【北大&早稲田探検部員で知床調査】
私は北大探検部と合同で北海道知床を調査しに行った。
調査の目的は、知床という地で人と動物がどのように暮らし、社会を築いているか調べることだ。
知床は2005年に自然遺産に登録された地域で、ヒグマと人との距離が近い地域としても知られている。
また、「ケイマフリ」と呼ばれる絶滅危惧種に指定された鳥がアラスカから飛んでくる。
私たちはまず、知床半島がどのような地域であるのかを調べるために車を使い走り回っていると、T隊員から「がけ崩れ防止用ネットが多く見られる」という面白い気づきを教えてもらった。
知床半島のウトロ側はだいぶ観光地化が進んでおり「知床財団」という公益財団法人による施設がたくさん見受けられ、施設のレストランからはカレーの香りが漂いその横には熊に対する注意のポスターが多く張られていた。
カラフトマスを釣りあげろ?
私たちは熊の痕跡を探すため、カラフトマスの遡上がみられるペレケ川へと向かった。そこでは、「魚道」が作られ魚が上りやすいよう整備されており上流にはダムが作られていた。
周囲には電気柵が張られており、熊が山から降りてこないよう工夫がなされている。
海へ行くと釣り人がカラフトマスを釣りあげている。
あえなく釣り具をなくしたアンジー隊員、海に「人工物」を落としてしまったことにより、こうして人は意図せずして環境破壊を行っているのだと知る。
仕方なく、海から山の中へ車を走らせることにした。すると、コタケ隊員が静かに「熊がいた」とつぶやいた。惜しくも見逃してしまったが、確かに彼らは生息しているようだ。
ガイドさんと羅臼湖へ
事前に動植物に詳しいガイドさんを付けてほしいと頼んでいたため、元環境省で働いていたガイドさんとともに向かうこととなり、道中見つけた植物の名前を片っ端から答えていく。
知床では標高1100メートルで森林限界となるため、本州では標高2000メートルで見れるハイマツの群衆が知床では1000メートル付近で見ることができる。
ガイドさん曰く、遊歩道は人だけではなく動物も使う。彼らも体力を使わないように人間の道を利用しているのだ。
羅臼湖に行くまで1~5の沼を通らなくてはならない。近年、観光客が登山道を外れて作った道により沼への土砂流入量が増加し、急速に沼の水が干上がってきているらしい。世界遺産登録されたこともあってか人が増えたことにより環境が変わってしまうことはここ知床でも起こっているようだ。
北大探検部と早稲田探検部では何が違うか?
まず、北大探検部では個人の「やりたいこと」を重視しており、それを汲み取った上で審議が行われる。そのため活動を行う前に、個人発表会が行われどこの文献から何を調べたかが明確に書かれた資料を作り、それを発表する時間が数回とられ活動後にも報告会が行われる。
一方早稲田では、「探検」となる活動であるかについて審議に時間が多くとられてしまい、探検的意義がなければ部としての活動許可としておりない。しかし、活動許可が部からおりなくても個々の経験豊富な先輩がアドバイスをくれ安全管理体制に問題が無いか審議が行われる。活動後の報告は自由
著者 アンジー隊長
北大探検部 兼 早稲田探検部
関東探検部連盟役員
Twitter&YouTube「軽トラ女子大生」
軽トラで日本を旅して狩猟をして皮を鞣し地域の史跡を調べつくしている。