#1 市役所じゃなくて保育園に申し込み書を出すシステムって…
人口5万人の地方都市に移住したはいいけれど、娘の保育園の4月入園の時期は終わっていた。
この街に住む実家の母が、この辺りは最近、若い家族が増えていて保育園が増えているから、どこかに入れるでしょう、と言ったか言わないか、今となっては覚えていないけれど、母も私も夫も、みんな娘の保育園のことをぽっかりと忘れていた。
私は妊娠のつわりと引越しに、夫は転勤の地での新生活に、母は父の癌が発覚して手術や入院準備に、皆それぞれ大変な思いをしており、引越しの3か月前に気付いて電話で問い合わせたり動いてみたが、時すでに遅し。空きはなく、敢えなく娘は待機児童になってしまった。
ここは地方都市のベッドタウン。保育園は足りていなかった。
そして私は夫の転勤に伴い退職して休職中の妊婦。私はまだ働きたかったという気持ちを胸に抱いて、引越しの荷物を片付けながら、母と交代で娘と遊び、保育園見学をしていった。
正直、引越しの片付けは進まないし、母とも交代のリズムが掴めずストレスばかり溜まった。
それでも娘は体調を崩すことなく、元気でいてくれたことが幸いだった。
けれど私をさらに苦しめたのが、保育園に申し込み書を提出するシステム。
市がHPで空き人数を公開しておらず、というか把握もしておらず、入園のための点数もなく、全て保育園にお聞きくださいということだそう。
各保育園に電話し、空いていませんと言われながらも見学だけ…とお願いし、見学してみるとお話してくださる新たな事実。
「働いている方が優先と市役所に言われています。」
うんうん、これはそうだよね…。
「園に兄弟がいる方が優先です」
え…点数制じゃないのに、暗黙の点数みたいなものが存在するの?
ここの認可保育園は、東京で言うところの、認証保育園のようなシステムなのだった。
東京の認証保育園は園が家が近い人や、確実に入園して長く在園してくれそうな人を選んだりしていた。クラスの児童の性別をバランスよくするような園もあると聞いた。
ここでは、認可保育園がそんなことできるってこと?
区役所に電話したところ、運良く珍しく優秀な方が出て、「働いている方を優先してくださいと言っています。それからもう入園している方を退園させることはできないので、条件が良い方が後から申し込まれても、退園というわけにはいきません。会社勤務の方の方が、自営業よりも優先されます。」と丁寧に、明確に教えてくださった。兄弟についてはお聞きしたかもしれないけど覚えていない…。多分、市役所からは言っていなかった。
とにかく、そんな状況で、ママ友とかできても、なんで私が落ちたの〜?って、不信感にならないのかな。
東京で認証保育園に落ちた、受かったで不信感などなかったけど、認可保育園でこんな感じだったら…ウーン、わからん。
「点数などがないと、不平等なことが起こるのではないでしょうか」
と聞くと、その優秀な方が教えてくださった。
「今年の11月から、保育園ではなく市役所の管理になるよう整備中です。」
今まで市役所に行って聞いたときも、だれもそのこと教えてくれなかったよーーーー
今は4月半ば。ちょうど過渡期に来てしまった私。
厄年。