【ラリーガ24-25全マッチレビュー】第19節
ラリーガ19節全部見た。ちょっと遅くなったが。
①マジョルカ 1-5 バルサ
●微差で分かれた結果
12/3
エスタディ・デ・ソン・モイシュ
マジョルカ 1-5 バルサ
【マジョルカ】'43 ムリキ
【バルサ】'12 フェラン・トーレス '56(PK) '74 ハフィーニャ '79 フレンキー・デヨング '84 パウ・ビクトル
年始のスーペルコパのカードは12月初旬に消化されていた。この試合は12月3日。バルサはソシエダに負けてセルタに引き分け、ラス・パルマスに負けてザワつき始めていた時期。報道通りダニ・オルモが登録できないとなるとこれが個人的にバルサの彼を見る最後の試合になる。一方マジョルカはラス・パルマスとバレンシアに連勝中だった。
やはりこの時期は様子がおかしいハイラインだったバルサは開始3分にクバルシがイエローをもらう展開。しかしこの時期もこうして振り返ると出し手に全くプレッシャーがかかっておらず、余裕で背後にボールが出てくる。ハイラインとはプレスがかけられない免罪符なのでしょうか。
12分にバルサが先制。オルモがライン間を抜け出し、モヒカが焦ってクリアをミスしてフェラン・トーレスにボールを渡してしまった。残念。
再三変な裏の取られ方をしていたバルサは43分に縦パスを攫われた場面でマフェオに完璧に抜け出されムリキのゴールで同点。本当に今さらだがこれが良いサッカーと持て囃されたの、ちょっとまずいと思います。そしてマジョルカはマジョルカで何だか守備はフワついている。
55分、スルーパスに反応して抜け出したヤマルにモヒカが身体をぶつけて止めたプレーがファールになり、PK献上。ちょっと可哀想な判定。これをハフィーニャが決めて、問題を先送りにしながらバルサが勝ち越す。
マジョルカは67分にほぼ攻撃に関与できなかったバレリーに替えてロベルト・ナバーロ、ダルデルを下げてダニ・ロドリゲスを入れる。
バルサは苦労したが74分にヤマル→ハフィーニャで3点目が入り勝負あり。見事なアウトサイドクロス。
マジョルカは79分にラリンとアブドンを入れてファイティングポーズを取り続けるが、79分にまたもやヤマルのアウトサイドパスから最後はフレンキー・デヨングの今季初ゴール。おまけにパウ・ビクトルのゴールも生まれて1-5。
マジョルカはモヒカのミス絡みで早々に失点し、PK献上も少し可哀想な形。忘れてしまいたい試合。バルサは大勝したもののなかなか評価が難しい試合。結局この後負け続けるわけで。それでも得点力は正義です。
●ピックアップ選手
ラミン・ヤマル(バルサ)
もはや説明するまでもないがトランジションのアイディアと狙いを実現する左足は天性のもの。PK誘発含めて試合を動かした。
②アトレティック2-1 マドリー
●理想を実現する
12/4
サン・マメス
アトレティック 2-1 マドリー
【アトレティック】'53 ベレンゲル '80 グルセタ
【マドリー】'78 ベリンガム
アトレティックはベレンゲルがトップ。マドリーはまだエンバペのフィットが疑問だった時期の試合。ラウル・アセンシオがスタメン。
大歓声に後押しされたアトレティックのプレスをマドリーがどうやって外すかを探る序盤。マドリーは人数をかけすぎたビルドアップが数回攫われてピンチを招いている。リュディガーのカバーでどうにかする流れ。ビルドアップはセバージョスのサリーを基準とする。
攻撃では真ん中に誰が立つのかがフワつく状況。ベリンガムの仕事が多いいつもの試合である。
13分、ロドリゴがエリア内でゴールに向かったプレーにVAR介入。PK無し。アトレティックは31分に何度か狙っていたフラン・ガルシアを捕まえてショートカウンター。ベレンゲルのシュートが枠に飛べばという場面を作った。
お互いに球際のギリギリの所でよく足が出るダイナミックな展開。アトレティックは前3人が自由に入れ替わっても機能性を落とさない関係性が作れているのは好印象。また、ビビアンとジェライの両CBが完璧だった。特にビビアン。
後半に入りアトレティックの先制点は53分。左に回っていたイニャキの速いクロスをラウル・アセンシオが触れず、クルトワが弾いたところにベレンゲルが待っていた。アトレティックが狙っている形。
打開にもう一人必要なマドリーはブラヒム・ディアスを準備。交代はセバージョスだった。ビルドアップ辞めましょうという。アトレティックはグルセタ投入と同時にルイス・デ・ガラレタを入れてコントロールに入る。
67分、マドリーはフリーキックからリュディガーに合わせたプレーでGKアギレサバラのファールを取られ、PKになってしまった。これは不運でしょう。しかしこれをエンバペが失敗する。アギレサバラの大仕事。
モドリッチを入れてもなかなか突破口がなかったマドリーが78分にエンバペのやや遠目からの強烈なシュートをアギレサバラが弾くが、ベリンガムがよく詰めていた。なんやかんやでこの2人で同点に追いつく。ここで全くテンションが下がらなかったのがアトレティックの今の自信の現れで、マドリーのビルドアップを狙ってバルベルデからボールを攫ったグルセタが綺麗に決めた。起用的中すぎる。バルベルデは珍しいミス。
マドリーは終盤にギュレルとエンドリッキを入れるが"何か起きてくれ"の域を出ず、アンチェロッティの苦労を感じる交代。アトレティックが最後まで穴を空けず、マドリー相手にホームで勝ち切った。
●ピックアップ選手
ダニ・ビビアン(アトレティック)
エンバペを封鎖する仕事を完遂。勝利をもたらした。
③ラージョ 2-1 セルタ
●得意不得意明確に
1/10
カンポ・デ・フトボル・デ・バジェカス
ラージョ 2-1 セルタ
【ラージョ】'5 エンバルバ '63 デフルートス
【セルタ】'26 ボルハ・イグレシアス
ホームのラージョはCHコンビが最終ラインに落ちてボールを引き取る所をポイントとし、配球の出し手を絞らせずセルタにプレス形を考えさせる狙いで試合に入った。ここから大きい配球を使って5分に早速先制。ゴール前のハイボールでキーパーの背中をカメージョが押してファンブルしたがファールにならずに得点が認められた。やり得。セルタは"好調の要因は前がかりに試合をする事"という気持ちが出過ぎていた感も少しある。ボールにプレッシャーがかかっていないのにWBの立ち位置が強気すぎた。アルフォンソ・ゴンザレスがチャバリアに張り付く形の影響でミンゲサの守備タスクが多すぎた印象。
先制後も展開が変わらずなかなかボールが持てなかったセルタだが、26分にモリバが単品でプレスを外してバンバ→ボルハ・イグレシアスで同点。ストライカーは偉大。
しかし自分達のペースに巻き込む事ができないセルタは57分にアルフォンソ・ゴンザレスが右の腿裏を痛めとデュランと交代。
ラージョは選手交代を準備する中で63分にスローインを受けたカメージョが自力で逆サイドまで展開しデフルートスがニアに撃ち抜いた。なかなか脈絡のない得点だったが決め切る能力が見事。国王杯でも似たような角度から決めてたね。その後はカメージョもイシも下げるクローズへ。
選手交代も使った終盤になってようやくセルタはラッシュをかけるがこの日はGKカルデナスを中心にゴール前が固かったラージョ。最後はマルコス・アロンソが2枚目のイエローで退場して終戦。ホームに強いラージョとアウェーに弱すぎるセルタらしい試合内容となった。
●ピックアップ選手
ダニ・カルデナス(ラージョ)
4節以来のスタメンだったが安定していた。手の届く距離のシュートが多かったのもあるが冷静に。
④アラベス 0-1 ジローナ
●悩める同士で
1/11
エスタディオ・デ・メンディソローサ
アラベス 0-1 ジローナ
【ジローナ】’90+1 ソリス
監督も変わって仕切り直したいアラベスは早速ジローナ戦。ジローナも欧州圏を狙うためには落とせない試合。
ジローナは十分準備されたビルドアップで圧倒的にボールを握る。
後ろ3枚気味。アルナウはイバン・マルティンの平行を意識しヤンヘル・エレーラはトップに。アラベスは4-4のブロックを動かされてダビド・ロペスに所までカルロス・マルティンが出ていくがその背中をジローナが上手く使っていた。右大外はブライアン・ヒルが独占するがこの日はかなりキレがあって状態が良かったのと、ヤンヘル・エレーラが上手く溝でボールを引き出した。この辺は流石ジローナ。
アラベスは28分にカルロス・マルティンが腿逝きして交代。同時にジョルダンも交代したがちょっとわからなかった。右足を怪我していたのかもしれない。
続いて33分にはジローナがミゲル・グティエレスに替えてダンジュマ。こちらも怪我っぽかった。
全体的にジローナがボールを持ってアラベスがトランジションに活路を探す展開が続いたが38分、ジローナはビルドアップでずっこけて招いたピンチでアルナウがコネクニーの背中を軽く押したのが印象が悪くPKジャッジとなったがVAR介入でギリギリセーフ。
ハーフタイムにはイバン・マルティン→ロメウを交代。なんだか変化が早い試合になった。
ジローナは得点に至らず悩める要素が各所にチラホラ見え続け、64分にはCKを拾われてカウンターで独走。ゴール前でコネクニーがフリーで待っていたが思いっきりふかしてしまう。ジローナはさっきまでやれていた事が突然できなくなってしまうような構築が多く、結局ダンジュマのところにボールが行って縦方向に進まされて左足でへなちょこキックをしてコーナーも取れないいつものヤツを連発。とはいえアラベスが自発的に試合を動かせるほどの説得力もなかった。たまにトニ・マルティネスが一人で頑張っていた。
結末は後半ロスタイム。ツィガンコフのアーリークロスをこの日良い守備を続けていたムサ・ディアラが空振りしてソリスの目の前に転がってきて決勝点に。ソリスはこれがプリメーラ初得点。というかプロキャリアで初得点となった。
アラベスは我慢強く戦って決定機もあったが決めきれないとこんなもの。結末は辛いものだった。ジローナはCL争いまで戻れるほどの要素はなかったので引き続き苦戦が予想される。
●ピックアップ選手
ムサ・ディアラ(アラベス)
今季は出ている試合で大体良い。この日も良く守っていた。最後の空振りは不運だった。
⑤バジャドリード 1-0 ベティス
●逆襲の後半戦へ
1/11
エスタディオ・ホセ・ソリージャ
バジャドリード 1-0 ベティス
【バジャドリード】'58 キケ・ペレス
最下位バジャドリードはホームでベティス戦。ベティスもジローナ同様、落とせない試合。
4バックに戻ったバジャドリードは開始20秒でアヌアルが決定機を迎えたが外した。日頃の行い。16分には大きなサイドチェンジを受けたラウル・モロがPA内へ侵入して際どいシュートを放つなどポジティブな立ち上がり。
ベティスは普段通りノロノロと立ち上がるがイスコが曲芸を使ってアブデにシュートチャンスを渡すなど。バジャドリードはマルコス・アンドレが落ちてくる事で効果的に前進できていた印象。スペースのあるポジトラでこんなに仕事ができるとは知らなかった。37分には左サイドを崩してローザのクロスにマルコス・アンドレが合わせたがこれが決まる選手ならこんな評価じゃないわけで。上げ下げが凄い。
後半。ジュマ・バーに替えてキュマルト。アクシデントでしょうか。そのキュマルトが速攻で腿裏を痛めたのは悲しい事態だった。ダビド・トーレスと交代。
58分にホームチームが先制に成功。良い縦パスが入ってレイオフと裏抜けが噛み合った。ラウル・モロが大外のピンになって内側を駆け抜けたルーカス・ローザは完璧。やっぱりこのチームに5バックをやらせていた前任者はちょっとやばいと思う。両サイドに送るボールに自信を持ち、中央はデュエルを強調して戦っていた。
ベティスはルイバル、ヘスス・ロドリゲス、マテオ・フローレスを入れて右サイドのメンツを一新したが、ではロチェルソとは何だったのでしょう。しかもこのサイドからどんどん侵入していったのは皮肉である。バランス良くピッチ全体を使えるのは相変わらずだが対人の突破箇所が見つからないと何も起こらずイスコとロチェルソの魔法待ちになる。それを避けるためのがむしゃら枠としてロッキがいるのかもしれないが。18分を超える長いロスタイムもバジャドリードに守り切る自信を与える引き立て役となってしまった。99分にはヘスス・ロドリゲスがキーパーまでかわしたが必死のクリアに遭う。
守り切ったバジャドリードはかなり大きな一勝。マルコス・アンドレのポストプレーも終始素晴らしかったが、どうせ点は取れないだろうとゴール前に出てくる仕事に責任を持ったキケ・ペレスも見事だった。終盤に次々と足が攣り始め、82分に交代していったアヌアルも全て出し切ってフラフラだったし、年始のこのタイミングで"一つ勝つのがいかに難しいか"に立ち返ったのは良い事。残留へ希望が見えてきた。
●ピックアップ選手
マルコス・アンドレ(バジャドリード)
ベティス相手にこの存在感。相手を背負ったプレーも前にスペースがあるプレーも効果的で4-3-3のチームを前進させた。しかしゴール前は引き続きへなちょこ。
⑥エスパニョール 1-1 レガネス
●痛み分け
1/11
ステージ・フロント・スタジアム
エスパニョール1-1 レガネス
【エスパニョール】'2 カブレラ
【レガネス】'14 セイドゥバ・シセ
退っ引きならない昇格組同士の試合。エスパニョールはホームのここで負けるといよいよマノロ・ゴンザレスの首が涼しくなってくる。
開始2分のCKでホームのエスパニョールが早速先制。テンションの上がる入りになり、4-1-4-1ブロックを組んで守りに重点を置いた。レガネスは後ろの枚数が多すぎるビルドアップで前進に苦労したが14分、トランジションで縦パスを受けたミゲル・デラフエンテが器用すぎるフリックでゴール正面でどフリーのセイドゥバ・シセにプレゼントパス。完璧すぎた。同点。
エスパニョールのこの配置は結局ストライカーが不在であるという事実と向き合い、ゴール前にいるのが誰でも良い形に向かっていると理解した。速いアーリークロスを本線にする攻撃と、セットプレーに強いので悪くない打率になっている。どの局面も水準ぐらいにはやれるが強みがどこだかわからないチームで苦労している感があるが、マノロ・ゴンザレスはこの形で最後まで行くのでしょうか。
レガネスは失点しない事を念頭に置いた形で、セットプレーから失点したがしっかり追いついた。フアン・クルスのWBはピンと来ないが。
後半先に動いたのは3ポイントが欲しいホームのエスパニョールで、63分にテヘロ、ロカに替えてベリスとエスポージトを入れて前向きにシフト。こういう交代を使って勝ち越せると勢いが出そう。
結局エスパニョールが攻勢を強めたが全然勝ち越せない中73分にレガネスはネヨウのポスト直撃ミドルシュート、さらに続いたミゲル・デラフエンテ、フアン・クルスのシュートをジョアン・ガルシアが連続パラドン。レガネスはこの時間帯にタピアを入れて仕組みよりも中盤の頑張りでボール支配を求めるがエスパニョールはあくまでも前向きの選手交代。83分にはイルヴィン・カルドナの仕掛けにベリスが反応して決めたが余裕でハンドだった。
ロスタイムにはスローインのボールをベンチから2回ピッチに蹴り込んだレガネスのフアン・ソリアーノが退場してました。君は試合に出ましょう。痛み分けでドロー。互いに決定打を欠いた。
●ピックアップ選手
ジョアン・ガルシア(エスパニョール)
詰みかけたチームを救った連続パラドン。勝利が欲しかった。
⑦セビージャ 1-1 バレンシア
●ポジティブはどちらか
1/11
ラモン・サンチェス・ピスファン
セビージャ 1-1 バレンシア
【セビージャ】'90+3 ペドロサ
【バレンシア】'61 ルイス・リオハ
変化が必要な両チームの年明け初戦。セビージャはラストサードの構築に注目。引退したヘスス・ナバスは早速スタンドに。監督交代のバレンシアは4バックに回帰。
保持を主張したのはバレンシアの方。3-2でビルドアップする。右大外をルイス・リオハが取る形は前任者の頃はおそらくなかった形。10分までに2回裏が取れていた。あまり右に置いてゴールに向かえるイメージはないがどうでしょう。
セビージャはサウルが左SHの4-4-2。ルケバキオも中盤ラインに参加して4-5-1気味に守る。ここまで引いて保持を許容した理由はなんでしょうか。
セビージャは後ろに人数の多いビルドアップになるがバレンシアの狙いがあるかわからないが勢いだけはあるプレスにそれなりに捕まった。侵入も上手くいかなかったが45分に右大外のルケバキオからゴール方向に入ってきたサウルにスルーパスが出た。こういうのは仕込んでいるのでしょう。ピミエンタ監督がサウルに期待しているのはおそらく神出鬼没な所。
イサク・ロメロは左に流れる動きと強烈なミドルシュートで特徴を出した。サウルは57分にもCKから決定機を迎えたがどちらか決めたかった。
バレンシアは後半からルイス・リオハとディエゴ・ロペスの左右を入れ替えると同時にハビ・ゲラがアルメイダと並列で4-1-2-3風に変更。バレネチェアがアンカーで安定するならそれに越した事はない。61分にはGKからのボールをウーゴ・ドゥーロが競り勝ってルイス・リオハがグデリと1vs1で抜け出し。ニアに撃ち抜いて先制した。左に動かして大正解。にしてもセビージャの対応は淡白。
焦り始めたセビージャは66分にルケバキオのFKがそのままゴールに入ったがサウルの位置がオフサイド。踏んだり蹴ったりである。フアンルと新加入のルベン・バルガスを入れて中盤の構成を変えた。バレンシアも3枚替えて5バック変更で逃げ切り体制。
セビージャは81分にトランジションでバルガスの上手いフリックでムサンボが抜け出し最後はそのバルガスのミドルシュートがポスト直撃。雰囲気のあるMF。ペケ・フェルナンデスも入れてどうにか得点を求めていくがネガトラに無頓着すぎてサディークの単品ポストプレーで逃げられまくる。
セビージャのファンもだいぶ帰り始めて空席が目に付くようになってきた後半ロスタイム。ペドロサの前が空いて思い切って振り抜いたミドルシュートをママルダシュヴィリが珍しい処理ミスでゴールへ。そんなに速いボールでもなかったので普通にミスった。まさかの形で同点に。
セビージャはどうやって点を取るのかなかなか手段を見つけられず、守ろうと思えば守れるほどの説得力にも乏しかった。どちらが降格圏なのかわからない試合をした。
バレンシアは希望の見える試合に。勝ち切れなかったのは不運だったが信じた道を進みたい。
●ピックアップ選手
ルベン・バルガス(セビージャ)
アウグスブルクから移籍してきて早速出場。ボールのコンタクトが良くキックも正確。左側でバネガのようなプレーをしながらドリブル侵入も見せた。
⑧ラス・パルマス 1-2 ヘタフェ
●やはりエースの一撃で
1/12
エスタディオ・グラン・カナリア
ラス・パルマス 1-2 ヘタフェ
【ラス・パルマス】'88 ヤヌザイ
【ヘタフェ】'70 コバ・ダ・コスタ '86 マジョラル
南の島の年明け初戦はヘタフェ戦。ラス・パルマスは年末の良さを継続していきたい。ヘタフェはとにかく得点。先制点。
ボールを持ちたいラス・パルマスと守りたいヘタフェ。最近調子が良いとはいえ、別に最終ラインのメンツを変えたわけでもないラス・パルマスは実は配球が上手くいっているわけではない。ヘタフェはビルドアップを捕まえるのは得意手段。敵陣で引っ掛ける形がたまにハマりつつ、2CBと2CHで前進もまあまあできる。久々に出場のアレニャもおり、得点の匂いをさせていく。
後半、ラス・パルマスはエルソグ→フステルを交代。ハビ・ムニョスをSBに動かす最近の形で攻撃シフトしていく。ハビ・ムニョスからも配球できるようになったラス・パルマスは敵陣侵入を増やし、55分にサンドロ・ラミレスがPA内に入ってPKゲット。しかしファビオ・シウバのキックをダビド・ソリアが完璧に止めた。凄い。63分にヘタフェはピーター・フェデリコとボルハ・マジョラルを投入。割と強気な選択。
70分にヘタフェが先制。中盤で引っ掛けてロングカウンターでピーター・フェデリコが突っ走りクロスに3枚反応。大外でコバ・ダ・コスタが待っていた。プリメーラ初得点が貴重な先制ゴールに。ちなみにこの選手はいつも誰かと喧嘩してるのが玉に瑕である。この日もアレックス・スアレスとずっとやり合っていた。
ラス・パルマスはファビオ・シウバに替わって入ったマルク・カルドナがいつになく好調だがヘタフェも得意のぶちかまし守備でギリギリで耐えていく。86分に中盤の奪い合いを制して抜け出したコバ・ダ・コスタから最後はボルハ・マジョラルが決めて2点差に。やはりマジョラルがいるとチームが変わる。ラス・パルマスは88分にヤヌザイが豪快に1点返したが少し遅かった。とはいえPK失敗がなければ十分勝てる内容を作れたので、継続でしょう。ヘタフェは守備に自信を持ちながら途中出場の選手達でスコアを動かしようやく今季アウェー初勝利。マジョラルのゴールがなければまたドローだったかもしれないので、ようやく残留に必要なピースが揃った。
●ピックアップ選手
ボルハ・マジョラル(ヘタフェ)
6節のゴールはPKだったのでようやく今季流れの中から初得点。チームの勝利に繋がるエースの仕事だった。
⑨アトレティコ 1-0 オサスナ
●普段着で連勝を伸ばす
1/12
リヤドエア・メトロポリターノ
アトレティコ 1-0 オサスナ
【アトレティコ】’55 アルバレス
マッチレビューはこちら。
●ピックアップ選手
フリアン・アルバレス(アトレティコ)
セットプレーからの決勝ゴールが今季6点目。重要なゴールを決めたのは久しぶり。
⑩ソシエダ 1-0 ビジャレアル
●リードしてしまえば
1/13
レアレ・アレーナ
ソシエダ 1-0 ビジャレアル
【ソシエダ】’51 久保
ビジャレアルは復帰したフォイスが久しぶりの先発。カンブワラも使ってCBの組み合わせを変えた。さらにジェレミー・ピノが累積で出場停止なので前線も色々変えている。ゲイェが最前線。
ソシエダは序盤から前でボールが奪えてゴールに一直線。ビジャレアルはそもそもブロックを低く設定して試合に入っている。
ボールを奪うとゲイェに雑にボールを入れれば大体収まる。そしてその後ろにはMFが4枚揃っているので陣地回復できる、というシンプルかつ強烈な設定。
ソシエダは右サイドの久保が打開の中心。34分にはPA内まで入ってきてスチッチのポスト直撃のシュートに繋がった。しかし今に始まった事ではないがソシエダはゴール前に人が少ないね。
ソシエダは51分、完全撤退した状態からオヤルサバルがアバウトに蹴り出したボールに久保が反応。パレホを振り切って最後はキコ・フェメニアを股抜きでかわしてフィニッシュ。一人で完結したゴラッソだった。ソシエダが先制。
ビジャレアルはジェラール・モレノをトップに入れ、パウ・カバネスを入れて突破力を加える。ソシエダはバレネチェア。64分にはジェラール・モレノに決定機が来たがソシエダはゴール前が固い。こういう展開になれば逃げ切りは得意技である。ビジャレアルはサイドを使ってゴール前に人数をかける狙いは見えるが、こうやって局面だけ見るとどうやって34ゴールも決めているチームなのかよくわからなくなる。最後まで我慢したソシエダが耐え抜いて今季11度目のクリーンシート。
●ピックアップ選手
久保建英(ソシエダ)
そんなに突破口の多い試合にはならなかったが単独のタレントで試合を決めた。
●まとめ
ラリーガは前半戦の19試合を消化。
はやいものでもう半分が終わった。連勝中のアトレティコが首位ターン。マジョルカが躍進。ジローナ、ベティスは機体からすると低い順位になった。下位は昇格組3チームとアラベス、ヘタフェが巻き込まれる。そしてバレンシアが絶不調。しかしこの19節でバレンシアもバジャドリードもポジティブな試合ができた。ヘタフェも勝った。まだまだ脱落するチームはいなそう。
そろそろ冬の補強も動き始めた。怪我人も多かった19節。過密日程とも戦いながらどのチームも総力戦になってきた。