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4人で進む「あの日見た夜空は、いつかの未来へ」イベスト感想+Leo/need振り返り【プロセカ】

各チャプターで1人づつ焦点を当てるワールドリンクイベントの第5弾でした。今回もイベストを踏まえつつ、メンバーのこれまでを振り返っていきます。

天馬咲希

 レオニのムービーメーカーで、いつもニコニコ天真爛漫全力青春女子高生。長い入院生活で空白となった中学時代を経て、人の何倍も日常の尊さを知る分、行事も部活も勉強もバイトも、そしてバンドも、人の何倍も高校生活を楽しんでいます。初期から言及されていた「やりたい100のことノート」を進級前に見事達成、すごい。「世界一のお兄ちゃん」である司の寵愛を受け、真っ直ぐ育ちました。(根っこで大切に想っているのは同じでも)基本雫に塩対応な志歩とは対照的な見るからに仲良し兄妹です。大きなリアクションの表情もよく似ています(兄のモノマネ結構好きです)。レオニのみんなとはもちろん基本的に人との距離感が近く垣根を作らず、"元トップアイドル"だった遥ともいち早く"クラスメイト"として仲良くなりました。
 最初はもう一度4人で一緒にいるために提案したバンドでした。しかし、音楽や観客と向き合う中で、曲作りは普段の行動や見た目から連想されやすい楽しげな音楽から、寂しさやつらさを感じている人に寄り添う音楽に大きく変わりました。過去の圧倒的な不安・つらさを糧にして、表現したい音楽、譲れないものが生まれていきました。だからこそ一歌とすれ違いが生じた「Parallel Harmonies」のような機会が、これからもあるかもしれません(書き下ろし曲『すれすれ』がいいんだこれが)。それでも、大切なものをどれも失わないために動ける今の咲希なら、仲間とともに乗り越えていけるでしょう。

望月穂波

 レオニの強き母。奏の母でもあり、もはやまふゆの母とすら言えます。
 文武両道で家事まで高スペック、誰にも優しい…しかし中学時代優柔不断さにつけ込まれて八方美人扱いされ孤立した過去を持ちます。このメインストーリー本当につらくて…。今回「中学時代のクラスメイト」が登場して私は不意を突かれた感覚でした。『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』とはよく言ったもので、罵った方は本当に悪びれてないというのを今回改めて感じました。そして心配する一歌から逃げてしまった後悔、一生消えない傷でもありますが、一生絆の尊さを忘れない糧でもあります。
 イベストごとに心の強さを得て、バナーイベストごとに過去最高に強い穂波を見せてくれます。見出した夢は「みんなの想いを叶えられる力になる」、自分が目指す音楽などなく3人みんなの理想を実現する。レオニの精神的支柱であるとともに音楽をまとめ上げるドラムとして、それぞれの音楽を持った3人に今後ますます重要となるリーダーです。過去も決して「優しさではない」ことはないのだけれど、動けず・選べず・伝えられければ誰も守れない。一つ一つ勇気を出して積み重ねた力強い優しさが、レオニ(とニーゴ)を支えていきます。
 独特な絵を描く"画伯"をネタで終わらせず、苦手意識を乗り越えて意欲的に表現するようになるストーリーにしてくれたプロセカありがとう(絵名の前では後輩なのがいい)。

日野森志歩

 ストイックで職人気質なベーシスト、不器用な元一匹狼。ライブハウスでのバイトはそつなくこなし、他バンドへのヘルプも問題なく入れるため社交性が低いわけではありません。中学時代に孤立したのは、実直な物言いと妥協しない姿勢がゆるくバンドをしたい人達と合わなかったのが主な要因であり、実はあまり一匹狼タイプではないように見えます。というか(自分は恥ずかしがり屋なんだけど)友達をからかうのは結構好きで、全然一匹狼じゃないです。「気楽にやりたい人間にとっては恐怖でしかないが、同じ目標を見ているのなら最高の人物」なんだと思います(私の好きなマンガ『灼熱カバディ』の表現を借りています)。
 今回、かつて志歩をバンドに引き抜こうとしたイオリさんが登場しましたが、志歩は唯一やろうと思えば「Leo/needでなくても今の夢を叶えられた」、一人で列車に乗れた者です。でも、志歩はレオニのみんなが大好きです。もしSTANDOUTで成功しても何か満たされないものをずっと抱えることになっただろうし、それはミオさんを見切ってしまった世界線のイオリさんも同じだろうと思います。いずれ一人で行くことを覚悟していた道に、「重荷なんかじゃない」それぞれの意志でみんながついてきてくれた、だから4人で進む。セカイでの「乗らないよ」がかっこよかったです。

星乃一歌

 まっすぐな想い、ここぞで踏み出す勇気とミクへの大きな愛を持った少女。普段はおとなしくてちょっとシャイ、クールな見た目に反しておろおろしがち、あまり自分に自信もなく、(ストーリー描写では)特別な技能も持っていません。しかし、いざという時の行動力が光っています。幼い頃ミクの曲でバンドをしたいと言って始める、中学は遠くに入院した咲希のお見舞いに定期的に行く、そして志歩と穂波に一歩踏み込んでLeo/needを結成する、一人路上ライブで修行する、歌の先生として寧々、DTMの先生として奏にお願いして教えてもらう(人との距離感が似ているこの2人との交流、雰囲気がとても好きです)、ファンに取り囲まれた遥を救出して船に乗せる…等々。自分のやりたいことにも、友達のためにも、大事なところで踏み出して道を切り開いてきました。
 ミクの歌をきっかけに色んな人と繋がり、繋がった人から色んなものを与え合いながら少しずつ成長してきました。一歌は与えられたものにとても自覚的で、はっきりと感謝を言葉にします。そして、自らもまた多くの人を繋いでいること、多くのものを与えていることに気づき、自らの目指す音楽を「誰かと誰かを繋げる」ものだと見出しました。(私がプロセカを始めたきっかけは『テオ』のレオニカバーを聞いて特に一歌の低音にかっこいいと思ったことだったので、私もまた繋いでもらった一人とも言えます。)
 「みんなで行けるところまで、行ってくるよ!」の表情、素敵です。

 一見きらびやかな女子高生バンドに見えて、実はメインストーリー=結成までの背景が重いLeo/need。中学の話をするとつらい思い出でみんな沈む、けれど想いで出来たセカイは教室が舞台、学校という場所の持つ意味みたいなのを考えさせられるなあと教育学部教員として勝手に思っています。
 セカイに新たに生まれたのは駅。今回は一周して戻ってきただけでしたが(あれだけ綺麗にストーリー締めておいてのアフターライブでのこのオチ好き)この先レオニがどこへ向かうのか楽しみです。

画像出典:『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』イベントストーリー「あの日見た夜空は、いつかの未来へ」2024年、
SEGA・Colorful Palette・Crypton Future Media
◆公式youtubeはこちら

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がくまるい@教育学部助教Vtuber
専門である教育学を中心に、学びを深く・分かりやすく広めることを目指しています。ゲーム・アニメなど媒体を限らず、広く学びを大切にしています。 サポートは文献購入等、活動の充実に使わせて頂きます。 Youtube: https://www.youtube.com/@gakunoba