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盤石の試合が見たくて 5節 アトレティコvsバレンシア(H) 2024.9.15

代表明け。代表の出場時間はこんな感じ

🇦🇷デ・パウル
9/6 チリ戦 フル出場
9/11 コロンビア戦 74分まで出場

🇦🇷モリーナ
9/6 チリ戦 フル出場
9/11 コロンビア戦 46分から出場

🇦🇷アルバレス
9/6 チリ戦 89分まで 1ゴール
9/11 コロンビア戦 フル出場

🇦🇷ジュリアーノ
9/6 チリ戦 メンバー外
9/11 コロンビア戦 出場なし

🇦🇷ムッソ
9/6 チリ戦 メンバー外
9/11 コロンビア戦 メンバー外

🇪🇸ル・ノルマン
9/6 セルビア戦 フル出場
9/9 スイス戦 20分まで出場(退場)

🇪🇸(U-21)バリオス
9/7 スコットランド戦 メンバー外
9/11 ハンガリー戦 メンバー外

🇫🇷グリーズマン
9/7 イタリア戦 77分まで出場
9/10 ベルギー戦 79分から出場

🇸🇮オブラク
9/7 オーストリア戦 出場なし
9/10 カザフスタン戦 フル出場

🇳🇴スルロット
9/6 カザフスタン戦 メンバー外
9/10 オーストリア戦 90+7分まで出場

🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿ギャラガー
9/8 アイルランド戦 出場なし
9/11 フィンランド戦 出場なし

🇲🇿ヘイニウド
9/7 マリ戦 フル出場
9/10 ギニアビサウ戦 フル出場

ムッソとバリオスは途中離脱。バリオスはしばらくお休みするみたいです。
🇺🇾ヒメネスはコパアメリカの揉め事の影響で出場停止だったので代表に行っていない。謎事案。
ネイションズリーグって鬱陶しいなあと思っているが、逆にこの時期欧州の代表は何してたっけ、という気持ちでもある。


3試合連続クリーンシート中のアトレティコは例年でいうとCLが始まるこのタイミングで一度ずっこけるのが定番だが今季はどうか。

バレンシアとの前回対戦。

サイド打開を工夫した試合。そのバレンシアは今季いまだ未勝利。1分3敗の勝ち点1は現時点で最下位だが、バルサ戦があったりアウェーのアトレティック戦があった。それで5節はアトレティコで次がジローナとはなかなか厳しいスケジュール。どうやらラファ・ミルの離脱に加えてウーゴ・ドゥーロ、ダニ・ゴメスも怪我してしまった様子。鼻骨を骨折したダニ・ゴメスはどうにか出場はできそう。




●スタメン

・アトレティコ
オブラク
ル・ノルマン / ヒメネス / アスピリクエタ
ジョレンテ / デ・パウル / コケ / ギャラガー / リーノ
グリーズマン / スルロット

バリオスの離脱によりギャラガーが連続スタメン。
3CBもベストな組み合わせを選んだ。FWもスルロットを使う。

・バレンシア
ママルダシュヴィリ
フルキエ / タレガ / モスケラ / コレイア
ギジャモン / ペペル / ハビ・ゲラ / ディエゴ・ロペス / ルイス・リオハ
ダニ・ゴメス

最前線はやはりダニ・ゴメス。コレイアを左SBで使ってジョレンテ対策をする。




●前半

FKで大外のダニ・ゴメスをどフリーにするが、へなちょこなキックミスをしてザワザワしながらキックオフ。アトレティコは15分までで84.5%、前半全体で63.1%ボールを保持して敵陣でプレー。
・左サイドから侵入
・右ジョレンテへ展開
・スルロットのポストプレー
の3本立てで攻め込んだ。

バレンシアは4-4-2のブロックを作り、特にSBの対人能力を軸にゴール前をしぶとく守った。コレイアはオーダー通りジョレンテに対応。ただし、この日のアトレティコは左のギャラガーと共に右IHのデ・パウルもビルドアップに関与せずにスタートポジションを高くし、バレンシアのCHが前に出にくい環境を作った。これでル・ノルマン、ヒメネスがプレッシャーを感じずに配球を選択できる状態で押し込み続けた。

一番多かったのはヒメネスがボールを持った時にアスピリクエタがディエゴ・ロペスの影響範囲へポジションを上げて、リーノへのパスルートを空けるパターン。ギャラガーが関与して近いCBを引きつける事ができれば2トップがPA内で勝負できる。ここで全体をスライドして打開を許さなかったのがまずバレンシアの守備の良かった点。

次にヒメネスorコケから高精度のサイドチェンジを使ってボールを右サイドへ届ける。ワンサイド圧縮しているバレンシアからすると突然広いスペースにジョレンテとデ・パウルが突っ走ってきてグリーズマンが近づいてくる厄介な対応になる。この日も大外に飛び込んでくるリーノを狙ってクロスが入ってきた。特に右サイドからリーノの形で良かったのは32分のジョレンテからのクロスで、この試合で何度か見られたスルロットへの縦パスを使って経由点を作り、ジョレンテがフリーでランニングした。

モラタはあまりやらなかった、ポストプレーによる構築の関与

チームが良い循環をしていると、典型的なのはグリーズマンが固有のタスクから解放されていく姿。「スルロットがポストプレーできるならおれは浮きますよ」という位置取りを始め、中央でボールを触るようになっていった。今シーズン初めての事。

アトレティコは守備もハマってバレンシアを追い込んでいき、39分にバックパスを狙ってカウンター発動。グリーズマン→デ・パウル→ギャラガーで中央を打開して待望の先制点を奪った。ギャラガーはアトレティコで初ゴール。


●前半終了

一方的に攻め立てて点が取れなかった3節エスパニョール戦の記憶と戦った45分。あの試合よりも説得力を用意できたのは新加入選手を含めて良い準備ができている証拠。時間をかけてグリーズマンの関与機会を増やしていったのはスカッドがアトレティコ・マドリーになっていく手順を感じる。

前半、特に良かったのはスルロット。ゴール前でCBを引きつける作業と打開に関与する作業を同時にこなした。言い方によってはモラタ+コレアのタスクを一人でやった感じ。19分にはディエゴ・ロペスからGKに戻るパスを狙って1vs1の決定機も作り、先制点に繋がるカウンターでもグリーズマンを探してボールを進める仕事をしている。彼の仕事を意味のあるものにするためには得点を取れるMFが必要で、ギャラガーがその仕事ができる事を猛アピールした。

バレンシアは正しく守った。前線の配員が望むものではない事は仕方のない事で、これ以上を求める選択肢がベンチにあるわけでもない悩ましい試合になった。


●後半

バレンシアは中盤にアストン・ヴィラからレンタルしたエンソ・バレネチェアを投入。気分の問題なのか前半のギジャモンがあまりにも良くなかったのかはよくわからないが、これで保持を回復していく。バレネチェアの立ち位置でやっとハビ・ゲラのボールの受け方が確定した様子。アトレティコを押し込んでいくと左大外に右利きのコレイアを置いている事がネックになっていき、ヘスス・バスケスを投入して同点を目指していくという計画だったように思う。

が、54分にアトレティコに追加点が入る。スローインが続いた流れでジョレンテがフリーになり、リーノの頭目掛けてクロスを蹴ってグリーズマンが反応した。ある意味グリーズマンらしいゴール。今季2点目。バレンシアは出鼻を挫かれ、このメンツ・この出来で2点差は・・・という状態。

このゴール以外にも後半に入って展開を生んでいたのはデ・パウル。

大きく移動して相手SH(リオハ)を釣り出す動きはリードしている状況では非常に効果的でグリーズマンとジョレンテに時間を渡す役割を果たしていった。デ・パウルのところでボールロストしてもどうせ自分でどうにかするしここから攻撃を始める時間は安心感があった。リードが2点に広がったところでスルロットと共にお役御免となった。67分にはリーノも休ませる事ができて連戦の初戦としては理想的な試合展開に。グリーズマンも76分まで。
ホームの観客が4試合連続のクリーンシートを期待し始め、最後は縦に突っ走るしか脳の無いリケルメ、ジュリアーノの左サイドからカウンターを繰り出してアルバレスの初ゴールで仕上げ。



●試合結果

ホームで前半に先制点を奪って3-0で完勝。終始安心して見ていられる内容で4試合連続のクリーンシート。厳しい日程になる9月シリーズのスタートとして理想的だった。選手交代も上手く使えた。CL前にギャラガー、アルバレスに初ゴールが出たのもポジティブ。特に引いた相手を崩す手段としてギャラガーが仕事をできるなら相当大きな武器になる。

そしてこの日良かったのはスルロットとデ・パウル。スルロットは前半書いた通り。デ・パウルはボールを動かす仕事を与えられれば良い仕事をする。独特のリズムで繰り出すラストパスも完璧だった。文句無し。ホームで必勝の試合で役割を果たせたのは大きい。マドリーダービーまではこの調子でいきたい。

バレンシアは欠場者の多さもあり良し悪しを語るのは難しい試合。ダニ・ゴメスがトップで試合に勝つのは普通に無理でしょう。だからといってラファ・ミルがいたら違っていたのかと言われると、それもどうでしょう。初勝利が待たれる。


9/15
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 3-0 バレンシア
得点者
【アトレティコ】’39 ギャラガー ’54 グリーズマン ’90+4 アルバレス


●ピックアップ選手

スルロット
ゴールはなかったがポストプレーを中心に活躍。2試合連続で1vs1を外している。そろそろかな。

デ・パウル
ゴール正面の解決アイディアを提供し、先制点を生んだ。リードすると幅広く動いてややこしい存在に。いい仕事をした。

ヒメネス
完璧な守備対応とジョレンテへのロングボール配球。今季ピッチに立っている315分間は無失点。ゴールに鍵をかけた。

ギャラガー
前半は左、後半途中からは右。非保持に一切の不安がないので起用に躊躇いがない。ゴールに直接関与する仕事は期待されたもの。

アルバレス
クローズ局面で起用されて最後までよく走った。重要な試合に向けてコンディションを上げたい。


●myQA

5-1 (1-1関連)スルロットの貢献
前線の第一守備者とポストプレーの仕事。前節に続いてロングボールを収めるのが上手く、グリーズマンが近くでプレーできるようになってきた。現状は最前線の一番手。

5-2 リード時のクローズメンバー
4節同様、グリーズマン→ジュリアーノを交代し、左サイドで縦挙動を担保。リケルメ&ジュリアーノの走力を活かす時間帯は、後方をサポートする左CBはヘイニウドにする、というのはシメオネ風のリスクヘッジで、この日の3点目はそのヘイニウドのインターセプトからリケルメの疾走で生まれた。ジュリアーノは非保持のユニットにもしっかり入り込めた。リードした試合を終わらせるオプションとして有用。

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