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良いピアノってどういうピアノ?

2006年より14年間、ベーゼンドルファーのピアノを使用した演奏会を約80公演ほどしてきました。そこで出会うピアニストの方々に、よく質問します。

「よいピアノってどういうピアノですか?」

ピアニストのKさんは…
「もし画家が20色の絵具と100色の絵具があったら、自分の表現したい絵を自分の想像したものに近づけて描くには100色の絵具があったら嬉しいですよね。それと同じように、ピアニストはいろいろな音色が出たり作れたりするピアノがあったら、本当に嬉しいです。」と言われました。ピアノはそもそも88個の鍵盤がついています。(ベーゼンドルファーの場合は92鍵と97鍵もあります。)1台でそれだけ多くの音域をもつ楽器なのでピアノだけでオーケストラのような音が出るといわれますが、そこに多くの音色が出るとなったら!!

音楽家でもない、ピアノも弾けない私にとって、とても分かりやすく納得しました。
そうなんです。素晴らしい演奏会というのは、頭の中にいろいろな情景や色、そして触り心地まで感じることさえあります。それば、ピアニストの“こう表現したい!”というものがいろんな音色(まさに色!)を通して、私に伝わってきているのでしょう。それは、より繊細なことまで音という情報になって私に入ってくるのでしょう。

演奏会でお客様が涙している、、、。こんな光景を何度も見てきました。そこには言葉はなく、音楽がお客様の耳だけでなく体全体から音色を感じ、演奏家と一体となって演奏家の創造の世界に存在してしまったのだと思います。

音楽のチカラ、ピアノの音色って本当にスゴイなぁ

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