先日あずみ野コンサートホールで行われた「ベルリントリオ~ベートーヴェン生誕250周年」の演奏会に行ってきました。 昨年から新型コロナ感染拡大防止のため、こちらのホールも今年2月までは演奏会は中止されていたようで、3月から再開されたばかりでした。 コロナ渦で多くの音楽家は演奏する場所を失い、苦肉の策でオンラインでの演奏会やレッスンをしてきた1年でした。そしてこれからもしばらく続くことになるでしょう。 オンラインはオンラインの良さがある、と信じて暗中模索の中いろいろなことにチャレ
2016年本屋大賞をとり、その後映画化された「羊と鋼の森」という小説があります。父が調律師ということを知っている方から“羊と鋼ってピアノとどんな関係があるの?”という質問を受けることも。 羊は弦をたたくハンマーの素材を、鋼は弦の素材そしてピアノの中の鉄骨の部分を表しているんですよ、という答えになります。 先日、調律の現場に立ち会い、また発見したことが! 「羊」のほかに「鹿」もいたんです! アクションを取り出したときに、通常はハンマーに目が行きやすいのですが、その周りの部品
ウチの音楽教室では、ピアノ、チェロ、フルートのコースがある。2020年の春、新型コロナ感染拡大に伴いオンラインレッスンというものを取り入れてみました。 最初は緊急事態宣言で学校がお休みになり、すべてのレッスンをオンラインにするつもりで掛かったんだけど、実際にはWi-Fiの環境が整わなかったり、お子さんが幼なすぎて、画面から消えてしまう(笑)などがあり、オンライン化できたのは2/3の生徒さんでした。それでもオンラインをチャレンジしてくださった生徒さんは若い方にとどまらず、大人
近年、ピアノ調律師を題材にした本や漫画がいくつか話題作になっている。 「羊と鋼の森」宮下名都 著 「調律師」熊谷達也 著 「ピアノのムシ」荒川三喜夫 著(マンガ) など そして今回読んでみたのが 「ピアノ調律師」M.B.ゴフスタイン 著 この作品は「ピアノ調律師のルーベン・ワインストックは、毎朝目が覚めるとまっすぐにベットから台所に行って…」と約1ページに渡り“朝のルーティン”について書かれるところから始まります。 この書き出しから、私はほくそ笑みながら読み始めました。
ベーゼンドルファーには他社のブランドにはない黒い鍵盤があります。通常のピアノは鍵盤が88個。ベーゼンドルファーの鍵盤は最低音を9鍵拡張し、97鍵盤を備えた「Model 290 Imperial」と、最低音を4鍵拡張し、92鍵盤を備えた「Model225」があります。 この黒い部分があると演奏家はいつもと違う感覚になるらしく、慣れないと弾きづらいようです。ではなんで88鍵より多い鍵盤あるのでしょうか。 それはプゾーニがバッハのオルガン曲を編曲した時に、低音部にピアノでは出せ
2006年より14年間、ベーゼンドルファーのピアノを使用した演奏会を約80公演ほどしてきました。そこで出会うピアニストの方々に、よく質問します。 「よいピアノってどういうピアノですか?」 ピアニストのKさんは… 「もし画家が20色の絵具と100色の絵具があったら、自分の表現したい絵を自分の想像したものに近づけて描くには100色の絵具があったら嬉しいですよね。それと同じように、ピアニストはいろいろな音色が出たり作れたりするピアノがあったら、本当に嬉しいです。」と言われました
ピアノという楽器は約10,000個の部品から出来上がっています。ベーゼンドルファーはこの10,000個の部品1つ1つにこだわりと技術が凝縮しており、その多くの作業を手作業で行っています。まるで工芸品を作りあげるように。 そのため1台1台に個性が生まれます。まさにこの個性あるピアノと作曲家の作りあげた曲、ピアニスト、奏でるときの環境などにより、演奏会が行われると思うとすばらしい演奏会との出会いは本当に一期一会だなと思います。 そんな個性豊かなピアノたちを何百台と見てきた父。シ
私の母はベーゼンドルファーという世界3代名器と言われるピアノの販売をしていました。とても高価な品物なので購入するときは皆さん悩まれます。そんな時に母はこのように言ってました。 「人生が変わるわよ」と。 ウサンくさい占い師のような発言!と当時ちょっと笑ってました。 でもベーゼンドルファーの魅力でもあり、魔力?でもあるのですが、すばらしい人との出会いができるのは間違いないのかもしれません。 まず、私の経験から言うと、、、。 ピアニストは他の楽器の方と違って、自分の楽器を持って
「ベーゼンドルファー」という楽器の名前をご存じでしょうか? 世界3大名器といわれるピアノのメーカー〔ベヒシュタイン〕〔スタインウェイ&サンズ〕〔ベーゼンドルファー〕の一つであり、150年を超える歴史を持つヨーロッパの一流メーカー(ブランド)です。 音楽の都 ウィーンで1828年に創業され、今なお工芸品とも言えるくらい手作業で作られているピアノ。それは、1台1台に個性豊かな音色を持っています。 私はベーゼンドルファーの技術者である父とその販売から演奏会企画まで行う母のもと、幼