人の好みは十人十色
ピアノという楽器は約10,000個の部品から出来上がっています。ベーゼンドルファーはこの10,000個の部品1つ1つにこだわりと技術が凝縮しており、その多くの作業を手作業で行っています。まるで工芸品を作りあげるように。
そのため1台1台に個性が生まれます。まさにこの個性あるピアノと作曲家の作りあげた曲、ピアニスト、奏でるときの環境などにより、演奏会が行われると思うとすばらしい演奏会との出会いは本当に一期一会だなと思います。
そんな個性豊かなピアノたちを何百台と見てきた父。ショールームに置かれたピアノたちを見て言います。「どのピアノもすばらしいピアノ。お客様に十人十色の好みがあるからどのピアノも嫁に行けるよ。」
そうなんです。この子(ピアノ)は明るい性格、この子(ピアノ)は落ち着いた性格、などみんな個性のある音色や風情があるのに、そのピアノに合ったお客様と出会っていきます。
以前来店されたOさん。今日はピアノを選びに行くぞ!と気合をいれてお越しになりました。来店され並んだピアノを前に、まずウチの両親とお茶で一服。いろいろとお話してやっとピアノに触れる!と思ったのは来店してから1時間後。やっとピアノに触ったときには一目ぼれ♡。後日その日についてOさんに「嫁をもらいにいくような感じだったよ」と言われました。
そうなんです。ウチの両親はお客様との会話からそのお客様の好みをだいたい聞き出しているのです。ホント、お見合い(笑)。
楽器との出会い=結婚!?
私も嫁に行きましたが、うちの両親は一体何人の子(ピアノ)を嫁に出したんだろう。