働き方のデザイン:freeeデザイナーの仕事と学びの両立
freeeでプロダクトデザイナーをしているgakutonです。
普段はfreee請求書という新しめのプロダクトのデザインをしたり、freee全体の知財戦略(特許などの方針策定・推進)を担当しています。
2023年の4月から社会人大学院に行き始めました。
仕事との両立で絶賛悩んでいる最中ですが、自分なりに学んだことや、稼働が減る中でアウトプットを出していくために得た気づきを書きたいと思います。
大学院で何学んでるの
知的財産の法科大学院に通っています。
元々大学時代は法学部に在籍していて、特許などの知的財産を学ぶ中で自分自身でものづくりをしたいと思い、縁あってfreeeに新卒入社しました。
それから数年プロダクト作りをする中で、「自分たちがつくった体験を強みとして守れないか」と考えた時に、再び知財の学び直しをしたいと思ったのがきっかけです。
SaaSあるあるだと思いますが、自分らがリリースした機能と同様のものが数ヶ月後に競合他社から出てくることがあると思います(逆もまた然り)。
それを悪いと一概には言いませんが、試行錯誤の末に世の中に出した機能が容易にマネされてしまうと、未知の課題に先行してチャレンジする意欲が薄くなってしまいます。
自社のコアな機能や体験を強みとして守る方法はないのか?と考えた時に、大学で学んだ知財をもう一度深く知りたいと思いました。
仕事との両立どう?
大学院は社会人向けにつくられたコースのため、講義は基本的に平日の19時以降と土曜にあります。
それに合わせて、仕事を18時に切り上げて大学に向かう生活を4ヶ月ほどしていましたが、これが結構大変です。
理由としては主に2つで、①仕事と勉強のスイッチング、②常に追われている感覚、があります。
①は読んで字の如く、デザインと知財(法律)の2つの頭をうまく切り替えるのは簡単ではありません。
仕事のキリが悪くても強制的に終わらせて大学に向かう必要があるため、つい気になって講義中もSlackを見てしまうことも多いです。
また、それぞれに締め切りがあったりするので、②の常に追われている感覚 がだんだん強くなってきます。
本当はもっと良いアウトプットを出したいのに、期限に追われて中途半端になってしまったり、期限を伸ばすことで自分が進捗のボトルネックになることがあります。
また、「大学院に通う前ならもっとできたはず」などと、以前の自分と比較してしまうこともあります。
序盤は気合いで何とかしたりもできるのですが、数ヶ月そういった生活を続けるのは簡単ではありません。
結果、自分の仕事のやり方自体を変える必要があると感じました。
どう変えたか
そのことをマネージャーに相談したところ、「自分の限られた時間の中で、一番インパクトが大きいところに全振りするのが良い(原文ママ)」とアドバイスをもらいました。
まずは「仕事を持ちすぎないこと」を第一に考え、有志で行っているプロジェクトは惜しいですが断ることにしました。
問題は自身のメイン業務としているプロジェクトです。単純に手放すことはできません。
そこで、自分が手を動かす範囲を少なくする代わりに、プロジェクト全体のゴールやロードマップの策定に努めることにしました。
リサーチのプロジェクトなら、他の人にインタビュースクリプト作成や実査の進行を任せ、僕はプロジェクト全体のゴールとズレがないか、次に取るべきアクションを先回りして考えるようにしました。
そうやって他の人と分担すると、想像よりスムーズに物事が進むことに気づきました。
なぜうまくいったのか?
振り返ると、これまでは自転車操業のようにプロジェクトを並行しながら、時間の限り手を動かすようなやり方をしていました。
ですがそういったプロジェクトでは、手を動かすフェーズは早く進んでも、プロジェクトのゴールとの整合性や今後の動き方を考えるフェーズで停滞してしまうこともあります。
そのため、周りとやることを分担しつつ、全体を俯瞰して先手を考える役割を担うことで、滞るポイントを少なくできたのだと思います。
幸い今は以前と比べて、気持ち的にも安定して仕事と学業を両立できています。よかった。
最後に
仕事とは別に学びの機会を持つことは、長い仕事人生で大事なことだと思います。その点に関して、チャレンジを応援してくれるデザインチームにはありがたいと感じています。
また学業以外のいろんな事情によって、仕事をそれまでよりセーブしないといけないこともあるでしょう。
自分の手を動かす量を減らすということは、周りに少しずつお願いをしていくことになります。
僕は周りの人の優しい声掛けもあってやり方を変えることができました。
周りに似た状況の人がいたら声をかけてみるといいかもしれません。