゲー2024
期限設けないと書けない人のための Advent Calendar 2024 21日目の記事です…アドベントカレンダーとは…(執筆時2025年1月1日)
2024年の体で書いてるので、2024年の体で見てください(懇願)
私は最近ゲームに飽きはじめている
…のかもしれないと感じだしたのは残暑などという言葉を嘲笑うようなスピードで寒くなりだした10月の初め頃。
人肌恋しくなる季節に温め合う友人もいない私はこのような時節でも心と体を熱くさせるゲームを求めるものだ。
やりたいゲームはいっぱいあるし、セールで確保した積みゲーも山程ある。
心も体も疲弊する平日の勤務を終えた私は、オアシスを求める砂漠の放浪者の如くゲームを立ち上げ、乾きを癒やすかのように貪り食らう。
今までであればそうだっただろう。
だがなぜだろう、前ほど心が踊らない自分がそこに居た。
平日あれだけ思いを馳せたゲームにもいざ休日になるとそこまで関心がなくなってしまう、なんとも不思議な現象だ。
ゲームに限らず映画や漫画、アニメに対しても同じ事は起きていたのだが、兎も角いわゆる虚無状態で休日を過ごすことがままあった。
冷え込んだ空気に合わせるように心の熱も冷めていきやがて凍りついたまま二度と戻らない、そんな感覚にまで陥りそうになったほどだ。
人生を捧げてきた趣味だがここに来てついに終わりを迎えてしまうのか、そう思うと途端に虚しくなってくる。
こういうことは何も初めてではない、時偶そういう瞬間というものは訪れるものなのだ。
その時この虚無感を打破できる材料はないものだろうかといつも私は過去を振り返ることにしている。
過去に感じた熱量から心の氷を溶かしてくれる炎を求めて…
そういうわけで今年もプレイしたゲームを軽く(当社比)振り返りたいと思います。
メジャー所の超大作からインディーズの名作まで幅広く振り返れたらいいなあと思いつつ日々の忙しさと自分の怠慢ぶりが邪魔をしてありえないほど短くなってしまうかもと戦々恐々としながらコツコツと書いていきたい。
そもそも毎回プレイした後に書いておけば一気に書くハメにはならないんですけどね…
FINAL FANTASY 7 REBIRTH
王道RPGの粋、ここに極まれり
言わずとしれた超大作RPGFFシリーズの7作目にしてリメイク三部作の二作目。
一作目REMAKEを遥かに上回る圧倒的ボリュームと作り込まれた美麗なグラフィックで始終楽しませてくれた作品。
個人的に原作FF7で好きな場面がこのREBIRTHの中で含まれるところとほぼほぼ合致してたので興奮しっぱなしでした。
少し内容について触れると、初っ端から原作にはなかったザックス操作パートが挟まったところから既にテンションは最高潮で、この先もきっと驚かされる場面がいっぱい出てくるんだろうなとワクワクさせられるいい導入だったと思います。
シスネなどクライシスコアやその他スピンオフ作品のキャラや設定も随所に盛り込んでおり設定を知っていればいるほど楽しめるシナリオになっていました。
システム面も戦闘面においては出来ることがかなり増え戦略がかなり広まり飽きることなくプレイでき全体的に非常に優秀な作品と言えるでしょう。
しかしながら一つだけ個人的に引っかかった部分もあるのでそこについて言及して置かなければなりません。
ラストの展開のネタバレを含むので見たくない方はスキップ推奨です。
今回は忘らるる里までということが事前に告知されており、必然的に「あの場面」で終わるだろうというのが予想されておりました。
しかし一作目の描写や今作が作られた背景などから考えると原作と同じような展開になるのかどうか原作ファンからもかなり注目の場面だったと思います。
結果的にいえば原作とほぼほぼ同じ結末を辿りエアリスはいなくなってしまうのですが、このシーンの描写はゲーム内においてかなり曖昧で分かりづらく描かれているのです。
一見クラウドがその悲劇を防いだかのように見えるのですが、どうも防げた世界とそうでない世界が分岐するという結果になり、クラウド以外の仲間は原作と一緒の世界を歩くことになるのです。
この辺の描写はザックスなど原作では報われなかったキャラを救うための設定でもあるんだろうなとは思いますが…
ここの描写が正直一回やっただけでは飲み込めず、他の人のプレイや考察を見て初めて納得できるという形になっており(そうでない人もいると思いますが)そこのところが微妙に感じてしまったんですよね。
昨今は設定が非常に入り組んだ作品も多くなり、読み解くのに時間がかかる物語は数を知りません。自分はそういった作品も好んで接種する人種ではあるのですが、やり終えた後に疑問が残るよりはやはりスッキリした終わり方であるほうが物語は好ましいと私は考えます。
知れば知るほど深みが増す物語は素晴らしいけれど、知らなければついていけなくなってしまうものはよくない。
後から調べて実はこの場面はこうだった!とか予備知識として仕込んで行くのは楽しいですが、それが宿題になってしまうとしんどくなってしまう人が少なくはないと思います。
ジャンル違いですがこれも私の好きな映画のMCUシリーズもそれが原因で最近はかつての勢いをなくしていますしね。
表面上はシンプルに、だけど構造を深堀っていけば無限に味がする。
そういったものが自分の中では優秀な物語としてカテゴライズされます。
今作も内容自体に不満はないのですが、「エアリスは死んでいる」ということがもっとはっきりわかるとラストの余韻も違ったのかなと感じています。
といってもまだ三部作の二作目であり、後に続いていくということもあってこういう終わり方にしたのかなという見方もできますが。
そういった部分もあり、少し複雑化していってる昨今の物語市場に対して思うところがあったので言及してみました。
しかしながらゲーム自体はとても面白かったですし、次回作も必ず発売日にプレイしたいと感じるくらいの傑作だったので、素直にプレイしてよかったなと思います。
ファミコン探偵倶楽部 笑み男
任天堂が繰り出す快作ノベル
任天堂より発売されたファミコン探偵倶楽部シリーズの4作目にして35年ぶりの完全新作。
1作目2作目はリメイクされて2021年に発売されており、そちらをプレイしたときは非常に感銘を受け、出来ることなら新作をプレイしたいと思っていた矢先にこちらの作品が発表されたときは狂喜乱舞したものです。
本作はジャンルとしてはインタラクティブドラマという形になっていますが、簡単に言ってしまうとで自分の行動によって進んでいくテキストを都度読んでいくというビジュアルノベルゲーです。
探偵倶楽部と言う名の通り事件が起こって推理して犯人を見つけ解決するという構造的にはシンプルなお話なのが1,2作目までのファミ探でした。(少し内容を省きすぎですが)
今作も例に漏れず事件が起こり主人公含む探偵事務所が動き出すのですが…
今回は推理ゲーとはちょっと違うのかなという印象を受けました。
ジャンルも前回までは「推理アドベンチャー」だったのが「インタラクティブドラマ」となっており、開発陣も意識してそう作ったのかなと認識してます。
無論作中で推理していく場面は何度かあるのですが、主人公がなにかすることによって事件が解決するわけではなく、状況がどんどん進んでいくのを主人公達が頑張って追っていくというのが主な構造なので、主人公目線でみた「ドラマ」という表現が最適なのかなという感じがします。
それだけならばよくあるADVのひとつかな…となるのですが。
このゲーム、一筋縄じゃ終わりません。
今作の核となる部分なので詳細は省きますが、物語がある程度終わった後にとある仕掛けがあり、そこからが今作を象徴する展開になるんですよね。
「これで終わり?」というもやもやをうまく突いた仕掛けというか、そう来るかぁって感じでした。
読後感としてもかなり後味は悪く煮えきらない思いがたくさん湧くのですが、だからこそ印象に残るラストなんですよね。
開発陣のインタビューからも「この作品は賛否両論ある」とはっきり言っており、現にこの作品の評価は二分しているのですが、こういった挑戦をする意欲的な作品があるのは面白いと感じるので個人的にはアリだと思ってます。
ノベルゲーってどうしても印象に残る展開がないと凡作になっちゃうんですよね。
FF7みたいな大作RPGはゲーム部分での戦闘システムや美麗グラによるムービーなど戦う選択肢はいくらでもありますが、ノベルゲーは背景とテキストと演出、あればボイスと選択肢が限られてきます。
だからこそストーリー面で山場を作ったり、あるいはシステム面を使って大胆な仕掛けをしたり、そこが制作者の腕の見せ所だと思うんですけど。
今作はかなりエッジの効いたやり方でそれをしてくるんですけど、そのお陰で印象に残る作品になっているのかなと感じました。
制作者があの手この手で印象を残そうとする努力が垣間見えるのがノベルゲーの醍醐味かなと個人的には思っているので、そういった部分が強く感じられた本作も今年やったゲームの中ではかなり思い出深い一作になりました。
去年出たパラノマサイトとかもまさにそういうゲームですよね。
気になる方はとりあえず万人に進められる一作目からプレイするのがおすすめです。
CoffeTalk
ほっこりする一杯のコーヒーのようなゲーム
2020年1月29日に発売されたインドネシアのインディーゲームスタジオで開発されたノベルゲーム。
少し前の作品にはなるんですが、ずっと気にはなっていたけどなかなかプレイできず、この間ようやくプレイできた作品です。
インディーのゲームは気になる作品が山ほどあるのですが、大作をプレイしてるとどうしても後回しになりがちで、セールのときに買っては積んでいくというのを繰り返してしまいます。
そんな中プレイできた本作ですが、まず世界観が独特でよくできています。
世界にはファンタジーのように何種類もの種族が居て、それが今の現代社会の住民のような生活を繰り広げている。
そしてあちらの世界特有だがどこかこちらの世界を彷彿とさせるような社会問題が巻き起こっている、という世界です。
そんな世界でとある街角にカフェを構えるバリスタとなって客の注文に答えコーヒーを注ぎながらただひたすら話を聞くというゲーム的にはシンプルな構造です。
シンプルながらこのゲームが引き込まれるのは、この独特な世界観を住民の会話から紐解いていくという部分にあると思っています。
全体的な世界観の説明は最初に軽く説明されるだけで、後は新聞や会話から推察するしかないのです。
異種族同士の交際に悩むカップル、親の過保護さに悩む猫アイドル、長寿故にリアリストな吸血鬼、満月による凶暴性の増加に悩む人狼、地球に種を撒きに来た宇宙人、ゲーム開発者のオークと海棲人、それらに首を突っ込んでいくライターの常連客などバラエティに富んだ客たちが止めどなく来店し会話を繰り広げていきます。
この客たちがいい意味で人間臭くて、話を進めていくと皆好きになっていくんですよ。
皆それぞれバックボーンを抱えながら、きちんと他人の話を聞きつつ各々助言や感想を語っていく中で少しずつ皆の人となりがわかっていく感じとかすごいリアルに感じます。
彼らの悩みは現代人の我らにも共感できるようなものばかりで、ファンタジーの世界だろうと悩み事は変わらないのだと思わせられるような描写が多々あります。
そんな彼らの悩みに寄り添いながら注文に答え一杯のコーヒーを差し出すことによって彼らの人生を少しずつ変えていく、そんな心温まるストーリーになっているのが本作なのです。
そして彼らの言葉に時には現代人の我々もハッとさせられるような含蓄のあるものもあり、生きる上で大切なことを学ばせてくれる作品でもあります。
以下はこの作品で特に心に残ったセリフの一部です
(1と2が出ており、両方から抜粋)
この他にも立ち止まって考えなくちゃいけないことを気づかせてくれる素敵な文言がたくさんあるので彼らの話に興味が湧いたならば是非この世界のシアトルに店を構えることをおすすめします。
あとこの作品、海外の作品とは思えないほど翻訳の質が良くて、下手な日本の作品よりも言葉が美しいんですよね。
デベロッパーが非常に優秀なんだろうなと感じて、そういったところも評価されてる理由なんだろうと思いました。
というわけでほんの一部ですが2024年にやったゲームを振り返れました。
まだまだ遊びたいゲームは山ほどあるし、これから出るゲームも気になる作品ばかりで、飽きてる暇など存在しないことが判明しました。
もっと言えばこれを書いてる期間に既に違うゲームに着手し始め、絶賛大ハマリ中なので、今しばらくゲームをやることはやめないんじゃないですかね。
無論他の興味あることにもチャンレジしていきたいですが。
それでは、来年出るであろう数多の名作に思いを馳せながらこの記事を締めたいと思います。
良いゲームライフを