日本百名山てくてく日記

「日本百名山」制覇をめざす東京都在住アラサー会社員の山行記録。百名山以外にも登ります。

日本百名山てくてく日記

「日本百名山」制覇をめざす東京都在住アラサー会社員の山行記録。百名山以外にも登ります。

最近の記事

【斜里岳】スリリングな沢登り

 今年もまた北の大地にやってきた。昨夏は利尻山と大雪山(旭岳)の2座を登頂。今夏は斜里岳(1547メートル)を目指す。  今回は女満別空港から北海道入り。初日は網走市の観光名所である「博物館網走監獄」や「モヨロ貝塚館」、「能取岬」に足を運んだ。夜はカーリングのまち・北見市に宿泊。夕食は名物の焼き肉で翌日の登山に備える。食べ過ぎに注意しながらもカルビやタンなど王道の肉を味わったほか、「タケノコ」という牛の動脈にも挑戦。ホルモンは苦手だがタケノコのコリコリとした食感は嫌いじゃな

    • 【四阿山】天気好転、咲くクルマユリ

       「四阿という名前もなかなかいい。(中略)頂上がやや左に傾いだ屋根型をして、その右側に乳首のような丘が盛りあがっている。いい形である」(深田久弥著『日本百名山』)  午前5時、東京を出発。長野・菅平高原に向かう。ホテルが立ち並ぶ高原リゾートを過ぎると、菅平牧場にたどり着く。料金所があり、入山料は200円。後続の車両は料金所に気づかず、料金所のスタッフが慌てて声を張り上げて呼び止めようとした。だが、かけ声もむなしくあっという間に通過していった。  午前9時ごろ、駐車場がある

      • 【一切経山】「魔女の瞳」と円盤餃子

         吾妻山というのは福島・山形両県境にまたがる山域を指す。深田久弥はその著『日本百名山』で「一口に吾妻山と呼んでも、これほど茫漠としてつかみどろのない山もあるまい」「この厖大な山群には、渓谷あり、高原あり、湖沼あり、森林あり、しかも山麓をめぐってあちこちに温泉が湧いている。包含するところの景勝は甚だ豊富であるが、それを極めつくすのは容易ではない」と書いている。  この山域の中で最も標高の高い峰は西吾妻山で、百名山をめざす登山者としてはその頂を踏みたいところだが、今回は一切経山

        • 【男体山】登りずくめ

           「すべての湖はその傍にそびえ立つ山の姿で生きてくるが、中禅寺湖と男体山という取り合わせほど過不足なく、彼我助け合って秀麗雄大な景色を形作っている例も稀である」(深田久弥著『日本百名山』)  午前4時半ごろ東京の自宅を出発。2時間ほど車で高速道路を走ると日光に至る。「いろは坂」という曲がりくねった一方通行の山道を登り、トンネルを抜けると中禅寺湖があらわれる。  二荒山神社中宮祠の駐車場に車を停め、登山の準備をする。午前7時半ごろ登山開始。中宮祠の入り口で入山料1000円を

        【斜里岳】スリリングな沢登り

          【木曽駒ヶ岳】ウマくいかない雪山登山

           「同じ信州の木曽谷と伊那谷の間を仕切って、蜒々(えんえん)と連なった山脈、普通これを中央アルプスと呼んでいる。(中略)その中の最高峰が駒ヶ岳で、それと相対して東のかた伊那谷を距(へだ)てて真向いにある南アルプスの駒ヶ岳と区別するため、前者を木曽駒(西駒)、後者を甲斐駒(東駒)と呼び慣わしている」(深田久弥著『日本百名山』より)  木曽駒ヶ岳(2956メートル)に登るのはもう3回目になる。1回目は2022年8月にソロで、2回目は2023年7月に登山仲間と訪れた。夏の姿は十分

          【木曽駒ヶ岳】ウマくいかない雪山登山

          【那須岳】リベンジのご褒美

           「中枢部の茶臼、朝日、三本槍を、所謂那須岳と見なしていいだろう」。深田久弥は『日本百名山』でそう記した。那須岳の主峰・茶臼岳は「名の通り臼型のコニーデ」とも書いている。コニーデとは円錐型の火山である。火山だけあって湯本温泉など温泉も点在している。そんな那須岳に来るのは2度目。昨年2月にも挑戦したが正面から受ける風の強さに耐えられず撤退した。その時のリベンジである。  午前9時に大丸園地(大丸温泉)に車を停めて登山スタート。最初は雪に覆われた階段をのぼる。途中で傾斜の激しい

          【那須岳】リベンジのご褒美

          【曽我丘陵】花より登山

           神奈川県小田原市にある「曽我梅林」。別所梅林、原梅林、中河原梅林の総称で、約3万5000本の梅が開花するという。見頃の2月には毎年「小田原梅まつり」と称して梅を愛でる催しが開かれると聞き、寒気が和らいだ散策日和の2月10日、近くの曽我丘陵のハイキングを兼ねて現地に向かった。  午前9時半にJR下曽我駅に到着。駅近くの「梅の里センター」に立ち寄る。品評会に出品された梅干しが展示されていた。別所梅林に向かうと、屋台が多数立ち並び、活況を呈していた。見渡すばかり咲き乱れる白梅の

          【曽我丘陵】花より登山

          【谷川岳】雪ニモマケズ、風ニモマケズ

           群馬と新潟の県境にそびえる谷川岳はネコの耳のような山頂を持つ。いわゆる双耳峰で、北峰の「オキの耳」が標高1977メートル、南峰の「トマの耳」が標高1963メートルである。  「耳二つとはいみじくも付けられた名前で、上越線の上牧(かみもく)あたりから望むと、遠くに猫の耳を立てたようにキチンと二つの耳が並んでいる。その形が実にスッキリして清く鋭く、この山が昔から奥上州の名山とされたわけも納得される」。深田久弥は『日本百名山』の中でそう評した。  かつて遭難死や岩登りの転落死

          【谷川岳】雪ニモマケズ、風ニモマケズ

          【武尊山】雲海の絶景

           多くの人にとって「ほたか」という音の響きで連想する漢字は「穂高」だろう。だが群馬の山好きにとっては「武尊」となるらしい。群馬県みなかみ町や川場村にまたがる武尊山。「上州武尊」という異名があるあたり、北アルプスの穂高連峰に比べて知名度で劣ることを認めているような気もするが、れっきとした日本百名山の1つである。  2024年1月20日。早朝に東京を離れて群馬へ向かう。JR高崎駅で在来線に乗り換えるまでは順調だったが、下車する予定の渋川駅を乗り過ごしてしまい、次の敷島駅で下車す

          【武尊山】雲海の絶景

          【黒斑山】ガトーショコラは綿菓子の中に

           ガトーショコラと聞くと濃厚なチョコレートケーキを想像する人が多いだろう。だが最近の登山愛好家は百名山の1つである浅間山(2568メートル、群馬、長野県境)を想起するらしい。雪化粧した茶色の山肌が粉砂糖を振りかけたガトーショコラに似ているから、ということのようだ。  「わが国で火山の代表と言えば、浅間と阿蘇である」。『日本百名山』の著者深田久弥をしてそう言わしめた浅間山は近年も噴火しており、警戒レベルが引き上げられると立ち入り規制エリアが拡大される。2023年3月には気象庁

          【黒斑山】ガトーショコラは綿菓子の中に

          【雲辺寺山】五百羅漢のお出迎え

           雲辺寺山(927メートル)は香川と徳島の県境に伸びる阿讃山脈の西端にそびえる。行政区分で言えば、香川県観音寺市と徳島県三好市にまたがる山だ。山頂一帯に敷地を広げる雲辺寺は四国霊場のなかで最高峰にあり、「四国高野」、そして「遍路ころがし」とも呼ばれている。88カ所の中では66番目の札所にあたる。  2024年1月5日朝。雲辺寺ロープウェイの山麓駅駐車場に車を停める。午前8時半に登山開始。ロープウェイ山麓駅横の登山口から登る。天気は良好だが、登山道は日陰も多く、寒さが身にしみ

          【雲辺寺山】五百羅漢のお出迎え

          【虎丸山・御山】登り初めは「日本一の低山」?

           2024年の登り初めは香川県の虎丸山(417メートル)。県東端の東かがわ市にある山だ。東かがわ市はNHKの朝ドラ「ブギウギ」の主人公のモデルである笠置シヅ子の生誕地でもある。  1月3日朝、さぬき市寒川町のうどん屋で「ぶっかけうどん」を食べた後、虎丸山の登山口近くの駐車場へ。「新宮山薬師院弘海寺跡」と彫られた立派な石碑が立っている。  午前10時ごろ、登山スタート。道中、「新宮石風呂跡」という石碑を見つける。石風呂というのはいまで言うところのサウナだろうか。しばらく舗装

          【虎丸山・御山】登り初めは「日本一の低山」?

          【蓼科山】今季初の雪山へ

           「蓼科山は俗に北八ッと称せられる連嶺の一番北の端に、一きわ抜きんでている峰で、その余威は更に北に向って、次第に高さを落としながら広大な裾野となる」。深田久弥は著書『日本百名山』で蓼科山(2531メートル)を名山と書いている。八ヶ岳の最北端という位置づけだが、円錐形が特徴的な独立峰であり、「諏訪富士」の異名を持つ。晩秋の2023年11月25日。この「名山」に登ることにした。  午前7時すぎ、群馬県のJR高崎駅で登山仲間と合流。登山仲間の乗用車で長野・佐久市へ向かう。午前8時

          【蓼科山】今季初の雪山へ

          【陣馬山・景信山】山頂の茶屋グルメで肥ゆる秋

           「天高く馬肥ゆる秋」。食欲の秋がやってきた。肥ゆるのは馬だけではないようで・・・・・・。  2023年11月5日。この日の目的地は東京都八王子市と神奈川県相模原市の都県境に位置する陣馬山(855メートル)。午前9時ごろ相模原市のJR藤野駅に到着、身支度を整えて登山をスタートする。中央自動車道の下を通る沢井隧道を抜けて北に進む。  しばらく車道を歩くと「秘境 陣馬の湯 入口」と書かれた看板が目に入る。このあたりが陣馬山の登山口で、山頂までは複数のコースがある。今回は栃谷尾

          【陣馬山・景信山】山頂の茶屋グルメで肥ゆる秋

          【久松山・本陣山】「秀吉じいさん」との珍道中

           鳥取市のランドマークといえば久松山(きゅうしょうざん)である。この山に築かれた鳥取城は、天下統一をめざす織田信長が派遣した豊臣秀吉が兵糧攻めを行った舞台になったことでよく知られている。  戦国時代、鳥取城を守る吉川経家は秀吉に城を包囲される。補給路を断たれ、「鳥取城の渇(かつ)え殺し」と呼ばれる凄惨な苦境に陥った。食糧が底をついた城内では飢えに苦しむ兵士が草木や壁を食べたという。惨状はそれにとどまらない。「餓死し人の屍骸(ししむら)を切食(きりくい)あへり」。つまり、餓死

          【久松山・本陣山】「秀吉じいさん」との珍道中

          【那岐山】神の聖地?アイドルの聖地?

           「山路をのぼっている。山路とはいえ、低い丘陵が錯綜しており、水流の急からみて、前方に急峻な山壁がはばんでいることをおもわせる。山壁の大いなるものが、一二四〇メートルの那岐山(なぎせん)である。山壁は岡山県(作州)側において屏風のように急で、鳥取側(因幡)においてゆるやかである。私どもは屏風にむかっている」(『街道をゆく27 因幡・伯耆のみち、檮原街道』)  山陰を旅した司馬遼太郎は鳥取県の山あいにある智頭町を訪ねた。この文章は岡山側から智頭町に向かう道中の様子である。司馬

          【那岐山】神の聖地?アイドルの聖地?