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羊と鹿

2016年本屋大賞をとり、その後映画化された「羊と鋼の森」という小説があります。父が調律師ということを知っている方から“羊と鋼ってピアノとどんな関係があるの?”という質問を受けることも。
羊は弦をたたくハンマーの素材を、鋼は弦の素材そしてピアノの中の鉄骨の部分を表しているんですよ、という答えになります。

先日、調律の現場に立ち会い、また発見したことが!
「羊」のほかに「鹿」もいたんです!

羊と鹿

アクションを取り出したときに、通常はハンマーに目が行きやすいのですが、その周りの部品の部分に鹿の革が使われていたのです。
鹿革の特徴として、油分が豊富な為、柔らかくしっとりとしていますが引っ張り強度があり、また、湿気を吸収する性質があり通気性が良い為、蒸れにくい革とされています。
ピアノは数多くの部品から成り立っているのですが、鍵盤を押す力が伝導する部分に、それに適した部材が使われているのでしょうけど、それが羊の革を使うという発想がすごいな、と感動しました。

ピアノをよくご存じの方からは、ハンマーに使われるフエルト部分のフエルトの重要性は良く聞いていましたので、“羊の食べ物で毛が変わるのかもね”なんて笑い話として聞いていました。
ってことは、鹿の食べ物も関係する???

最近SDGs  という言葉を聞きますよね。国連が定める持続可能な開発目標というものです。


その中の13番目
「気候変動に具体的な対策を」という項目があります。


まさに、ピアノという楽器はこの気候変動の対策が重要になってきていると言えます。
ピアノのボディの部分は“木”です。これも近頃温暖化し年輪が密でなくなってきています。そして“ヒツジさん”や“シカさん”の食べ物だって温暖化した食物に変更しているはず。むむっ!これは、音楽を愛するものとして、積極的に地球温暖化防止策を取らねばならないではないか!!

「羊と鋼の森」では、森から音のインスピレーションを受ける調律師が描かれています。美しい音というのは、自然の中から生み出されるんでしょう。だからこそ楽器にと自然環境は切っても切れない関係があるんでしょうね。




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