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【ラリーガ24-25全マッチレビュー】第18節
ラリーガ18節全部見た。良いお年を。
①ジローナ 3-0 バジャドリード
●立ち返る場所がある
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12/20
エスタディ・モンティリビ
ジローナ 3-0 バジャドリード
【ジローナ】’31 ダビド・ロペス ’39 アベル・ルイス '81 ダンジュマ
いつの間にか怪我人が大体帰ってきているジローナ。上位を追える位置にはいたい。
ところで19位バジャドリードは15節アトレティコ戦後にパウロ・ペッツォラーノを解任し、アルバオ・ルビオが監督をしていたがどうやら暫定監督だったらしく、ディエゴ・コッカを迎えた。存じ上げませんが一瞬メキシコ代表監督をやっていたらしい。多分監督としては初の欧州です。52歳。
さて試合はどことなくジローナが先季のスタイルに戻ったような雰囲気で進む。バジャドリードは5-4-1。ここは変わらない。両WGがだいぶ内側を守る意識があったのがこの日のジローナ対策なのか、元々そういう狙いなのか。
ジローナはクレイチーを最後方に1-3-4-2で配置。ファン・デ・ベークの便利さを最大限に活かし、アルナウ・マルティネスも結局ミゲル・グティエレスと似たようなタスクになっている。このチームのSBはそういう運命。
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大外はWGに任せるが上記の通りバジャドリードのWG(この場合イバン・サンチェス)は内側を警戒しているため大外は1vs1になる。そこにミゲルが内側から背後を取ってクロスという形をそれなりに擦った。かなり敵陣深くでプレーできていたのでゴール前でタイミングが合えばという形をいくつも作れていた。ブライアン・ヒルは相変わらずボールを離すタイミングが独りよがりである。
圧倒的に攻め続けたジローナは31分に先制。右大外でボールを受けたブライアン・ヒルがシュートコースを探して得意の横滑りドリブルで突き進んでファールをゲット。なんで右にいたんだろうか。ミゲルが蹴ったこのFKがコースを開けようとしたダビド・ロペスの足に当たって完璧な軌道でゴールへ。その後またブライアン・ヒルとミゲルのコンビで左サイドを深く取って折り返しにアベル・ルイスが合わせて2点目。ハインは止めたかった。
バジャドリードは押し込まれ続けてカウンターの可能性を示せなかったのは頂けない。背後に蹴ってもクレイチーの守備範囲の広さで抑え込まれた。そもそも最前線がマルコス・アンドレなので1vs1で抜け出しても3回に1回くらいしか点にならなそう。完全に舐められているのでジローナは思い通りに練習のような雰囲気に。
ジローナはアルナウとミゲルの位置でコントロールが効くのがこの配置の良い所で、後半に入ってかなり保持時間を伸ばしていく。バジャドリードはもうさっさと前線を増やさないとこのまま試合が死んでいく。
61分にようやく最初の交代を使ったがアマラーをイバン・サンチェスと替える同ポジションの交代。のんびりしたものである。75分にラウル・モロを入れたのは攻撃シフトというよりはプレス強度の都合に見えたがどうでしょう。
そこはかとなくゴール前で軽いバジャドリードは81分にFKの流れからダンジュマにダメ押しゴールを頂戴し終戦。ジローナは終盤にヤンヘル・エレーラが14節以来の復帰を果たすなど気持ち良く試合を終えた。先季のプレースタイルに立ち返った感があるが、先季たった1シーズンのものが既に"ジローナらしさ"の雰囲気を帯びているのはなかなか凄い事。メンバーも半分くらい違うのに。サイド攻略のパターンも相当仕込んでいるようでいつかは点になる余裕を感じた。
監督が変わったバジャドリードはとりあえずこのシステムで90分やる事が目的だった様子。まだまだこれからなのでしょう。問題はこの5-4-1がチームを窮地から救うように感じられない点。というかペッツォラーノもこんな配置でやってたし。選手が納得感を持って実行しているかどうかも疑問だが、年末年始に地獄の合宿でもやって仕込んでください。
●ピックアップ選手
ラディスラフ・クレイチー(ジローナ)
最後尾に立ってビルドアップの基準点になり、カウンター対応を担当。押し込んで試合をするなら絶対に必要な役割で、存在感が大きくなっていく予感。
②ヘタフェ 0-1 マジョルカ
●コントラスト
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12/21
コロセウム
ヘタフェ 0-1 マジョルカ
【マジョルカ】'53(PK) ラリン
6位マジョルカは気分良く年内スケジュールを終えたいが、一筋縄ではいかないヘタフェとのアウェー戦。その上ムリキとモルラネスが出場停止。リーグ最小得点のヘタフェは先制点がポイント。アランバーリが出場停止から復帰。
ヘタフェの圧力でマジョルカは比較的ボール保持が上手くいかない。CHの組み合わせが普段と違うのもある。序盤は割と一発で浅野が背後を狙う形が多め。ヘタフェの方がビルドアップが上手くいく変な試合になった。ヘタフェは序盤にユルドゥルムの頭に合うボールが2つあったがグレイフの好セーブがあった。グレイフは最近好調。
20分台にマジョルカはマフェオ→ダルデルで決定機。直後に浅野にも決定機が来たが決めきれず試合は落ち着く。
36分、前半の内にヘタフェはユルドゥルム→ピーター・フェデリコを交代。どこか怪我したようには見えなかったが、どういう事でしょうか。さらにハーフタイムにジェネ→ベロカルを替えた。動きの速いボルダラス。
そして後半開始早々にはゴール前の浮き玉の処理でニョムが怪我。足を蹴り上げられた様子だったがあまりわからなかった。その一人少ない時間にベロカルがずっこけてラリンを引っ掛けてしまいPKジャッジ。踏んだり蹴ったりすぎる。これで何がなんだかわからないまま交代機会を2度使った上で先制を許した。ニョムの交代はカルレス・ペレス。
59分にコバ・ダ・コスタの折り返しにフアン・イグレシアスが飛び込んできたのがヘタフェの唯一良い形の決定機。ただし、63分にそのダ・コスタと交代でアルバロ・ロドリゲスを入れる事になる。勝手にバタバタして交代機会を使い切った。これでピーター・フェデリコが右、カルレス・ペレスが左で確定。
マジョルカは68分の浅野→ロベルト・ナバーロが最初の交代。それなりにコントロールも効いておりヘタフェのシュートもエリア外からであればグレイフが安定していた。ヘタフェがもう交代を残していない事を考えれば70〜80%は逃げきれそうな状況に。ヘタフェは怪我人などで計画が崩れた感はあるが今季のここまでの戦いとベンチメンバーを見ても点を取るための飛び道具があったわけでもなく、大人しい試合に。同点に追いつこうというモチベーションもあまり見られず、ボルダラスが何度も叱咤していたのが印象的。あまり状況は良くない。
マジョルカは実力以上に勝てている現状をしっかり認識している戦いになった。ここは勝てば良い試合。PKの一点を守り切って休暇に入る事でチームの方向性は早めに一致。78分にコペテを入れて5バックにした事で確定した。終盤出てきたバレリーやアブドンが一生懸命走り時間を使うプレーで逃げ切りを完遂。主力を欠いた試合で鬼門を突破しまさかの勝ち点30到達。9勝目で年内のうちに先季の8勝を超えた。
●ピックアップ選手
ドミニク・グレイフ(マジョルカ)
序盤のユルドゥルムのヘディングをストップしていなければ違う試合になっていた。クリーンシートに大きく貢献。
③セルタ 2-0 ソシエダ
●ハードワークがヒーローを生む
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12/21
エスタディオ・デ・バライードス
セルタ 2-0 ソシエダ
【セルタ】'40 '45+1 デュラン
調子の良し悪しも安定感も全く良くわからないながら順調に勝ち点を重ねるセルタはソシエダ戦。ソシエダは点が取れたり取れなかったりしている。
セルタはWBの組み合わせで攻撃的か守備的かを調整できるチームだが、ウーゴ・アルバレスがいないので守備に重きを置いて試合に入った印象。特にミンゲサを左にしたのは久保対策だったのかもしれないが久保がいなかった。
ソシエダはスビメンディがいない上、久保で打開する事もできないのでビルドアップに困る。エグい人依存が露わに。セルタの出足の良さもあったがなかなか酷かった。5バック相手に侵入できないチームをおれは保持方チームとは呼ばない定期。セルタはボルハ・イグレシアスがアンカーを消してシャドーの2人がGKまで追っかける形を徹底。右大外にレミーロが渡すのが定番の逃げ道だったがここまでミンゲサが飛び出る形でモリバと協力してボールを奪っていった。構築もシャドーの2人が縦に押し引きしてボルハ・イグレシアスがピックアップに降りてくる事で簡単にサイドを突き進めた。特にソシエダのこのCBコンビでは地上戦でイグレシアスを抑えるのは無理でしょう。アグアドがいたらどうなのかは知らん。トゥリエンテスは好調のアルフォンソ・ゴンザレスを捕まえきれず前半のうちにイエローまで貰う始末。ポケット管理をアンカーのスビメンディがやるのはソシエダの定番だが、同じポジションだから同じ事をやれというのもなかなか不憫。
このアルフォンソ・ゴンザレスが突っ走って背後を取りイグレシアスとデュランがPA内に突進してくるパターンで、セルタは長い距離を走って疲れながらもジリジリゴールに迫っていく。疲れても代わりにアスパスとスウェドベリがいるのは大きい。
勢いそのままにセルタが40分に先制。トランジションでミンゲサが運び、内側を取ったハビ・ロドリゲスの横パスを受けたデュランが迷わず振り抜いたゴラッソ。頑張って走ったご褒美、というにはちょっと見事すぎるシュートだったがこれが嬉しいプリメーラ初得点となった。記憶に残る素晴らしいゴール。右HVのハビ・ロドリゲスが迷わずハーフスペースでボールを引き取れるのはアルフォンソ・ゴンザレスのポジショニングが基準になりやすいからでもある。見事な構築。さらにロスタイムにムニョスの持ち出しをセカンドプレスで攫ってアルフォンソ・ゴンザレスがポケット打開。デュランが2点目を決めて完璧な45分を終えた。
ソシエダはぞろぞろとメンバーを替えて後半。50分にはキーパーが蹴っ飛ばしたボールにソシエダの中盤が全員びっくりするほどノーリアクションで簡単にライン間を進まれデュランの見事なフィニッシュ。惜しくも直前のオフサイドでハットトリックとはならなかったがこれで結果に関わらず実質勝負あった。57分にもボルハ・イグレシアスに決定機があったがレミーロが好セーブ。デュランが再びハットトリックを狙う抜け出しを使ったがこれもレミーロが立ちはだかった。
セルタは最後までバランスを維持して圧勝。相変わらず勝った試合だけ見るともっと上位にいて良いチーム。ソシエダは後半後ろを3枚にしたりと試行錯誤したが特に練習で仕込んでいた形には見えない程度の完成度。魅力的な箇所は一つもない試合となった。
●ピックアップ選手
アルフォンソ・ゴンザレス(セルタ)
ボールを引き出してポケットを取ってトランジションをリードして。ソシエダの泣き所を一人で突き続けた。
④オサスナ 1-2 アトレティック
●ここ一番の集中力
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12/21
エル・サダル
オサスナ 1-2 アトレティック
【オサスナ】'25 ルーカス・トロ
【アトレティック】'31 グルセタ '74 ベレンゲル
オサスナはプリメーラ4試合連続ドロー中。公式戦13試合無敗のアトレティックをホームに迎える。アトレティックは前節復帰したウナイ・シモンがこの日もスタメンに。オサスナはブライアン・サラゴサが負傷離脱中の左WGにキケ・バルハが今季初スタメン。
オサスナは普段通りの基本配置。右SBのアレソは高い位置へ出ていって左利きのルベン・ガルシアは内側指向。左はWGが幅を取りSBのフアン・クルスはビルド隊に参加する。中盤もモンカジョラは中盤、アイマールはライン間タスク。普段通り。撤退は4-4-2気味の配置だがアトレティックがビルドアップに人数をかけると狙いがあるかないかわからないがそれなりに前方向の矢印を出す。アトレティックは基本的に前の4人だけで攻撃が完結する上、スペースがある方が両翼の強みが出るのでプレスに出てきてくれるなら蹴っ飛ばせばOKのスタイル。それでゴール前まで迫れているので問題も特に感じない。21分にはロングカウンターでイニャキがスルーパスを引き出してPK疑惑もあるなど、オサスナはピッチの支配には程遠い。アトレティックは試行回数次第で先制点は時間の問題の気配があった。
しかし先制はオサスナ。セットプレーは偉大。ルーカス・トロの綺麗なボレーシュートが決まった。アトレティックからするとFKに至ったニコ・ウィリアムズのファールも疑惑だったのでなかなか消化するのが難しい失点に。オサスナは今季はブディミルの得点を中心に試合展開を無視してリードを奪えるのは強み。
アトレティックは6分後にすぐに同点にする。押し込みフェーズを作ってイニャキからグルセタにドンピシャ。このクロスを擦られると決壊するから前プレの方がまだマシ、という発想だったのかな。
後半開始早々、アトレティックはサンセ、オサスナはフアン・クルスが負傷交代。左SBがブレトーネスになって早速イニャキにぶち抜かれたのは切なかった。セルヒオ・エレーラのスーパーセーブで試合を継続させたオサスナ。しかし今季はいつ見てもゴロサベルの出来が酷いのはどうしたものか。
結末は突然に74分。自陣PA付近からシモンのロングキックに競り合ったトロのヘディングがゴール方向へ流れ、ベレンゲルが左足で一閃。こういうシュートが上手い選手。オサスナは不運ではある。
アトレティックはゴール前での集中力と決定力は流石。積み重ねている感が強い。公式戦14試合負け無しで前半戦の日程を終えた。オサスナはこのサッカーでもアトレティックに10回に2回くらいは勝ち切れる可能性があるが、それにしても特に対策もなく淡々と負けた印象。自分達のサッカーを貫いたらどこかにいけるレベルなのかと言われるとちょうど微妙なライン上の気がする。実は6戦勝利無しで年越しとなる。
●ピックアップ選手
ゴルカ・グルセタ(アトレティック)
先季ほどの安定感がない印象の今季だがスタメン起用に応えた。ゴール前の説得力を出していきたい。
⑤バルサ 1-2 アトレティコ
●理不尽であれ
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12/21
モンジュイック
バルサ 1-2 アトレティコ
【バルサ】’30 ペドリ
【アトレティコ】’60 デ・パウル ’90+6 スルロット
単品マッチレビューはこちら
●ピックアップ選手
ペドリ(バルサ)
圧倒的なタレントで試合を動かした。先制点の場面は止める手段がなかった。
⑥バレンシア 2-2 アラベス
●疲れる試合を作り出す
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12/22
エスタディオ・デ・メスタージャ
バレンシア 2-2 アラベス
【バレンシア】'70 ルイス・リオハ '90+8 ダニ・ゴメス
【アラベス】'7 カルロス・マルティン '88(PK) ジョルダン
降格圏で苦戦するバレンシアはこの日は5バックをやめて4-2-3-1。両WGにディエゴ・ロペスとフラン・ペレスのどっちがどっちかわからんコンビを久しぶりに使う。ビルドアップを大切に進んでいく意気込みが見られたが、相手のSBに圧力をかける守り方はアラベスの得意とするところで吉と出るのか凶と出るのかというところ。また、アラベスは今季ゴールに直結するプレーが上手くできているのは右WGのカルロス・ビセンテだが、そこを守る左SBがルイス・リオハというファイヤーフォーメーションである。真っ向勝負の色合いが強いのはバレンシアにとって勇気のある決断なのか今さらなのかだが、結局この試合の後にルベン・バラハは解任されるので"最後は自分達らしく"という事だったのかもしれない。試合は7分に前段の通りルイス・リオハがとんでもない裏抜けを許して失点。カルロス・マルティンは今季2点目。
連戦の疲れか、どの試合も筋肉系の怪我で途中交代する選手が出てしまっているがこの試合も14分にグリディが負傷。ストイチコフを投入する。ちなみにフラン・ペレスは何故か前半途中でカノスと交代していた。後半早々にはシベラがウーゴ・ドゥーロと接触して指を痛めて交代。オウォノは久しぶりに見る。
バレンシアの狙いがよく分からなかった事もありアラベスは慎重に後半戦を戦う。上手く時計を進めていた。しかし66分にとんでもなく中途半端なボールがGKの前に飛んできて、オウォノがディエゴ・ロペスの足を掴んでしまいPK献上。なぜか古巣対戦のルイス・リオハが蹴り、ちゃんと決めた。
お互いしんどそうだった中85分、アラベスはディアラがボールカットするとそのままドリブルで前進。サイドにボールを送り最後は自分がクロスに合わせる形を作りPKを誘った。触れても全然枠に飛ばせそうな位置じゃなかったのにわざわざファールしたモスケラは反省。このPKをセットプレー職人のような顔をしているジョルダンが見事に左上に決めてアラベスが勝ち越した。
11分間の長いロスタイム、最後の力を振り絞ってバレンシアが猛攻を仕掛け、最後はPA内でウーゴ・ドゥーロが倒れているのを気にもせずクロスを放り込んでニアでダニ・ゴメスが触り、再び同点に。アラベスはアトレティコ戦に続きアーリークロスの管理が甘い。アーリークロスでニアにふわっとしたボールで合わせられるってなかなかないシーン。
バレンシアは最後の最後に気合が見られた。こういう部分を浮上のきっかけにしたい。
●ピックアップ選手
ムサ・ディアラ(アラベス)
ゴール前で身体を張りビルドアップも上々。敵陣に突進してPKゲットするなど大車輪に働いた。
⑦マドリー 4-2 セビージャ
●レジェンドのお別れ
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12/22
サンティアゴ・ベルナベウ
マドリー 4-2 セビージャ
【マドリー】’10 エンバペ ’20 バルベルデ ’34 ロドリゴ 753 ブラヒム・ディアス
【セビージャ】’35 イサク・ロメロ ’85 ルケバキオ
インターコンチネンタルカップというタイトルを獲得してきたらしいマドリーの年内最終戦。セビージャはヘスス・ナバスの現役最後の試合となる。
セビージャは4-4-2でコンパクトに構えたがこの前半のマドリーのボール保持がかなりレベルが高くなかなかボールが奪えず、そんな中でマドリーはトランジションでライン間で浮いたエンバペが右足一閃。絶対取れない。ついにライン間で仕事を始めた怪物。要求が高いのは当然だが適応が早すぎる。
さらに20分にはショートコーナーでゴール正面の距離のある位置からバルベルデ砲で2点目。どうすんねん。コンパクトなブロックの外側から点が取れる手段として便利すぎるゴール。34分にはパーフェクトカウンターでロドリゴのゴールも生まれて3-0。ちなみに今季前半で3ゴールは初めて。
セビージャは35分にようやくクロスを上げる場面を作ってイサク・ロメロが決めて1点返したがなかなか厳しい。イサク・ロメロはアトレティコ戦に続く今季2点目。大物喰い。53分にはエンバペのライン間ワークをチラつかせてブラヒム・ディアスにラストパス。これで実質勝負あり。
65分にヘスス・ナバスが現役最後のピッチへ。スタンディングオベーションで出迎えたサンティアゴ・ベルナベウ。
試合はマドリーのコントロールが効いたまま時計が進む。85分にロングカウンターで絶好調のルケバキオが1点返すがここまで。マドリーはエンバペを含めたコンビネーションの練度が上がってきている。たまには苦しむのも必要なのかもしれない。セビージャはどうしようもない失点だったので諦めはつきそうだが上位勢から勝ち点を取りたかったらもう少し要所の作り込みがほしい。
●ピックアップ選手
ヘスス・ナバス(セビージャ)
サイドプレーヤーとは何たるかを示し続けたスペインのレジェンド。お疲れ様でした。
⑧レガネス 2-5 ビジャレアル
●駄作
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12/22
エスタディオ・ムニシパル・デ・ブルタケ
レガネス 2-5 ビジャレアル
【レガネス】'6 セイドゥバ・シセ '33(PK) ダニ・ラバ
【ビジャレアル】'16 '45+1(PK) ティエルノ・バリー '90+2(PK) ジェラール・モレノ '90+8 カバネス
昇格組の中では最上位のレガネスは年内最終戦に難しい相手との試合。ビジャレアルは上位4クラブを追いかけるために3ポイントが必要。
ビジャレアルは最近ようやく試合に出始めてきたデニス・スアレスがスタメン。やや左にポジションし、バエナがやや右。大外は右ピノ、左セルジ・カルドナ。
試合はホームのレガネスの出足が良く、ボール奪取からミゲル・デラフエンテが上手く右に流れてボールを引き出し機械的にマイナスの折り返し。中を全く見ていなかったので練習している形か、適当に蹴ったか。この日がレガネスで公式戦100試合目の出場となるセイドゥバ・シセがどフリーで入り込んできた。6分に先制。ビジャレアルは相変わらずゴール前が甘い。
ビジャレアルは5-4-1のブロックに侵入していく事に苦労。先制されたのだから当然。しかし16分にセットプレーで最後はゴール前でティエルノ・バリーの長い足が伸びて同点にする。この選手、心配なくらい不器用な感じがしていたが上手くチームにハマってきている。
31分にはまた右に流れたところでダニ・ラバに対してローガン・コスタが不用意すぎるチャレンジでPK献上。僕が褒めるCBはだいたいやらかす。これでレガネスが再びリード。
45分に今度はビジャレアルにお返しPK。慌ただしい試合。バリーが2点目。2-2で前半を終えた。
後半。ローガン・コスタに替えてパウ・ナバーロが出てくる。君はCBもできるんだね。びっくりした。
どことなくお互いに打開策が見当たらない中、オスカル・ロドリゲスがピノと喧嘩して一発退場。レッドカード3枚分くらい大暴れしたがハビ・エルナンデスもキレまくっていたのでピノが相当挑発したと思われる。結局65分にピノ→バリーで3点目。バリーはハットトリック。そしてピノは交代していった。
76分にようやくパレホ投入。いないと如何に中央からパスが出て来ないかよくわかる試合。
その直後にサエンスがバリーを掴んでも止められず足払いして退場。普通に最低。二度と出てくるな。
88分にはPA内に侵入したカバネスの顔面にアルティミラの腕がジャストミートしてまたPK。もうレガネスは駄目。最後はそのカバネスにもプリメーラ初得点が生まれて試合終了。レガネスは大反省の試合。ビジャレアルは今季前半戦を象徴するような大味な試合。勝ったから良しとする。
●ピックアップ選手
ティエルノ・バリー(ビジャレアル)
見事に攻撃陣の的になってゴール前で存在感を発揮。サイドの1vs1が好みのようだが効果は微妙。ハットトリックは文句無し。
⑨ラス・パルマス 1-0 エスパニョール
●大いなる一点差
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12/22
エスタディオ・グラン・カナリア
ラス・パルマス 1-0 エスパニョール
【ラス・パルマス】'67 サンドロ・ラミレス
降格確定みたいな言い方をしたのに好調で恥ずかしい思いをさせられているラス・パルマスはホームに降格圏のエスパニョールを迎える。ハビ・ムニョスはすっかり便利屋ポジションに。4-1-2-3のビルドアップを取り戻すきっかけがハビ・ムニョス右SBになるなんて誰が想像したか。エスパニョールはアントニウ・ロカに注目。
ラス・パルマスは守備面でエスーゴが中央3レーンを一人で面倒を見れるのが大きく、これによってIHがかなり強気に前を捕まえにいく。エスパニョールのビルドアップとFWのライン間ワークを完全に舐めている設定だが、アンカーにビルドアップ専用機ではない選手を使う以上は守備から自分達のペースに引き込む意図が必要であり、そこの当たり前の設計をディエゴ・マルティネスはしっかりやっている。これをやっているから勝てているのか、好調だから強気な設定ができているのかは鶏と卵。
エスパニョールはこの日プアドが相手の右SBハビ・ムニョスに張り付いて4-5-1のような形になる。ラス・パルマスがどういう配置で来ると予想してこうなったのか気になるところ。マルヴィン・パークが右SBだったらプアドが付き合って守備するわけにもいかないので4-4-2だったのかもしれない。
逆サイドのテヘロとロカのマークの受け渡し方も十分に準備されてきた感があ理、これでそれなりに守れてはいるがカウンターが打てないエスパニョール。前半はとりあえず0-0で通過したい意図と思われる。
このテヘロとロカは攻撃でも内外を器用に交換しながら立っており、ラス・パルマスは対応に困った。38分にはロカが簡単に内側に侵入してプアドの決定機に。これを決められるとチームを救えるエースなんだが。
早い時間にラス・パルマスはシレッセンがもも裏を痛めて治療。その間にエスーゴがロッカーに戻って走って帰ってきたがたぶんトイレ。
後半、ラス・パルマスはヤヌザイが復帰。それとフステルが出てきた。
ヤヌザイが右に入りフステルはトップ下のような位置でファビオ・シウバの背後に近づく。ようは敵陣で試合が出来そうという実感からの交代で、エスーゴを交代させる要因はわからなかったがCHを2枚にしてボールを持つならエスーゴの優先順位が低いという事でしょう。パークをSBにしてムニョスをCHにするパターンもありそうたがカンパーニャの評価が高い様子。そんなラス・パルマスの狙いを外して左から進んだエスパニョールが53分に決定機。アントニウ・ロカのシュートはシレッセンの正面だった。
フステルを入れて計画通り中央を進み始めたラス・パルマスは良い位置でFKを得てサンドロ・ラミレスが直接決めた。お見事。これでエスパニョールはカレーラスとベリスを入れる。75分には長らく休んでいたエドゥ・エスポージトが復帰。おめでとう。
結局エスパニョールは説得力を持てずにノーゴール。ラス・パルマスは良い状態で自分達を信じる事ができている。結果的に先季までのボール保持を取り戻しているのはディエゴ・マルティネス的には予定通りなのか、予想外なのか。あまりビルドアップを仕込む監督のイメージがないので楽しんでいる事でしょう。
●ピックアップ選手
マヌ・フステル(ラス・パルマス)
後半トップ下に投入されて存在感を発揮。ファビオ・シウバの背後で暗躍し攻撃のバリエーションを増やした。
⑩ベティス 1-1 ラージョ
●決め手を欠いてのドロー
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12/22
ベニート・ビジャマリン
ベティス 1-1 ラージョ
【ベティス】’37(PK) イスコ
【ラージョ】'51 イシ
ベティスはついにイスコとロチェルソの同時起用をテスト。ラージョはアリダネがスタメンに。
ベティスは配置の自由度がかなり高く、移動がないのはアブデぐらい。特にイスコが左大外まで出て行ってペローが内側まで飛び出してくる形を多用。この形だとロチェルソが中央を使える。2CBと2CHを中央に残せばあとは割と自由。
ラージョは突破口探しに苦労したがそういう試合に慣れているのがこのチームの良い所。31分にはアルバロ・ガルシアのアーリークロスにエンバルバが大外から飛び込んで決めたがギリギリオフサイド。ちなみにこの時間帯線審のジャッジが数回怪しくてザワザワしていた。その直後にヴィトール・ロッキのPA内の仕掛けで足が掛かりPKゲット。ゴール前だと動きが速すぎてPKになりやすいのがロッキの良い所。これをイスコが決めて復帰後初ゴールでベティスが先制。
この試合でも負傷者が出てアルバロ・ガルシアが前半途中で交代。代わりに右サイドに入ったデフルートスを狙った前進が増えるとライン間でイシがボールを受けて一番得意な角度から左足一閃。ラージョが早めの時間に同点に追いついた。
ラージョの勢いに巻き込まれずもう一度ペースを握りたいベティスはライン間のイスコを中心に。57分にはフリックでロッキの決定機を演出するなど。フォルナルスを入れて中盤の構成を変更しロチェルソ→ロッキで再び決定機が来たが決められず。この日はロッキの日ではなかった。80分には内側に侵入したペローの決定機。
ペースが戻ってこないとわかると守りに入れるのがラージョの強さ。1-1ドローを目標に守備に切り替える。ホームでそういうわけにはいかないベティスの猛攻に耐える時間が来た。ベティスは最後までゴール前の質が甘く決勝点が奪えないまま試合終了。なかなか浮上のきっかけが掴めない。ラージョは年内最後をマドリー、ビジャレアル、ベティスに引き分けて終わる上々の成績。
●ピックアップ選手
イシ・パラソン(ラージョ)
なかなか敵陣でプレーするのが難しい試合だったが一振りで同点にした。好調。
●まとめ
ラリーガは年内スケジュールが終了。
年始にスーペルコパを戦う4クラブ(マドリー、バルサ、アトレティック、マジョルカ)だけは19節を消化済。
※12節バレンシアvsマドリーが未消化
11月以降バルサが大きく躓きマドリーも取りこぼす中アトレティコとアトレティックが絶好調。あとラス・パルマスが異常に勝ってる。
ジローナ、ベティスが伸び悩んでいる間に好調なのはマジョルカとオサスナ。アラサテの香り。
前半戦を終えて最多得点はバルサの51得点。取り過ぎ。次が41点のマドリー、34点のビジャレアルと続く。少ないのはヘタフェの11点、バジャドリードの12点が危険水域。先季のカディスでもシーズン26ゴールと考えると異常値。
最少失点はアトレティコの12、ソシエダの13。次がヘタフェの15。ヘタフェはやはり独特の戦いをしている。多かったのはバジャドリードの37が独走。続いて30の3チーム、エスパニョール、アラベス、ビジャレアル。ビジャレアル?
9節時点ではラス・パルマスが降格確定という言い方をしていたが"ボールに強いダリオ・エスーゴが浮上しているのは良い傾向"という含みをギリギリ残していたので許してください。
それ以上に「エスパニョールは普通に大丈夫そう」と言っていた事の方が問題で普通に駄目でしたね。どうなってるんでしょう。これも言い訳をするとエスパニョールはホーム成績は12位。アウェーで1ポイントしか取れていないのが課題で、カレンダーを見ると前半戦は3強、アトレティック、ジローナとの試合が全てアウェーだった。まだどうにかなる。とにかく年始一発目にホームでレガネスに勝つことが大事になりそう。
上位は3強とアトレティックが飛び出した。その下は団子。冬の補強は、いかほど。それでは。
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