見出し画像

その行き先に宿した覚悟を コパデルレイ4回戦 アトレティコvsエルチェ(A) 2025.1.15


4回戦の相手は久しぶりのエルチェ。前回対戦は2シーズン前の22-23シーズン34節。2023年の5月。

しかも負けてる。
現在は2部の2位で昇格争い中。直近公式戦19試合で12勝6分1敗。14節に現在首位のアルメリアに負けた以外は負けておらず公式戦10試合負け無しと好調です。5試合連続クリーンシート中。15失点はセグンダ最少。そういえばプレーオフにもいなかった先季は11位だったらしい。とはいえ6位とは5ポイント差。
元々エルチェは21-22シーズンの頃に3-5-2に興味を持ってかなり重点的に試合を見ていた思い入れのあるクラブ。ベテラン勢を中心にまだ当時の選手がけっこういる。おれのラウル・グティもいる。それとワトフォードに移籍した元ビジャレアルのカピタン、マリオ・ガスパールが先季から所属しています。

3回戦はラス・パルマス戦。u-nextのハイライトだけ見たが笑ってしまうほどボコボコにして4-0で勝ち上がっている。相変わらずの面白チーム。GKは国王杯では元アトレティコのミゲル・サン・ロマンが出場している。



●スタメン

・アトレティコ
ムッソ
ジョレンテ / ヴィツェル / ル・ノルマン / アスピリクエタ
コケ / ギャラガー / リケルメ / リーノ
コレア / スルロット

GKはこの日もムッソ。ヴィツェルのスタメンは12月5日のカセレーニョ戦以来。アスピリクエタも同様。
オサスナ戦は今季初めて出場なしだったコケもまた、カセレーニョ戦以来のスタメン出場。リケルメ、コレア、スルロットもそうでした。

・エルチェ
サン・ロマン
ジョン・ヌワンコ / ディアビ / ビガス / サリナス
ニコラス・フェルナンデス / メンドーサ / ジェラルド・ヘルナンデス / ラシャニ
アウグスティン・アルバレス / ソリー・カバ

今季の出場時間と照らし合わせるとちょっとベストメンバーではなさそう。ペドロ・ビガスはずっとベテラン感があったが今34歳。キャプテンだった。普段は知らん。
10番のニコラス・フェルナンデスは22-23シーズンも背番号22で在籍していたらしいが何故か私のスタメン作成用シートに名前がない。前線はマッチョマンのソリー・カバ。中盤のメンドーサとジェラルド・ヘルナンデスはどちらも19歳。

アトレティコは3回戦ベンチ入り禁止だったシメオネが復帰。


●前半

アトレティコは5-4-1でスタート。珍しく配置をいじったが、この変更の理由は結局わからない。
1.エルチェの配置を分析して
2.この日プレーさせる選手を考えて
3.5-4-1を再度装備するためのテスト
が考えられるが全部当てはまってもおかしくない。ジョレンテとアスピリクエタを両方スタメンで使うなら4-4-2は考えにくかったり。個人的には2だと思うが。

そしてエルチェがライン間に人を送り込む3-1ビルドだったので5-4の幅を狭める守り方は効率が良かった。エルチェは左SBのホセ・サリナスがビルドアップから離れて高い位置へ。中盤も31番のジェラルド・ヘルナンデスが構築担当、30番のロドリゴ・メンドーサはライン間に入った。アトレティコはスルロットだけ前に出てコレアは右大外。コケがマークを捨てて前を牽制するが、狭いブロックで守る事から試合を始めた。この試合でボールを開け渡す理由を考えても諸説になりそうだが、エルチェは明確な侵入ルートが無さそうだったので持たせる選択で問題なかった。「下位カテゴリー相手ならどこかで点は取れるからカウンターをもらう展開は避けよう」という安全策の可能性もあるし本当に諸説。一つ言えるのは"これで問題なかったし下手したら最適解だった"という事だけ。

8分に初めてボールを持って敵陣でプレーしたアトレティコはジョレンテのクロスをスルロットがとんでもないコントロールで止めてそのまま右足で蹴り込んだ。ほぼ質の暴力で簡単に先制に成功。13分にはCKを仕込んでコレアにシュートチャンスが来た。これは年末年始に相当仕込んでいたっぽいですね。

アトレティコは左HVのアスピリクエタから配球していく形が多め。そもそもビルドアップはコケも最終ラインに落ちてボールを持つとエルチェは何人前に出ていくのかはっきりせず、SHの追いかけるポイントも不明瞭でリケルメをフリーにしたりフワフワしていた。普段4-4-2なのか知らないけど。28分にはそのアスピリクエタがフリーで持ち出した場面でリーノがPKゲット。リーノにCBのディアビが対応しているのがそもそも正しいのか怪しいが、どう見ても入れ替わられそうな身体の向きで立って入れ替わられ後ろ足で引っ掛けてしまったディアビは反省。スルロットが決めて早々2点リードとなりほぼ結末は決まった。



●前半終了

前半から2点リードできたのは最高の流れ。2点差ついた時間は1回戦は89分、2回戦は90+6分。3回戦は最後まで1-0。やっと楽に後半に入る試合を作れた。
個々の選手の粗を探せばキリがないがこれは指摘する試合ではないと割り切って先に進む。



●後半

アトレティコは2点取ったスルロットを前半だけで交代。代わりはモリーナ。何でもあり。

アトレティコはリーノとギャラガー辺りが一つ前を捕まえにいく意識に変更し、エルチェからボールを取り上げていく。スコアを考えると試合の流れでそうする必要は全くなかったので、多分「試合はほぼ決しているから点取りたい選手は頑張って」というメンタリティなのかと。
50分に10番のニコラス・フェルナンデスが2枚目のイエローで退場。抜け出したリケルメの足を踏んづけた形だが、一枚もらっている選手にしては少し軽率だった。残念。

アトレティコは61分にリーノに替えてデ・パウル。直後にフリーのリケルメが得意の角度からミドルシュートを決めて3点目。退場者が出た以上この辺のゾーンがフリーになるのは仕方ない。審判のジャッジも段々怪我と揉め事がなく試合を終わらす事へシフトしていった感があり、これはアトレティコからすると助かるがハードにボールを奪うくらいしかチャンスを作れそうになかったエルチェには少し辛かった。75分にはショートコーナーからまた色々やって最後はアルバレスの前に溢れてきて4点目。勝負あった。



●試合結果

よく考えたら4試合連続で1点差の試合をしていたアトレティコは久しぶりにスコア上余裕のある試合ができた。助かりました。

久しぶりに長い出場時間を得た選手の中ではヴィツェルが高評価。3CBだとやはり判断が良い。ルマルは国王杯1回戦ヴィック戦を最後に再離脱していたがここで復帰。彼にしかできない仕事があるのでいてくれると助かる。
ラングレ、ハビ・ガラン、バリオス、ジュリアーノ、グリーズマンを完全に休養させたのも大きい。スルロットは怪我したなんて話もあるがまだまだしんどいカレンダーが続く。健康で。

エルチェは普段やっているサッカーのまま試合に入ったのかな、という感じもありつつ、ボールを持たされて面食らった感じもありつつ。ちょっとカテゴリー差を感じる試合になってしまったが若い選手も多いし、昇格できるといいね。


1/15
エスタディオ・マルティネス・バレロ
エルチェ 0-4 アトレティコ
得点者
【アトレティコ】'8 '29(PK) スルロット ’61 リケルメ ’75 アルバレス


●ピックアップ選手

スルロット
前半の2ゴールで試合を簡単にした。特に先制点は圧巻の技術。

ヴィツェル
中央で守備を安定させながらコケと協力して抜け道を探す得意の展開。文句なし。

ジョレンテ
スピードを活かせる場面はいくつかあったがボールタッチが安定しなかった。コンディションは途上の印象。

ルマル
復帰戦。縦パスと狭いエリアのボールコンタクト。実は最適な仕事がピッチにありそう。

ヘイニウド
彼も11月30日のバジャドリード戦以来久しぶりの出場。
カードをもらうような試合ではないが、足を出しかけて簡単に入れ替わられた場面は悪目立ちした。試合に出たいならそういうプレーがあってはいけない立場。


●myQA

c4-1 CKの仕込み
オサスナ戦に続きCKのパターンを複数仕込んでいた。珍しい。

いいなと思ったら応援しよう!

がーすけ
いただいたサポートは全てアトレティコ関連のアウトプットに生かします。

この記事が参加している募集