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学問の大衆化推進会議:わたしたちの活動

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メンバーたちの活動や毎年恒例のシンポジウム内容のご紹介をします。 メンバーへのご質問はnoteサークル(https://note.com/gakumontaishuka/circ…
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#福沢諭吉

「経済政策共鳴者としての大隈と福澤」

当会メンバー小室さんによる講演の録画を視聴できます! 2022年1月「大隈重信没後100年記念式典」@早稲田大学 「経済政策共鳴者としての大隈と福澤」(副題) 以下のURLで、式典の録画が一年間(来年1月10日まで)視聴できます。 https://www.waseda.jp/culture/news/2022/01/11/15455/

持続化給付金と瘠我慢(やせがまん)

 石原伸晃事務所が雇用調整給付金を受け取っていたことが問題となっている。  この件に関連して、福沢諭吉協会という福沢諭吉に関心をもっている者の研究・親睦団体が、昨年、持続化給付金と家賃給付金補助をあえて貰わなかったことを紹介したい。  この団体もコロナ禍の中での自粛により収入が激減しており、持続化給付金と家賃給付金補助を貰える資格は十分にあった。しかし、この会では、苦しくとも何とか運営して行けるのであれば、敢えて政府からの補助は申請しないこととした。それは、自発的結社としての

福澤諭吉の会食論

明治前期における福沢諭吉の会食論  小室正紀 会食と文明 このところ、政治家の会食が問題となっている。コロナ禍の中で、国民に会食自粛を求めている時の催しであったことが、人々が批判した主な理由であったが、同時に、その際の贅沢な料理が大方の眉をひそめさせた。 このような、報道に接して、思い起こすのは会食についての福沢諭吉の考え方である。 福沢は、人々が会合すること自体は非常に重視していた。例えば、『学問のすゝめ』第十二編では、「談話」によって人と「智見を交易」することを、学

【福沢諭吉こぼれ話①】福澤諭吉ご母堂の葬儀と股引尻端折(ももひきしりっぱしょり)

小室正紀  二〇一三年、慶應義塾福澤研究センターの所員の方々と共に、『近代日本と福澤諭吉』という福澤諭吉研究の入門書を上梓した。その「はじめに」の中で読者に向けて、「本書の内容を十分に理解していただいた上で、さらに進んで、〈はたしてこれが福沢の思想なのだろうか〉と疑問を持ち、自ら福沢の著作を手にとって考えていただきたい」と書いた。  この「考えていただきたい」には、実は二つの意味をこめていた。一つは、福澤先生の著作を資料として分析し研究することに取りかかってもらいたいという

福沢諭吉がナショナリ ズムとインターナショナリズムにどのように取り組んでいたかを探り、現代のグローバリズムを考える

「明治の国際主義 一福沢諭吉の場合一(小室正紀)「21 世紀アジア学研究」2020年3月16日発行より 福沢諭吉のナショナリズム・ナショナリスト福沢勘吉 ・一身独立して一国独立 ・醒めたナショナリズム ・いっぷう変わった愛国主義 福沢諭吉のインターナショナリズム 1.金(資本)のインターナショナリズム ・不換紙幣消却問題 ・外債による不景気対策 ・外債による鉄道建設 ・外資に門戸を開くべき 2. 物のインターナショナリズム ・国を豊

多様性は寒川を救えるか?@さむかわの明日を創るフォーラム

志柿 俊朗(植物病理学。東京大学特任研究員) 現代の諸問題を解決するには真に新しいアイデアが必要です。しかし、そのアイデアは限られた人だけが発信しています。社会の構成員すべてから様々なアイデアを掘り起こせば、いままで考えもしなかった新しいアイデアが生まれるかもしれません。その材料は人々の中にある多様性です。 多様性は地球上の生物の進化の過程でも常に活用されてきました。現代人は自然から切り離された環境に慣れきってしまっていて忘れがちですが、本来人類の文化は生物的多様性と切り

危機意識の欠如

人生100年講座「生きがい」のある人生を送るには(橋本壽之)より 現代日本社会の課題の一つは、危機意識がないことである。 その原因として考えられることは、国民の多くが危機に直面しているという事実を知らない からではなく、 知識としては知っていてもそれを我がこととして認識することなく他人事と捉えているからではないか。では、どうしてこのようなことが起こるのだろうか?それは、国民の多くが社会を背負っていないからではないか。 社会を背負っていなければ、 たとえ知識として知っても、