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【虎丸山・御山】登り初めは「日本一の低山」?

 2024年の登り初めは香川県の虎丸山(417メートル)。県東端の東かがわ市にある山だ。東かがわ市はNHKの朝ドラ「ブギウギ」の主人公のモデルである笠置シヅ子の生誕地でもある。

 1月3日朝、さぬき市寒川町のうどん屋で「ぶっかけうどん」を食べた後、虎丸山の登山口近くの駐車場へ。「新宮山薬師院弘海寺跡」と彫られた立派な石碑が立っている。

石碑の後ろにある建物がトイレ

 午前10時ごろ、登山スタート。道中、「新宮石風呂跡」という石碑を見つける。石風呂というのはいまで言うところのサウナだろうか。しばらく舗装された道を進むと本格的な登山道に入る。道は整備されているが、予想以上に急坂が続く。正月3が日から山に登る物好きは自分くらいかと思っていたが、地元民と思われる登山者とすれ違う。

 午前11時に虎丸山の山頂に到着。「新宮大社」の朱色の鳥居が目印だ。山頂はよく開けており、瀬戸内海まで望める。

虎丸山の山頂は広い

 この山にはかつて虎丸城があった。江戸時代の軍記物語『南海通記』には、1584年に十河在保(そごうまさやす)が虎丸城で土佐の長宗我部勢と戦ったことが書かれているという。

東かがわ市のシンボル的な山だ

 天気予報では午後から雨予報。そのため休憩もほどほどにすぐに下山。往路を引き返して午前11時50分に駐車場に戻ってくる。トイレに入って男性用便器の前に立つと目の前に貼り紙。「急ぐとも一歩前に心静かに手を添えて外にこぼすな松茸のつゆ君のはそんなに長くない」。ユーモアあふれる標語に思わずクスリ。

 登山後は「翼山温泉」(東かがわ市)。一番大きな浴場の湯は相当な熱さだが、地元の人たちは気にもとめずに浸かっている。体の芯まで温まった後はお腹が空いてくる。国道11号沿いの喫茶店「ダンケ」(東かがわ市)に入店。タイムランチのトンカツ定食を食べ、食後はホットコーヒーを味わう。喫茶店の隣には「カラオケ無料」と書かれたコンテナが並ぶ。店員に聞くと、ドリンクの注文で1時間半は無料で利用できるという。

「翼山温泉」。施設内には食堂もある

 その後は「白鳥神社」(東かがわ市)に初詣。日本武尊が白鳥になって舞い降りたという伝説が残っているらしい。参道にはフライドポテトやたこ焼きなどの屋台が並ぶ。境内には今年の干支である「辰」にちなんで竜のイラストが描かれた巨大絵馬(縦5・5メートル、横7・5メートル)が設置されていた。参拝客が脚立に乗って願い事などを書き込んでいた。近くでは地元高校生の弓道大会も開かれており、活気があった。

 境内でふと目にとまったのは「ネコも登れる3・6m 日本一低い山 御山」と書かれたのぼり旗。巫女さんに尋ねると、御山までの「登山ガイド」を渡された。それに従って松林の中を歩くと、5分ほどで御山に到着。平坦な砂地に「日本一低い山」という石碑が立っているが、正直どこが山だかわからない。でも高いからいいというわけでもない。低い山でも魅力のある山はたくさんある。百名山をめざしながらも低山にも積極的に挑戦する1年にしたい。

標柱の前には小さな鳥居が置かれている

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