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著者インタビュー『仕事の「しんどい」がスーっとほぐれる! 先生のためのがんばりすぎない技術』(千葉県公立小学校教諭 江越 喜代竹 先生)
新学期が始まって早いものですでに1ヶ月が経過しようとしています。
コロナの感染状況は、なかなか収束のめどが立たず、いまだ感染拡大地域によっては学校での活動に制限が出ています。
子どもたちも、そして先生たちもコロナ禍での学校の変化を柔軟に受け入れつつも、やはり心のどこかに負担や不安を感じていらっしゃるのではないでしょうか?
「理由はわからないけど、最近何となくいつも疲れている感じがする・・・」そんなふうにお考えの先生にぜひ、お読みいただきたい1冊をご紹介します。
2021年4月23日発刊『仕事の「しんどい」がスーっとほぐれる! 先生のためのがんばりすぎない技術』です。
今回は、著者の江越 喜代竹 先生へのインタビューをもとに本の内容を詳しくご紹介します。
▼ 『仕事の「しんどい」がスーっとほぐれる! 先生のためのがんばりすぎない技術』
(江越 喜代竹 著、定価=税込1,870円、四六判・140ページ、2021年4月刊)
▼ 目次
はじめに
Introduction 先生、がんばりすぎていませんか?
Chapter1 「先生」という役割を置いてクールダウンするワーク
Chapter2 生活の中に取り込める自分をラクにする方法
Chapter3 放課後の時間を30分増やす方法
Conclusions 「先生」という仕事でよりよい社会へ
おわりに――先生たちの笑顔が一番必要なもの
昨年の休校明け以降は「常に感染リスクと向き合う」というストレスが付いて回るように・・・
―昨年の今頃は、新型コロナウイルス感染対策の影響で、学校現場も大混乱だったかと思います。1度目の緊急事態宣言解除の後、学校は再開しましたが、学校の雰囲気はいかがでしたか?
(江越先生)休校が開けた直後は、分散登校期間ということもあってか、のんびりした雰囲気が漂っていましたね。今までであれば、一番忙しいはずの年度初めに思いのほか時間ができ、これまで手を付けられなかった教材室の片づけや掃除などにじっくり取り組めました。
―のんびりした雰囲気が漂っていたんですね?それはちょっと意外でした・・・本来忙しいはずの年度初めの時期を、予期せず生まれた時間を有効に使うことで、乗り切られたのですね。それはすばらしいですね!!
職員室の様子についてお伺いします。休校前とその後とで、職員室の雰囲気や周りの先生方の表情、精神状態などが以前と変わったな・・・といった変化はお感じになりましたか?
(江越先生)ちょうど異動初年度だったので以前とはあまり比べられませんが…職場環境がよくなった中で通常の勤務が再開し、心身にゆとりがあったように思います。
―そうでしたか。異動の初年度はたいへんとよく伺いますが、今回はゆっくり準備ができたので先生にとっては、心にゆとりを持ってスタートできた新学期だったのですね。
先生はもしかすると、本に書かれているように「ご自身の心に向き合う方法」をすでにご存じで、常に実践していらっしゃるので、心にゆとりを感じてお過ごしになることができたのかもしれないですね。
(江越先生)もちろん、通常登校に再会してからは、バタバタした感じが戻ってきましたが…。しかし同時に、「常に感染リスクと向き合う」というストレスがついて回っていました。
―そうですよね。子ども達も今までとは変わってしまった学校生活に戸惑いも多かったのではないでしょうか?そしてそのような中、ストレスをお感じになられた先生方も多くいらっしゃったのではないでしょうか?職員室の雰囲気などはいかがでしたか?
(江越先生)しんどさがありながらも、先生方は前を向いていこうとしておられて、僕自身もそういった先生方のエネルギーに元気をもらっていました。
―子ども達のために、常に前を向いてがんばっていらっしゃる先生方には本当に頭が下がります・・・。
自分自身の「光」と「影」を知ろう!
―さて、今回はそんな今までとは違った日常の中で、日々がんばっていらっしゃる先生方に向けて「がんばりすぎない」がテーマで本をお書きになられましたね。
内容を拝見いたしまして、「自分自身のよいところも悪いところも知る」ということがとても大切なのだと思いました。
本書の中には、自分自身を見つめ直して知るためのワークがいくつか出てきます。本書の中のワークは、具体的に「こんなことをイメージしてみてください……」と、ワークをやる時のアドバイスも一緒に書いてあるので、取り組みやすそうだなと感じました。
(江越先生)ありがとうございます。そうですね……先生方は、「子ども達のために」と献身的にがんばってしまう方が多いように思います。
「よいところ」ばかり見つめようとしてしまうと無理してしまうこともあるので、「光」と「影」を見つめることで、自分の現在地がより正確につかめるかな、と思っています。
―「光」と「影」ですね・・・。本書のワークを使って、「あ、自分ってこんなところがあるんだ・・」と自分の強い部分も弱い部分も、発見していただくとよいですね。
(江越先生)自分の現在地が知れるだけで、少し安心できる。今、少し辛くなっているなら「あ、少ししんどいかも」ということがわかるだけで少し軽く考えられるようになると思います。
―自分の様子を客観的に見ることができるようになると、「あ、今自分はしんどいのかも」と気が付くことができます。そうすると「ちょっと休もうかな・・」「ちょっと今は自分を甘やかしてもいいかな・・」と自分で自分をゆるすことができるようになるのではないでしょうか?
(江越先生)そうですね。気が付かないでがんばりすぎてしまうと、「しんどい自分」をなかなか認められなくなるので、そうなる前にぜひ取り組んでいただきたいですね。
―私も、「しんどいな・・」と思った時、まだまだ「がんばり」が足りない。もっとがんばらなくちゃ!と思い、逆にどんどん疲れていってしまったという経験があります。
今はまったく「しんどい」と思うことがないと思われる方も、本当につらくなって自分でどうにもならなくなってしまう前に、この本をぜひお読みいただいて、自分自身の中で、たくさんんの「気づき」を見つけていただけたらすごく素敵だなと思います。
モーニング・ページ その絶大なる効果!
―本書に出てくる、モーニング・ページについてお伺いします。江越先生は、毎日実践されていらっしゃるのでしょうか? そして、具体的にどのような効果を感じていらっしゃいますか?
(江越先生)モーニング・ページはほぼ毎日実践しています。どうしてもできない時は無理しません!寝坊してしまった時でも10分ぐらいは書くようにしていますね。
―無理をしない範囲で続けていくことが大切なんですね。
(江越先生)本書にも少し書かせていただきましたが、以前より穏やかな心持ちで過ごせることが多くなったように感じています。些細なことで怒らなくなったように思います。
―それはとても素敵な効果ですね。私も常々心穏やかに過ごしたいと思いながら、ついついちょっとしたことに腹を立てて、それを1日中忘れられないでもやもやしたりしています・・・。
(江越先生)また、モーニング・ページの中で書いていた夢がどんどん実現しています。ライブデビューしたり、この本(『がんばりすぎない技術』)が出せたり、オンライン講演の講師ができたり…と、自分の願いを明確にすることで実現したことも多くあるように思います。ー
―すごいですね。やはりココロとカラダは密接に関係しているのだと思います。
(江越先生)モーニング・ページに「こんな人と結婚したい」って書いていたら、実際に理想通りの人(今の妻)に出会えて、結婚できました! なんて効果もありました(笑)。
―本当ですか!おめでとうございます!!なんと!!今日一番の素敵なお話しですね。♥♥♥
どうぞ、お幸せに!!
江越先生の学校での様子についてお聞かせください
―さて、江越先生の学校でのお仕事のご様子について伺います。現在、江越先生は毎日、どのくらいの時間、学校でお仕事をされているのでしょうか?
(江越先生)この質問、誇れるような答えができないんですが…(笑)。今は、7:30ごろ出勤して18:00前後に帰る、というような日が多いですね。17:30までに帰れるのが理想ですが、なかなか(笑)。
数年前は20:00まで仕事するのが当たり前!みたいな時もあったので、ずいぶん早くなりましたけど。
―教員のみなさんは朝が早いですよね!民間の私たちからすると、「7:30ってまだ家で支度してる時間・・・」と思ってしまいます。でも以前よりは早く退勤できるようになられたということでよかったですね。先生方の働き方も少しずつ改善されていくとよいですね。
もうひとつお伺いします。先生ご自身が「ちょっとしんどいな……」と実感される瞬間や事柄はどんなことでしょうか?
(江越先生)しんどいことは、どうしても生徒指導上のトラブルが重なった時ですよね。いじめに近い案件など、重大な事態が起こるとなかなかしんどいことも多いです。
そういう時は周りの方々のありがたみが身に染みるのですが…いつまで経っても「これでいいのかな」という感じがして、なかなかスッキリしないことも多いです。
―こういった問題は、絶対的な正解ってないですし、指導の効果が目に見えてわからないこともあるので、本当に難しいと思います。でも多くの先生方がご経験される「しんどさ」なのかなと思います。
「しんどい」と感じた時には、気持ちを切り替えることができる、自分なりの方法をで持っていると、すごく助けになるのではないかと思います。ぜひ本書にあるいくつかの方法を知ってご活用いただきたいですね。
やりたいと思ったことはどんどんやってみよう!
―江越先生が本書でお書きになっていた――「人生のちょっと先輩」として「大人になるって楽しいんだぞ!」ということを、自分の姿や授業で伝えていきたい――というところに私自身も本当に共感しました。とても素敵だと思います。
そんな江越先生が教師のお仕事以外で一番楽しいと思って取り組んでいらっしゃることについてお聞かせいただけたらと思います。
(江越先生)一番楽しいことですか? 一番って難しいですね(笑)。やりたいと思ったことをやっているので…例えば、僕は長いことギターを弾いていますが、毎日練習して、時々仲間たちとライブ活動を行うこともあります。
―お写真を拝見すると、とても楽しそうにギターを弾いていらっしゃるので、こちらもとてもほっこりした気持ちになります・・・。ライブも素敵ですね。同じ場所で同じ音楽を共有するってすごく素敵なことだと思います。
(江越先生)また、地域の子ども食堂にお手伝いに行かせてもらうこともあります。色々な場所やコミュニティに顔を出しているので、様々なご縁がつながって、思わぬ出来事が起こることもありますね。自分が知らない世界がたくさんあってワクワクする日が多いです。
―いろいろな方たちとのふれあいが先生の元気の源なのですね。
(江越先生)とにかく、楽しそう!と思ったことはどんどんやってみる、ということはずっと大事にしていますよね。
―お仕事以外の活動もとても充実していらっしゃるのですね。素晴らしいです。
「楽しそう!」と思ったことはどんどんやってみる、というのはいいですね。
ポジティブなエネルギーに満ち溢れていると、興味のあることにどんどんチャレンジできますよね。
多くの先生方が、本書にあるような方法を参考にしながら、上手に気持ちを切り替えて、仕事でもプライベートでも心豊かで元気な毎日を送ってくださることを願っています。
本日はありがとうございました。
著者プロフィール
江越 喜代竹(えごし・きよたけ)
千葉県公立小学校教諭・ファシリテーター。
学生時代に参加したキャンプボランティア研修会で「アイスブレイク」と出会う。学生時代には500人の子どもたちを前にアイスブレイクを実施、心を掴むことに成功。
「体験をベースとした学び」を深めるべく、大学院では野外教育の研究と実践に取り組む。体験がもつ力の大きさを実感し、大学院修了後、会社勤務を経て2012年3月から小学校現場へ。
アイスブレイクを活用した授業実践を展開する中で、「学校がつまらない」と言っていた子どもたちが「今までで一番楽しかった!」と目を輝かせるようになる。
アイスブレイクのみならず、お互いを認め合う関係を土台とした授業を展開している。これまでに、のべ1000人以上にアイスブレイクを実施。
「アイスブレイク」の枠に留まらず、子どもたちの心に「熾」を残すべく日々実践を積み重ねている。
著書
▼ 『たった5分でクラスがひとつに! 学級アイスブレイク 』
(定価=税込1,760円、A5判・148ページ、2016年4月刊)
新刊!
▼ 『仕事の「しんどい」がスーっとほぐれる! 先生のためのがんばりすぎない技術』
(定価=税込1,870円、四六判・140ページ、2021年4月刊)