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【声明】ガザ地区における停戦に際して

ガザ地区において停戦合意が成立したことが報じられた。私たちが結成以来訴え続けてきた停戦が実現したことは非常に喜ばしいものだが、しかしパレスチナの人々が置かれている状況が停戦によってよい方向に向かうわけではない。まず、ここから急速に社会の関心が薄れていくであろうことは想像に難くない。パレスチナ問題の本質である占領が終わる見通しは立っていないにも関わらず、入植地の拡大は続き、UNRWAの活動が禁止され、破壊されつくした社会の復興には膨大な時間もかかる。また、今回の停戦合意がどこまで守られるかも不透明なままだ。レバノンにおいてイスラエル軍はすでに数百回の停戦合意違反を繰り返してきた。

 2023年10月7日の蜂起は、突発的に起きたのではない。2019年の帰還の大行進で、多くの死傷者を出しながらも難民の帰還権と封鎖の解除を求めたパレスチナの人々の声に私たちは応えることができなかった。国連が「ガザは2020年までに人が住めない場所になる」と警告しても、イスラエルの蛮行を世界は止めることができなかった。10月7日の武装蜂起は、パレスチナの人々の絶望の声として、そして我々と同世代の若者たちによる命を懸けた存在証明として発生したのである。

 私たちはこのことから学ばなければならない。私たちは決してパレスチナのことを忘れずに動き続けることを今こそ誓わなければならない。それは単に個人の「意識」においてそうするのではなく、パレスチナ問題のことを知って行動を始めるような学生がこの先出現し続けるような環境を大学のキャンパスにおいて実現するという私たちの使命において誓わなければならない。

 多くの学生が4年で卒業していく学生運動において、これはとりわけ困難な問題である。それでも、キャンパスにおいて、パレスチナや植民地主義について学ぶサークルや団体を恒常的なものとして設立しよう。キャンパスを行き交う人々にパレスチナで起こっていることを伝えることのできる立て看板や学生集会を禁止する表現規制を撤廃しよう。そして、それぞれの団体が相互に交流し、全国的なネットワークを形成できるようにしていこう。
 パレスチナへの連帯運動を「一時的な高揚」として終わらせず、粘り強く取り組むためにそれぞれの現場で学習と議論を重ねよう。

 さいごに、植民地主義を批判するにあたって、私たちは何よりもまず自らが関わる植民地主義に向き合わなければならない。沖縄における米軍基地の問題、アジアに対する侵略と植民地化の歴史を忘却しようとする歴史修正主義者、そして入管などに象徴される外国人差別ともパレスチナ問題を接続し、継続的に取り組み続けよう。

2025年1月16日
全国学生行動連絡会中央本部


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