【全高校生必読】進学する前に知りたい「大学とは〇〇である
「大学ってどんなところなのー?」
と、小学生の兄弟に聞かれたとしましょう。
受験生のみなさん、何て答えますか?
勉強するところだよ。ゼミがあるよ。
サークルで好きなことをするよ。論文を書くよ。
…
あれ、それだけですか?
今や高校を卒業した人の約6割が大学へ進学する時代です。
同世代の波に揺られて、とりあえず行くんだろうな〜という気持ちで進学する人も少なくないでしょう。
でも、若いうちの貴重な4年間を、大金を払って通うのが「大学」です。
自分がこれから多くの時間を割くことになる「大学」を理解し、気持ちよく納得して進学先を選べるといいですよね。
今回は、大学って実はこういうところだよ!について解説していきます。
大学とは
大学とは、よく「研究機関」だと表現されます。
大学には研究室があり、そこに教授がいて、各々が研究をするかたわら、講義をしたり学生と一緒にゼミ活動したりします。
そう、つまり教室で教授が講義をし、学生が話を聞いているスタイルの授業は、大学の「メイン」ではないのです。
基本的には、4年間の講義で特定の分野について基礎から応用まで学び、さらにこれを実践的に活かしていくゼミや研究室が揃っている環境、それが大学です。
高校の延長ではない
大学には、必ず学部が設置されています。
これからみなさんが選ぶことになる、自らの進むべき領域こそが「学部」です。
法学部、経済学部、経営学部、文学部、国際学部…文系だけでも色々あります。大学によって呼称はそれぞれです。
さて、この時例えばあなたが経済学部に進学したとしましょう。
どんなことを学ぶと思いますか?
以前高校生に同じ質問をしたときには、高校の公民で習うようなことをより難しく勉強すると思います、と答えてくれました。
ちょっと違います。
というか、大学での学びがまだまだ漠然としていますね。
大学は、高校の延長ではないので、ただひたすらに講義を受けて知識を身につけるわけではありません。
あくまで、「学問」をする場所ですので、より細分化された領域に足を踏み入れることになります。
どういうことかというと、例えば経済学部でしたら、そこから金融、会計、ミクロ経済、マクロ経済、行動経済学などなどより細かく、詳しく、場合わけされ研究されてきた世界が広がっていて、それを学んでいく時間が、大学での勉強です。
学問は、みなさんが想像するよりも奥の深い世界で、終わりのない旅です。
ずーっと先まで続いていて、高校で学んでいることは、本当にその入り口にしか過ぎません。
と、あまりイメージがつかないかも知れませんが、大学での勉強とは、深い学問の旅に出かけるのかと思っておいてもらえると、大学生になってからびっくりしないと思います。
就職予備校じゃない
これだけは伝えておきたいのですが、大学は新卒で企業に務める学生を育てる場所ではありません。
元来、大学は若い世代の中でも特に優秀な人たちだけが通うことのできた、敷居の高い学舎でした。そこで学んだ学生たちは、明治維新をはじめ、日本社会を大きく動かす偉業を成し遂げてきました。
このように、大学は個人の夢を応援するところではなく、社会全体に影響をよりよくすることのできる人材を育てる場所に近いです。
その意味で、大学は就職予備校ではないのです。
ここまで大学での講義のイメージもお伝えしてきましたが、大学で学んだことが直接的に就職後に生かされるわけではありません。
もちろん、知識を身につける過程や応用する力、論理的に考える能力、まとめる力などなど、抽象的に捉えると役に立つことはあります。
ただ、法学部の学生がみんな法曹になるわけではないように、ほとんどの場合、大学で学んだことを直接的に生かさずに就職していきます。
そのため、将来の就職のために学部を選ぶのではなく、より自分の関心分野や夢中になってしまう領域で学部を選択した方が、実りのある4年間になることは間違いないです。
最後に
色々とわかりにくい話をしてしまいましたが、最後に伝えたいことがあります。
大学の講義とは、その分野のオタクが、自分の分野についてひたすらに喋ってくれる時間、に近いです。
だからこそ、本当に自分の好きな分野だったら、最高に面白い時間です。
そのオタクの話を、4年間面白がって聞けるか、面白がって一緒に研究できるか、そんな軸で大学や学部を選んでみるといいと思います。
せっかくの貴重な時間です。
どうか、間違えたなあ、ではなく、いやあここにして良かった〜と思える4年間にしてください。